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裁判で決着つけて欲しかったココイチ創業者の20億円申告漏れ騒動

JUGEMテーマ:ビジネス

 

2019年6月6日付の毎日新聞が、

「ココイチ創業者の資産管理会社が20億円申告漏れ 高価なバイオリンの税務処理で」

という見出し記事を報じていました。

 

記事によると、

 

・「カレーハウスCoCo壱番屋」の創業者、宗次徳二氏の資産管理会社「ベストライフ」が

2018年に、名古屋国税局から約20億円の申告漏れを指摘されていた

(指摘された決算期は2016年6月期)

 

・問題となったのは、音楽家へ貸し出すために購入したイタリア製バイオリンの名器

「ストラディバリウス」など約30丁。取得から年月を経ても価値が下がらない高価な 

バイオリンは本来、減価償却できないが、誤って減価償却して経費に計上していた

 

・追徴課税は過少申告加算税を含めて計約5億円で、既に修正申告して納税した

 

・ベストライフは宗次氏が2007年に開館した音楽ホール「宗次ホール」の運営や不動産管理

などをしている

 

・宗次氏夫妻は、ベストライフが楽器を購入するために貸し付けていた十数億円のうち約10億円の債権を放棄。ベストライフの資産価値とともに株価も上がった。株主に利益が生じたため、税法上「みなし贈与」に当たると判断された

 

・同族会社の株主である夫妻と親族5人の計7人が株価上昇により利益を得たとして課税対象になり、15、17年で計約7億円の申告漏れを指摘され、追徴課税は過少申告加算税を含めて約4億円で、既に修正申告して納税した

 

・宗次氏は取材で「税理士に任せており、納税を免れる意図は全くなかったが、多くの方の信頼を裏切ることとなり申し訳ない。税理士には法的措置も検討している」と語った

 

・担当税理士だった男性は問題発覚後、一方的に顧問契約を打ち切り、その後連絡が取れないという。税理士は取材に「もう関係のないことなので、分からない」と話した。

 

 ・宗次氏は1978年に「カレーハウスCoCo壱番屋」を創業し、1代で全国有数のチェーンに

育てた。02年の引退後は、私財を投じて学校の吹奏楽部に楽器を贈るなど文化や

スポーツ振興に取り組んでいる

 

(以上記事から引用)

 

個人的には、ココイチを創業し、大きく成長したところで会社を売却し、晩年は、文化・スポーツ振興など公益性の高い事業をやっている宗次氏を評価しているので、このような結果によってイメージが落ちるとしたら、残念です。

 

ただ、今回の件について、バイオリンに関しては、国税との「見解の相違」だと思います。

税法上の取り扱いは、私は、素人同然なので、あくまでも、起業家や経営コンサルタントとしての視点ですが、「美術品が減価償却できないのは投機対象として死蔵している」からです。

 

それに対して、今回の「ストラディバリウス」は、

・希少価値がある

・経年変化しても価値は下がらない

という点においては「美術品同様」です。

しかし、

・音楽家に貸し出しして楽器として実用性がある

・実用品として使用している以上、経年劣化して価値は下がる可能性がある

という点において、美術品と同じように「減価償却できない」とするのは、国税の判断は、杓子定規な気がします。

 

仮に、裁判となれば、争点は、

「減価償却できない高価な美術品と減価償却可能な高価な実用品」

の線引きをどの様に考えるのか?

になるでしょう。

 

ただし、今回の脱税騒動で、「みなし贈与の件」は、担当税理士の判断ミスといえるでしょう。

それにしても、担当税理士は、自身の判断に「国税との見解のあやうさ」があるとしたら、それを宗次氏には、伝えていたのでしょうか。

私も会計処理で、顧問税理士にいろいろと相談させていただきますが、常識的に考えれば、「担当税理士として、税務署から突っ込まれる可能性がありますから、この会計処理は認め難いです」と税理士から言われているはずです。

つまり、宗次氏の場合も「すべて税理士に任せていた」といっても、「依頼者(宗次氏)に相談なく勝手に経理処理」することはないはずです。

 

ただ、元顧問税理士の肩を持てば、バイオリンに関しての会計処理は、「裁判で争ってもらいたかった」と思います。

あくまでもイメージですが、日本の大金持ちは、海外のお金持ちと比較して文化やスポーツ振興への貢献が低いといわれています。

宗次氏の活動は、事業家としては一線を退いていますから、私利私欲は殆どないでしょうし、高価なバイオリンの貸し出しは、若手音楽家の育成に役立っているボランティア精神に基づいたものと思います。

しかし、その活動について、このように判断されるのは、少々、ひどい話です。

国税としては「手柄を立てた」つもりでしょうけれど、真の意味で「文化・スポーツ振興をしている人」にとっては、意欲をそぐ判断だな、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ649号より)

 

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author:有賀正彦, category:経営・ビジネスに関する話, 07:31
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