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公認会計士の継続的専門研修は形骸化しているのだろうか

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2020年9月7日付の朝日新聞デジタルが、

「あずさ監査法人が会計士45人処分へ 法定研修で不正か」

という見出し記事を掲載していました。

 

記事によれば、(注:筆者編集)

・あずさ監査法人は、所属会計士が不正に研修会を受講した疑いがあると発表した

・公認会計士法で義務付けられた法定研修に不正の懸念がある会計士は45

・二つの研修(オンライン)に同時にログインし単位認定を受けた可能性がある

・あずさ監査法人は、会計士たちを減給などの懲戒処分にすることを検討中

・理事長ら役員10人の報酬をカットする方針を決めた

・不正に受講していたのは、「継続的専門研修」(CPE

・各科目を直近3年で120単位以上、年20単位以上取得する必要がある

・この問題は、3月に内部告発があり調査となった

・ログ等から45人が1台の端末でオンライン講義を同時に受講した可能性があった

・2014年からシステムに二重ログインができるようになった

・あずさ監査法人は、2020年5月にシステムを改修し、現在は同時アクセスは不可能

・・・

ということです。

 

公認会計士の「継続的専門研修」制度は、アメリカのエンロン事件など会計不祥事が続発したことで、2004年に監査の質向上を目的に義務付けられています。

しかし、公認会計士の知人に聞くと「オンライン研修は確認テストがない」という話です。

つまり、「聞いた(聞いたこと)」で単位がもらえるそうです。

この手の「継続的専門研修」は、事前学習を何時間もしなければならない試験の必要性はないですが、「研修内容をおさらいできるような確認テスト」がなければ意味がありません。

できない仕組みに変えた。

 

また、公認会計士に限らず、各国家資格で、この手の資格取得後の資格維持のための研修がありますが、多くの資格者は「すでに資格があって、日々問題なく業務を実施しているのに研修なんて、時間の無駄だ」と多くの人が考えているのだと思います。

監査法人に常勤で勤務せず、フリーランスの会計士は、時間を確保して講習を受けざるを得ませんが、所属の常勤会計士は、「仕事がクソ忙しいのに、研修なんてやっていられるか」という状況ではないかと思うので、組織として「研修時間を確保」する必要があったのではないかと思います。

 

ISOマネジメントシステム審査員の世界にも、継続的能力開発(CPD)があります。

承認された研修会は、受講証のみで単位(時間)が認められますが、一般の講演会・研修会や自己学習の場合は、学習の目的と具体的に学んだことをレポートにしなければ、単位として認められません。

また、認証機関毎、独自に認定している専門分野では、「合格点になるまで受講する」という規定にしている機関もあり、結構大変です。

 

あずさ監査法人は、「同時ログインできないような仕組みに変えた」という対処法のようですが、組織として「研修受講は形骸化していてもいいからちゃんと受講すること」という方針なら別ですが、研修に実効性を持たせるなら「会計士本人任せでなく組織として必要な教育を明確にして受講計画を組み受講させる」という本質的な改善が必要ではないかと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ715号より)

 

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author:有賀正彦, category:経営・ビジネスに関する話, 10:55
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