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JR西日本の終電繰り上げは関西圏の経済を縮小させる

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20191024日付の読売新聞が、

「JR西、終電繰り上げ検討…夜間保線員の確保難しく」

という見出し記事を報じていました。

記事によると、

JR西日本は24日、近畿の全在来線の最終電車の時間の繰り上げを検討する、と発表した

・今後、接続する私鉄などと調整し、早ければ2021年春のダイヤ改正を目指す

・終電後に線路などの保守点検を行う作業員の労働環境を改善し、担い手を確保することが狙い

・「働き方改革」の一環としてのダイヤ改正はJRグループでは初めてで私鉄でも例がない

・見直し対象は午前0時以降のダイヤ

・大阪駅発では東海道線の京都方面行き(0時31分)や西明石方面行き(0時28分)など

・大阪駅発の合計は15本、三ノ宮駅発は14本、京都駅発は8本など

JR西日本の近畿の在来線では毎晩、終電後から始発までの間に約1500人が保守作業に従事

・夜間に業務が集中する仕事は敬遠されがちで、人手の確保が難しくなっている

JR西日本グループの建設会社では2018年までの10年間で作業員が約2割減った

JR西日本では終電の繰り上げで、一晩での作業量が増やせる

・その結果、作業日数を減らして休日を増やすことができる

・大阪駅発の終電を「0時」とした場合、年間作業日数は約1割減らせるとの試算を出した

・今回の見直しには、深夜帯の乗客が減少傾向にあることも背景にある

・大阪、三ノ宮、京都各駅での午後5時〜8時台の利用者は5年前に比べ、4〜7%増えた

・一方、午前0時台は12〜19%減少した

・来島社長は「若い世代が働きやすい環境を整えることが喫緊の課題」と強調した

ということだそうです。

 

たぶん、私がJR西日本の経営コンサルティングを担当する立場にいる、あるいは、JR西日本の経営者であれば、「働き方改革」、「働き手の確保」、「業務の効率化」・・・といった目的で同じような提案や事業計画を打ち出すでしょう。

しかし、社会インフラとしての役割を担っているJR西日本が自社の事情だけを考える事業改革でいいのか、少し疑問があります。

 

確かに、日本の現状と未来を考えれば、

・少子化による現役世代の減少

・生活防衛から終電があるうちに帰宅する人が増えた

・深夜労働など人手が集まりにくい業務への対応

を企業が考えるのは当然です。

 

しかし、0時過ぎの電車を利用している人の中には、飲食店など夜間がメインの仕事に従事している人も多いはずです。

つまり、JR西日本のダイヤ改正により、ただでさえ、人手の確保が難しい飲食店のスタッフが、さらに確保できなくなり、営業終了時間が早まります。

すると、営業している飲食店が減り、大阪や神戸、京都の町が地方都市のように深夜の活気がなくなります。

少し話はズレますが、かつて存在した「官官接待」。

官官接待がなくなり、多くの会社でのいわゆる「飲みニュケーション」が減り、そうした行事を主力としていた飲食店がなくなり地方の官公庁近辺の繁華街の活気は一斉になくなりました。

このように、JR西日本の終電繰り上げは、結果的には、関西経済を、こうしてさらに縮小していくというストリーにつながるのではないかと思います。

 

本来は、深夜の保線業務に従事する人の給与や手当を厚くするべきなのです。

昔より若い人の思考は「給与が安くても休みがあり、日中に働ける仕事」を選ぶ傾向が強くなっているとはいわれます。

しかし、一方、「給与が高いのであれば、深夜労働でも構わない、もっと稼ぎたい」というニーズもあります。

けれども、どんどん、こうした労働条件の悪い仕事は、本体の子会社、関連会社化することで給与水準が下がっていき、魅力のない仕事になって人手の確保が悪くなっただけです。

つまり、経済全体を考えたら、やっていることがあべこべではないかと思うのです。

 

もちろん、都市経済の発展をどのように成長させるべきかの考え方で議論は分かれます。

きちんと試算したわけではないですが、公共交通インフラを縮小させることは、圏内経済全体を考えたらマイナスな気がします。

ここは、鉄道の監督官庁の国交省と関西経済同友会にもう少し頑張ってもらいたいな、と個人的には思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ669号より)

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 07:40
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