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日本人初のノーベル賞受賞が幻となった山極勝三郎博士

JUGEMテーマ:日記・一般

 

先日、NHKの歴史秘話ヒストリアで、「湯川秀樹博士よりも先にノーベル賞を受賞したかもしれない日本人」として「山極勝三郎博士」が取り上げられていました。

恥ずかしながら、私は、番組を見るまで存じ上げませんでしたが、医学を学んでいる方なら誰でも知っている「偉人」だそうです。

 

詳細は省きますが、山極勝三郎氏は、現在の長野県上田市の出身で、上田藩士山本政策の三男坊として1863年に生まれます。

廃藩置県で、実家は困窮し、それでも、親は、学だけは身に付けさせたいと、上田の学校に行かせたところ、その優秀さを地元の医師の山極家に見込まれ養子となり、東大医学部に進学します。そして、日本の医学を世界的レベルに押し上げたいと考え、病気の根本原因を研究する病理学を志し、ドイツへ留学します。

 

日本に帰国し、約3000体の遺体を解剖し、「胃癌発生論」を書きました。

当時、胃がんで日本人の10人に1人は亡くなっていたのですが、結核が「不治の病」と言われていた時代背景より、がん研究への関心は、低かったようです。

 

当時、がんの発生メカニズムは、「遺伝素因説」と「刺激説」があったそうです。

◆遺伝素因説:がんの素質を持つ細胞が存在し抑制が効かなくなるとがんになる

◆刺激説:正常な細胞であっても刺激を受け続けるとがんになる

 

山極博士は、多くの解剖事例から、がんの発生メカニズムの大半は「刺激説」だと感じていたのでしょう。

そこで、それを証明するために、「なぜ、がんができるのか?」という発生メカニズムを解明するために、「人工発がん」の実験に取り組んだわけです。

 

人工発がん実験の詳細も、省きますが、「ウサギの耳にコールタールを塗り、乾いたら剥がして刺激を与える」という単調な実験を約8年続けます。

人工発がんの成功は、その後のがん研究の可能性を大きく広げるものでしたが、この研究でノーベル賞を受賞したのは、デンマークのフィビゲル博士でした。

山極博士が選外になった理由は、

・山極博士より先に人工発がんに成功した

・山極博士の方法は、既知の臨床学的事実であり新しい発見ではない

ということのようです。

山極博士の晩年は、がん予防に力を注ぎ、遺言で、自分の遺体も献体として東大医学部に提供したそうです。

 

山極博士の死後に、フィビゲル博士の実験は誤りで、実際にはがんが作りだせていなかったことが判明します。

そして、死後30年を経過した1966年の国際がん会議で、カロリンスカ研究所名誉教授のフォルケ・ヘンシェン博士が「あの時のノーベル賞は日本人とデンマーク人が分け合うべきだった」と発言したとのことです。

 

今の時代であれば、物理、化学、医学・生理学の分野は、新たな発見や新説が唱えられれば、世界中で検証実験がされますから、このような誤りはないでしょう。

それにしても、「人の役に立つ仕事がしたい」という山極博士のモチベーションには、尊敬しかありません。

 

それにしても、「胃がんの原因は暴飲暴食など生活習慣の乱れにある」ということを解明し、予防法を広めることで、長寿国ニッポンの下地を山極博士が作ったことは、間違いないでしょう。

減塩化した食生活、肥満対策、アルコール摂取、喫煙・・・いまでは、健康に気を使う人なら当たり前の習慣ですが、当時は、なかなかすぐには定着しなかったでしょう。

 

がんではありませんが、アルコールの過剰摂取が原因でコラムニストの勝谷誠彦氏が亡くなりました。

私も、以前、健康診断のオプションで食事診断をしてもらったら「塩分接種が高め」と言われ、びっくりしました。

感覚的には「結構、食事には気を付けているつもりなのに、これより(塩分を)減らせって言われたら、食事の楽しみが半減するし、生きてる意味がない」と。

ただ、幼少期、青年期から、こうした健康的な食習慣を身に付けていれば「あたりまえ」になるわけです。

山極博士のがん予防には「刺激の強いものを食べないこと」もありました。

もう、激辛ものを口にするのも、「ごく稀」にしよう、と番組を見て強く思いました、

※現在、38度の高熱がまるまる3日間続いて静養中です。体調不良で、文章にまとまりがありませんがご容赦ください)

 

 

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author:有賀正彦, category:一般コラム, 22:40
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