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ISO認証制度:一時的サイトの訪問の必要性とサンプリングの程度

JUGEMテーマ:ビジネス

 

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「一時的サイトの訪問の必要性とサンプリングの程度」について。

 

IAF MD5:2019では、一時的サイトの定義は、

 

「依頼組織(1.2)が限定された期間内に、特定の業務又はサービスを提供する(物理的又は仮想

の)場所で、常設サイト(1.3)になることが意図されていないものである。」

 

とされています。

 

一時的サイトの業務として、具体的に思いつくものを挙げれば、

 

・ビルメンテナンスなど清掃現場

・警備業における警備現場

・製造業における機器の据付や保守メンテナンス

・水道メーター、ガスメーター、電気メーターなどの検針業務

・NHKなど公共料金の徴収業務

・依頼者の敷地にある電気工作物など法律に基づく点検、検査、試験

・訪問医療、健康診断、介護

・運送業、航空貨物・海運業における積込、荷降ろし、運行中

・鉄道、航空、バス、タクシー、船舶などの旅客サービス

・情報システムの運用管理・保守メンテナンス

・税理士など士業、専門コンサルタントの巡回指導

・イベントの開催、開催支援サービス

・外部の会場を使用して実施する講演会、講習会、セミナー

・塾の訪問指導

・自動車教習所の路上教習

・環境調査、地質調査(ボーリング)、測量など

・保険サービスにおける契約者との契約手続きや事故対応

・冠婚葬祭業における葬儀現場、結婚式現場

・キッチンカーなど移動販売サービス

・・・・・

 

など、ありとあらゆる業種について一時的サイトは発生します。

 

IAF MD5:2019では、「一時的サイトの審査」について、

 

「認証の申請者又は認証を受けた依頼者が、その製品又はサービスを一時的サイトにおいて提供している状況では、そのようなサイトは、審査プログラムに組み込まれていなければならない。」

 

「一時的サイトは、大規模なプロジェクトマネジメントサイトから小規模なサービス/据付サイトまであり得る。このようなサイトを訪問する必要性及びサンプリングの程度は、QMSが製品又はサービスアウトプットの管理に失敗するリスクの評価、又はEMS が環境側面及び影響の管理に失敗するリスクの評価又はOH&SMS が依頼者の運営管理に伴う労働安全衛生リスクの管理に失敗するリスクの評価に基づいていることが望ましい。」

 

「QMS及びEMSについては、選定されたサイトのサンプルは、活動の規模及び種類、並びに、進行中のプロジェクトの各種段階及びそれに伴う環境側面及び影響を考慮した上で、依頼者の認証範囲、力量の必要性及びサービスの多様性の範囲を代表していることが望ましい。」

 

「OH&SMSについては、選定されたサイトのサンプルは、依頼者の認証範囲、活動及びプロセスの規模及び種類、労働安全衛生リスクに含まれる及び関連する危険源の種類、及び進行中のプロジェクトの段階を代表していることが望ましい。」

 

という規定があります。

 

つまり、

 

・一時的サイトは、大規模なプロジェクト管理サイトから小規模なサービス/据付サイトがある

 

・一時的サイトがある場合は、審査プログラムに組み込んでください

 

・一時的サイトを訪問する必要性及びサンプリングの程度は、

 QMSが製品又はサービスアウトプットの管理に失敗するリスクの評価

 EMSが環境側面及び影響の管理に失敗するリスクの評価

 OH&SMSが依頼者の運営管理に伴う労働安全衛生リスクの管理委失敗するリスクの評価

 

に基づいてください

 

・QMS及びEMSについては、選定されたサイトのサンプルは、

 活動の規模及び種類

 進行中のプロジェクトの各種段階及びそれに伴う環境側面及び影響を考慮し

 組織の認証範囲、力量の必要性及びサービスの多様性の範囲を代表してください

 

・OH&SMSについては、選定されたサイトのサンプルは、

 組織の認証範囲、活動及びプロセスの規模及び種類

 労働安全衛生リスクに含まれる及び関連する危険源の種類

 進行中のプロジェクトの段階

 を代表してください

 

ということになります。

 

一時的サイトの訪問の必要性とサンプリングの程度は、ざっくりいえば、

 

「訪問しないことで認証の信頼性が損なわれる」

 

「組織のMS上の問題が発生した場合、訪問審査していないことがリスクとなる」

 

という点を考慮して、訪問の有無と頻度を決めてください、ということです。

 

私の個人的感覚では、認証機関は、一時的サイトの訪問の必要性とサンプリングの程度について、

 

・建設業やビルメンの清掃現場は、審査プログラムで一時的サイトを明確にしている

・保険サービスや塾の個別指導、冠婚葬祭業など個人向けサービスは審査できないとしている

・ガス漏れ検査、水道メーターの検針業務など作業時間が数分の業務は一時的サイトとしていない

・総合建設業の場合、工種レベルまでは計画していない

・工期が数か月以上ある現場事務所のような建屋があるケースのみを一時的サイトとしている

・年単位で契約している清掃・警備現場の詰め所があるケースのみを一時的サイトとしている

・数時間以内の作業現場について「一時的サイトの定義にはあたらない」としているケースがある

・一時的サイトは明確にしていても、訪問の必要性は、手順書または案件ごとに明確に決めていない

・一時的サイトのサンプリングの程度について「リスクに応じた」の定義や手順がない

・認証範囲に、建設施工現場、機器の修理現場など産業分野の違う現場が複数ある場合、全てを審査プログラムに入れていない

・・・・・

 

という感じがします。

 

訪問の必要性は、

「管理に失敗するリスク」

 

サンプリングの程度は、

「活動の規模及び種類、進行中のPJの各種段階、力量の必要性、サービスの多様性を代表する」

 

とあるのですが、これらを定量的に明確にしている認証機関は、皆無ではないでしょうか。

 

・力量のある人が審査プログラム作成の責任者です

・力量のある審査員がその組織毎に必要性を判断しています

 

といった説明で、MD5の規定を乗り切っているように感じます。

 

「一時的サイト」の「サイト」にこだわりを持ち、「移動販売や数分〜数時間の業務は一時的サイトではない」として、「審査プログラムで考慮すべき対象でない」と考える機関もあるようなので、「サイト」と呼びことに抵抗があるなら「常設サイト外業務現場」でもいいので、まずは、

 

・組織毎に「常設サイト外業務現場」が存在(発生の可能性を含めて)するか

 

を整理する必要があるでしょうね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ659号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:28
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