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化学製品工場におけるタンク解体作業中の爆発事故

JUGEMテーマ:ビジネス

 

2020年10月1日付の「共同通信」が、

「兵庫でタンク爆発か、男性死亡 繊維会社の工場、1人軽傷」

という見出しの記事を報じていました。

 

記事によれば、(※筆者が記事より概要を編集)

・爆発があったのは、10月1日午前11時半ごろ

・場所は、兵庫県加古川市の繊維会社「オーミケンシ」加古川工場

・工場関係者より「タンクが爆発して火災になっている」と119番があった

・加古川署によると、工場従業員(53)死亡し、男性従業員(34)が軽傷を負った

・加古川署は工場が安全管理を怠った可能性より業務上過失致死容疑で調べている

・加古川署によると、死亡した従業員が工場2階でタンクを電動のこぎりで解体

・配管を切断する作業中に爆発事故が起きた

・タンクには引火性の二硫化炭素が入っていたとみられる

・タンクは、約10年間使われておらず、二硫化炭素がない前提で作業をしていた

ということのようです。

 

早速、「オーミケンシ」のウェブサイトを確認しました。

https://omikenshi.co.jp/profile/profile_overview/

2020年10月2日4時時点では、「加古川工場の爆発事故」についての新着情報は掲載されていません。

ウェブサイトには、「環境への取り組み」というページがあり、そこは、「環境経営指針」、「環境マネジメント体制」、「環境報告書」が掲載されています。

 

個人的に気になったのは、

・IR情報は2020年の最近の情報が掲載されているが環境報告書は2018年が最新

・リスクマネジメントに基づく法令順守

・2000年に「大垣EP事業部でISO9001」を取得(認証が継続されているか不明)

・安全衛生(環境)委員会の設置

・環境活動の企画・推進・啓蒙

といったことでした。

 

環境報告書では、重点課題として、

・エネルギー対策

・産業廃棄物削減対策

・化学物質の管理強化

・グリーン購入・調達

・エコビジネス推進

・環境情報の開示

が挙げられ、実際、環境報告書でも、これらの重点課題については、しっかりと記述されています。

 

このようなウェブサイトの情報から、組織体質としては、環境管理活動を含む労働安全衛生面を含めたマネジメントシステムの確立と運用管理に熱心な企業のように思われます。

しかし、今回の爆発は、「二硫化炭素がタンクにない」という前提で解体作業を実施しており、「完全管理の初歩的なミス」が、なぜ生じたのだろう、と思います。

仮に、10年以上使用していない「タンクの解体・廃棄作業」を専門業者に外注していれば、調達コストはかかりましたが、「安全面」で、今回のようなトラブルは発生しなかったでしょう。

 

また、

・タンクの解体指示をしたのは誰か

・解体作業を社内要員で実施すると決めたのは誰か

・解体手順はあったのか(例:天板解放やガス測定)

・解体作業におけるリスクマネジメントはされていたのか

・作業者は二硫化炭素の特性を知っていたのか(沸点46.3℃、発火点90℃など)

といった点も気になります。

 

それにしても、感覚的には、化学的な工場の事故のニュースをよく耳にする気がします。化学系の製造現場における技術は、運転室における数値管理が中心となり、保守を含め、リアルに作業員が作業するプロセスが減少し、リスク想定に関する感覚は、日本全体で「劣化」しているのかもしれません。

 

また、ウェブサイトを確認する限り、環境マネジメントシステムや労働安全マネジメントシステムの認証は取得されていないようですが、組織の環境管理体制は構築されていたようなので、内部監査やマネジメントシステムが有効に機能していたか否か、刑事責任に加えて、組織としてしっかり検証してほしいものだと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ718号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 10:31
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