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キリン生茶のペットボトルのキズはなぜ検査で分からなかったのだろうか

JUGEMテーマ:ニュース

 

20191118日付の時事通信が、

「キリン、緑茶飲料を自主回収 430万本、密封性不足の恐れ」

という見出し記事を報道していました。

 

記事によれば、(以下、記事の概要)

・キリンビバレッジは1118日、緑茶飲料約430万本を自主回収すると発表した

・自主回収する商品は「キリン生茶デカフェ」

・原因は、製造過程で一部製品の飲み口に傷が付き、密封性が保たれていない恐れがあるため

・商品の送料はキリンが負担し、回収後に購入者へ商品金額相当のクオカードを返送する

・対象はキャップ下部に記載された賞味期限が、2020420日から同年620日の商品

・製造所固有記号は「S」と記載されたもの

118日に消費者から「いつもと味が違い、よく見ると飲み口に傷がある」とメール連絡があった

・キリンによると、製造する湘南工場でボトルを洗うノズルと飲み口がぶつかった可能性がある

ということだそうです。

 

キリンのウェブサイトを確認すると、「商品の自主回収に関するお知らせ」と題したニュースリリースが20191118日付で出されています。

https://www.kirin.co.jp/company/news/2019/1118_01.html

 

今回生じた製品不良は、キリンの説明によると、

・ボトルを洗うノズルと飲み口がぶつかった可能性がある

とのことです。

つまり、設備的には、

・ペットボトル洗浄設備

・空びん検査機

・実びん検査機

が関係してきます。

 

今回の不良は、飲料自体が、理化学検査や微生物検査、官能評価で「異常あり」となったものではなく、出荷までの検査プロセスで不良を検出できるとすれば、「パッケージング工程における検査」で検出するしかありません。

では、パッケージング工程の検査ですが、ご存知の方も多いと思いますが、この工程では、「空容器」、「充填・キャッピング」、「ラベリング」、「印字」、「箱詰め」という検査プロセスがあります。

今回の不良を検出できるとすれば、「空容器」と「充填・キャッピング」です。

 

一般的には、空びん検査では、充填前の容器に、「異物、汚れ、変形、欠け、ヒビ」の有無を検査しています。

また、実びん検査では、飲料を容器に充填した後の「異物、汚れ、変形、欠け、ヒビ」の有無を検査しています。

つまり、キリンが推定した「ペットボトルの洗浄時にノズルで飲み口を傷つけた」ことが製品不良の原因であれば、「ノズルによる飲み口のキズ」を空びん検査で検出できなかったわけです。

おそらく、空びん検査でペットボトルのキズが検出できなければ、実びん検査では、キャップが付いた状態ですので、現状の検査では、飲み口のキズやボトルの不十分な密閉性は、検出できなかったものと思われます。

 

ちなみに、密閉性について「缶飲料」の場合は、「密封検査」といって充填後に製品をサンプリングし、缶胴とふたの密閉部分をカットし、断面を検査して密閉性をチェックしています。

しかし、ペットボトルの場合は、設計上、しっかりキャッピングされていれば密閉性は担保されているとしているのではないかと思います。

 

こうして考えていくと、今回のような不良の未然防止として重要なのは、

・ペットボトルの洗浄工程

・空びん検査工程

ということになります。

ペットボトルの洗浄工程では、洗浄設備の日常点検、定期点検を実施していると思いますが、ノズルの洗浄位置が正常なポジションでなかった可能性が日常点検で検出できるかどうかがポイントになります。

仮に、洗浄設備の日常点検で「異常なし」と判断されれば、残る砦は「空びん検査」となります。

キリンには、

・洗浄設備の日常点検結果(異常の有無)

・空びん検査で飲み口のキズを検出できなかった理由

・再発防止策

について、後日、公表して欲しいものです。

 

JABのウェブサイトによると、品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証をキリンビバレッジは取得しています。

こうした製品不良の原因と再発防止内容は「企業秘密で一般には公表できない」というのであれば、少なくとも、担当した認証機関(JMAQA)は、しっかり検証して欲しいものです。

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 11:52
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