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恋愛リアリティ番組におけるリスク想定と対応が不十分だったフジテレビ

JUGEMテーマ:ビジネス

 

「恋愛リアリティ番組」の「TERRACE HOUSE TOKYO2019-2020」に出演していたプロレスラーの木村花さんが2020年5月23日に亡くなった。

この番組は、Netflixで配信され、その約1か月後にフジテレビ(地上波)でも放送されます。

木村さんが死を選んだ原因として「SNSによる誹謗中傷」が挙げられています。

いわゆる「ネット上の炎上」を招いたとされる出演シーン(地上波では5月18日に放送)は、

・リングコスチュームは、花さんが「命の次に大切」と語っていた

・このリングコスチュームが入ったままの洗濯機を、ほかの出演者が誤って使った

・コスチュームは乾燥機にかけられ、よれよれに縮んで着られなくなった

・花さんは激怒し、共演者の帽子をはじき飛ばし罵声を浴びせた

というものでした。

 

このシーンが配信され(その後放送)ると、そのシーンを見ていた視聴者が、木村さんに反発し、SNS

「テラハ史上いちばん最低なメンバーだ」

「花死ね」

などといった書き込みが数多くされるようになったのです。

 

木村さんが、誹謗中傷による人格否定を苦にして、死を選んだとすれば、悪いのは、「SNSに書き込みした人たち」となります。

しかし、そのようなSNSでの誹謗中傷の原因を作ったのは、「テラスハウスの企画・制作配信/放送の責任を負うフジテレビ」です。

 

出演者への誹謗中傷は、「お芝居であること」が誰もがわかっているはずのドラマやお笑いであっても、「個人攻撃」は発生します。

「恋愛リアリティ番組」は、「セリフはない」といわれているので、ドラマより視聴者がより「出演者個人へ感情移入」しやすく、そこが番組の魅力となっています。

したがって、「実際以上に好印象」に出演者が視聴者に捉えられる「良いリスク」もありますが、「出演者の発言や行動に賛否が分かれるようなシーン」では、「個人攻撃に繋がる誹謗中傷が発生する負のリスク」が当然あるわけです。

 

一部報道では、テラスハウスの元スタッフが、

・台本はないがストーリーはあった

・テラスハウスは、週に2、3日集まって撮影をするだけで“共同生活”とは言えない

・撮影前に『どんな設定で恋愛を動かしていくのか』という説明を出演者に伝えていた

・制作側の指示通りに撮れないときは“テイク2、テイク3”があった

・“もっと怒鳴り合って”と指示することもあった

・以前は、キスをしたら5万円のボーナスを渡していた

・近年は、生々しい人間模様を見せるショーの要素が強まっていた

・SNS上の盛り上がりが番組の人気を支えていた

と語っています。

 

つまり、テラスハウスの出演者は、制作側が意図し、期待する方向で、「自らの立場を理解し、忖度したふるまい(演技)をしていたわけです。

そして、制作側も「SNSでの炎上を含む盛り上がり=番組の成功」という出演者のメンタルケア無視の発想だったのかもしません。

さらに、この制作側には、「姉御」的スタッフがいて、このスタッフに気に入られると出演シーンも増える、という状況だったようです。

 

つまり、整理すると、

 

◆日本のテレビ番組は、報道番組ですら台本がある。つまり、キャスター、コメンテイター、専門家は「局側がしゃべってもらいたいことを察してその役割を演じている」

 

◆基本的に「テレビに出演している人は、制作側の意図する役割に沿って立場を演じているだけの存在」と理解することが視聴者には必要。したがって、「個人の人格を誹謗中傷する人が問題」

(テレビ番組に対する視聴者のリテラシーを高める必要性)

 

◆今回の「恋愛リアリティ番組」の場合は、「リアル」を制作側が売りにしているのだから、視聴者が「出演者のふるまい=個人の人格」と錯覚し、誹謗中傷が個人に及ぶことを想定し、出演者を守ることとシステムが局側に必要だった

 

◆「番組が盛り上がること至上主義」のフジテレビ側の姿勢・体質・風土は併せて糾弾されるべき

 

といったことが言えると思います。

 

それにしても、ざっくりした所感ですが、「フジ系の体質は、以前とちっとも変っていないな」と思います。

私が、2007年5月に上梓した「不祥事を止めるISO思考」(光文社刊)では、フジテレビ系列の関西テレビが制作した番組「発掘!あるある大事典」の2007年1月7日の放送の『食べてヤセる!!!食材Xの新事実』(その後、ヤラセ問題で番組終了)の問題について考察しています。

覚えている方もいるかもしれませんが、この時は、

・行ってもいない検査データ

・被験者と無関係な写真資料を番組内で表示していた

・教授のコメントまでもがスタッフのねつ造(創作)

といった「情報番組にあるまじき番組制作」がされたわけです。

(その後、番組は終了)

 

この出来事(不祥事)から10数年が経過しましたが、フジテレビの組織体質は、本質的には、何も変わっていないし、コンプライアンスやリスク想定と対応に関するマネジメントシステムは有効に機能していなかったといえるのかもしれません。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ700号より)

 

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author:有賀正彦, category:経営・ビジネスに関する話, 10:44
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