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複数法人による一括認証と認証表記の考え方

JUGEMテーマ:ビジネス

 

マネジメントシステム認証の世界では、「認証」が持つ意義として一義的には「その製品やサービスを利用する(潜在的含む)消費者や発注者に対する信頼感担保」という役割があります。

そのため、認証制度の草創期は、「本社をシステム上の顧客」とする「組織」(例:製造工場)単独で認証を受けるようなケースが多々ありました。

しかし、冒頭に記載した役割が「マネジメントシステム認証」にあるとするならば、マネジメントシステム構築の範囲を「本来の顧客やエンドユーザーに対して関係がある組織」とする必要が出てきました。

 

また、今の時代は、「ワンストップサービス」でグループとしての業容を拡大しているケースも多々あります。

「引越し」に例えれば、「引っ越しサービス」という基本業務があります。

しかし、顧客ニーズとして、引越しサービス以外に、

・引っ越しに伴う家具・家電の販売

・引っ越しに伴う清掃、修理・メンテナンスサービス

・引っ越しに伴う電話、電気、水道、ガス等の契約代行サービス

といった関連サービスを利用したいニーズがあります。

そこで、自社の部門を子会社や関連会社として独立させて「ワンストップサービス」をグループ組織として実現するわけです。

 

ただ、物販など各サービスを別会社化すると、「引っ越しに伴わない家具・家電の販売」も徐々に生じてくるわけです。

この場合、家電等の販売、清掃等、契約代行サービスなどについて、「ワンストップサービスの一部」のみを認証対象業務とするならば、認証範囲の表記は、

・引っ越しサービスの企画、提供

で問題ないと思います。

 

ただし、引越しに伴わない単独の「家具等の販売」や「室内清掃」といったサービスを実施し、それを認証範囲に含める場合は、認証範囲の表記は、

・引っ越しサービスの企画・提供

・家具・家電の販売

・室内清掃、室内設備の修理の企画・提供

・インフラの契約代行サービス

といった表記になるでしょう。

 

品質マネジメントシステムの認証の場合は、審査をする場合、ワンストップサービス(複合サービス)と各単独したサービスが適用規格に適合しているか確認することはもちろん、併せて、要求事項の適用不可能についても確認する必要があるでしょう。

 

問題は、環境や情報セキュリティマネジメントシステム認証の場合です。

品質マネジメントシステムの認証は、「製品・サービス毎」に対象範囲を決められます。

しかし、環境や情報の場合は、その組織で実施している業務について一部を除外するという概念は、「サイトや部門が全く別」というケースを除き、通常は無理だと考えられます。

したがって、原則的には、対象とした組織範囲で実施している全ての「製品・サービス」が審査の対象となるでしょう。

 

少し話はそれますが、「環境や情報の場合は、組織が実施している活動内容を認証範囲に表記すればよい」という意見があります。

しかし、私は、この主張には、現状、反対です。

「組織が実施している活動内容を認証範囲に表記すればよい」という主張になると、各部門の組織の内部的な活動も認証範囲の表記に出てきてしまうからです。

ISOの場合は、「サイト毎のサブスコープ」という概念があるので、

・メインスコープ:組織(複数法人の場合はグループ)が提供する製品・サービス

・サブスコープ:サイト毎の製品または活動

という表記ができます。

つまり、「顧客に提供する製品・サービス」と「サイトで実施している業務活動」が区分けできます。

しかし、仮にメインスコープのみの認証表記しかない場合、そこに「内部の業務活動」を表記に入れてしまうと顧客に提供することを意図とした製品なのかそうでないのか、区別が全くつかなくなります。

 

ちなみに、「複数法人による一括認証」は、通常、

・認証登録を申し込んだ法人と会社法の定義による子会社であること

・メインとなる組織以外の法人の議決権が50%以下である場合、メインの組織が統括できる体制にあること

といった条件が課されています。

したがって、

・工業団地で、団地内の複数法人による一括した認証の取得

・事業組合及び協同組合等で、組合の会員法人による一括した認証の取得

といったケースは、「複数法人による一括認証」は、できないのが通例です。

 

少しマニアックな話題ですが、備忘録として記載していきたいと思いますので、参考にしていただけると幸いです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ671号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:14
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