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ふるさと納税制度と国と自治体の関係性のあり方

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2020年6月30日に、大阪府泉佐野市が訴訟を起こしていた、ふるさと納税をめぐる最高裁の上告審判決(宮崎裕子裁判長)で、泉佐野市をふるさと納税の新制度から除外したのは違法だとして、国が逆転敗訴しました。

 

この判決内容について、個人的な感想は、「極めて妥当な判決」だと考えます。

 

なお、この最高裁判決のポイントは3点あります。

(読売新聞の7月1日付朝刊記事より)

 

◆過去の募集方法を除外理由とすることは、地方自治体に重大な不利益を生じさせる

◆過去の募集方法を除外理由とする総務省の告示は、違法で無効

◆返礼品を強調した寄付金の募集をエスカレートさせた泉佐野市の方法は、

節度を書いたと評価されてもやむを得ない

 

読売新聞がまとめた「判決のポイント」の通りですが、少し「国と地方自治体の関係」について歴史を振り返ると、2000年に「地方分権一括法」で、国と地方の関係は「上下・主従」から「対等・協力」に転換しました。

つまり、省庁が自治体に出す「通知文書」は、あくまでも「技術的な助言」であり法的な拘束力はありません。

ふるさと納税においては、自治体間の「豪華返礼品による競争が過熱」し、総務省は、各自治体に是正を求める通知文書を次々と出していったのです。

 

その結果、泉佐野市をはじめ、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町に対して総務省は、2019年6月の新制度移行にあたり、その約半年前から適正な寄付集めをしていなかったとしてふるさと納税の新制度から除外したわけです。

これでは、「国の意向に従わないのなら制裁を加える」という恐怖政策であり、とても国と自治体の関係は「対等・協力」といえるものではありません。

ですから、私は、この最高裁判決が「妥当な結果」と考えるのです。

 

メディアによると、総務省幹部は、

「今後はあらゆる規制を法律で定めないといけなくなる」

と語っているそうですが、そもそも、法的な定めがないにもかかわらず「通知文書」という官僚が作成する「法律補完文書」で自治体に「従いなさい」としてきたことが問題でしょう。

 

それにしても、2008年に制度が開始されていますから、今さらですが「ふるさと納税制度」は、そのネーミングからしておかしな制度です。

・日本各地の名品など返礼品がもらえる

・所得税の還付、住民税の控除が受けられる

・寄付金の使い道を指定できる

という点は「良い制度」だと思いますが、実態は「納税還付・控除制度」であって、「寄付金制度」ですから「納税」というネーミングにはどうも違和感があります。

 

また、「寄付文化を日本に根付かせる」、「地方自治体の税金の使い方に国民が関心を持つ」ことはこの制度の良い点だと私は考えますが、「返礼品の魅力」が全面的に押し出され、本来は「自治体が決めた寄付金の使い道の内容」で自治体間を競わせるべきだと思いますが、現状はそうなっていません。

さらに、総務省は返礼品を寄付金の3割程度と示していますが、いずれにせよ、ある程度の返礼があるので、日本国民全体で考えれば、国や自治体に入り使えるはずだった納税額は実質的に減少しているでしょう。

 

総務省が、ふるさと納税について、当初想定していなかった事態になったので、あわてて通知文書をバンバン出したわけですが、税金制度の専門家を交えて、「ふるさと納税制度をどのようにするべきか」議論し制度を再設計すべきではないかと思います。

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 12:03
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