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ISO認証制度:水道供給における設計・開発

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「水道供給における設計・開発」について。

 

ISO9001規格が2015年版に改訂された際に、設計・開発の定義が、

「要求事項を、製品、プロセス又はシステムの、規定された特性又は仕様書に変換する一連のプロセス」から、「対象に対する要求事項を、その対象に対するより詳細な要求事項に変換する一連のプロセス」

と変わりました。

 

つまり、「8.2 製品及びサービスに関する要求事項」で明確にした製品・サービスに関する要求事項だけで、8.4項以降に関わる製品・サービスの提供がそのまますぐにできるという状態であるなら、「8.3製品及びサービスの設計・開発」プロセスは無く、「8.3は適用不可能」といえるでしょう。

 

水道法では、水道事業は市町村が経営することとされています。

なお、水道供給に関しては、「水道用水供給事業」と「水道事業」があります。

「水道用水供給事業」とは、「水道事業者に用水を供給する事業」を指しています。

ちなみに、私の実家のある千葉県(2019年現在)は、6つの水道用水供給事業者と37の水道事業・簡易水道事業者が千葉県より認可を受けており、直近のデータではありませんが、2014年では、総人口約620万人に対して給水人口約589万人で上水道の普及率は95.1%となっています。

また、千葉県の場合、各家庭に給水する水道事業者は、前記した37の水道事業・簡易水道事業者以外に千葉県営水道として「千葉県企業局(旧千葉県水道局)」(11市に給水)があります。

 

千葉県内の事業所への工業用水に関しては、千葉県企業局が管轄しており、2019年現在、千葉県工業用水道事業地区は「7区域」あります。

千葉県企業局のウェブサイトによれば、現在「5区域」が「工業用水の新規受水」を募集しています。

 

話題を本題である「水道供給における設計・開発」に戻しますが、千葉県を事例として考えれば、「水道用水供給」は、顧客が「市町村等の水道局」、「工業用水供給」は、顧客が「各企業(工場)」となります。

水道供給の場合、顧客である市町村の宅地計画や人口予測により市町村と協議して企業局は供給水量を変更したり、新たに浄水場や導管を付設することになります。

また、工業用水供給の場合は、顧客である工場が新たに受水契約する場合は、千葉県企業局が配水管布設工事の責務があります。

また、大規模工場を誘致する場合で、工業用水事業区域内の現供給量を超えてしまう需要予測がある場合は、新たな工業用水の導管を付設することもあるでしょう。

 

・・・このように考えていくと、日常的な市町村や工場への水道用水、工業用水の供給のプロセスには、「8.3製品及びサービスの設計、開発」は、該当するプロセスが殆どないと思います。

(注1:製品を「水道水」、「工業用水」と考えるなら水道法や条例で製品基準が決まっている)

(注2:“安心・安定の水道、工業用水の供給”が、公企業としての責務と考えるならば、浄水施設(配水管含む)の耐震化計画などの活動は、「設計・開発」と位置付けることもできると思います)

 

しかし、給水人口の増加や新規契約の工場が生じた場合は、「8.4項以降に関わる製品・サービスの提供がそのまますぐにできるという状態」ではないと思います。

つまり、「水道、工業用水供給事業」について「8.3 製品及びサービスの設計・開発」を「適用不可能」とするのは、マネジメントシステムの構築という観点では、適当ではないと思います。

 

JABのウェブサイトで「分野27(給水)」を検索すると、ISO9001の登録事業者は「16」あります。

ただし、多くの認証組織は、「工場内の給水」(注3:外部に提供する製品といえるか微妙なものもありますが)や「浄水場」として組織範囲を限定しているケースが多いようです。

「浄水場」と範囲を限定していると、確かに、「浄水場の製品」は「水道水」となりますし、浄水場の上部組織(例:水道事務所等)が顧客(市町村)窓口となるので「浄水場」自体が、需要予測に基づく新たなポンプ場の設置や配水管の付設を担うことはありませんので、「設計、開発は適用不可能」という理屈は成り立つでしょう。

しかし「市町村の水道局(水道事業)」や「都道府県の企業局等(水道用水供給事業)」が認証を取得する場合は、「設計・開発の適用不可能」は、一般的には成り立たないと思われるので、組織のマネジメントシステム構築の考え方や認識を第三者(認証機関、市民等)は確認する必要があるでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ672号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 15:20
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