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社会で活用されるISOマネジメントシステム認証制度

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「社会で活用されるISOマネジメントシステム認証制度」について。

 

先日、あるシンポジウムで、

ISO9001認証制度の意義」

についての調査研究発表を聞きました。

この発表の中で、「ISO9001の目的」には、

・能力証明(認証結果の利用)

・能力向上(認証の副次的効果)

があり、以下のような事例が示されました。

 

《能力証明(認証結果の利用)》

・提供組織

 →経営システムの透明性確保

 →製品品質の訴求

 →経営管理能力の訴求

・業界

 →業界の経営管理能力訴求

 →当該事業分野の製品の優秀性の訴求

・サプライチェーン

 →取引の質・効率の向上

 →取引の活性化

・購入者

 →供給者組織選択の質・効率の向上

 →購買管理プロセスの質・効率向上

 →供給者経営管理能力の透明性向上による購買管理充実

・社会

 →良質製品の入手可能性

 →経済の活性化

・行政

 →民間の評価能力活用による規制緩和

 

《能力向上(認証の副次的効果)》

・提供組織

 →製品品質向上

 →経営管理能力向上

 →業績向上

・業界

 →当該事業分野の製品レベル向上

 →業界全体のレベル向上

・サプライチェーン

 →川下製品の競争力向上

・購入者

 →供給者組織のレベル向上

 →購買製品の競争力向上

 →購入者自身の製品競争力向上

・社会

 →製品レベル向上

 →経済力・国力向上

・行政

 →政治・行政の効率向上

 

この調査・研究について、質疑応答では、以下のような質問がありました。

(以下、質疑の概要)

(質問)

社会システムとしてISO9001を活用するのであれば「各省庁の認定制度」や「株式上場審査の一部」として利用されるべきと考えます。

例えば、ISO9001を取得している事業者であれば、各省庁の認定制度において「事業者における自主検査を認める」とか「上場審査項目の一部免除」などです。

しかし、こうした「ISO9001が社会制度上の公器としての活用」は、あまり進んでいないと思います。

この状況をどのように考え、そして社会システムとして活用するするためには何が必要と考えますか。

(回答)

ご質問の趣旨はその通りで「能力証明」としての社会でもっとISO9001は活用されるべきである。何をすればいいか、については、なかなかひとことでは言えない。

基本的には審査の質を高めることである。・・・(以下略)

 

このやり取りを聞いていて、正直、がっかりしました。

「審査の質をどのように高めるのか?」については、30年近くずっと議論され研究されてきていることです。

たまごが先か鶏が先かの問題にもなりますが、行政や公共の制度の能力証明として活用していただくためには、ロビー活動も必要なのです。

話がそれますが、2020年度から大学入試センター試験に代わって、「大学入試共通テスト」が導入されます。

その中で英語の能力証明として「TOEICや英検、TOEFL、ケンブリッジ英語検定、IELTSなど7種類の民間試験での代替が可能になるようです。

勝手な想像ですが、おそらく大学入試制度において英語の能力証明として「民間試験を活用する」という制度設計には、「大学入試の多様化、効率化」という議論において、こうした英語能力における民間制度側からのロビー活動があったと想像されます。

しかしながら、ISOの世界では、関連する学会や業界内のシンポジウムで調査・研究が発表されるのみです。

要は、制度設計側への働きかけ、つまり「政治力」に関する議論や戦略が殆どありません。

これでは、益々、「廃れた認証制度」になっていってしまうのではないか、と危惧したシンポジウムでした。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ638号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:50
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