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安倍首相の政治決断“ハンセン病元患者家族への国の責任を認めた判決の控訴見送り”の理由

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201979日に、安倍晋三首相は、ハンセン病元患者家族への差別に対する国の責任を認めた6月の熊本地裁判決を受け入れ、控訴を見送ると表明しました。

 

この表明は、以下のような経緯です。

・国に計約37600万円の賠償を命じた熊本地裁の判決が確定する

・安倍首相の判断を受け、政府は具体的な対応に着手した

・対応には、原告以外の元患者家族の救済方法、同種訴訟の扱いなどがある

・安倍首相は9日の閣議前に根本厚労相や山下法相と首相官邸で協議し控訴見送りを指示

・筆舌に尽くし難い経験をされた家族の苦労を長引かせるわけにはいかないと指摘した

・訴訟の原告は全国に住む2090代の元患者家族561

・熊本地裁は628日、原告1人当たり33万〜143万円を支払うよう国に命じた

・ハンセン病患者の隔離政策が家族への差別も助長した

・就学拒否や結婚差別など「人生被害」を生んだとした

 

それにしても、今回の安倍首相の政治的判断は「異例」と言われています。

その理由は、

「国に賠償請求する権利が、どの時点まで存在するかの解釈」

にあるそうです。

 

賠償請求する権利を失う時効は、民法上は不法行為を知ってから3年ですが、不法行為をいつ知ったのかが争点になっていて、ハンセン病患者を母に持つ男性が2010年に起こした訴訟(最高裁で係争中)では、「一審の鳥取地裁は、男性が国と元患者の遺族らが和解の基本合意書の合意を2002年に認識している」として、「2002年を不法行為を知った時点」として「提訴時に3年の時効が過ぎていると認定」しているそうです。

 

それに対して、熊本地裁では、「時効にはあたらないと判断」しています。その理由が、「鳥取地裁の判決が出たのが2015年でその時点で不法行為を知った時点」としたからです。

法律の素人が考えても、熊本地裁の判決根拠となる裁判が最高裁で係争中であることや「係争中の裁判における鳥取地裁判決が出た時点を不法行為を知った時点」と考える理屈は、「国の論理としては認めがたい」→「したがって控訴断念は異例」と考えるは、その通りであることがわかります。

 

ただ、少々乱暴ですが「法律に基づく国の賠償責任の時効問題」を取っ払って、感情論で歴史を振り返れば、感染力が弱いハンセン病について、ハンセン病について当時の医療技術や知識ではそうせざるを得なかったのかもしれませんが、結果として「政府の隔離政策」は、患者本人やその家族を「差別」で苦しめてきたことに間違いありません。

しかし、現在は参院選の真っ最中で、安倍首相のこの表明のタイミングが良過ぎます。

・熊本地裁の判決時期

・安倍首相の控訴断念時期

について、「一強政治」が司法判断の日程をもコントロールし、「首相の強いリーダーシップ」を国民にアピールした、と見えなくもないです。

 

安倍首相は、将来的に退陣後も、こうした「公然の秘密」は、墓場まで持っていき事実を語ることは決してないと思いますが、実際のところは、どうなのか、関係者が将来「あの時の政治決断の本音はこういう背景があったからだ」と語って欲しいものです。

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 07:35
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