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専門的力量が承認されていない審査員による審査

JUGEMテーマ:ビジネス

 

認証機関は、ISOマネジメントシステム審査について、審査する組織の産業分野によって審査に必要な力量を決めなくてはなりません。

 

認証機関に対する要求事項であるISO17021-1:2015では、この力量に関する要求事項の規定が何カ所かありますが、例えば、「9.2.2.1.5」では、

 

(以下、9.2.2.1.5より引用)

審査チームリーダーは、審査チームと協議して、特定のプロセス、機能、事業所、分野又は活

動を審査する責任をそれぞれのチームメンバーに割り当てなければならない。

このような割当てには、審査員、訓練中の審査員及び技術専門家の異なる役割及び責任とともに、必要な力量及び審査チームの効果的かつ効率的な利用を考慮しなければならない。

審査目的を確実に達成するために、審査の進捗状況に応じて、作業割当ての変更を行ってもよい。

(引用ここまで)

 

と規定されています。

また、IAF MD1:2018(複数サイトの組織が運用するマネジメントシステムの審査及び認証のためのIAF基準文書)の「7.2.3」では、

 

(以下、7.2.3より引用)

いずれの時点においても、複数のメンバーからなる複数の審査チームを使用する場合、審査の各部分及び各サイトに要求される専門的力量を特定し、かつ、審査の各部分に対して適切なチームメンバーを割り当てることは、チームリーダーと共に認証機関の責任でなければならない。

(引用ここまで)

 

と規定されています。

 

つまり、ざっくりまとめれば、

・チームリーダーは審査チームで協議して審査担当部門やプロセスを割当なさい

・審査を担当する部門やプロセスの審査に必要な力量を明確にしなさい

・必要な力量に基づいて審査の割り当てをしなさい

ということになります。

 

例えば、「建設会社」に2人の審査員で審査を担当する場合、「2人とも建設業を審査する力量」(専門的力量)があれば、審査割り当てについて、原則、何も心配することはありません。

問題になるのは、1人は建設業の専門的力量があり、もう1人は建設業の専門的力量が承認されていないケースです。

 

建設業といっても、総務部門や人事部門といった間接部門は、一般的には、建設業の専門的力量が承認されていない審査員でも審査を担当することについて適切ではないとは言えないでしょう。

組織特性もあるので一概には言えませんが、建設業の場合であれば、

・設計部門

・施工管理部門

・協力会社選定、発注、教育部門

・建設資材などの購買管理部門

・施工現場

は、建設業の専門的力量がないと審査を割り当てることは適切でない、と考えるのが妥当でしょう。

 

ただ、組織特性により、組織毎に検討しなければなりませんが、建設資材の購買部門や協力会社の選定部門は、建設業の専門的力量が承認されていない審査員であっても、例えば、

・建設業の専門的力量が承認された審査員が教育し教育の有効性を承認する

・建設業の特性と当該審査組織の特徴を事前に教育し教育の有効性を審査部長が承認する

といった方法で審査を割り当てることは、可能でしょう。

 

専門的力量が承認されていない審査員を審査に割り当てるポイントは、

・専門的力量が承認されていなくても割り当てられる部門やプロセスを明確にする

・専門的力量が必要な部門やプロセスであっても、部分的に担当できる手順・基準を明確にする

というになります。

 

私見ですが、実際の審査場面においては、全くその組織の業務の流れや専門用語が理解できないということでなければ、専門的力量より、傾聴力や質問力などコミュニケーション能力の方が「有効な審査ができる」ように感じます。

しかし、社会に認められる組織の能力証明としての役割が「ISO認証」であるとするならば、専門的力量について承認された審査員を割り当てて審査が成立しているということを認証機関は実証することが認証の信頼性確保に必要なこととなります。したがって認証機関への要求基準としては当然(仕方ない)なのかもしれません。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ642号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:17
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