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ISOマネジメントシステムお悩み相談:要求事項の適用不可能

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、クライアントや知り合いの経営者からよく質問されるテーマについて、備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のお悩みテーマは、「要求事項の適用不可能」について。

 

品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001:2015では、要求事項の適用不可能について、

 

(以下、ISO9001:2015から一部引用)

『組織の製品及びサービス』

決定した品質マネジメントシステムの適用範囲内でこの規格の要求事項が適用可能ならば、組織は、これらを全て適用しなければならない。

組織の品質マネジメントシステムの適用範囲は、文書化した情報として利用可能な状態にし、維持しなければならない。

適用範囲では、対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し、組織が自らの品質マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについて、その正当性を示さなければならない。

適用不可能なことを決定した要求事項が、組織の製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力又は責任に影響を及ぼさない場合に限り、この規格への適合を表明してよい。

(引用ここまで)

 

という規定があります。

 

上記の規定は難しいので、ざっくり説明ですが、

・組織は、原則的に、規格要求事項のすべてを適用してください

・仮に、適用できない要求事項があるならば、適用できない正当性を示してください

・適用不可能としたことで、組織の能力や責任に影響があるなら、適用不可能にしてはダメ

ということになります。

 

一般的に、適用不可能でよくある要求事項が、「設計・開発」です。

例えば、ある金属部品製造をしている会社が、金属部品の設計・開発は、客先が責任を負っていて、製造会社は、「設計図に基づいて作るだけ」だとするならば、設計・開発の適用不可能は正当性があるし、組織の責任に影響もないといえます。

 

しかし、「製造工場のみが適用範囲で、設計・開発は、適用範囲外の本社の設計部が担っています」という場合は、適用不可能とすることはどうでしょうか?

一般的には、「適用不可能は認められない」でしょう。

その理由は、「適用範囲を製造工場に限定していること自体が誤り」だからです。

製品である「金属部品」の顧客は、おそらく、本社も含めたその会社の顧客です。顧客サイドから見たら、設計・開発の要求事項が適用不可能になっていたら、マネジメントシステムについて、設計・開発部分については「保証」されていないわけですから、「顧客満足を向上することを確実にする組織の能力または責任」に影響が大あり、となるわけです。

(※要求事項に適合させるためには、本社の購買部門を適用範囲に含めるべきでしょう)

 

その他には、「購買」があります。

前記した例と同様に「金属部品の製造工場」の事例で考えます。

この場合、仮に、原料である金属材料の購入や金属加工の一部(例:熱処理やメッキ)を外注する場合、その購買先の選定は本社購買部にある、というようなケースです。

工場が有する責任は、本社から指定された購買先に「発注する責任や納入品の品質や納期管理の責任」のみであった場合、「購買先の選定」という要求事項は適用不可能にできるでしょうか?

一般的には、適用不可能とするのは無理でしょう。

(※要求事項に適合させるためには、本社の購買部門を適用範囲に含めるべきでしょう)

 

一方、購買でも、顧客が材料の調達先や協力工場の選定に至るまで、製品及びサービスに影響を与える購買先すべてについて、「顧客の指示に基づいている」場合は、購買先の選定に関する要求事項を「適用不可能とすること」は正当性があるといえるかもしれません。

 

いずれにせよ、そもそも論ですが、これらの出発点は、

・適用範囲(組織)をどうするか

・製品及びサービスは何か、そして顧客は誰か

ということになります。

スタートが肝心ですね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ661号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 11:43
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