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ISO認証制度:マネジメントシステムのグローバル認証組織

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「マネジメントシステムのグローバル認証組織」について。

 

本コラムの「お題」とした「マネジメントシステムのグローバル認証」の話から少し脱線しますが、いわゆる「ISO認証機関(ISOマネジメントシステム認証機関)」の経営スタイルとして、認証機関毎、いろいろな経営戦略があります。

例えば、

・品質マネジメント、環境マネジメントに絞って認証サービスを提供する機関

・品質、環境、労働安全、情報、食品安全・・・とあらゆる認証サービスを提供する機関

・建設業及び関連産業など認証する産業を絞って認証サービスを提供する機関

・現地法人がある多国籍企業を中心に認証サービスを提供する機関

・中小組織を中心に認証サービスを提供する機関

・・・・・

といった感じです。

 

これを他の産業、例えば、病院に例えれば、

・小児科、内科など診療科目を絞った医療機関

・内科、外科はもちろん精神科、眼科、皮膚科、歯科等あらゆる診療科目のある医療機関

・こども、あるいは、高齢者の患者さま中心の医療機関

・へき地の医療機関

という感じです。

 

ISO認定認証制度の誕生から30年以上経過すると、広義では「マネジメントシステム規格に基づいて認証サービスを提供する」という目的は一緒でも、その認証機関の設立意義や使命などから経営スタイルがいろいろな方向に分化してくるのは当然でしょう。

 

※「認証機関は差別化、ブランド化すべき」という提言については、今から12年半ほど前にコラムにしているので、関心のある方は、ご覧ください。

《参考コラム》

・認証機関の差別化・ブランド化(前編)(2007.10.23

http://blog.logcom.jp/?day=20071023

・認証機関の差別化・ブランド化(後編)(2007.10.24

http://blog.logcom.jp/?day=20071024

 

どんな産業の組織でもそうですが、「こじんまりと堅実に組織を経営する」か「どんどん大きな組織にして経営する」という分かれ道があります。

認証機関のビジネスの場合は、「あらゆる認証サービスを提供する」という選択をした場合は、後者の道を歩むしかないでしょう。

つまり、単独、あるいは、提携するなどしてグローバル認証機関への道を選ぶしかないです。

国をまたぐ多国籍企業の審査ができるメリットは、1認証単位の売上が大きく、結果として業務効率がいいことが挙げられます。

認証ビジネスの場合、実質的な審査部分を除いた、例えば、申請受付や登録証発行、日常的な情報連絡については、10人の組織でも、1000人の組織でも「やることは一緒」です。

したがって、認証機関の規模を効率的に巨大化させるのであれば、グローバル企業を顧客(登録組織)とすることです。

 

このコラムの「お題」にようやく戻りますが、グローバル企業のISO認証は、グローバル企業グループのホールディング会社が親玉となって、全世界の事業所を含めたグループを「1組織」として認証を受けるケースが増えています。

 

つまり、元々は、法人単位で捉えれば、何十もの法人があり、その中の大きな法人であれば、事業所が100以上もある巨大な組織もあり、事業単位、あるいは、サイト単位で認証取得をしていた時代は、「認証組織数(登録件数)」は100以上あったとしてもグループとして認証組織単位が「1件」になるわけです。

 

こうしたグローバル企業の認証審査を受注した認証機関のメリットは、「売上向上、売上あたりの業務コスト削減」があります。

しかし、「認証業界全体」で捉えれば、「売り上げのパイは減少」(登録件数も当然激減)することになります。

 

さて、このグローバル認証企業ですが、認証システムとしては「あり得る」話ですが、「企業経営とマネジメントシステムの統合」という観点で捉えると、「微妙」です。

確かに、経営的には、ホールディングス組織を親玉として、各グループ企業とは資本関係が密接にあるのですが、資本関係以外にグループ全体をつなぐものは、せいぜい「経営理念」ぐらいで、「マネジメントシステムを1つにして効果的な業務運営が継続的に遂行できるか否か」という点では、「効果的な運営は期待できない」と思います。

 

グローバルグループ企業全体を取りまとめて、認証単位をひとつにしたことで、そのグループ企業全体の認証コストは相当できますが、審査はサンプリングとなり、各事業所に毎年訪問するわけではないので、「単なる寄せ集め認証」になっていることが多い気がします。

 

 

仕事仲間のある方が「単なる寄せ集め認証となってしまう原因は、親玉であるホールディングス(ISO事務局)に効果的なグローバルグループ認証のあり方を理解し、グループ全体を取りまとめる力量がある人材がいないことだ」とおっしゃっていました。

まさにその通りでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ687号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:39
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