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ISO認証制度:FSSC22000のフードカテゴリー

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「FSSC22000のフードカテゴリについて」について。

 

食品安全マネジメントシステム規格として著名な規格にFSSC22000があります。

https://www.fssc22000.com/?lang=en

 

この規格のパート1(スキームの概要)では、

・畜産 (カテゴリA)

・食品製造 (カテゴリC)

・動物飼料の製造 (カテゴリD)

・ケータリング (カテゴリE)

・小売及び卸売 (カテゴリF)

・輸送及び保管 (カテゴリG)

・食品包装及び包装材の製造 (カテゴリI)

・生化学製品の製造 (カテゴリK)

というカテゴリが規定されています。

 

例えば、(以下、FSSC22000規格から引用)

【食品製造 (カテゴリC)

フードチェーンカテゴリC は,次の食品加工活動を含む:

a) 腐敗しやすい動物性製品の加工。魚及び海産物,肉,卵,乳製品並びに魚肉製品を含む動物製品の製造

b) 腐敗しやすい植物性製品の加工。生鮮果物及びフレッシュジュース,野菜,穀物,ナッツ及び豆類,氷を含む植物性製品の製造

c) 腐敗しやすい動植物製品の加工。ピザ,ラザーニャ,サンドイッチ,ダンプリング,インスタント食品を含む動植物混合製品の製造

d) 常温保存製品の加工。常温で保存され,販売される,あらゆる供給源からの缶詰食品,ビスケット,パン,スナック,オイル,飲料水,飲料,パスタ,小麦粉,砂糖,食塩を含む,あらゆる供給源からの食品の製造。

 

【ケータリング (カテゴリE)

フードチェーンカテゴリE は,消費者にケータリングサービスが提供されるときに適用する。食品は,消費される場所又はサテライトユニットで調理される。

この例には,次のものがある:

・食品を消費者に直接提供するか,又は直ちに消費されるように食品を提供する製造ユニット/キッチンで,例えば,レストラン,ホテル,カフェテリア

・離れたサイトで食品を消費者に直接提供するように食品を取り扱うケータリングで,例えば,社員食堂,コーヒーショップ,フードトラック,催事ケータリング。

 

【小売及び卸売 (カテゴリF)

フードチェーンカテゴリFI は,小売及び卸売活動に適用する。

小売は,少量の商品を再販目的ではなく,消費目的で最終顧客(すなわち,消費者)に販売すると定義される。小売店は,物理的な建物及び施設(すなわち,店舗)を保有していなければならない。小売店は,インターネット販売又は宅配を行ってよいが、独立した活動としてではなく,物理的な小売場所に連動しているときに限って,適用範囲に含めてもよい。対象に含まれることのあるインターネット販売又は宅配を行ってよい。

卸売は,商品を製造業者又は他の売手から購入し,商品を小売店,業界及び,ときには最終消費者に販売すすると定義される。卸売店は,独立した活動としてではなく,物理的な卸売場所に連動しているときに限って,対象に含まれることのあるインターネット販売又は宅配を行ってよい。

卸売業者は,常に製品の所有権を得て,その活動には食品,飼料及び/又は食品及び飼料のための製品の梱包が含まれることがある。

調理済食品を提供するためだけの小売及び卸売の店舗内活動には,最終加工段階(例えば,肉の直火焼,パン焼,肉又は魚の切り分け)が含まれることがある。

 

【輸送及び保管 (カテゴリG)

フードチェーンカテゴリG は,製品の所有権はもっていないが,食品,飼料又は食品/飼料包装材の物理的な保管及び/又は輸送を行う第三者の物流サービスプロバイダに適用する。これには,パック製品の再包装,冷凍及び解凍作業のような追加活動が含まれることがある。自社製品の保管及び/又は輸送を行うだけの製造業者は,他者にサービスを提供することがないので,このカテゴリに従って審査してはならない。

(引用ここまで)

 

といったように規定されています。

 

FSSC22000の登録組織と該当カテゴリを見ていると「この組織がこのカテゴリに区分されるのはおかしいのでは?」というものがあります。

 

例えば、

事例1

「食品製造(カテゴリC)における試食品製造のキッチンをカテゴリEとしている」

例えば、サラダドレッシングやめんつゆなど調味料を製造している組織(カテゴリC)が、ドレッシングやめんつゆの一般的な使用例ではなく、「こんな使い方もできますよ」という調理事例を工場内のキッチンで作り、工場見学の来場者に試食させる事例がよくあります。この場合、「試食」の目的は、自社製造しているドレッシングやめんつゆの宣伝や販促活動の一環です。

つまり「試食する食品の製造」は「製品」ではなく、つまり「カテゴリE(ケータリング)」ではありません。

しかし、認証機関によっては、「試食する食品の製造」を組織が実際に実施しているから「カテゴリE」として審査しているケースがあります。ケータリングのような「プロセス」はもちろん存在しますが、「製品」ではありませんので、「カテゴリE」は、基本的には必要ありません。

同様に、カテゴリF(卸売/小売)でも、野菜や果物のPRの一環として、野菜や果物をキッチンで調理して見学者に食べてもらう活動があります。

しかしこの場合もカテゴリEでの審査は必要ありません。

また稀に、カテゴリCとして審査されている事例を見かけますが、これも誤りでしょう。

 

事例2

「自社で製造した加工食品を顧客(例:卸売業者、小売業者)に輸送しているので、カテゴリCGとしている」

このケースは、あきらかに誤りです。

カテゴリGでは“自社製品の保管及び/又は輸送を行うだけの製造業者は,他者にサービスを提供することがないので,このカテゴリに従って審査してはならない”とはっきりと規定されています。

 

あと、カテゴリA機米///蜂蜜の生産のための畜産)は、

「食肉生産,卵の生産,ミルクの生産又は蜂蜜の生産に使用する動物の飼育」

と規定されています。

肉牛の場合、「哺育」や「肥育」を目的としていれば、明らかに「動物の飼育」です。

しかし、「牛肉の加工」の場合、屠畜する際に「係留」といって、24時間程度、牛に餌を与えて休息を取らせるプロセスがあります。

この「係留」を「動物の飼育」(製品・サービス)といえるのかといえば、微妙ですが、私は「否」だと思います。

あくまでも、「係留」は、食肉加工において、安心安全な食肉生産のためのプロセスです。

もちろん、審査をする上では、畜産(カテゴリA)の知識を持った審査員を配置するのが重要ですが、あくまでも審査のカテゴリは、「食肉加工(カテゴリC)」だけでよいと思います。

 

QMS(品質マネジメントシステム)の認証の場合は「製品・サービス」なのか「プロセス」なのか、といった議論は認証範囲を決める上で常識ですが、食品安全の場合、「単にプロセスなのに製品として審査をしている」事例が、意外と多くあるように思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ688号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:22
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