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ISOマネジメントシステムが経営に役立っているか実感できない

JUGEMテーマ:ビジネス

 

経営者へのインタビューで、第三者機関の審査員が必ず確認するお決まりの質問のひとつに、

ISOマネジメントシステムが経営に役立っていますか?」

という質問があります。

 

ISOマネジメントシステムの導入を決断した自分(社長)を否定したくない」という意図なのか、「スタッフの理解力や仕事に対するモチベーション向上」、「仕事の質の向上」、「売り上げや認知度のアップ」、「製品品質の向上」といった成果が出ているからかわかりませんが、「役立っています」と答える経営者さんは数多くいます。

 

しかし、その一方、正直な経営者さんは、

「効果があると信じたいが実感がない」

「昔よりは激減したが、まだまだ、審査のために作成している記録が多い」

「現場レベルでは、やらされ感が強い」

といった声も、相当数よく聞きます。

 

前者の場合は、「ISOマネジメントシステムの導入と経営の成果に相関関係があるかどうか」は不明ですが、少なくとも「ISOを入れてよかった」と実感していただいているので、業界関係者のひとりとしては、うれしい限りです。

 

問題は、後者のケースである「導入効果が実感できていない」です。

話は少し変わりますが、ISOに限らず、「予防処置的な活動やシステム」は、

「問題が発生していないこと=導入効果」

かどうかがわかりません。

 

例えば、「健康食品」は、「摂取=風邪をひかない・病気になっていない」という図式が正しいのか、「たまたま」なのか、不明です。

ISOの場合もそれと同じような、性質があります。

 

また、「ISO導入=型にとらわれて審査のための書類づくりが増えた」という反省から、

「組織のありのままの姿を審査員が頭の中でISO規格との対応を評価し、追認する審査」

をするようになりました。

その結果、「ISOなんか導入しなくたって、もともとうちがやっていたことを審査してもらうだけだから、ISOの意味って何??」と感じられる経営者が余計に顕著になってきた気がします。

 

ただ、実際のところ、傍で組織の状況をみていると、ISOマネジメントシステム規格を「規範」として、仕事のやり方や考え方を整理することで、作業手順やシステム上の抜け漏れがなくなった事例が結構あります。

例えば、ISO9001140012015年版の「組織の状況(内部外部の課題)」「利害関係者のニーズ及び期待」、「リスクと機会」などは、もともと組織経営者なら発想や考えはあったとしても、規格を規範にして整理してみると、漏れ落ちる事項が減り、重要度分類ができ、最適な手段の計画・実行へとつながっている事例もよく目にします。

 

第三者機関(認証機関)の審査員は「御社はISOで仕事をしているわけではありませんから」と真実ではありますが、多少へりくだりすぎの発言を良くします。

しかし、「ISOの活用で社内システムがうまく機能していますね」と気づいてもらえる事例を審査を通じて、見出すことをしていかないとダメだと思います。

そうでないと、実際には、それなりの効果があったとしても、冒頭の「ISOの導入効果が実感できない」という経営者の見解に繋がってしまうと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ567号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:22
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日産、神鋼問題から考えるISO9001の認知度・信頼性向上の必要性

JUGEMテーマ:ビジネス

 

国際的な品質マネジメントシステム規格(ISO9001)の認証を取得している企業の「認証取消」に関する話題です。

 

まず、ひとつめは、2018年11月15日付のロイター通信が、報道した以下のニュースです。

(以下、引用)

 無資格者による完成検査が行われていた日産自動車の全6工場の国内向け生産体制に対し、組織における品質管理の仕組みが適正であることを認める「ISO規格」が10月末付で取り消されていたことが分かった。

(中略)

規格の対象は製品そのものだけでなく、組織の品質活動や環境活動を管理する仕組みにも及ぶ。日産が取り消されたのは組織の品質管理の仕組みに対する認証。

日本で審査を請け負う日本ガス機器検査協会が調査した結果、規格水準に達していないとして10月31日付で取り消した。

輸出分については海外規定違反が認められていないとして取り消していない。

 

取り消された6工場は日産の追浜工場と栃木工場、日産九州、日産車体の湘南工場、日産車体傘下のオートワークス京都、日産車体九州。

 

日産広報は「日本での生産、販売には影響はない」とした上で、認証取り消しは「誠に遺憾。すでに国内向け車両の生産を再開していることもあり、 早急な認証再取得に向けて取り組む」としている。

(引用ここまで)

 

 

ふたつめの同様のニュースは、神戸製鋼です。

2017年11月21日付の時事通信によると、

(以下、引用)

神戸製鋼所グループの7工場で、品質管理の国際規格である国際標準化機構(ISO9001)の認証が一時停止されたり、取り消されたりしたことが21日までに分かった。

製品データ不正を受けて、民間認証機関の日本検査キューエイと日本品質保証機構などが調査し、品質管理体制が要件を満たしていないと判断した。

神鋼の真岡製造所と大安製造所、長府製造所内にある2工場に加え、グループ企業の神鋼アルミ線材とコベルコ科研で一時停止。

コベルコマテリアル銅管秦野工場では認証が取り消され、最低でも1年は取得申請ができなくなった。

秦野工場では、継ぎ目無し管と外面被覆銅管に付与されていた日本工業規格(JIS)認証も取り消されている。

取引先が一定の品質を担保する条件としてISOやJISの認証を求めることがあり、一時停止や取り消しは生産・出荷に影響を及ぼす恐れがある。

(引用ここまで)

 

この2つのニュースは、言わずもがなですが、以前の私のコラムでも触れた「日産自動車系の完成検査の不正」と「神戸製鋼系の検査データの改ざん」について、担当したISO認証機関が「取消や一時停止」の決定をしたというニュースです。

 

ISO9001の国内大手製造メーカーの認証が一般的になってきたのは、1990年代以降ですから、すでに約25年程度経ちますが、当時は、「ISO9001の認証制度は「製品そのものの認証」ではなく「仕事の仕組みの認証」だから「不祥事=認証取消にならない」」という考えが圧倒でした。

つまり、ISO9001は、「仕事の仕組みの認証」ですから、変な言い方ですが、仮に、「製品不良多発」や「検査ミス多発」、「クレーム多発」の事態が起きていても、そのミスやクレームに対しての原因調査や再発防止策がしっかり実施されて、その後の仕事の仕組みが改善されてバージョンアップされる体制にあれば「認証の有効性は担保されている」という発想でした。

 

しかし、その後、このマネジメントシステム認証制度(ISO認証)が世の中に浸透していくにつれ、いくら「ISOは仕組みの認証」とはいっても「不祥事の発生=仕事の仕組みが有効に機能していないこと」ではないか、という世間の声が多くなりました。

また、「ヒューマンエラー」は「この規格の運用によってマネジメントできる」が「悪意のある不正はこの規格のマネジメントの対象ではない」といった議論もあり、現在も「喧々諤々の議論」がされています。

 

ただ、感覚的には、「ISO認証なんてペーパー上の認証で、経営実態を反映した審査となっていない」、「認証費用さえきちんと支払っていれば滅多に取り消されない」というような風評も多くなり、最近では「事故や不祥事発生=その社内的影響の程度により一時停止や取消」という認証機関の決定が増えた気がします。

 

客観的に考えて、確かにISO9001は「製品品質を中心とした広義の経営品質の仕組み」を保証しているのですから「あれだけ長い期間、無資格検査員やデータ改ざんをしていた」ということは、「仕事の仕組みがあっても有効に機能していない」ということは明白ですから、取消や一時停止という判断は当然で、仮に、そのように判断しなかったら、認証機関を認定する認定機関(JAB)にも世間の注目は集まることになるでしょう。

 

上記記事で気になるのは、

◆日産自動車の広報が「日本での生産・販売に影響がない」と述べている点

◆認証機関の審査方法の改善内容

です。

 

前者は、「ISO9001がなくても販売に影響がない=ISO9001の世間の認知度は低い」と広報担当者は見ていることになるのですが、社会が「ISO9001を取り消されるような会社の体制は信用ならない」と認識するようにならなければ、まだまだ「このISO認証制度は社内制度として機能していないな」と思います。

 

また、後者については、従来なら「審査はサンプリングですから、必ずしも結果に問題ないということを保証しているわけではありません。我々は仕組みの審査をしているのです」という認証機関的言い訳が成立しました。

しかし両社とも「長期間にわたって、しかも、広範囲で不正が実施されていた」のですから、認証機関が「審査はサンプリングです」といったところで「何年も、しかも多くの工場でまったく不正のかけらも気づかなかったのであれば、この審査の有効性ってあるんですか?」となってしまいます。

つまり「不祥事がニュースになる前に認証機関が不正を見つけた事例」が、たまにはなければ、「この認証制度は性善説過ぎて悪意のある不正を見つけるという観点では意味がほとんどない」ものになってしまいます。

 

ISOマネジメントシステム認証制度の将来を考えた場合、

・エンドユーザー、一般消費者に対する認知度と信頼性向上

・認証審査で不正を見つけられるような審査方法への改善

という観点で、認証機関、認定機関は研究を重ねていく必要があるといえるのでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ569号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:31
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マネジメントシステム監査は「不正」を高精度で検出可能な制度なのか

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2017119日の日本テレビのニュースによると、

「神戸製鋼のデータ改ざん問題で、不正の背景に取引先企業から実現不可能とみられる注文まで受けていた疑いが浮上した」

と報じていました。

 

ニュースによれば、

◆神戸製鋼では製品の強度など細かいデータが書かれた「仕様書」と呼ばれる図面に基づき製品を製造している

◆その際、そもそもデータが測定できないなど実現不可能とみられる注文を受けていた

◆実現不可能な注文を受けていた理由は、仕様書を軽視して問題のない製品さえ出していればいいという考えが一部にあった

◆改ざんがアルミ事業で横行した理由について、アルミ事業は社内で成長事業に位置づけられていた

◆そのため、ルールより利益をあげることが優先されていた

そうです。

 

マネジメントシステム監査に私は関係しているので、これが長年、内部監査や第三者監査で見つからなかったことを残念に思います。

当たり前ですが、マネジメントシステム規格では、要求事項を確認し、能力があるか否かも、受注段階でしっかり確認することが求められています。

しかし、そのプロセスのルールが無視されていたにもかかわらず、それを監査の中で検出してこなかったわけですから、内部監査はもちろん、担当した第三者機関は、半分冗談ですが「切腹もの」です。

いくらサンプリング監査とは言え、何年も見過ごされてきたことが、きちんと検証されなければ、「第三者認証の信頼性」は地に落ちたことになりかねません。

 

技術が確立し、社会が成熟した国や地域における監査は「性善説」で実施し、技術力が低く、モラルも低い国や地域では「性悪説」での審査が大事、という声もよく聞きます。

これは、前者の場合、監査を通じて「気づきを得ること」が組織のマネジメントレベルをさらに向上させることであり、後者の場合は、監査を通じて不正を見つけることが重要、との発想だと私は理解しています。

 

しかし、仮に、マネジメントシステム監査そのものが「問題検出能力が極めて低い性質の制度」であるとしたら、「性悪説に基づき監査を実施しても問題はなかなか見つからない」という話になります。

また、「技術が確立し、モラルが高い」と言われていたはずの日本が、このような「インチキ商売」を多くの会社がしているようであるなら「気づきを促す性善説の監査」自体が、間違った監査の思想であった、ことになってしまいます。

 

ISOマネジメントシステムの社会における役割という観点で捉えた場合、この制度に関わる認証機関や認定機関はもちろん、学術的見地からも、検証し、より高いレベルに制度を引き上げるための考察・研究が望まれると思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ567号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:24
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ISO認証制度で気になる点(認証機関の申請レビューについて)

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「認証機関の申請レビュー」について。

 

品質や環境、食品安全、情報セキュリティなど数々のマネジメントシステムの認証がありますが、ISO認証制度の場合、組織の登録有効期限は「3年間」となっています。

国の登録制度だと、「有効期間」が2年や4年、5年といったものもありますし、また、それらの登録制度では、顕在化した法令違反や大きな製品事故や企業不祥事でも発生しない限り「一度登録されたら問題が発生しなければ、有効期間内はスルーパス」という制度も結構あります。

 

ISO認証制度の場合は、原則的には、1年ごとに定期審査とかサーベイランス審査、維持審査などと呼ばれる審査があり、3年ごとに更新審査や再認証審査と呼ばれる審査があります。

つまり、常に登録の信頼性が確保されている状態にあるか、認証機関が定めた審査プログラムを基本にしてチェックを組織は受け続け、それによって組織を取り巻く市場や顧客、エンドユーザーをはじめとした利害関係者に対して認証登録の有効性が担保される仕組みなのです。

 

認証制度の仕組み上は、このようになっているので、マネジメントシステムに変更があれば組織は、認証機関に変更を届け出ますし、選任された審査チームも審査の中で、組織の状況に変化がないかあるかを確認し、審査報告書などで、それを言及することになります。

 

ただ、組織側も認証されてから10年以上経つと、事務局が代替わりします。

また、選任される審査員も厳しい業界環境の中、効率的に仕事を処理することが求められています。

したがって、組織側に変更があっても、変更を認証機関に連絡していないケースや審査チームがその組織の例えば、製品、サービス毎の売上や売上比率、顧客層の変化、基盤の製品、サービス提供技術を応用した派生製品やサービスの開発といった事態を見逃すケースも中にはあります。

1年単位」で捉えれば「その変化は大きくない」としても「登録時の状況と8〜9年後」という視点で捉えると「客観的には大きく違っている」ケースは意外とあります。

 

認証機関のシステム上は、

・登録組織からのシステム変更連絡

・登録組織の定期・更新審査の現地審査チームからの状況報告

・登録組織のウェブサイトやニュース情報での動向チェック

といった方法で登録組織の変化点を監視することになっています。

しかし、現実には、「組織からも審査チームからも変更がありました」と情報が入らなければ、「右から左に仕事をこなしている(スルーしている)」状況なので、組織のリアルな状況と登録されている内容が異なっていても気づかないケースが多々あるわけです。

認証機関的には「申請レビューはルール通りやっています」という話ではもちろんあるのですが、営業段階、審査計画段階、審査プロセス、評価判定プロセス、内部監査を含めてトータルでチェックシステムを効かせるようにしなければ、「ISO認証制度の信頼性精度」の市場からの信頼は落ちてしまうでしょう。

 

自分も経験があるのでわかりますが、認証機関の登録組織の数が「500社未満」程度であれば、それぞれの担当者の力量でカバーできますが、登録組織の数が何千社と増え、業務もどんどんセクション化されていくと、どうしても業務はルーチン化していくので、こうした変化を見逃すケースはあり得るでしょうね。

 

ISO認証登録されている組織は、すべてではないですが、ウェブサイトでも確認することができます。

https://www.jab.or.jp/iso/

したがって、私たち一般消費者も、たまには自分が製品を利用したり、ご近所の組織の登録状況を見て「あれ?」という点をチェックしていくことも必要なのかもしれないですね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ538号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 11:43
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内部外部の課題、利害関係者のニーズ・期待、リスクと機会の決定

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「内部外部の課題、利害関係者のニーズ・期待、リスクと機会の決定」について。

 

品質マネジメントシステム規格である「ISO9001:2015年版」の大きなポイントの一つに「内部外部の課題、利害関係者のニーズ・期待、リスクと機会の決定」があります。

この決定に関わる主な要求事項は、「4.1組織及びその状況の理解」、「4.2利害関係者のニーズ及び期待」、「6.1リスク及び機会への取組み」と「4.3品質マネジメントシステムの適用範囲」になるでしょう。

 

言わずもがなですが、企業や団体など「組織」には、理念や目的、使命といったものがあります。

一般的には、社是、経営理念、経営方針という形で明文化され、それらを念頭に、経営計画書や事業計画書として中長期目標や年度目標が設定され、具体的な取組みとして実施展開されていきます。

 

したがって、「内部外部の課題、利害関係者のニーズ・期待、リスクと機会の決定」については、この組織目的を達成するためのプロセスに、うまく考慮させて仕組みを構築すればいいわけです。

つまり、もうちょっと具体的に説明すると、

 

◆課題(解決しなければならない問題)

→内部課題:

人、設備、資金、情報、業務環境などに関する課題

(例:製品品質、生産効率、コスト、人材、安全、資金調達など)

→外部課題:

 国内、国外、業界、顧客、競合他社、関連法規制等に関する課題

(例:市場環境、為替、法規制・条例、など)

 

◆利害関係者

→利害関係者の特定とその利害関係者の要求(ニーズ、期待)

(例:顧客、供給者、従業員、行政、株主、近隣住民など)

 

◆リスクと機会(目標に対する不確かさな影響:好ましくない影響、好ましい影響)

 

課題と利害関係者のニーズ及び期待を理解したうえで、

・QMSが意図した成果を達成できること

・製品・サービスの適合性及び顧客満足を一貫して達成できること

・望ましくない影響を未然に防止させるか、減少させること

・改善を達成すること

に関係するリスクと機会を検討し、取り組むべきリスクと機会を決定して、目標設定・展開していけばいいでしょう。

 

このような考え方で、実際にこれらを抽出してみると、営業面に関する課題が多くなりがちでしょうし、目標設定・展開すべき項目もたくさん出てきて、どうしよう?という状態になると思いますので、ざっくりした言い方ですが

「喫緊の課題、かつ、重要なもの」

をいくつかに絞り込み、優先順位をつけて取り組むことにすればいいと思います。

 

さて、「内部外部の課題、利害関係者のニーズ・期待、リスクと機会の決定」について、大事なのは、「会社経営全体」でまずは捉えることです。

例えば、品質マネジメントシステムの適用範囲や認証範囲が、現状は「主力製品」に限っていた場合でも、主力製品以外の製品やサービスがあれば、それらも含めて、「内部外部の課題、利害関係者のニーズ・期待」を探り、取り組むべきリスクと機会の決定をするべきです。

現在主力製品ではなくても、今後成長を期待する製品や利害関係者のニーズ、期待が極めて大きくシビアな製品は、「組織及び状況の理解」をすることで「マネジメントシステムの対象にすべきか否か」が決まってくるのです。

要は、「4.3適用範囲」は、こうしたプロセスを経て、決定されるのです。

 

しかし、組織も、組織審査を担当する認証機関の審査員も「スタートラインが現在の適用範囲」からで「会社の事業全体(今後計画されている事業計画を含む)からスタート」することが少ないのが現状です。

したがって、「内部外部の課題、利害関係者のニーズ・期待、リスクと機会の決定」をしていく上での出発点は「あくまでも組織の経営そのもの」からという認識を持つことが重要でしょう。

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:14
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ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の適用範囲

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組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の適用範囲」について。

 

食品安全マネジメントシステム規格のひとつに「ISO220002005年版」があります。

この規格は『食品安全』のための『マネジメントシステム』です。

つまり、農場など原料の生産段階から食品工場など加工現場、食品包装メーカー、食品機械メーカー、輸送会社、調理施設など「食品に関するすべての過程関連する産業」において、食品危害を防ぐための仕組み作りの規範となる規格です。

要は、この規格を活用することで、

「消費者に安全な食品を提供することを目的とした食品安全マネジメントシステムの確立」

ができるわけです。

 

品質マネジメントシステム規格のISO9001や環境マネジメントシステム規格のISO14001同様に、ISO22000も認証規格ですから、食品安全システムを確立し、PDCAサイクルをまわしている運用実績ができれば、認証機関に申請して「認証取得」することができます。

認証取得の狙い(メリット)は、一般的には、

◆食品の安全な提供に関するリスクの低減

◆組織体制の強化や業務効率の改善

◆仕事の見える化による業務の透明性とノウハウの伝承の円滑化

◆継続的な改善による企業価値の向上

◆コンプライアンスの推進

◆取引要件の達成

などが考えられます。

 

ちなみに、ISO9001でも、ISO22000でも、マネジメントシステムの適用範囲を限定するのは、組織に管理上の責任が無ければ、理論上は可能です。

ただ、個人的には、法人格や資本的なつながりが深い、消費者サイドからみて「同じような組織」の場合は、消費者に安全な製品を提供し、信頼を得るためのマネジメントシステムであるという理由から、対象とする製品に関するすべての活動に関連する組織は、適用範囲から除くべきではないと思います。

 

私の経験上、認証された組織から除外されている機能部門として、

・原材料の購買部門(本社やグループ会社が一括購入している)

・製品回収を含めた外部コミュニケーション実施部門(本社が最終判断している)

・食品安全に関わる製品設計部門(本社やグループ会社の研究部門が実施している)

というようなケースがあります。

 

食品会社の場合、製造拠点が各地にあり、認証される適用組織を「拠点単位」にしているケースが多いので、「拠点組織を組織」としてみれば、本社やグループ会社は「外部組織」となるので、「適用範囲内の組織にはその業務の責任を有さない」ということになりますが、消費者目線で見ると変な感じがします。

 

また、近年では、全国各地の製造拠点を効率的に稼働させるために、A工場(A拠点組織)で生産される製品は、マネジメントシステム上は別組織であるB工場(B拠点組織)の原料(最終製品からみれば仕掛品)になるようなケースもあります。

つまり、最終製品となって拠点組織から生産・出荷されないケースが多々あり、かつ、製品仕様は適用組織に含まれない本社研究開発部門が担い、原料は集中購買で適用組織に含まれないグループ会社がに担当し、製品回収が発生すれば、問い合わせ窓口(お客様相談室)やマスコミ対応は、本社機構が担当するケースがあるのです。

 

こうなると、最近のISO9001認証のように、ISO22000(やFSSC22000)も、「実質的なマネジメントシステムに関わる各地の拠点全体でシステムを構築し認証されるべき」と思いますが、FSSC22000の場合は、認証単位がサイト毎である要求があり、「サイト内組織だけでは、マネジメントシステムは遂行できるはずなのになぁ」と感じることがしばしばです。

 

・・・そんなことにも気にしながら、少々一般人からすれば、マニアックですが、食品安全マネジメントシステム認証がどんな部門を対象に認証されているのか、消費者目線で眺めてみるのも面白いかもしれません。

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 15:33
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マネジメントシステム監査の有効性と認定・認証機関の企業不祥事対応

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日産自動車の無資格者による完成検査の実施や神戸製鋼所の検査データの改ざんといった「日本の製造業は大丈夫なのか?」というような報道が、ここ最近、相次いでいます。

 

日本人は、勤勉で、まじめで、誠実といわれ、その民族的な特性があるからこそ、ものづくりにしても、サービスの提供にしても、仕事の質が高く、きめ細かく仕事が管理され、「ジャパン品質」がユーザーや消費者から信頼されてきたことは、間違いなく言うまでもありません。

 

製品やサービスの不良や不具合が発生しても、きわめて真摯にそれと向き合い原因を追究し、再発防止をありとあらゆる仕事の中で繰り返してきたことで、組織のノウハウが蓄積され、業務の質が格段に向上してきたわけです。

けれども、最近の企業不祥事は、日本人の特長である「まじめで誠実」という部分を揺るがしています。

 

要は「嘘がある仕事」を平然と、しかも、長期間にわたって、組織ぐるみでやってきているのです。

日産自動車にしろ、神戸製鋼にしろ、まだ、問題の真の原因究明段階なので、何とも言えませんが、報道されている経営トップの会見や現場の声からの印象は「ひどいことをしてしまった」という感覚やそれに対する謝罪の意識は、薄い感じがします。

 

さて、仕事柄、私がこれらの不祥事で関心があったのは、

ISOマネジメントシステム監査(内部監査や第三者における認証審査)はきちんと実施されていたのか

◆第三者認証機関や認定機関の対応

です。

 

前者においては、第三者審査であれば、少なくとも年1回の監査が実施され、結果として「審査報告書」が作成されます。

審査報告書には、「マネジメントシステムの適合性及び有効性に関する記述」を必ず含めることになっており、通常は、

◆顧客要求事項及び法的及びその他の要求事項を満たすために必要なマネジメントシステムは有効に機能していた

◆内部監査及びマネジメントレビューのプロセスは有効に機能していた

といった文言が、審査報告書には結論として記載されています。

 

しかし、今回の不祥事では、顧客要求事項はもちろん、法規制違反もしていたと思われる状態ですから、「マネジメントシステムが有効に機能していた」とはとても認められませんし、「経営者によるチェックや内部チェック機能も果たしていない」わけですから「内部監査及びマネジメントレビュープロセスも有効に機能していなかった」ことになります。

 

今後、第三者審査を担当した認証機関は、これらに関して「審査の信頼性」や「審査の精度向上」という観点より「なぜ、審査の中で、気づけなかったのか?」についての検証が行われていくはずです。

私が懸念しているのは「第三者審査の中ではこれらの不正は見つけることがそもそも不可能だった」という結論を第三者認証機関が出すことです。

仮に、そのような結論を出すとしたら「ISOマネジメント審査の社会に対する価値を一部否定すること」になると思います。

 

確かに、認証機関は「国家権力に基づく捜査機関」ではありませんので、審査の中で確認できることの限界はあります。

また、審査対象の組織全体が一丸となって「事実を隠そう」とすれば、審査の中で見抜くことは無理でしょう。

ただ、例えば、無資格検査員の件に関しては、業務の現場で、インタビューをすれば、検査者と印鑑の名前が違うことに気づいたかもしれません。

 

それと、内部監査やマネジメントレビューのあり方も、組織は再考するべきでしょう。

報道では、不正が行われていた期間は長期化しているわけで、内部監査で不正に気づけなかったということは、内部統制が機能していないことになります。内部監査員の質、監査方法などについて、しっかり改善してもらいたいです。

 

後者の「第三者認証機関や認定機関の対応」も気になります。

感覚的な話で恐縮ですが、聞くところによると、このようなISOマネジメントシステム認証を受けている企業の不祥事が発生しても、以前より、認証機関や認定機関への「問い合わせ」や「苦情」は少ないそうです。

このことは、

◇社会がISOマネジメントシステム監査制度を知らない

◇社会がISOマネジメントシステム監査の信頼性を期待していない

という状況かもしれません。

 

私は仕事柄、こうした企業不祥事(不正や過失的なミス)が発生すると当該企業のウェブサイトをまずチェックします。

そして、認定機関のウェブサイトで「適合組織情報」を検索し、ISOマネジメントシステム認証を受けている企業であったなら、担当した認証機関のウェブサイトとその認証機関を認定している認定機関のウェブサイトを見に行きます。

たいていは、不祥事を起こした企業のウェブサイトでは、記載内容は不十分であったとしても、不祥事の発生の事実はもちろん、経緯や問題の調査結果、原因、謝罪、賠償といったことが公表されているのでわかります。

しかし、認証機関や認定機関のウェブサイトには、まず、これらに関する情報は、現状どんな状況(調査確認中)なのかを含めて何も出てこないです。

 

ちなみに、会計監査の世界では、会計監査法人が監査を実施しますが、粉飾決算など企業の不正会計が発覚しても、担当監査法人は、そのことについて、私の知る限り、ウェブサイトで公表をしていない気がします。

 

消費者目線で捉えた場合、第三者機関は、組織不祥事発生後に、監査の妥当性やそれらに対する見解、調査状況といったことをできるだけタイムリーに公表する仕組みにしなければ、「社会の中で不必要なもの」として価値を失っていくのではないかと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ563号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 16:12
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組織の知識

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「組織の知識」について。

 

品質マネジメントシステム規格である「ISO90012015年版」の変更点のひとつに「組織の知識」があります。

私の認識では、この要求事項の背景には、

『組織の固有技術の継承に問題があり、それが原因で重要な技術的な知識が不足した結果、問題が発生しているケースが少なくない。そのため、組織の固有技術を明確にして「組織の知識」としてマネジメントシステムの中で確実に管理する必要性がある』

ということではないかと思います。

 

では、「組織の知識」とは、どのようなものを指すのか、を考えてみたいと思います。

規格では、

◆プロセスの運用と製品・サービスの適合のために必要な知識

◆組織固有のもので経験から得られるもの

という記述があります。

 

ここから考えてみると、

◆組織の固有の技術的知識

◆経験則で身に付いた仕事をする上での「コツ」

◆成功や失敗事例から得られたノウハウ

などが考えられます。

 

一般的に「管理が簡単」なのは、「文書化した知識」です。

しかし、現実的には、「文書化していない暗黙の知識」が組織内の業務には、数多く存在しているのではないでしょうか。

いわゆる「暗黙知」を管理することは、厄介です。

なぜならば、

・文書や言葉で表現しずらい

・経験則で身に付き、担当者間では常識となっており「管理すべき知識」との認識が薄い

・「ノウハウ」を「見える化すること」は、自分の地位やポジションを脅かすことになる

からです。

 

いずれにせよ「このようなものが組織として継承し管理するべき知識である」とまずは明確にすることが必要です。

また、「組織の知識」のうち「暗黙知」は、「規定や手順書」といった「文字に起こす必要」は、必ずしもありません。

写真や動画として記録し、教育ツールとすることも一つの管理方法でしょう。

 

「成果が見えやすい営業マン」を例に挙げるとわかりやすいですが、競争力の源泉となっている「ノウハウ」は、優れた営業マンであればあるほど「開示しにくい」でしょう。

特に、成果給や歩合制度で給与が決まってくる場合は、余計に「組織の知識を洗い出し、見える化して管理すること」は難しいでしょう。

この点について、具体的な解決策は、この場では提示しにくいですが、経営者や管理者は、この点を理解して、「組織の知識の継承や管理方法」を考える必要があるでしょう。

 

さて、内部監査や第三者監査など「監査の視点」で「組織の知識」を考えた場合、「組織により現状洗い出された知識とその管理方法を確認する」だけでは、もったいないと思います。

・自分たちは認識が薄かったが、よく考えれば競争力の源泉となっている知識、知恵

・「組織の知識」についてその管理方法が有効に機能しているかどうか

といった点にも言及して監査するべきでしょう。

 

ちなみに、「監査」において、少し具体的を話すと「コンサルティングになるのでは」と警戒される方が多いですが、「規格の意図を解説する延長線上で出た具体例の提示」は、一般的には「監査を通じてコンサルしている」とは言わないでしょう。

 

聞き手側が「このようにしないとダメだ」と「無理矢理強制された」と感じるか、否かがポイントだと思います。

「状況の確認」→「規格の意図の説明」→「相手方の気づき」というパターンに持っていくのが肝要でしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ557号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:31
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日産自動車に続き神戸製鋼お前もか。。。

JUGEMテーマ:ビジネス

 

「株式会社 神戸製鋼所」で発覚したアルミ・銅製品の「データ改ざん問題」ですが、マスメディアの報道によると、納入先は、自動車や航空機、防衛関連など約200社になるという。

 

神戸製鋼の会見で発表された社内調査結果によると、

20169月からのアルミ・銅製品の1年分を調査したところ製品の約4%でデータが改ざん

・改ざんされたデータは、強度、寸法、伸び率など

10年ほど前の製品にも一部に虚偽データが見つかった

というから、相当長い期間、データ改ざんが行われていたことになる。

 

私の仕事の専門の「マネジメントシステム」の観点でいえば、マネジメントシステムの第三者審査において、認証機関は審査報告書に「内部監査は有効に機能していた」とおそらく、毎回報告書に判を押したような文言を記載していると思いますが、実際は「全く内部監査は有効に機能していなかった」ということになります。

 

これも、毎度の話ですが、神戸製鋼は、品質マネジメントシステムと環境マネジメントシステムの認証をJABの認定を最初に受けた大手認証機関と世界各国に拠点を持つ外資系大手認証機関から認証を受けています。

また、納入先が約200社に及ぶということから、ISOマネジメントシステム認証を受けている納入先企業も製品への影響をチェックして、その調査経緯や結果をマネジメントシステム認証機関は、確認しマネジメントシステムへの影響を評価する必要があるでしょう。

 

数年前に、旭化成建材の杭打ちデータの改ざん問題が発覚し、この時も旭化成建材を使用した会社や施工物件は相当数に上り、各認証機関は、通常の審査に加えて、その調査と評価に負われたと思いますが、今回は、それ以上の影響が出ることは必至でしょう。

認証機関を認定している認定機関と神戸製鋼などを監査した認証機関は、この手の「不祥事が発生した場合」の公表システムが現状、一般ユーザーや消費者目線と比較すると鈍いです。

(認定機関や認証機関のウェブサイトを見てもまったく触れられていません)

認定機関や認証機関の情報公開についても引き続き注目したいです。

 

また、製品への影響ですが、素人考えですが、おそらく、「食品・飲料の賞味期限、消費期限と同様」で、神戸製鋼に発注している企業は、「技術的、科学的に余裕がある強度や伸び率等を要求」しているでしょうから、改ざんの程度にもよりますが、感覚的には「強度など事実上の製品への影響は問題ない」ということになるでしょう。

 

ただ、「変なものの見方」ですが、「部品1点や2点のみ」のデータ改ざんなら影響はないかもしれませんが、アッセンブリーする自動車や航空機の場合、ある製品全体の部品すべての材料が神戸製鋼製のアルミや銅であるとするならば、「本当に製品に影響はないといえるかどうか」は微妙です。

また、神戸製鋼製の材料によって部品を製造している部品メーカーがさらにデータ改ざんしていたならば、「製品自体の影響は結構ある」ように(あくまでも感覚論ですが)感じます。

 

神戸製鋼は、記者会見で、「調査委員会を設置して結果を公表する」としていますが、「利害関係があるお友達や業界関連の学者など」を委員会メンバーにはしてほしくないと思う。

今後公表されるであろう、調査委員会の報告に注視したいと思います。

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:30
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日産自動車の無資格者完成検査実施問題を考える

JUGEMテーマ:ビジネス

 

「日産自動車の無資格者が完成検査を実施していた問題」ですが、調査が進むにつれて、「問題が常態化」されていたことがわかってきましたね。

 

当初のマスコミ報道からは、単なる「完成検査についての国交省と日産自動車での解釈の違い」と思われ、

「日産自動車内の無自覚の過失」

「完成検査自体には実質的な問題がない」

と思っていました。

 

しかし、問題発覚後のマスメディアのその後の報道からは「法令違反であることを現場は認識していた悪質なもの」のようです。

報道では、

◆資格取得訓練中の従業員や研修を受けていない短期契約の従業員も検査を行っていた

◆国内6つ全ての工場での完成検査を、無資格の従業員が日常的に行っていた

◆検査に携わっていない資格のある社員の印鑑が複数用意されていて、複数の検査項目に同じ検査員の印鑑が使われていた

というから明らかに「完成検査に関する認識の違い」や「完成検査の単純ミス(過失)」というレベルの問題ではない。

 

日産自動車は、201610月に、「燃費試験の不正問題」が発覚した三菱自動車に資本参加し、株式の34%を保有する筆頭株主となった。

この「燃費試験不正問題」では、連日、マスメディアは新聞以外にもテレビでバンバン報道され、三菱自動車の株価は大幅下落し、消費者からの信頼が低下した。

 

しかし、今回の日産自動車の「完成検査の無資格者実施問題」の方が安全性に関わる問題で「重大な問題」と個人的には考えますが、「衆院解散総選挙関連報道」に時間が割かれているためなのか、テレビメディアでは殆ど報道されていないのが、なんだか不思議です。

 

以前にも関連コラムで書きましたが、個人的には、

◆なぜ無資格者が完成検査を実施することが常態化したのか

◆組織自身が実施するマネジメントシステムに関する内部監査においてなぜ問題が発覚しなかったのか

◆第三者機関(ISO認証機関)の審査でなぜ問題が見つけられなかったのか?

について、関係機関(日産自動車、第三者機関のJIA-QAセンター、JABなど)は、徹底して、原因を究明して再発防止を徹底し、世間にきちんと公表して説明責任を果たしてほしいと思う。

 

それにしても、報道では、日産自動車の完成検査に関する資格が無資格の検査員の中には、「自分は検査できるものと思っていた」という認識だから、仮に「日産自動車が無資格者による完成検査が実施され出荷(登録)されていても実質的な影響は少ない」と主張するのであれば、「無資格者と有資格者の完成検査技量にどの程度の技量の差があるのか」を検証して、きちんと示す必要がある。

 

詳細は省きますが、この手の問題の「実質的な影響の有無」について検証するのは、「とりあえず」レベルであれば、「有資格者と無資格者の技量の差異」を調べるという方法があります。

しかし、本質的な「影響の有無」の検証は、難しいというより不可能に近いと思います。

 

なぜなら、無資格者であっても、その後、検査をやり続けていれば、「現在は力量がある」かもしれないので、「検査していた当時の力量とその力量に基づく完成検査の有効性」は厳密には検証できません。

 

また、無資格者の中には「期間工」もいたそうです。

期間工は、すでに退職している人が大半でしょうから、こちらも「完成検査当時の力量」は、書面上は「どのような検査員訓練を受けたのか」のデータはあるとしても、検査当時の実質的な力量はわかりません。

 

したがって、「無資格検査員による完成検査の実質的な影響の程度」は検証することが難しいといえると思います。

つまり、「影響度合いはよくわからないから、出荷待ち(未登録)と次回車検前の車全部を再検査しちゃいましょう」という措置しかやりようがないでしょう。

 

話は全然変わりますが、「無資格教員が担当していた高校の授業を卒業前の春休みに再履修指せて卒業させた」というニュースが数年前にありました。

個人的にこの件については、「無資格教員と言っても何年もその科目を担当していた訳で、新任の有資格者の先生より実質的な指導能力はありそうな気もする」し(つまり、単位授与のために必要な時間数、再履修させる必要はないのではないか)、仮に実力がないとしたら「もっと以前に卒業していった生徒の授業はやり直さなくていいといえるのかな」といろいろ思いを巡らせました。

結果的に、高校の判断としては、「影響度合いを検証することは難しいから、目先の問題(問題発覚当該年度の生徒)はすべてやり直すことにして、過去については、不問にしましょう」というのが、落としどころだったわけです。

 

この「無資格教員が実施した授業」の件と今回の「日産の無資格検査員が実施した完成検査」の件は、性質としては似ている問題で「問題の影響度合いの測定」が非常に難しい問題です。

日産自動車や第三者機関がこの問題について「どのような調査結果」を発表するか注視したいと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ562号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:55
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