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日本は“人手不足”ではなく“低賃金労働者不足”だ

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ノンフィクションライターの窪田順生氏が、「ITmediaビジネスオンライン」に掲載されたコラムで、「人手不足」について、以下のようなことを述べていました。

 

(以下、引用)

・・・(省略)

実はこのあたりにこそ日本の生産性向上を阻む原因がある。

技術力もあって、労働者も勤勉な日本が他の先進国の中で際立って労働生産性が低いというと、やれ残業時間が長いとか、無駄な仕事が多いという話になるが、それは大した問題ではない。

 問題は、政治家も企業も、そして我々労働者も、「低賃金労働」に骨の髄まで依存してしまっていることだ。

「日本が成長をするには、ある程度の低賃金労働はしょうがない」という考えが常識となっている。そのモラルの壊れっぷりは、「金メダルを取ったり、優勝をするためにはある程度の体罰もしょうがない」という主張と丸かぶりなのだ。

 「人手不足」関連の倒産の中に含まれる「後継者」がいないという問題もたどっていけば、「低賃金」である。分かりやすいのが、セブン-イレブンのオーナーだ。コンビニはバイトが集まらず、オーナーが死にそうな思いで一人働いている。

 そんな姿を見て、オーナーの息子は後を継ごうと思うだろうか。親の一代で終わりという決断をするのではないか。

 まずは「人手不足倒産」なんて、実態にそぐわない言い換えはやめて、「低賃金労働者不足倒産」と現実に即した言い方をすることから始めないか。

(引用ここまで)

 

このコラム自体は、個々に引用した分量の10倍程度ある長文ですが、個人的には、窪田氏の主張に9割ぐらいは同意です。

 

先日、仕事で取引先の経営者との雑談で、「事務職員2名を就職サイトで募集したら約700人の応募があった」という話を聞きました。

詳細を書くと差し障りがあるので、表現をぼかしますが、

・組織の本業はオフィスワーク主体のサービス業

・サービス内容は、専門サービス業で公平性が問われる頭脳労働

・募集要員は管理部門の正社員(2名)

・募集要件は大卒で法規制や規格、基準など条文理解に強い

・コミュニケーション能力があり、英語能力も高い人材

といった具合です。

 

日本が「真の人手不足」であれば、募集を掛けても「応募者がいない」はずです。

しかし、応募者の履歴書を確認すると、難関大学卒で英語能力もネイティブ並みの人材がゴロゴロ募集してきたそうです。

 

一方、飲食店経営をする友人に聞くと「ホール係のアルバイトを募集してもなかなか応募がない」という話を聞きました。

以前は若者向け求人誌で募集していたそうですが、主婦層向け求人誌に掲載してようやく労働力が確保できたそうです。

しかし、主婦アルバイトの場合は、家庭の事情などで時間帯が限られ、お子さんの体調不良などによる休みもあるので、やはり主力のアルバイトは時間に比較的融通の利く文科系の大学生にしたいそうです。

結局のところ、雇用した大学生のアルバイトに友達を紹介してもらって、なんとかしのいでいるとのことでした。

 

募集を掛けて殺到する職場がある一方、そうでない職場があるのはなぜか?

理由はいろいろありますが、端的には「給与水準の差」でしょう。

厚生労働省の統計データによると、日本の人手不足は局地的な現象で、建設業、宿泊業・飲食サービス業、医療、福祉、運輸業、郵便業などが「人手不足産業」だそうです。

つまり、「労働者時間が長い」、「休日が少ない」、「賃金が安い」といった「割に合わない仕事」は「人手不足」なわけです。

要は、窪田氏が指摘するように、「人手不足」ではなく「低賃金労働者不足」なのが、今の日本の労働環境を的確に表現した言い方になるのでしょう。

 

2019年4月1日からスタートした、働き方改革関連法案です。

今回の労働基準法36条の改正では、時間外労働の上限を定め、これを超える残業ができなくなりました。

つまり、「原則として月45時間、年360時間」を超えてはいけないわけです。

仕事量に季節変動がある場合もあるので、臨時的な特別の事情がある場合については、

1)年間の時間外労働は720時間以内

2)休日労働を含んで、2カ月〜6カ月平均は80時間以内

3)休日労働を含んで単月は100時間未満

4)原則の月45時間を超える時間外労働は年間6カ月まで

となっているそうです。

 

よく巷で囁かれていることですが、このような法律の改正で、大手企業は「コンプライアンス」でしっかり管理されていますが、そのしわ寄せは「中小企業」にじわじわとボディブローのように効いてくるのではないでしょうか。

金曜日に「週明けまでにやっておいてください」と大手企業から指示されたら中小企業はやるしかないです。

今後の動向に注目です。

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 17:22
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