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9月新学期案に対するシミュレーションは十分なのだろうか

JUGEMテーマ:日記・一般

 

新型コロナ感染症の影響で、小中高校および専門学校、大学等の新学期が遅れています。

この状況を受けて、全国の知事たちが「9月新学期案」を政府に要請するという話が持ち上がっているそうです。

 

また、2020429日の衆院予算委員会で、国民民主党の玉木雄一郎氏が、

「学びを継続し、遅れを取り戻し、格差を是正するためには、9月入学、9月新学期に移行するのも一案だと考えます」

「これ実は、省令改正でできますよね」

と質問し、この質問に対して、安倍首相は、

「これくらい大きな変化がある中においては、さまざまな選択肢を検討していきたい」

と述べたそうです。

 

教員をしている友人や小学生の子どもを持つ親との話題で「9月新学期案」や「今年度は全員留年案」は、少し前から話題に上がっていました。

ものごとには必ず「賛否」があるので、世の中の仕組みを大胆に変えるには、今回のような「歴史的事件」の時でないと、変えられないという考えもあります。

また、「9月新学期は国際標準である」というのは耳心地がよいし、「4月新学期だと海外の優秀な学生を受け入れにくい」という意見を聞くと、「ふむふむ」となります。

 

しかし、9月入学を採用している国は、

「アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国」などで、確かに「主流」ですが、シンガポールは「1月入学」、オーストラリアやニュージーランドは「1月下旬〜2月入学」、韓国は「3月入学」と必ずしも「9月ばかり」ではありません。

 

また、医師、看護師、薬剤師といった国家資格の試験は、2月に実施されますが、これは、「3月卒業」という現行制度から考慮された日程だと思います。

国家公務員試験は、法務と教養を除く総合職と一般職の最終合格発表は、それぞれ6月下旬、8月中旬で、この日程も、「3月卒業」を前提として計画されています。

 

また、現在は、入学年齢を「42日〜41日」で区切っていますが、「9月入学」とする場合、「現行制度より半年遅れの92日〜91日」とするか「現行制度より半年早い92日〜91日」とするかの議論もあります。

(※現行制度では、小学校入学は41日時点で満6歳となっている)

まさか、「年齢区分は、現行制度を生かし、新学期だけスライドさせる」という案でしょうか。

 

少子化の時代で、かつ、高学歴社会で、社会人になる年齢がどんどん上昇しており、半年遅らせるか、早めるかの議論も必要です。

 

教師など教育者や公立学校を管理する教育委員会の立場で考えれば、「新学期が遅れているんだから、どさくさに紛れて、半年遅らせちゃえ」というのは、一番安易な解決策です。

しかし、「学期」は、社会の各種制度のスケジュールとも密接に関係しており、「議論がほどんどないまま9月に変える」としたら、安易すぎて、びっくりです。

大学入試制度改革でも、侃々諤々の議論を数年単位でしているのに、おいおいおい、です。

 

また、今年は高校野球の春の選抜大会や夏のインターハイが中止になりましたが、こうした大会スケジュールも「学期」と密接に関係していますし、大学側は、スポーツ推薦の選考方法も見直さないとでしょう。

 

そもそも、通信教育の学校は、「9月入学に変えられたら困る」はずです。

また、学校によっては、宿題やリモート面談などで、うまく授業相当分を工夫しているところもあります。

 

個人的には、「9月入学」は、反対では決してありませんが、「今年から施行することでのメリットとデメリット」や「リスクと機会およびその影響のシミュレーション」が不十分ではないように思います。

 

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author:有賀正彦, category:一般コラム, 11:27
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