RSS | ATOM | SEARCH
ISO認証制度:認証登録できるMSの運用状況

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「認証登録できるMSの運用状況」について。

かつて、ある組織の認証審査に訪問したところ、組織のトップから、ある製品を認証範囲に追加したいという申し出が突然ありました。

 

ルール的には、「マネジメントシステムの変更」ですから、組織は、事前に認証機関に届出を出し、認証機関は、審査工数の追加要否、審査チームの専門性等を確認します。

そして、適切な審査工数と審査員の配置計画が認証審査が実施されます。

 

組織に「変更届を提出するのは忘れていましたか?」と聞くと、案の定、忘れていたそうです。

しかし、状況を整理する現状を確認すると、

・認証範囲の追加を希望する製品は、2〜3年前に行政の許可を得ている

・当該製品の製造実績は、2〜3年前からある

・前年のマネジメントレビューに「次回審査時に認証範囲に追加申請」と決定されている

・追加製品に関する品質目標はある

・追加製品に関する内部監査が実施されている

といった現状でした。

 

組織に確認すると、認証範囲に含めていなかったのは、生産量が少なく、今後、事業として継続して成立するか微妙だったからだそうです。

ただし、「今回の認証審査期間中には、追加製品の製造予定はない」という状況でした。

こうした現状を認証機関に連絡し、確認すると、「追加製品の製造プロセスを認証審査で確認できなければ、今回の審査で追加するのは難しい」と判断され、その旨を組織に伝えました。

組織は、「では、来年の審査でいいです」と理解してもらえました。

 

一般論で考えると、この組織は、認証範囲に追加したかった製品について「マネジメントシステムの適用範囲」にはしていたが、「認証範囲」としてはいなかった、という状況です。

したがって、数年前から、追加製品に関するマネジメントシステムの運用実績はあったわけです。

もちろん、組織は、認証機関のルールである「マネジメントシステム変更届」を提出していないという問題はあるのですが、手続き上の問題です。

 

したがって、考え方としては、今回の認証審査で追加製品の製造プロセスが稼働しておらず、確認できなくても、製造計画、QC工程表、製造手順書、各製造・検査記録、製造設備の点検管理等の記録、トラブル発生時の是正処置記録等は確認できるので、マネジメントシステムの運用状況は確認できます。

ただ、製造プロセスは、稼働している状況を見ているわけではないので、「次回審査で必須確認」といった認証機関として審査プログラムでしっかり管理はしておくべきでしょう。

通常の認証審査実施時期には製造していないことが多い、という状況であれば、その製品の製造が実施される時期を確認して、サーベイランスの時期をずらすか、臨時にその製造工程のみの確認を審査計画すべきでしょう。

 

認証機関によっては、「マネジメントシステムの運用実績が記録等で確認できても、実際の製造プロセスの稼働状況を確認しなければ認証登録はできない」としているところもあれば、「マネジメントシステムの運用実績が確認できれば、その製造プロセスの稼働状況は、認証サイクルのどこかで確認することにしていれば認証登録してもOK」というところもあります。

もちろん、追加する製品の市場に与える影響や製品特性にもよりますが、一般論としては、前者の運用が極めて固い運用といえるのかもしれません。

後者で運用すると、「追加製品の製造プロセスの稼働状況」を審査プログラム等で管理しなければなりませんし、次回、審査でも「当該製品の製造プロセスは確認できなかった」となると、ずっと製造プロセスを確認しないまま認証登録が継続される可能性があります。

 

ちなみに、この時は、マネジメントシステム変更届に変更内容を組織に下書きしていただき確認し、すぐに認証機関に提出してもらいました。

ただ、例えば、認証組織が建設業であった場合、建設業許可29種類すべてが、認証範囲であっても、すべての工種を認証審査で現場をサンプリング確認できているかというと微妙です。

認証審査において、「どこまで見るべきか?」は認証機関の登録証に対する信頼性の考え方によるものだと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ685号より)

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

http://www.v2-solution.com/booklist/978-4-434-26285-2.html

 

“できるビジネスマンのマネジメント本”(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 08:15
comments(0), -, - -
Comment