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医薬分業が組織として機能していなかった?!愛生病院旭川

JUGEMテーマ:ビジネス

 

20191121日付の北海道新聞が、

3年間で延べ300人に無資格調剤 旭川・愛生病院」

という見出し記事を報じていました。

 

記事によれば、

・愛生病院が、20169月から約3年間にわたり、院内薬局で薬剤師資格のない事務員に調剤させた

・無資格調剤は、薬剤師法違反に当たるとして、旭川市保健所は9月に行政指導した

・無資格調剤を受けた患者は延べ279人に上る

・診療報酬の不正受給の可能性もあり、北海道厚生局が調査する見通し

・愛生病院は、院内薬局には薬剤師2人と事務員1人が勤務している

・毎月第1、第3土曜日に薬剤師2人を休ませ、事務員に外来患者への調剤や服薬指導をさせた

・この3年間で受けた診療報酬は約150万円

・現在まで体調不良を訴えた患者は確認されていない

ということだそうです。

 

そもそも論ですが、日本では「医薬分業」制度があります。

「医薬分業」とは、

・患者の診察、薬剤の処方を医師または歯科医師が行う

・医師・歯科医師の処方箋に基づいて、薬剤師が調剤や薬歴管理、服薬指導を行う

・医師・歯科医師と経営的に独立した存在である薬剤師が調剤、服薬指導し、医療の質向上を図る

という制度です。

 

ちなみに、医師・歯科医師が出す処方箋は、1日に220万枚と言われています。

そのうち、約6万枚が医療事故の可能性があると報告されているそうです。

つまり、保険薬局の薬剤師は、

・薬の量は正しいか

・飲み合わせの悪い組み合わせはないか

といった専門家として、医師・歯科医師が出した処方箋をチェックし、服薬指導して患者さんにお薬を引き渡すわけです。

 

処方箋に基づいて、薬剤師が調剤し、その患者さんへの投薬が適切であることを確認し、事務員が患者さんに渡すだけの行為であれば、制度の趣旨的にもギリギリセーフかもしれません。

しかし、記事によれば、土日は、薬剤師が勤務していないので、調剤と服薬指導は事務員が実施していたことは確実でしょう。

 

想像すると、隔週で土曜日に薬剤師にお休みを与えるとなると、薬剤師2人体制では無理で本来は3人体制にすべきなのでしょうけれど、報道では、「病院の一部幹部は、無資格調剤の違法性は認識していたが、“このくらいなら大丈夫”と思い、改善しなかった」と話しているそうですから、形式的に「医薬分業」をしているだけで、愛生病院旭川では、薬剤師による処方箋の適切性チェックや服薬指導という本質的な役割は、残念ながら、殆ど果たしていなかったのでしょう。

つまり、医師目線で「医師の処方通り薬剤師は調剤して患者に薬を提供すればよいし、それ以上の役割は期待していない」という体質が愛生病院にはあったのでしょう。

 

患者サイドの視点で捉えれば、単なる風邪で、他の服用薬がないような場合は、医師の処方箋=薬剤師も適切と判断する調合となるでしょう。つまり、調剤知識さえあれば(薬剤師法の遵法性を抜きにして)事務員でも実質OKでしょう。

しかし、そうした「健康被害につながる恐れが極めて低い処方箋」ばかりではないでしょうから、「土日の診療・薬の処方はリスクあり」状態であったのでしょう。

ただ、そうしたリスクの高い処方箋が土日にどの程度、発生していたのかも知りたいところです。

 

報道では、保健所の指導もあり、現在は、無資格調剤状態は改善されたようですが、薬剤師を補充したのではなく、隔週土曜休みを返上しての措置なのかもしれません。

また、愛生旭川病院は、別のグループ病院だったものを3年前の2016年に、現在の経営母体である社会医療法人元生会が買い取った病院のようです。

つまり、元生会に経営譲渡される以前からこのような体制だったのかもしれません。

愛生病院旭川のように、そもそも院内薬局の場合、薬剤師は独立した立場で、医師の処方箋に「モノ申す」ことができる体制だったのかについても、保健所は引き続き監視・指導して欲しいものです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ673号より)

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 07:35
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