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ISO認証制度(組織の産業分野と審査員の力量)

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「組織の産業分野と審査員の力量」について。

 

認証機関は、組織審査を実施するにあたって、審査対象の組織に対して適切な力量を有した審査員を配置する必要があります。

ここでいう「適切な審査員の力量」は、ISO17021-1:2015で規定されていて、

1)特定のマネジメントシステム規格・規準文書に関する知識

2)認証機関のプロセスに関する知識

3)依頼者の事業分野に関する知識

4)依頼者の製品,プロセス及び組織に関する知識

となります。

 

上記の1)と2)は、特定の産業分野に限った話ではなく、産業分野に関わりなく共通の力量ですが、3)、4)に関しては、例えば、建設業の会社に審査で訪問するならば、建設業界の基礎知識や最新動向、建築、土木、設備工事などのプロセスや工法、関連法令など技術的知識、品質や安全、工程管理やリスクについてある程度の知見がなければ、適切な審査が実施できないことは自明でしょう。

 

横道にそれますが、ただ、組織によっては「業界関係者より、他の業界のマネジメントに対する知見や審査経験の豊かな審査員に審査してもらいたい」という要望も稀にあります。

つまり、組織からしたら「自分たちでは気が付かない気づきを、審査を通じて得たい」という要求です。

確かに、同種の業界経験者の審査員だと、組織の事情や製品プロセス、問題点は、理解しやすいでしょう。しかし「当たり前を当たり前と思ってしまう」つまり、「業界の常識に違和感がない」わけです。

けれども、他の業界経験者だと、組織にとって当たり前のことを「なぜ?」という視点で見ることができる可能性があります。

ただ、審査員を管理する認証機関の立場で捉えると、ISO17021-1の審査要員に対する力量基準があるので、「力量のチーム担保」というルールはありますが、できれば力量のある審査員を配置した方が無難なので、悩ましい部分もあります。

 

話を元に戻しますが、厄介なのは、組織の製品・サービスの産業分野が複数存在する場合です。

例えば、組織の製品・サービスが、

・非鉄金属のリサイクル

・産業廃棄物の破砕処理

・一般土木工事、解体工事

というケースの場合、産業分野は、

24(再生業)

39(その他社会的・個人的サービス)

28(建設業)

となります。

普通に考えれば、該当する産業分野「243928」を満たす審査チームを編成すれば問題ありません。

しかし、例えば、一般土木工事(28)の業務比率が極めて低い(仮に全体の5%程度としましょう)場合、認証機関によっては、「28の力量は不要」と判断しているケースがあります。

現実問題として、審査チームを複数人で編成できる場合はいいのですが、組織規模が小さく「単独審査」(ひとりの審査員で審査を実施)になると、全ての産業分野の力量を満足した審査員を配置するのは難しいでしょう。

 

業務比率が低ければ、サーベイランス審査なら、審査計画に含めなければ、すべての産業分野に対する力量は必要ありません。

ただ、登録範囲として認証機関が世間に登録組織を公表する責任がある以上、業務比率が低くても、「何からの方法で、あるタイミング(例:更新審査毎)で審査は実施」する必要があるでしょう。

コンサル先で聞いた話ですが、このような組織で「認証サイクル(ISO認証は3年毎更新)で1度も土木工事は審査されたことがない」ということを耳にしました。

例えば、環境マネジメントシステムの審査であれば、業務比率は低くとも、解体工事は、解体する建物や立地によっては、アスベストや騒音、振動などの環境影響が高く、それらに対する管理手順や実際の工事現場での確認も必要でしょう。

 

仮に、百歩譲って、「業務比率が低い場合は産業分野を特定しない」がOKだとしても、前述した事例であれば、審査として「どこかのタイミングで土木や解体工事の手順書や実際の工事現場の確認」は必要でしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ651号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:31
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