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ISOマネジメントシステム審査におけるリモートワーク

JUGEMテーマ:ビジネス

 

※本コラムは、2020410日に配信されたメルマガからの転載記事です。

 

新型コロナウイルスの感染者が、日本では、拡大し続けています。

政府は「自宅で仕事をしましょう」と呼び掛けています。

サービス業に従事する友人や知人にリモートワークについてお聞きすると、これまで準備をしてきていた会社は対応できていますが、そうでない会社は、急にリモートワークにするのは技術的に難しいようです。

また、技術的には会議や打ち合わせなど一部の業務はリモート対応可能でも、企業文化として導入が難しい会社もあるようです。

 

そもそも、リモートワークが始まったのは、1970年代のアメリカだそうです。

当時、オイルショックが起きたことと、自動車による大気汚染が社会問題となっており、これらの解消策として「電話を使って自宅にいながら仕事をするスタイル」として導入(当時はテレワークという言い方です)されたそうです。

 

日本でのテレワークが始まったのは、1984年にNECが導入した吉祥寺のサテライトオフィスが始まりと言われているようです。

きっかけは、「結婚や出産を機に経験豊かな女性人材が退職して状況に歯止めをかけること」だったそうです。

 

このように歴史を振り返ると、数年後に「リモートワークが普及したのは新型コロナがきっかけだったね」ということになるのかもしれません。

 

さて、本コラムのテーマである「ISOマネジメント審査におけるリモートワーク」ですが、ざっくりと認証機関が実施する組織審査を分解してみます。

 

1)初回会議、日毎会議、最終会議

2)トップインタビュー

3)管理責任者、各部門の審査(プロセス審査)

4)製造工程など組織の敷地内にある現場審査

5)建設現場、物流の積込荷降ろし現場など一時的サイトの審査

6)審査チーム内の打合せと審査現場における報告書作成

 

です。

 

ZOOMSkype、ライトフレッシュボイスなどのウェブ会議システムを使った場合、リモート審査が比較的容易なのは、

1)初回会議、日毎会議、最終会議

2)トップインタビュー

6)審査チーム内の打合せと審査現場における報告書作成

でしょう。

 

実際、現状でも、多くの認証機関が、上記1)、2)、6)については、審査対象組織が複数サイトである場合、日常的に実施していると思います。

問題は、

3)管理責任者、各部門の審査(プロセス審査)

4)製造工程など組織の敷地内にある現場審査

5)建設現場、物流の積込荷降ろし現場など一時的サイトの審査

です。

 

言わずもがなですが、認証機関の審査員は、審査証拠を入手する方法として、

a) 面談

b) プロセス及び活動の観察

c) 文書及び記録のレビュー

があります。

 

議論が複雑になるので、ここでは「情報セキュリティ面は考慮しないこと」にしますが、「面談」については、パソコンの前に着席してもらえば、ほぼ、問題ないでしょう。

 

「文書及び記録のレビュー」についても、組織の文書や記録が、電子化されていれば、紙の文書や記録をリアルにめくった方がスピードは速いですが、確認することはできるでしょう。

 

私自身が実施したことがないので、「実際のところどうなんだろう」というのが、

4)製造工程など組織の敷地内にある現場審査

5)建設現場、物流の積込荷降ろし現場など一時的サイトの審査

における「プロセス及び活動の観察」と「現場作業担当者への面談」です。

 

例えば、あらかじめ、製造工程や建設現場の作業風景を動画で撮影してもらって、それを見ながら、担当者にインタビューすることは、ほぼ、問題なく可能でしょう。

 

その日の現場作業をリアルタイムで確認しながら適度に、担当者にインタビューする方式で審査をする場合を考えてみます。

この場合は、組織側で案内役の人が作業風景を審査員の指示に従いながらウェブに接続されたカメラで撮影することがまず必要になります。

作業性に関しての議論を省けば、私自身が実施もシミュレーションもしたことがないので、想像の世界ですが、なんとか実施できる気がします。

 

実際には、守秘情報に関するセキュリティの問題やあらかじめ撮影された画像の場合、組織にとって都合の良いプロセスや作業者を限定して撮影している可能性もあるので、他にもさまざまな可能性について、リスクを検証しておく必要があります。

しかし、こうして、検討してみると、感覚的には、1認証サイクル全てをリモート審査で実施するのは、認証の信頼性という観点で気になります。

例えば、第三者が「審査は全てリモートで実施し、認証しています」という「認証書」に信頼感があるのか、という疑問です。

したがって、初回審査や更新審査などは少なくとも、リアルに訪問して審査を実施することが必要だと思いますが、技術的には、可能に思われます。

 

国際的基準文書としては、IAF MD4:2018(認証審査/認定審査を目的とした情報通信技術 (ICT) の利用に関するIAF 基準文書Issue 2)があるので、この基準に沿った手順書の確立が必要ですが、今後、ICTを活用したリモート審査が増えていくきっかけに、新型コロナは大きな影響をあたえることになる気がします。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ693号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:57
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