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旭川市内の鉄工所で発生した水蒸気爆発

JUGEMテーマ:ビジネス

 

2017425日の朝に、北海道旭川市の檜山鉄工所で水蒸気爆発が発生し、工場長を含む作業員6人が死傷したという。

 

メディアの報道によると、

(日テレ24の報道を編集)

◆消防によると、午前8時半ごろ、工場の鉄を溶かす炉が爆発した

◆従業員16人が病院に運ばれ、56歳の工場長の男性が全身にやけどを負い死亡、5人がけがをして治療を受けている

◆警察によると爆発当時、従業員が炉に火種を入れる作業をしていたが、溶けた鉄に冷却水がふれて水蒸気爆発した

◆消防は、工場内部の状況を確認するなどして事故の原因を調べている

という。

 

ちなみに、「水蒸気爆発」とは、

「水が非常に温度の高い物質と接触することにより気化されて発生する爆発現象のこと」

(ウィキペディアより)

をいいます。

 

水が熱せられ、水蒸気になるときは、体積が約1700倍になるといわれており、今回の爆発事故は、多量の水が、瞬時に熱せられて、水の体積が急激に増大し、爆発となったのであろう。

 

報道では、事故発生当時は、炉で溶かした鉄が詰まり、流れ出ていかないトラブルが発生していたという。

したがって、作業を中止しようと、従業員が炉の底のフタを開けて中の鉄を取り出そうとした際に、地面にたまっていた冷却水と触れ爆発が発生したらしいです。

事故原因の更なる究明と再発防止策に注目したいです。

 

なお、檜山鉄工所は、大正125月創業で旭川市内では最も古い鉄工所と言われています。

http://www.hiyamaiw.co.jp/com/index.htm

200293日には、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得している。

http://ba.intertek-jpn.com/company/

工場長が亡くなっていることもあり、事故としても大きいことから、認証機関(インターテックサーティフィケーション)もおそらく事故に関する情報収集をして、品質マネジメントシステムの実施・維持に影響がないが調査することになるのではないかと思う。

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 10:52
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企業における環境意識向上のカギ

JUGEMテーマ:ビジネス

 

気候変動対策に関する2020年以降の新たな国際枠組みを規定したパリ協定が201512月に採択されたことは、世の中の多くの人が情報として知っていますが、だからと言って、なかなか、個人レベルや企業レベルでは、「だからといって私たちは具体的に何をすればいいの」というのが現状ではないかと思います。

 

日本の方向性としては、月並みですが、

◆温暖化対策の実効性を高める仕組みづくり

◆長期エネルギー需給見通しの実現に具体的な道筋をつけること

◆環境技術を生かした国際的な貢献強化

といったことになるのでしょう。

 

けれども、「温暖化対策の実効性を高める仕組みづくり」は、なかなか難しいでしょうね。

個人レベルで考えれば、省エネ意識やリサイクル意識は、高度経済成長期時代よりは格段に上がっていると思います。

家電量販店に行けば、消費者は「エコ機能が高い機器」を積極的に選んでいますし、車を買うにもエコカーへの関心は高いですし、スーパーに行けば「エコバック利用者」が多く目立ちますし、家庭ごみの分別についても積極的です。

ただ、これらは「自らのオサイフに直接的に優しいから取り組んでいること」ではないかとも言えます。

 

やはり、電気代が10円でも前月より下がれば嬉しいし、大昔と違って家庭ごみを捨てるのにもプリペイド袋を購入するなど自治体にお金を払って廃棄する時代ですから、家庭ごみを分別して、資源ごみは「無料」で排出したくなる気持ちは当然です。

 

しかし、自分のオサイフに直接響かなければ、「環境負荷を下げる」ということを意識した「省エネ省資源」は、私を含めて積極的な行動を取っているとは言えないでしょう。

例えば、今の時代は「ネット通販全盛」です。

その結果、そのせいもあり、宅配業者は取扱量が増え、疲弊しているようです。

また、利用者が不在の場合も多く、再配達の平均回数が以前より増大しているそうです。

30年ぐらい前なら、「留守宅の場合は、宅配業者がご近所さんに荷物を預ける」というのは当たり前の時代でしたが、今の時代はありえません。

管理人のいるマンションでも、「コンシェルジュ」のような人を置いているマンションでない限り、管理人が宅配物を代わりに受け取ってくれることはないです。

 

宅配ボックスの普及をしない限り、消費者は、どんどん利便性の高いサービスを求めますし、事業者も消費者のニーズに応えたサービスをどんどん開発しますから、「温暖化対策の実効性を高める仕組みづくり」を真剣に実行するならば、国は、「個人はもちろん企業の皆さん、頑張ってください」では、到底、温室効果ガス排出量の抑制など、無理でしょう。

 

話は少し変わりますが、仕事でいろいろな会社に訪問すると、「電力小売の完全自由化」が20164月に始まってから、電気代の契約を見直した企業がそこそこたくさんあるなぁ、という感覚があります。

私自身は、昔ながらの電力会社との契約を変えていないので実感がないですが、1年経過したところで契約を変更した会社に聞くと、事務所中心の事業者でも年間で数万円レベルですが、コストダウンしているそうです。

 

また、「新電力」の会社には、特色があるところもあって、太陽光や風力など「再生可能エネルギー主体で電力供給」している会社と契約すれば、間接的ではありますが、結果的には、「二酸化炭素の排出量削減」に貢献していることになります。

 

ただ、「大甘(おおあま)な評価」かもしれませんが、「目に見える」あるいは「誰でも思いつく」レベルの「省エネ省資源」は、現代社会はこれだけ厳しい経済環境下ですから、多くの企業ですでに「実行済み」で、「環境負荷削減に対して、他に何をすればいいの?」状態です。

だから、企業が取り組む「環境経営」では、ありきたりですが「ムリムダ」「ミスロス」といった「業務効率向上に資する仕事内容の改善」をすることが「実質的な一番の環境対策」と思います。

「環境」というと、「自然」のイメージが強く、せいぜい「災害対策」ぐらいのイメージで「会社の仕事と環境はあまり結びつかない」というのが、多くの会社で職員の方に聞き取りをした感想です。

しかし、「業務効率を改善するための仕事のやり方の見直し」や「業務効率を改善するための労務環境の改善」ということと「結果としての環境負荷削減」を結び付けて認識させれば、「環境への取り組みは日常業務とも直結している身近なこと」と意識が変わります。

 

単に「ちまちました省エネ省資源」ばかりではなく、「環境意識を高めるアプローチを見直す」ことも「環境意識向上」には重要なのではないかと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ536号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 13:36
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ISO認証制度で気になる点(ISO9001の登録範囲の表現について)

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「ISO9001の登録範囲の表現について」について。

 

品質マネジメントシステム(ISO9001)の登録範囲は、一般的には、

「〇〇製品の設計、製造」

「〇〇サービスの企画及び提供」

というように「組織が提供する製品(またはサービス)」を明確にする必要があります。

 

規格自体が、「製品を提供する顧客や利害関係者へ信頼性保証」なので、「顧客関連

プロセス」「設計・開発プロセス」「購買プロセス」「製造(またはサービス提供)プロセス」「知識、力量、認識関連プロセス」など対象製品(またはサービス)の各プロセスがどのような仕組みで担保されているのかが要求事項となっているからです。

 

だから、登録範囲の製品(またはサービス)が複数ある場合、例えば、「ビルメンテナンス事業」、「介護サービス事業」、「飲食事業」を対象とする場合は、

・ビルメンテナンスサービスの企画及び提供

・介護サービスの企画及び提供

・飲食サービスの企画及び提供

というような表現になり、審査は、「それぞれのサービス毎に、各要求事項を満たした仕組みが構築、運用されているかどうか」を確認することになります。

 

したがって、いわゆる「品質マニュアル」を構築するときは、対象とする製品(またはサービス)共通のルール以外は、「各サービス毎、場合分けして仕組みを規定しておく必要」があるでしょう。

余談ですが、「ビルメン事業は顧客仕様の元でサービスを提供する責任しかないから設計・開発は適用不可能」だが、「介護と飲食はサービス内容の企画(設計・開発)もしている」というような場合、品質マニュアルでは、「ビルメン事業における設計・開発は適用不可能」とまず、記述されていません。

審査員が、「ビルメンについてはなぜ適用不可能なんですか?」と質問し、組織にその理由を説明させ、確認している場合はいいのですが、「たいていの審査員」は、「品質マニュアルを見て、すべての要求事項が規定されている(ように一見すると見える)からOK」として、「製品(またはサービス)によっては、実は適用させていない要求事項」があることを見抜けていません。

 

個人的見解ですが、規格では、

“適用範囲では、対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し、組織が自らの品質マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについて、その正当性を示さなければならない”

と規定されているのですから、「対象製品(またはサービス)毎に適用が不可能である要求事項があるか否かをはっきりと品質マニュアルやその他の文書で明確にすべき」ですが、「要求事項が製品毎にチェリーピッキングされていても全体としては品質マニュアル等に全要求事項が記載されているので適用不可能はこの組織にはない」と考える審査員もいて、認証制度の信頼性向上のためには、まずいよなぁ、と感じています。

 

私は仕事柄、認証登録組織の登録範囲を眺めるのが好きです。

ある認証機関の登録組織リスト(ISO9001)を見ていたら、

(注:機関と組織が特定できてしまうので、若干脚色します)

「飲料に関する以下の業務」

 ・商品開発及び品質設計

 ・製造及び製造委託管理

 ・輸入品の管理

 ・需給及び物流管理

 ・お客様対応サービス

 ・販促品の品質管理

と登録範囲がなっていました。

 

これも、個人的見解ですが、上記の表現は、おかしいと思います。

理由は「顧客に提供する製品(またがサービス)が特定されていない」からです。

おそらく、この飲料メーカーでは、上記に記載した「業務活動」を実施しているのでしょう。

しかし、組織が「製品(またはサービス)を特定する」ことをしなければ、規格要求事項への適合性が確認できません。

 

例えば、病院で「売店」、「食堂」、「駐車場」があったします。

もともとは、「入院患者(やその家族)のための施設であり、医療サービスに付帯する業務だった」とします。

その場合の製品(またはサービス)の表現は、

「医療サービスの企画、提供」

でしょう。

 

しかし、「売店」「食堂」「駐車場」を「入院患者(やその家族)だけでなく、一般利用もできるサービス」として捉えれば、その病院が提供する製品(またはサービス)の表現は、

「医療サービスの企画、提供」

「売店の運営管理」

「飲食サービスの企画、提供」

「駐車場の運営管理」

となるでしょう。

 

「業務」としてやっていることは一緒でも、「製品(またたはサービス)」として捉えるか「単なる製品(またはサービス)に付帯する業務」として捉えるかどうかで、適用される要求事項も全く違ってくるわけです。

 

2015年版審査は「事業とマネジメントシステムの統合」や「プロセスアプローチ」に基づくものとなっています。

しっかり業務実態と適用規格を頭の中で照らし合わせながら確認している審査員もいますが、現状を見ていると、なかには、「単に業務プロセスを頭からお尻まで見た」だけで、適用規格との照らし合わせは不十分な事例が多い気がします。

 

2015年版審査は「事業として実施していることがマネジメントシステムとして位置づけられ、要求事項を満たした運用がされているかどうか」という視点でも、しっかり確認してほしいものだと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ535号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:50
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アスクルの倉庫火災が拡大した原因と倉庫設計&火災報知器メーカーの環境側面

JUGEMテーマ:ビジネス

 

社会経済的ニーズとバランスを取りながら、環境を保護し、環境状態に対応するための組織の

仕事の仕組みに関する枠組みに、国際規格の環境マネジメントシステム規格(ISO14001)がある。

 

この環境マネジメントっステム規格の現行版であるISO140012015年版では、環境に影響を与える原因となる「環境側面」について、次のように規定している。

 

(以下、ISO14001:2015JIS Q 14001)より引用)

組織は、環境マネジメントシステムの定められた適用範囲の中で,ライフサイクルの視点を考慮し、組織の活動、製品及びサービスについて、組織が管理できる環境側面及び組織が影響を及ぼすことができる環境側面、並びにそれらに伴う環境影響を決定しなければならない。

環境側面を決定するとき、組織は、次の事項を考慮に入れなければならない。

a) 変更。これには、計画した又は新規の開発、並びに新規の又は変更された活動、製品及びサービスを含む。

b) 非通常の状況及び合理的に予見できる緊急事態

組織は、設定した基準を用いて、著しい環境影響を与える又は与える可能性のある側面(すなわち、著しい環境側面)を決定しなければならない。

組織は、必要に応じて、組織の種々の階層及び機能において、著しい環境側面を伝達しなければならない。

(引用ここまで)

 

上記引用部分で、今回、取り上げたいのは、環境側面を決定する際に、

「非通常の状況及び合理的に予見できる緊急事態」

を考慮する点でです。

 

例えば、ある製造工場でモノを生産する際に設備を稼働させるとします。

その時、「非通常の状況」とは、組織の定義の仕方にもよりますが、一般的には、「月次点検、年次点検」といった場合や「設備の増設や改修」といった場合、「生産トラブルによる稼働停止と修理」というようなケースを指します。

 

また、「緊急事態」は、「設備の異常運転故障」にともなう「漏電や油漏れ、規制値を超える煤煙や汚水の発生、火災」や「地震、水害などによる近隣住民への影響」などが挙げられるでしょう。

 

現行版は「リスクベース思考」ですから、決め打ち的に、「当社における管理すべき非通常時と緊急時の環境側面はこれとこれです」と環境側面を恣意的に決定するのではなく、「非通常時、あるいは、緊急事態の環境側面とは何か?を洗い出して、その上で、組織が規定した基準でふるいにかけて、管理するべき環境側面(=著しい環境側面)を決定しましょう」ということなのです。

 

余談ですが、正確な統計データではありませんが、感覚的には、2015年版以前から、「非通常時の環境側面と環境影響評価」は、ISO14001によるマネジメントシステム構築をしている組織の多くは、環境側面を洗い出しする際に概ね考慮していました。

しかし、緊急事態は、緊急事態の結果系から決め打ちして、例えば「油漏れと火災の発生が緊急事態でそれに対する対応手順はこれです」というような組織がほとんどで、「油漏れと火災だけで本当に大丈夫なのか?」の議論や仮に「結果として油漏れと火災が緊急事態」だったとしても「油漏れや火災の原因となる業務活動(環境側面)は何なのか?」の議論は、ほとんどされていないケースが多かったように思います。

 

また、規格では「合理的に予見できる緊急事態を想定し、その想定に対する対応手順を規定し、定期的に対応手順をテストして妥当性を確認しなさい」と規定しています。

しかし、これについても、多くの組織は「対応手順で規定されている手順の訓練は実施していても、手順自体が想定した緊急事態の発生による影響を最小限に食い止めるべき手順として妥当なのか否かの検証」は、されていないケースが多かったと思います。

 

20172月に発生したアスクルの倉庫火災ですが、最近の報道では、

2階と3階にあった防火シャッターのうち60%余りが、正常に閉まっていなかった

◆シャッターの配線が焼けたり、ショートしたりしたことなどが原因とみられる

◆国は今後、配線の防火対策を検討することにした

◆各防火シャッターに信号を送る配線は1系統しかなかった

◆近くの火災報知設備が作動する前に、配線が焼けたり、ショートしたりして多くの防火シャッターに信号が届かず、一部のシャッターしか作動しなかった可能性がある

といったことが、現場検証結果からわかってきたそうです。

 

技術的な詳細はわかりませんが、要は、

「防火シャッターに信号を送る配線は1系統しかなく、配線がダメになると必要な火災報知設備が作動しない」

ということだったようです。

つまり、大規模倉庫の場合は、「火災報知設備のシステムや配線部分の耐熱性構造」といった設備的な改善をしなければ、火災という緊急時に本来の防火機能が半減するということなのです。

 

この「火災報知設備システム」に関することは、「アスクル」という「火災報知設備を使用するユーザーサイド」では検証することが難しく、改善すべきは「火災報知器メーカー」でしょう。

ただ、結果論ですが、アスクルでも、定期的な火災訓練の中で、単純に「防火シャッターが稼働するかどうかの検証」だけでなく、巨大倉庫施設であることから「防火シャッターが稼働しなかった場合の対応策」も考慮すべきだったのかもしれません。

 

話を戻しますが、個人的には「アスクルの倉庫火災」は予見できても「防火シャッターに信号を送る配線がショートして信号が届かずシャッターが閉まらなくて火災が増幅する事態」という想定は、アスクル火災が発生するまでは「合理的に予見できなかった」と考えてよいと思います。

 

逆に、厳しいようですが、「合理的に予見すべき」は、「倉庫を設計した企業」と「火災報知器メーカー」ではないかと思います。

彼らにとって、巨大倉庫におけるこうした事態は、合理的に予見できたはずで、環境マネジメントシステム的には「組織が環境を及ぼすことができる環境側面」と考えることができます。

 

ISO認証機関で、アスクルの審査を担当した機関が審査の妥当性を検証することはもちろんですが、「巨大倉庫の設計や報知器メーカー」の審査を担当する機関(やその審査チーム)は、こうした点(例:配線の防火対策)もきちんと考慮しているかを審査の中で確認していくべきだし、審査員への指示や教育も認証機関のマネジメントシステムとして組み込んでいくべきことなのだと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ537号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:45
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ISO認証制度で気になる点(適用可能性のチェリーピッキングについて)

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組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「適用可能性のチェリーピッキング」について。

 

「チェリーピッキング」とは、一般的には、

「数多くの事例の中から自らの論証に有利な事例のみを並べ立てることで、命題を論証しようとする論理上の詭弁術」

と言われています。

 

たぶん、その名の由来は、

「たくさんあるサクランボの中から、おいしそうなサクランボばかりをつまみ食いすること」

になぞらえているのでしょう。

要は、「都合のよいことだけを取り上げること」を意味します。

 

組織が、国際規格である「ISOマネジメントシステム」にそったマネジメントシステムを構築する場合もこのチェリーピッキングがあります。

ISOマネジメントシステムにおけるチェリーピッキングは、大雑把に「2種類」あると思います。

2種類とは、1つが「適用範囲のチェリーピッキング」です。

わかりやすい事例は、環境マネジメントシステムの場合ですが、環境負荷の高い工場や業務を除外して、総務や経理業務、商品企画や商品提案、設計・開発行為がない営業業務など環境負荷が低い事務所や業務のみを対象にして、環境マネジメントシステムを構築し、第三者認証や自己宣言をして、あたかも「組織全体で環境活動を推進している」ような印象を外部に与えることです。

 

ISO14001(環境マネジメントシステム規格)の2015年版では、適用範囲を正当なロジックをもって定めることが要求されているので、一般的には適用範囲が「事務部門のみ」といった認証は認証機関が申請を受理しませんので、第三者認証の場合は、ほとんど見られなくなると思いますが、自己宣言している組織の中には「やりやすい範囲のみ適用」というチェリーピッキング事例がまだまだみられるかもしれません。

 

2つめのチェリーピッキングは「適用可能性のチェリーピッキング」です。

こちらは、どういうことかといえば、ISOマネジメントシステム規格は、共通の箇条立て(章構成)からできています。

具体的な箇条タイトルは、

「序文、1. 適用範囲、2. 引用規格、3. 用語及び定義、4. 組織の状況、5. リーダーシップ、6. 計画、7. 支援、8. 運用、9. パフォーマンスの評価、10. 改善」

です。

詳細は、省きますが、さらに各箇条が詳細な項番で構成されており、例えば、品質マネジメントシステム規格でいえば、箇条8の「運用」だと、

 

8.1 運用の計画及び管理 

8.2 製品及びサービスに関する要求事項 

8.3 製品及びサービスの設計・開発 

8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理 

8.5 製造及びサービス提供 

8.6 製品及びサービスのリリース 

8.7 不適合なアウトプットの管理 

 

という要求事項があります。

(※実際は、さらに3桁項番(例:8.2.1顧客とのコミュニケーション)まであります)

 

さて、「適用可能性」についてですが、ISO9001の場合「4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定」では、

(中略)

「対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し,組織が自らの品質マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについて,その正当性を示さなければならない。」

(以下略)

という要求があります。

 

つまり、例えば、「製品及びサービスの設計・開発に関するプロセスは、顧客側にあり自社には業務プロセスはもちろん責任もない」というような組織の場合は、それを文書化し、正当性を示す必要があるわけです。

 

ただ、組織が適用する「製品及びサービス」の種類が複数になる場合は、この「適用可能性」が「隠蔽される可能性」が出てくるので注意が必要です。

例えば、ある組織が提供する製品及びサービスが、

1)金属部品の設計、製造

2)金属部品の仕入、販売

3)携帯電話の販売

だったとします。
当該組織の品質マニュアルには「適用範囲への適用が不可能が要求事項はない」と記述されていたとします。
品質マニュアルを一見すると、確かに、要求事項全般について記述されています。

しかし、よく詳細を調べると、上記製品群の1)については、全要求事項が適用されているが、2)、3)については、例えば、「8.3製品及びサービスの設計・開発」や「8.5.5 引渡し後の活動」や「8.6 製品及びサービスのリリース」などが規定されていない、というようなケースがあります。

このような場合は、2)や3)の製品について、『組織』は「8.3や8.5.5、8.6」が「適用可能だけれども記述が漏れている」のか「適用不可能」なのかについて文書化し説明する責任がありますし、『認証機関の審査員』は、「認証審査でしっかりと確認しなければなりません。

 

現実問題として、組織がマネジメントシステムを適用する製品及びサービスが複数ある場合は、認証機関の審査員は、各製品及びサービスの要求事項が「適用可能か不可能か」を確認しきれていないケースが多々あります。

また、組織も、コンサルタントの指導の下にマネジメントシステムを構築することが多く、こうした認識が希薄です。

 

組織はもちろん、認証機関の審査員やコンサルタントは、組織が適用するマネジメントシステムの対象製品及びサービスが何か、そして、それらは要求事項に対してすべて適用しているのか、否かをきちんと理解できる能力を持つことが組織の直接の顧客やエンドユーザーに対する認証制度の信頼感にもつながる重要なことだといえるでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ533号より)

 

 

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ISO認証制度で気になる点(製品及びサービスの設計・開発の適用可能性について)

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組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「製品及びサービスの設計・開発の適用可能性」について。

 

《製品及びサービスの設計・開発の適用可能性について》

本件について、JAB(公益財団法人日本適合性認定協会)では、2015 年7 月14 日及び23 日に実施されたISO 9001 改訂セミナー(FDIS 9001に基づく)での説明、質疑応答をもとに、講師の監修をいただき、JAB が作成したQ&Aをウェブで発表しています。

 

以下に、Q&Aで示された「製品及びサービスの設計・開発の適用可能性」に関する記述をまず引用したいと思います。

 

(以下、Q&Aより引用)

<質問>

設計・開発の定義が、「要求事項を、製品、プロセス又はシステムの、規定された特性又は仕様書に変換する一連のプロセス」から、「対象に対する要求事項を、その対象に対するより詳細な要求事項に変換する一連のプロセス」(FDIS 9000/3.4.8)と変更になる。

「設計・開発」の適用可能性(適用除外)の考え方に影響が出るのか。

また、建築・土木業で、施工のみを請け負う場合、顧客の図面で業務を行うので、設計・開発は適用除外するという場合があるようだが、これは認められるのか。

 

<回答>

8.2 で明確にした製品・サービスに関する要求事項だけで、8.4 以降に関わる製品・サービスの提供がそのまますぐにできるという状態であるなら、設計・開発プロセスは無く、8.3は適用不可能(適用除外)と言えるだろう。現実的には、多くの組織では、8.2 で明確にした要求事項を「より詳細な要求事項に変換するプロセス」を経なければ、8.4 以降に関わる製品・サービスの提供を行うことはできないだろう。

 

建築・土木業で施工のみ行う組織の場合、その組織にとっての製品・サービスとは何かを考える必要がある。その組織が顧客に提供している製品・サービスが「施工」というサービス提供であり、自身で施工計画を作っているような場合、設計・開発の適用除外は認められないだろう。

なお、8.3 は製品・サービスの設計・開発に適用されるが、工程設計(製造及びサービス提供に関するプロセスの開発)に適用することもできる。

(引用ここまで)

 

わかっている方にとっては、当たり前すぎる話ですが、まず、組織の業務において「製品及びサービスの設計・開発」に該当する業務は、「その組織が提供する製品、あるいは、サービスにおける設計・開発」であるということが基本中の基本です。

 

つまり、「製品」を「物性的なモノ」とした場合、例えば、電気製品や自動車、化学製品といった場合、「製品仕様を設計・開発する業務」が、「製品及びサービスの設計・開発」業務に相当します。

したがって、電気製品や化学製品など「製品である物性的なモノ」を効率よく作り込む生産技術を開発したり、企画する業務は、「工程設計」となり、基本的には「設計・開発」の適用となりません。

ただし、 ISO規格で「8.3製品及びサービスの設計・開発は工程設計にも適用することができる」と言っているので、組織が「工程設計のプロセスをISO規格の設計・開発に適用させてマネジメントシステムを構築する必要性がある」と判断すれば、それは組織の自由裁量ですから、適用させることはなんの問題もありません。

 

わかりづらくしているのは、「サービス」です。

まずは、「サービス」の中でも「設計・開発」がわかりやすいケースです。

例えば「輸送」というサービスの場合、ルーチンワーク的にA地点からB地点に荷物を輸送する場合、その輸送プロセスはすでに確立されていますから、ドライバーや日程、時間などの輸送計画を立てることは、単なる工程計画です。

しかし、今まで経験がない形状や特性のある荷物を安全かつ時間通りに輸送する場合は、輸送経路、梱包仕様、積み込み荷下ろし方法、乗務員の技術教育といったことを企画して、問題ないことを確認して、実際のサービスを提供します。

したがって、このようなケースの場合の「輸送企画」は、まさに「提供するサービスの設計・開発」となります。

 

「建築物や土木構造物の施工」の場合は、少々、考え方の難易度が上がります。

「建築物」や「土木構造物」といった「ハコモノ」自体を「製品」と捉えれば、「設計・開発」は、いわゆる「設計事務所」や官公庁工事でいえば「発注者側」が実施する業務であり、「施工のみを実施する組織」にとっては「設計・開発に該当する業務は当社には存在しない」(適用不可能)というのは、当然でしょう。

ただし「施工自体を製品」あるいは自社の製品は「施工サービス」であるとした場合、例えば、「単純な電球の取り換え工事」のような「施工手順が確立している施工」(この線引きは難しいですが)の場合を除き、いわゆる「施工計画書」を作成するような場合は、安全・品質・予算・工期を発注者の要求通りに実施する施工技術を設計・開発していることになるので「設計・開発」が適用ということになるわけです。

 

もう少し難易度の高い例では「めっきや熱処理」があります。

ご存知のように、「めっき」は「素材に薄い金属膜をつけるプロセスおよびその技術」であり、「熱処理」は「鉄鋼その他の金属に、必要とする硬度や性質を与えるため行う加熱および冷却の操作」です。

この「めっきや熱処理」について例えば「めっき加工された金属部品」「熱処理された金属部品」そのものが「製品」である、とするならば「めっきや熱処理」は金属部品を作り込むいちプロセスとなり「工程」であり「製品」ではありません。

しかし「めっきサービス」「熱処理サービス」が「当組織の製品である」と定義するならば「めっき加工」や「熱処理加工」といった加工技術そのものが製品となります。

「めっき」や「熱処理」会社が、ISO9001を取得する場合「設計・開発は適用不可能」としている組織が私の感覚では9割以上、残り1割程度が「設計・開発」を適用していると思われます。規格の2015年版改訂をきっかけに「当社の製品はなんなのか??」を再度深く掘り下げて、顧客の要求、利害関係者の期待、といった点を含めて、「設計・開発の適用可能性」を再確認する必要性が多くの組織であるといえると思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ530号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:58
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浄水場「活性炭」談合疑惑で立入検査を受けている組織のマネジメントシステム

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「談合」とは、言わずものがですが、大辞林によると「競争入札の際に、複数の入札参加者が前もって相談し、入札価格や落札者などを協定しておくこと」です。

一般論ですが、いうまでもなく、この行為は「公序良俗に違反」しています。

2017221日の各メディアの報道では、

「首都圏各地の浄水場で水の浄化に使われる「活性炭」の入札をめぐり、談合を繰り返していた疑いがあるとして、公正取引委員会は、大手化学メーカーの「クラレ」と大阪ガスの子会社「大阪ガスケミカル」、それに水処理会社の「水ing」など10社余りに立ち入り検査をしている」

と報じていました。

 

報道によると、

◆各社は東京の金町浄水場や埼玉の朝霞浄水場など首都圏各地の浄水場で水の浄化に使われる「活性炭」の入札をめぐり、受注業者を事前に決める談合を繰り返していた疑いがある

◆浄水場では川の水に含まれるアンモニアや油などの有害物質を吸着して取り除くために大量の活性炭が必要

◆(20171月に)朝霞浄水場の入札では4億6000万円で落札されるなど、年間、数十億円規模で談合が疑われている

◆公正取引委員会はほかの地域の浄水場の入札でも談合がなかったか調べることにしている

そうです。

 

この「談合疑惑」自体は、今後の続報を待ちたいと思いますが、談合疑惑により立ち入り検査を受けている各社は、国際規格ISOの認証を受けている企業が多いです。

また、各社のウェブサイトをみると、例えばクラレでは、コンプライアンスについて「行動規範」をもうけて社員に解説していることが記載されています。

http://www.kuraray.co.jp/csr/report2016/management/02.html

しかし、談合が事実であれば、絵に描いた餅ですね。

 

談合疑惑があるとされた多くの企業が取得しているISO認証規格は、品質マネジメントシステム(ISO9001)や環境マネジメントシステム(ISO14001)ですが、「水ing」は、民間企業初の「ISO55001(アセットマネジメント)」認証取得組織として、ISO認証業界では有名な会社です。

(ちなみに、認証機関は、株式会社日本環境認証機構(JACO))

 

ISO900114001なら知っているけど、ISO55001ってなんだ?」

という方も多いと思うので、簡単に解説すると、アセットマネジメント(ISO55001)とは、

「組織の資産管理体制の構築、実施、維持、改善のための要求事項を規定した国際規格で、組織の資産(アセット)をライフサイクルを通じて、コスト、リスク、パフォーマンスのバランスを保ちながら、最大の可用性と収益性を確保するためのマネジメントシステム」

です。

 

ISO認証制度の信頼性確保のためにも、今回立ち入り検査を受けている組織を認証している認証機関(認証機関を審査する認定機関(JAB:公益財団法人日本適合性認定協会もですね))は、これまでのマネジメントシステム審査が適切に実施されていたのか、また、マネジメントシステム審査が影響をおよばせることができる範疇でどのような審査を心がけていくべきかについて、しっかりと議論し、検証、改善をしていってほしいと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ530号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 11:40
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アスクル物流倉庫の長期化した火災

JUGEMテーマ:ビジネス

 

2017年2月16日に、通販会社の「アスクル」の埼玉県三芳町にある物流倉庫で火災が発生し、22日午前9時半ごろにようやく鎮火した。

なぜ、これだけ火災が長期化したのか、原因究明が待たれるばかりであるが、消火活動中の21日にアスクルの社員が荷物を取りに倉庫内に入っていたという別の問題も発生した。

21日の午後の時点では、火勢は弱まりつつある状態であったが、鎮火のめどは依然たっていない状況なのに、消火活動中に社員が個人ロッカーなどの荷物を取りに行ったことは、常識的に考えれば、問題であろう。

結果として、消火活動中に社員が倉庫内に入ったことで事故など実害はなかったが、立ち入りにに関して、「消防の許可を取ったのか?」「会社の指示なのか?」「個人の判断なのか?」といったことについても、その経緯を究明し、今後に生かさなければ、「アスクル社の火災など緊急事態発生時におけるガバナンスは無法地帯」ということになってしまう。

 

ちなみに、「アスクル」は、2004年3月12日に財団法人日本品質保証機構から環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得している。

https://www.askul.co.jp/csr/management/ems.html

 

当然、今回、火災になった「埼玉県三芳町」の物流倉庫「ASKUL Logi PARK 首都圏」も環境マネジメントシステムの認証適用範囲に含まれている。

アスクルのウェブサイトによると、

 

(以下引用)

(省略)

「環境関連法規の順守状況」

(省略)ISO14001の第三者審査および内部監査の結果、2016年5月期は、環境関連法規に対する重大な法令違反につながる指摘はありませんでした。

(省略)

 消防法上の危険物商品については、各センターに危険物庫を設置、および外部倉庫の契約をする等により、センターごとの指定倍数管理を実施しています。2016年5月期には、MRO商品等の取扱量の増大により、各センターの危険物庫の増設など指定倍数管理の強化を行っています。

その他、環境関連法規の順守活動において、罰金や科料、訴訟および本社オフィス・各物流センターに対する重大な苦情や利害関係者からの要求は発生していません。

(省略)

「緊急事態の訓練実施状況」

本社や物流センターなど各サイトにおいて、「消防計画」「防火防災手順書」を作成するとともに、「自衛消防隊」を編成、防災意識の向上と災害発生時の適正な対応習得のため、年1回防災訓練を実施しています。 2016年5月期も引き続き、東日本大震災の教訓、特に大きな被害を受けた仙台物流センターの実例をもとに、大規模地震および津波を想定した防災訓練を行いました。各物流センターでは、各サイトの特長を取り入れ、また実際に火災発生時により近い状況で手順通りの行動をとれるよう、「防火防災手順書」を見直し、防災訓練を実施しました。

また、物流センターにはサプライヤー様の車両、お客様への配送車両等数多くの車両が発着することから、車両のオイル漏れを緊急事態として特定しています。2016年5月期にはオイル漏れが起きた場合の訓練をすべての物流センターで実施いたしました。

 今後も想定される大規模災害に対応するため、物流センターの設置場所を考慮し、より効果的な訓練のやり方を検討していきます。

(省略)

(引用ここまで)

 

・・・というようなことが記載されている。

(法令関係について)

危険物保管に関しては、指定数量の1/5以下の保管量となるように徹底管理はされる仕組みになっていたようである。

しかし、今回の長期化した火災の発生により、まずは、物流倉庫内に適用される法令や地域住民との協定などその他の要求事項に違反はなかったのか?また、法令上の違反がなかったとしても、利害関係者の不安感は増大したといえるので、住民説明会、顧客向け説明会、株主総会などによって、しっかりとした説明をしていくことが求められるだろう。

 

(緊急事態について)

「火災」と「物流倉庫でのオイル漏れ」を緊急事態として特定し、防災訓練やオイル漏れに対する対応訓練は行っていたようです。

しかし、ニュースでも報道されているように「消火活動中に社員が現場に立ち入りしている」ことから、緊急事態発生時の指示命令系統などガバナンスが機能する仕組みになっていたのか(実態としては機能していなかった)、検証する必要性がある。

また、報道によれば、「火元は鉄骨3階倉庫の1階北西の角とみられ、窓や扉が少ないため内部に水が思うように届かず消火作業が難航した」ということだから、消防法の規定は守られていたとしても、

◆火災になった場合のリスクの大きさが考慮された物流倉庫の建屋構造だったのか?

◆アスクルの消防計画は有効性があったのか?

◆アスクルの「防火防災手順書」は妥当性がある手順書といえたのか?

といったことはしっかり検証されるべきである。

 

今回の火災については、長期化し、地域住民も一時避難したなど社会的影響が大きかったことから、消防庁が原因究明に乗り出しているという。

個人的には、前述したとおり、アスクルは環境マネジメントシステム規格(ISO14001)の認証を受けていることから、認証機関であるJQA(日本品質保証機構)は、しっかりとこれまでの審査の適切性確認と今後の審査における審査計画での審査時間配分などの改善に着手してほしい。

また、JQAを認定している認定機関である公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)も、ISO認証制度の社会的信頼性確保のためにも、しっかり、JABの認定審査を通じて、アスクルの審査が適切に実施されていたのか、検証してほしいと思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ530号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:56
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ISO認証制度で気になる点(環境マネジメントシステムの適用範囲について)

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「環境マネジメントシステムの適用範囲について」について。

 

《環境マネジメントシステムの適用範囲》

2015年版以前の規格から、「カフェテリア認証」とか「チェリーピッキング」による「適用範囲」で認証を受ける事例が散見され問題視されていた。

 

ご存知の方も多いと思うが、あらためて「カフェテリア認証」や「チェリーピッキング」とはどのようなものか触れておく。

 

「カフェテリア認証」

比較的環境影響が小さい一部の組織やサイトのみを対象として認証を受けているケースである。これが悪いのは、利害関係者や外部に対して、あたかも組織全体が認証を取得しているように見せかける、あるいは、誤解をあたえることである。

 

具体的な事例としては、

◇製造設備を保有すつ組織が、事務部門のみを対象とし、製造部門を対象としていない場合

◇ビルメンテナンス業の組織が、本社事務部門のみを対象とし、受託しているビル管理を対象としていない場合

といったケースである。

 

「チェリーピッキング」

組織の活動や環境負荷の一部の取り組みやすいところのみを対象とし(環境影響の大きい設備や活動を除外している)、あたかもその組織の活動全体を対象として認証を取得しているかのように見せかけることである。

 

具体的な事例としては、

◇製造メーカーが、製造部門におけるエネルギーや廃棄物を環境マネジメントの対象としていない場合

◇建設会社が、土木・建設工事に伴う廃棄物を対象としていない場合

といったケースである。

 

私見であるが、カフェテリア認証やチェリーピッキングについて、

「利害関係者や外部にあたかも組織全体が適用されていると誤解を与える意図はない」

「数年かけて組織全体で認証取得するための初期段階としてやりやすい部分から認証取得している」

というケースは、今までは、認証機関の判断で登録が認められていた気がします。

つまり、例えば、「3年後に組織全体に適用するから、1年目は本社だけ、2年目は本社と営業所だけ、3年目で製造部門を含めた組織全体」という場合は、ウェブサイトなどで現在認証されている範囲が明確に利害関係者や外部に示されれば、「まぁ、いいでしょう」、というケースがあったと思います。

 

しかし、2015年版では、規格改訂の際の議論で「2 つの観点があった」そうなので、基本的には、段階的であっても「やりやすいところから」を目的としたカフェテリア認証やチェリーピッキングでも認証は難しいと思います。

 

では、「2つの観点」とは何かですが、それは、

1)組織が宣言する適用範囲は利害関係者の誤解を招くようなものであってはならない

2)狭い範囲を適用範囲とすることはありうるが、利害関係者から見て信頼の置けるものであること

である。

つまり、利害関係者はもちろん、外部の環境マネジメントシステムに対する「期待」は、例えば、運送会社であれば、当然、「運送管理プロセスに関わる環境マネジメント」でしょう。

それが、段階的とはいえ、まずは「事務部門の本社から認証取得しました」では、その認証は、「利害関係者から見て信頼のおけるものではない」ということになります。

 

話題は少し変わりますが、ある製造会社があって、5階建ての自社ビルを保有し、5階部分は、資本関係もその自社ビルを持つ製造会社の業務とは関連しない製造会社(環境影響はそこそこ大きい活動をしている)が「テナント」として入居していたとします。

この場合、環境マネジメントシステムの適用範囲は、自社ビルを持つ製造会社が業務を実施している1階から4階までということになるでしょう。

もちろん、5階に入居する製造会社が、自社ビルを持つ会社の委託先であり、環境影響もそこそこある活動をしているならば「適用とする」ことが一般的でしょう。

 

しかし、この場合、自社ビルを持つ製造会社とは業務上の関わりもないとなった場合、私は、この5階に入居する製造会社については「全く考慮することはない」というのは少し乱暴と考えます。

ケースに分けて考えてみることにします。

 

5階に入居する製造会社が環境マネジメントシステムを単独で取得する場合」

このケースであれば、特に問題は生じないでしょう。

あとは、ビルオーナー側の責務である消防関係設備の確認、火災発生時の避難経路や避難手順の確認を、自社ビルを持つ製造会社としておけばいいでしょう。

 

5階に入居する製造会社が環境マネジメントシステムを導入するつもりが無い場合」

5階の製造会社の環境影響がそこそこ大きい」というのがキーになります。

例えば、近隣住民(利害関係者)から見て、その5階建てのビルは、自社ビルを保有する会社の活動と捉えているでしょう。

そう考えた場合、利害関係者の環境マネジメントシステム認証に対する期待は、ビル全体の活動が対象と考えるでしょう。

仮に、その5階に入居する会社から排出された排水により河川や池の魚がプカプカと浮いていることになったなら、自社ビルを保有する製造会社は、「うちには関係ありません」と法律的には言えても、利害関係者目線で見た場合、言い切れない気がします。

 

したがって、「5階に入居するビルも自社ビル保有の製造会社の環境マネジメントに包含する(要は適用範囲に含める)」か「5階に入居する環境側面を調査し、自社が管理するレベルと同等の管理を依頼し、活動に変化があった場合は、報告させる」といった対応が必要ではないかと考えます。

 

クリーンセンターや火葬場が建設されるというと地域住民から反対運動が起きます。

また、工業団地が建設されるときも近隣住民は、工業団地に入居する会社に注目しています。

あくまでも、個人的な「想い」ですが、こうした場合、地域住民への安心感という意味において、「環境マネジメントシステム認証」を利用すべきだ、と思っています。

ただ、工業団地で認証を受けようとした場合、その工業団地内の業種が多岐にわたるとしたら、認証審査チームの力量管理が大変かな、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ523号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:25
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ISO認証制度で気になる点(利害関係者の期待と適用範囲について)

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組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「利害関係者の期待と適用範囲」について。

 

《利害関係者の期待と適用範囲》

2015年版になって、より明確になったなぁ、と思うのは、ひとことで言えば「何を決めるにしても、理屈が必要になった」という点です。

 

今回の本題から逸れますが、以前であれば、唐突に「品質目標や環境目標」が設定され、示されても、「組織が決めたことだから」と、出発点は、そこからであったと思います。

もちろん、目標がその会社の方針と整合したものであるか、とか、現在の組織の課題に見合ったものかどうか、といった質問は、ふつうの感覚を持った審査員なら、質問したと思います。

しかし、突っ込まなくても、審査は成立しました。

 

けれども、2015年版は、目標を立てる場合も、例えば、「内部外部の課題」、「利害関係者のニーズや期待」やそれらに関する「リスクと機会」を考慮し、評価して、設定することになります。

これも、「ふつうの経営者」なら、このような発想で多かれ少なかれやっているはずですが、「社員はもちろん、外部の人にもわかるように説明しなさい」と言われれば、微妙な経営者もいて、そういう意味で、冒頭の「何を決めるにしても、理屈が必要になった」と思うわけです。

 

話しを戻して、「適用範囲」になりますが、一般論として、組織全体が対象になっている場合は適用範囲について悩むこともなく、問題がまずないです。

また、事業所がいくつかに分かれていて、その事業所ごと顧客に提供する製品やサービスが違う場合も、まだ、そんなに悩むことはありません。

 

問題は、本社、事業所、工場、営業所などと部署が分散していて、適用は「工場のみ」というような場合です。

マネジメントシステムだけで考えれば、便宜上、「営業部門が顧客」という位置づけにして、「工場のみ」でマネジメントシステムが構築でき、まわすこと(運用させること)は、可能です。

 

しかし、2015年版の場合、「利害関係者のニーズや期待」、「内部外部の課題」といったことを考慮しなければなりません。

そうなると、その組織がそもそもマネジメントシステムを構築し、認証を必要としているのは、その工場が生産している製品を購入する企業やエンドユーザーである場合が一般的には多いでしょう。

そうなった場合、工場のみでマネジメントシステムを構築していては、システム上の顧客は、営業部門ということになり、おかしな話になります。

 

もちろん、「経営者や自社営業部門(便宜上の顧客)が工場の生産システムに対してISOマネジメントシステムの構築・運用が必要だから取り組んでいるのであって、本来の顧客からは認証は要求されていないし、期待もされていない」というまさに「自社の生産システム強化のため」という意図のみであれば、「工場のみ」を適用範囲にしても、認証機関は「適切な適用範囲ではありません、ダメです」とは言えないでしょう。

 

また、逆に、認証機関は、営業部門や設計や商品企画機能を持つ本社(あるいは事業所)が適用範囲に含まれていない適用範囲でマネジメントシステムが構築されている場合は、その適切性を組織にきちんと聴取し、「〇〇という理由から適切である」と明確にしておかなければならないでしょう。

 

思いつくままにメモ代わりに挙げておくと、

◇「工場単体の適用範囲」で本社・事業所、営業部門などが適用されていない場合

◇「提供する製品サービスに設計(企画)機能が含まれていない適用範囲」である場合

については、組織も審査する認証機関も、しっかりと理論構築しておく必要があるだろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ520号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 04:56
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