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ISO認証制度:アセットマネジメントの登録範囲

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「アセットマネジメントの登録範囲」について。

 

ISO認証に関する知識がある方でも、あまり馴染みがない規格としてISO55001(アセットマネジメントシステム)があります。

この規格の目的と意図は、

「アセットマネジメントシステムは、組織の資産(アセット)をライフサイクルを通じて、コスト、リスク、パフォーマンスのバランスを保ちながら、最大の可用性と収益性を確保するためのものです。ISO 55001は、組織の資産管理体制の構築、実施、維持、改善のための要求事項を規定しています。」

(JABウェブサイトより引用)

というものです。

 

また、元三重県知事の北川正恭氏によれば、わが国で、アセットマネジメント(AMS)が必要とされる背景として、

(ウェブサイトより抜粋編集)

・わが国の高度経済成長を支えてきたのは公共事業を中心とした社会インフラの整備

・近年は、高度成長から低成長へと時代の流れが大きく変化している

・戦後ほとんどストック(筆者注:社会インフラ)が何もない状態

・(現在は)社会インフラ整備も今や一定の水準に達したと言われている

・(しかし)社会インフラ整備を支えてきた公共事業の財源は、今後一層厳しい

・公共事業を取り巻く様々な不祥事から国民の不信感は依然根強い

・厳しい財源の下で、必要な公共事業を進めていくにはストックを最大限に生かすこと

・「つくる時代」から「つかう時代」に変わらざるを得なくなった

・限られた財源の下で公共事業への信頼を回復する一つの手段としてAMSがある

・公共事業においてアセットマネジメントの導入が各方面で取り組まれている

(抜粋編集ここまで)

といったことが挙げられます。

 

国土交通省の関心は、アセットマネジメントよりストックマネジメントだという話も聞きますが、アセットマネジメントとストックマネジメントの関係をざっくり整理すると、

・ストックマネジメント:モノのマネジメント

・アセットマネジメント:ストックマネジメント+「資金と人材のマネジメント」

です。

 

さて、こうして、アセットマネジメントの日本における背景を考えれば、社会インフラを所有するアセットオーナーが、もっとアセットマネジメントシステムに取り組むべきと個人的には思います。

しかし、現実には、JABのウェブサイトを確認すると、現在(2020年3月26日現在)60社がアセットマネジメントシステム(ISO55001)の認証登録がされています。

https://www.jab.or.jp/system/iso/search/

しかし、ざっと確認すると、登録範囲全てが自らが所有するアセットという登録組織は数社で、殆どが「サービスプロバイダー」(アセットの運営維持に関するコンサルティングや点検、保守、修繕などの業務委託)です。

 

ISO 55001の規格自体は、ISO9001や14001 と同様にハイレベルストラクチャーで構成されており、箇条体系はほぼ同じです。

しかし、規格の内容はアセット所有者(アセットオーナー)でなければ適用方法がわかりずらい内容が含まれています。

私の感覚では、アセットオーナーに信頼される業務委託者になる、あるいは、少し打算的にISO55001が発注条件になるといったことを意識して、認証取得に取り組んでいるためアセットオーナーよりサービスプロバイダーの取得が多いのだと思います。

 

この本来、アセットオーナー向けに規格が制定された経緯を考えると、アセットマネジメントシステム認証の現状は「日本型取得」といえるかもしれません。

少し話題は変わりますが、例えば、個人的に少し気になるのは、アセットオーナーが取得する場合とサービスプロバイダー(アセット保管者)が取得する場合の登録表記です。

例えば、「上水道施設の管理」という認証表記場合、この組織はアセットオーナーなのか、サービスプロバイダーなのか、わかりません。

例えば、

「上水道施設の管理」

「上水道施設の管理に関する委託業務」

であれば、前者はアセットオーナー、後者はサービスプロバイダーと識別がつきます。

 

また、ISO17021-1:2015の8.2.2では、

「各事業所における活動の種類、製品及びサービスの種類に関する認証の範囲。誤解を

招いたり不明瞭にならないように明示する」

という要求があるので、アセットマネジメントの場合は、対象アセットが組織のものか、そうでないのか、また、複数の事業所がある場合は、そこで実施している業務内容を明確にすべきかな、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ691号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:28
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