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警察昇任試験対策本について適正な手続きなしで高額執筆料を受け取った警察幹部

JUGEMテーマ:ニュース

 

2019712日付の朝日新聞が、

「兼業の警察幹部3人を懲戒処分へ 問題集執筆で多額報酬」

という見出し記事を報道していました。

このニュース自体は、確か最初に報じたのは西日本新聞(正確ではない)だったと思いますが、2019年の年明け頃だったと思います。

その後、警察内部での調査が終わり、ようやく処分が決まったようです。

 

この報道によると、

・警察官の昇任試験対策問題集の原稿執筆を繰り返していた3人警察幹部が懲戒された

3人の警察幹部は、適正な手続きをとらずに出版社から多額の報酬を受け取った

・このことは、公務員法が禁じる兼業にあたる

・警察関係者への取材によると、大阪府の警視正は数年間に合計約800万円を受け取った

・懲戒内容は、減給10分の13カ月)の見込み

・東北管区の警視正は合計約100万円を受け取り戒告処分(熊本県警の警視も戒告)

・原稿執筆は3府県警以外でも確認された

・複数の県警などの幹部ら十数人が本部長注意など内規に基づく処分の対象となった

ということだそうです。

 

報道にあった「昇任試験対策問題集」の出版社のウェブサイトをチェックしてみました。

すると、

・会社名は、EDU-COM(エデュコム)

・本社は東京都新橋

20097月の設立

・資本金8000万円

・従業員20

・治安関係機関向けの昇任試験に関する定期/不定期発行書籍の編集、出版及び販売

という会社です。

 

今回の警察昇任試験対策本に限らず、世の中には、数多くの「試験対策本」があります。

大学受験対策のような対象者(購買可能層)が多い分野の本であれば、出版社に試験問題の傾向や対策を分析している専門部署があり、試験対策の問題執筆を外注する場合は、予備校講師とか、元高校、大学教員に依頼するケースが多いようです。

 

しかし、そもそも、警察官の昇任試験内容は、一般には公開されていません。

また、EDU-COM自体の設立が浅く、スタッフも20名程度ですから、昇任試験内容のノウハウが組織に十分にあるとは思えません。

したがって、試験対策に関する定期・不定期の刊行本の執筆は、外注に頼らざるを得ない特質があります。

執筆を外注する場合、「元警察幹部」など、退官した利害関係が薄い人に書いてもらう分には、問題はないでしょう。

けれども、そもそも問題が公開されていないのですから、「時流に合った昇任試験対策本」を執筆するとなると、「現役幹部」に書いてもらうしかないのでしょう。

 

そもそも論ですが、警察として「昇任試験対策本」を作成するEDU-COMへの「現役職員の執筆」は「必然のこととして容認」していたのではないでしょうか?

仮にそうだとすると、

・警察サイドがEDU-COMから執筆依頼された人を特定する

・特定した執筆者に必要な手続きが取られているか管理する

のは、「警察の責任」だと思います。

懲戒処分により「小遣い稼ぎをして報酬を得ていた職員の問題」として終結させていますが、定期刊行の対策誌に、巻頭言などを寄稿して堂々と氏名を明らかにしている執筆者もおり、本質は、「警察内部の管理体制」に問題があるように感じます。

 

警察側の処分後の今後は、「贈与等報告書」を提出する、「(報酬が年間20万以上の場合)確定申告をする」といった「適正な手続きを取る」ことで済みますが、出版社サイドは、どうするのでしょうか。

 

今回は、執筆者である警察幹部職員のお金面の手続きに関する不備の処分に終わらせていますが、

・執筆に関して、警察内部の守秘義務は守られていたか

・過度に職務時間中に執筆していたとしたら専任義務違反はなかったのか

といった点が、実際はどうだったのか気になります。

 

また、出版社側は、今後、執筆を誰に依頼するのだろう?と思います。

前述したように、対策本の執筆陣を「現役幹部でない元幹部」などに依頼する分には、昇任試験を受ける対象者との利害も薄いですし、守秘義務的にあまり問題は生じなさそうです。

しかし、それで、しっかりとした「対策本」になるのかは、疑問です。

 

国民サイドから見れば、昇任試験対策本を通じての学習で、昇任を目指す幹部の知識・見識が高まるのであれば、EDU-COMの教材は「必要悪」では決してなく、出版社には「質の高い教材づくり」をしていただき、この対策本で警察官は、どんどん勉強してください、と思います。

出版社のEDU-COMが、今回の問題について、「執筆者の守秘義務、公平性」を担保しつつ「質の高い教材づくり」を継続する上で、どのような再発防止策を取ったのか、気になるところです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ654号より)

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 15:08
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