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ISO認証制度:ASRP

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「ASRP」について。

 

ISO9001、14001の認証審査には「ASRP」という審査方式があります。

「ASRP」とは、Advanced surveillance and reassessment procedures(先進的サーベイランス・更新審査手順)の略称です。

ざっくりと説明すれば、「組織の内部監査及びマネジメントレビューのプロセスをより信頼」した上で実施される審査手順です。

そのため、認証機関が実際に審査する審査工数は、最大50%程度削減されます。

 

認証される組織の立場から見た、ASRP審査の一般的に言われるメリットを挙げてると、

・組織のマネジメントシステムの成熟度に応じているので、認証審査が効率的になる

・認証審査の審査工数が削減され、運用維持費用の削減ができる

・組織のマネジメントシステムの自立性がより一層高まる

・マネジメントレビュー及び内部監査の有効性がより向上する

・パフォーマンス指標の目標達成のための活動がさらに活性化する

といったことが言えます。

 

ASRPによる審査ができる条件は、

・過去3年間、認証登録が継続されている

・認証審査において重大な不適合がない

・組織に関連した重大な不良製品の発生、環境事故がない

・組織(法人、役職員)が品質・環境問題に起因して行政処分等を受けていない

・利害関係者から苦情等を受けている場合は、その問題が完全に解決している

・認証審査で検出された不適合の是正処置がすべて完結している

・内部監査プログラムを作成し、監査の結果で監査プログラムを見直す手順を定めている

・内部監査員の資格要件が、CEAR主任審査員に登録、または同等の力量を保有すると判断できる

といった要件を満たしている組織になります。

 

一見、上記条件をクリアするのは容易に映るかもしれませんが、認証機関の審査員が内部監査やマネジメントレビューに立ち会うので、結構、ハードルは高いと思います。

ASRPでは、内部監査を認証審査の一部として置き換えるので、内部監査レベルが低ければ、ASRP方式での審査は認められないわけです。

 

したがって、現状、JABのウェブサイトによれば、ASRP方式の認証サービスを提供している機関は4機関のみで、かつ、4機関合計の認証組織数も(想像ですが)おそらく、10組織程度ではないかと思われます。

ただ、ASRPを適用している日本を代表する組織にとっては、認証範囲が広いので、審査工数の削減メリットはもちろんのこと、おそらく「認証審査より深く詳細な内部監査が実施できているという自負があるので、ASRPを今後も積極的に活用していきたい、という考えがあるようです。

 

ところが、IAFのウェブサイトによると、ASRPの基準文書が2019年10月31日付で廃止されたというのです。

https://www.iaf.nu/articles/Mandatory_Documents_/38

 

詳細は、IAFのウェブサイトに譲りますが、

・2019 年10 月下旬にIAF総会が開催された

・IAF 総会にて、「IAF Resolution 2019-16」によりIAF MD3:2008が10月31日付で廃止になった

(MD3→IAF Mandatory Document for Advanced Surveillance and Recertification Procedures

・ASRPの認証を受けている組織との調整のため、1 年間の猶予期間が設定されることが決定された

というのです。

 

未確認情報ですが、IAF総会に出席した関係者の話だと、ASRPの基準文書であるMD3が2008年以降、改定されておらず、各国のASRP適用状況を調査したところ、現状、ほとんど利用されていないことからMD3が廃止にいたったようです。

IAFは、その名の通り、各国の認定機関の集まりですから、ISO規格のように改訂まで何年も掛けるような性質のものではないですが、それにしても、ASRPの認定を受けている認証機関とASRP適用組織にとっては「寝耳に水」的な急な話だと思います。

 

ASRP適用組織であることに誇りを持ち、認証審査より質の高い内部監査が運用されているという自負陣を持ったプライドの高い組織は、もしかしたら、「ASRPが適用されないのであればISO認証を返上し自主運営(自己宣言方式)に切り替える」という対応をとる組織も出てくるかもしれないですね。

適用している機関と組織の今後の動向に注目です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ673号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:32
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