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ISOマネジメントシステム:QMSとEMSの認証範囲が異なる場合の統合審査

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「QMSとEMSの認証範囲が異なる場合の統合審査」について。

 

近年では、組織が、品質(ISO9001)、環境(ISO14001)、労働安全衛生(ISO45001)、情報セキュリティ(ISO27001)・・・といった複数のマネジメントシステム規格の認証を取得するケースが増えています。

そのため、組織からは「日程的に審査をまとめて受けたい」、「付属書SLで規格が共通化されたから共通部分は一緒に審査して欲しい」というニーズが増えています。

レアケースとして、組織によっては、「認証審査はいい刺激を受ける機会だからバラバラに審査を受けたい」とか「品質と環境の事務局が違うので、同時に受けず時期をずらしたい」という組織もありますが、多くは「複数規格を同時に受けたい」という声が多いと思います。

 

「複数規格を同時に受信する場合」、認証機関によって定義が異なりますが、「統合審査」、「複合審査」と似た用語があります。

ISO9000:2015(基本及び用語)やISO/IEC17025-1:2015には、

 

◆ISO9000:2015 3.13.2 複合監査(combined audit

一つの被監査者(3.13.12)において、複数のマネジメントシステム(3.5.3)を同時に監査(3.13.1)すること。

 

◆ISO/IEC17025-1:2015 3.4認証審査 注記6

統合審査とは,二つ以上のマネジメントシステム規格の要求事項を単一のマネジメントシステムに統合して適用した依頼者を、二つ以上の規格に関して審査する場合をいう。

 

わかりにくいので、一般的にISO認証業界で使用されている統合審査と複合審査は、

 

「複合審査」

受審組織が複数の規格に対する個々のマネジメントシステムに対して、同じ期間に審査を行うことを希望される場合に実施する審査

 

「統合審査」

受審組織が、複数の規格のマネジメントシステムの要求事項に対して、統合されたマネジメントシステムを構築し、1つの審査チームにより審査を行うことを希望される場合に実施する審査

 

ということになります。

 

要は、「審査を同じ期間に実施するか」を「組織のマネジメントシステムが統合されていることを条件に複数規格をミックスして審査を実施するか」が両者の違いになります。

(注:認証機関によっては、上記概念の「統合審査」を「複合審査」と定義している機関もありますし、「統合審査」の条件として、「認証サイクルを合わせること」を条件にしている機関もあるので、注意が必要です。)

 

統合審査の場合、多くは、QMSとEMSの認証範囲が一致しているケースが多いですが、組織によっては、QMSとEMSの認証範囲が異なるケースがあります。

認証登録上、組織及び認証機関が注意すべき点を以下に挙げてみます。

 

◆QMSとEMSの対象となる常設サイトが異なる

例えば、建設業において、QMSは本社と全国各地にある8支店が対象、EMSは本社と5支店が対象というようなケースです。

この場合、EMS対象外の支店管轄の工事は「EMS適用外」としているケースです。

この場合、登録証に記載される「認証表記」は、

「建築及び土木構造物の設計、施工管理(EMSは○○支店管轄の工事は除く)」

といったような注記がつかなければ誤りです。

 

◆常設サイト以外の認証表記に限定がない

前述したケースで、

「建築及び土木構造物の設計、施工管理」

と認証表記に限定がない場合は、組織が「○○支店管轄の工事はEMSを適用していない」という認識だとすれば、それは誤りです。

 

◆統合審査における一時的サイトのサンプリング

統合審査の審査プログラムは、QMS、EMSを各々作成しているケースもありますが、統合審査の場合は、「QMS/EMSを一緒に作成」しているケースが多いです。

その際に、一時的サイトで「QMSのみ対象でEMSは適用していない」サイトをサンプリングで選んだ場合は、注意が必要です。

なぜなら、もしかしたら、その時の審査では、一時的サイトとしてEMSの現場確認をしないことになるかもしれないからです。

 

以上、整理すると、統合審査において、QMS、EMSの認証範囲が違う場合は、

・認証表記に注意が必要

(組織は、ウェブサイトやパンフレット等での正しい認証範囲の表明が必要になります)

・一時的サイトのサンプリングに注意が必要

・対象外の考え方について、認証機関と組織の考え方を一致させておくことが必要

となります。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ709号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:18
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