RSS | ATOM | SEARCH
“演出意図に従う”という契約があっても“無理強いではない”というフジテレビ役員の認識

JUGEMテーマ:ビジネス

 

恋愛リアリティー番組「TERRACE HOUSE TOKYO 2019―2020」(テラスハウス)に出演していた女子プロレスラー・木村花さんが2020年5月23日に亡くなったことについて、フジテレビの遠藤龍之介社長が7月3日に行われた定例会見で「逝去に対して哀悼の意を表したい」と話したそうです。

また、大多亮常務取締役は、現在、制作会社のイースト・エンタテインメントと共に検証チームを立ち上げ、出演者や関係者への聞き取りを行っていると語った。

そして、その中で、「入居時に出演者と誓約書があるのは事実」と契約書の存在を認め、問題点は3つあるとしたそうです。

その3つとは、

・番組の制作過程で問題はなかったか、コスチューム事件自体を作り出すことはなかったか

・出演者の行動、感情表現を規制するようなことはなかったか

・心のケア

だそうです。

 

一方、亡くなった木村花さんの母親で元女子プロレスラーの木村響子さんは、7月2日発売の「週刊文春」のロングインタビューで、

・「同意書兼誓約書」に「演出意図の従う」という文言があった

と訴えています。

 

ここまでの状況で、常識的に考えれば、

・花さんは制作側の演出意図にしたがった演技(行動、言動)を行った

・その結果、SNSを通じて個人の人格に対する誹謗中傷を受け、それを苦に自死した

と考えるのが自然でしょう。

 

花さんが亡くなった当初は、「ネットへの誹謗中傷の書き込みが問題」と法律で誹謗中傷の書き込みを取り締まる規定を盛り込むことが話題の中心でした。

しかし、結果的には「誹謗中傷が花さんの精神を傷つけた」ことに間違いありませんが、その元をたどれば「恋愛リアリティ番組」といいつつも「ほぼドラマの制作と同じような演出が指示」され、また、その「演出意図にしたがうこと」が契約書に盛り込まれていたのなら、問題の本質は「番組制作サイド」に根本的な問題があったわけです。

 

フジテレビの大多常務は、

・契約は事務所を通じて、かわした

・しかし、出演者にこうしなければならないと無理強いすることはなかった

・損害賠償もマネジメントの方がいる場合、事務所を交えて同意した上でやっている

・ゼロから一をつくる、こうしたことをして欲しいという感情表現、行動を曲げることはない

・演出上の全てに従うという契約ではない

と定例会見で話したそうですが、東京キー局の地上波テレビ局、かつ、上場企業の常務取締役が、「真面目にこのような認識」なのだとすれば、「社会的な常識をまったく誤認しているテレビ局の担当役員としては不適格な人物」と考えられるのではないかと思います。

 

そもそも、制作側(フジテレビ、イースト・エンターテイメント)と出演者の関係は、立場として「対等ではない」です。

契約書で「演出意図にしたがう」と明記されていれば「演出上の全てに従うという契約ではない」と言い張ったところで、通用しないでしょう。

もちろん言葉尻を捉えれば、例えば、「演出サイドが高層ビルから飛び降りてください」と指示した場合「それは無理です」と拒否することはできるでしょうから大多常務の言うように「演出上の全て」では、確かにないです。しかし、「ビンタ」や「コスチュームの乾燥機」は「演出意図があれば、期待される行動・言動」であり、出演者はせざるを得ないでしょう。

 

例えば悪いですが、政治の世界では、ここ数年「忖度」という言葉が流行りましたが、まるで、政治の世界と一緒です。

「出演者は“演出上の全てに従う”と契約書には書いていないから従う必要はない」といったところで、「対等な立場でない」のであれば、「意図に従う(空気を読む)」=「事実上の指示」です。

 

話は少しそれますが、刑事事件ではないので、このような問題が発生すると、組織(フジテレビ)は「第三者委員会を設置」して検証活動をします。

しかし、大多常務の発言から想像すれば、業界に近い関係者がメンバーとなって検証委員会を作っても、「世間感情」とは違った調査・検証結果となる気がします。

また、検証委員には、よく弁護士が参加しますが、弁護士からしたら、こうした検証委員経験を実績として名を上げて今後の業務依頼に備えるでしょうから、フジテレビだけでなく、組織側に有利な結果を出した方が得策と考え、公正な判断が出せるのか(要はぶれる)疑問です。

 

私が今後の人生の中で、フジテレビから出演オファーがあることは、まずないので(要はしがらみがない)ははっきりいえば、コンプライアンス的に、フジテレビは、放送法の免許を与えられるのにふさわしい組織といえるのか、社内体質的に、人間をガラガラポンで、入れ替えしなければ、いくら再発防止の仕組みを強固にしたところで、組織の真の改善は無理ではないかと思います。

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

http://www.v2-solution.com/booklist/978-4-434-26285-2.html

 

“できるビジネスマンのマネジメント本”(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001

author:有賀正彦, category:経営・ビジネスに関する話, 10:57
comments(0), -, - -
Comment