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“できるビジネスマンのマネジメント本”のあとがき公開!

JUGEMテーマ:ビジネス

 

2019年10月25日に出版した拙著「できるビジネスマンのマネジメント本」に掲載の「あとがき」を公開したいと思います。

 

(以下、あとがきより引用)

『おわりに/時代とともに変化する社会常識とコンプライアンス』

「法令順守=コンプライアンスではない」

哲学者ソクラテスの格言に「悪法もまた法なり」があります。これはたとえ悪法であっても、私たちはその法が廃止(改正)されるまではそれを順守しなければならないという意味です。

法律を作る時に原案作成者は、社会的背景などイメージする前提や想定をもとに作成しています。つまり、はじめから悪法を作るつもりはなくとも、その時点で想定外のケースは当然あるから、結果的に「悪法になってしまった」ということはありえるでしょう。しかし、誰もが「この法律は悪法だから守らずに無視してもいい」と言い出したら、「社会」は混乱します。

かつて、証券取引法上の解釈ではグレーゾーンになる部分を徹底的に利用して急成長した誰もが知っている企業がありました。しかし、その企業がどうなっているかといえば、世間からは叩かれ、現在はかつての勢いを失っています。つまり、企業が法律を順守するのは当たり前。しかも、法律作成時点で想定していないグレーな部分について世間の理解が得られる範疇、つま

り「常識の範囲内」で法律を解釈・運用することが信頼され、かつ、安心感のある真っ当な企業と言えるのです。

また、近年の企業不祥事を見ていると、「法律には抵触せずとも、一般的な社会の常識やモラルを無視」してニュースで大々的に取り上げられ非難されるケースも多いです。

つまり、世間から信頼される企業というのは、法規制は当然のごとく、モラルや社会常識の変化を常にウォッチして、それらに適切な社内ルールを構築・改善し、業務活動を行なっている組織という事ができるでしょう。言い換えれば「社会の顕在および潜在的な要請に継続的に適応させていくこと」=「コンプライアンス」が健全性のある真っ当な組織といえるのです。

 

「社会の潜在的な要請に継続的に適応した仕組み」

「社会の顕在的な要請」は法律で明確になっている部分、「社会の潜在的な要請」は、例えば、「安全な食品を供給して欲しい」、「良質で歪曲のない報道をして欲しい」という世間の暗黙の要求やニーズ若しくは期待であり、業務上の義務的事項とも言えるでしょう。

ただ少し厄介なのは、「社会の潜在的な要請」は時代とともに変化することです。したがって、組織は常に顧客や社会や社内の声を継続的に監視し、的確に捉えて対応していく経営管理の仕組み(社内規定や社内通報制度、ISOやCSRなどのマネジメントシステム)が必要です。

ちなみに、企業不祥事が発生する組織の体質を、事例から探ってみると、以下のような傾向があります。

(1)上層部が絶対的な権限を持っている

(2)自己中心的な幹部や職員が多い

(3)組織のブランドにおごっている

(4)過去の栄光・ビジネスモデルにしがみついている

(5)問題発生させた人を執拗に責める(秘密主義・隠蔽体質)

(6)同族経営

(7)消費者利益よりも組織の利益優先

(8)マネジメントシステムが脆弱

 

「仕組みが無くてダメな会社と仕組みがあってもダメな会社」

もちろん、経営管理の仕組みがあってもコンプライアンスが必ず徹底されるわけではありません。その理由を私は、次のように捉えています。つまり、「組織の不祥事」には大きく分けて2種類あるのです。

ひとつは、不具合や事故の再発や事件の発生の恐れが予見できたにも関わらず、業務管理が不十分なため、問題が必要以上に大きくなり、「社会問題と化してしまったケース」。もうひとつは「動機、機会、モラル違反」の3点セットが揃った時に発生する「不正」です。

結論から言ってしまえば、前者の多くは前述したように「経営管理の仕組み」が、その時代に合った適切な状態に管理されていないために不祥事が発生している「仕組みが無くてダメな会社」です。

一方、後者は、組織の長年の誤った業務習慣から培われ、醸成されていった結果が、不正の温床となっています。

つまり、不正の3要素である「動機、機会、モラル違反」は行き過ぎたワンマン経営、売上至上主義、成果主義などといった組織体質が起因しています。したがって、表面上または形式的に「組織の経営管理の仕組み」を構築し、ちょっといじって、職員教育をしたところで、企業哲学、理念、自組織の社会における存在意義などから徹底的に捉えなおし、鍛えなおさなければ組織は何も変わらない「仕組みがあってもダメな会社」なのです。

自社が「仕組みが無くてダメな会社」なのか「仕組みがあってもダメな会社」なのかは別にして、これからの組織とビジネスマンに求められる共通の4つのキーワードがあります。それは、「適切な経営システムの構築」、「顧客・社会に対する説明能力」、「会社と各業務の目的と関連法規類の認識と理解」、「職員の論理的思考」です。

「仏作って魂入れず」という例えがあるように、どんな立派な社内ルールや制度、すなわち経営管理の仕組みを作っても職員がそれらの目的を本質的に認識し、理解していなければ、全く機能しません。

つまり、これからの企業経営は「自律した組織作り」がリスクマネジメントの必須条件です。

本書がビジネスマンに必要なマネジメントスキルを身につけることの一助になれば幸いです。

(引用ここまで)

 

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(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ676号より)

 

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author:有賀正彦, category:経営・ビジネスに関する話, 09:02
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