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新垣結衣さん主演ドラマとISO取得維持

JUGEMテーマ:ビジネス

 

新垣結衣さんが主演しているテレビドラマ「獣になれない私たち(第5話)」が2018117日に放送されました。

私は、仕事をしながら「ながら」で視聴していたのですが、あるセリフに反応して、ドラマに集中してしまいました(笑)

 

私が反応したのは、次のようなシーンです。

 

深海呉羽(新垣結衣さん)は、ツクモ・クリエイト・ジャパン(ECサイト構築を主とした情報システム構築・運用会社)に営業アシスタントで入社しながら、営業部長、社長秘書が九十九剣児社長(山内圭哉さん)の仕事のやり方についていけなくて、相次いで退職し、九十九社長は、仕事のできる営業アシスタントの深海さんに、営業部長、社長秘書の仕事もいつの間にか押し付けます。

 

休日にも関わらず、出張先で思いついたことをLINEで深海さんに九十九社長は、指示します。しかし、ある週末、深海さんは、九十九社長からのLINEをすべて無視します。

 

月曜の朝に出社して深海さんは、九十九社長にこう言います。

・・・・・

 

(深海):

お休みの間に社長が私に送って来た要望の一覧です。全部で28件あります。

こちらが その回答です

それから これがお求めの資料と今週のスケジュールと出張先のホテルと飛行機の時間、予約番号。

 

それから こちらが・・・

新規案件の参考資料になります。

足りないものがあったらおっしゃってください。

 

(九十九社長):

あっ せや。

例の鶴丸食品さんの件なアカンかったんや。

うちが ISMSを取得しとらんから任せられん言いよったんや。

 

せやけどな 気付いたんや。

うちもISMSを取得したらええねん!

ECサイトを作っとる会社の中でISMSを持っとるのはごく少数や。

 

ということは!

うちが ISMSを取得したら他のライバルを蹴散らせれるっちゅうわけや!

 

で ここからが本題や。

その ISMSっちゅうの取得しよう思ったらもう何やかんや手間やねん。

大変やねん。

ぎょうさん手続きやら〜 書類やら〜 社員教育やら せんとアカンねん。

 

こんな大仕事をうちで任せられるのは…!

特別チーフクリエイター 深海しか おらん!

 

(深海):

分かりました。ISMSの取得ですね。

ひと通り調べてまた ご報告します。

 

(九十九社長):

頼んだで!

ハハハハ…!

 

・・・・・

・・・・・

ドラマは、こんな感じでした。

もうお分かりと思いますが、私が反応したセリフは、九十九社長が

「うちもISMSを取得したらええねん!」

と深海さんに言い放ったところです。

 

ドラマを見ていない方には、伝わりにくいかもしれませんが、ツクモ・クリエイト・ジャパンの九十九社長の性格、社内の状況からすると「ISMS失敗パターン」だからです。

 

一般論として、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を含め、ISOマネジメントシステムを構築し、認証機関の審査を受け、社内でマネジメントシステムを維持・改善していく際に「失敗パターン」がいくつかあります。

 

例えば、

 

◆短期取得を目指して認証を取得したが、社内に浸透せず全く機能しない

→取引先から要求され仕方なく取得した

→社長は「取得できればいい」としか考えていない

→コンサルタントの指示通りに書類を作り、社内の実態や本当に必要なレベルの仕組みが盛り込まれていない

→コンサルタントと事務局に任せておけばいいと社長も社員もISOの取り組みにやる気なし

 

◆現場が、ISOの構築・運用に非協力的で、社内に浸透しなかった

→マネジメントシステム構築は、事務局中心に進めた

→各現場部門がマネジメントシステム関わりを持てなかった

→そのため、ISO規格要求事項と社内実態の差分分析が適切に実施されなかった

→事務局が構築したシステムに現場はやりずらさを感じ、非協力的になった

→現場には「うちのISOは実態とかけ離れている」と益々、非協力的になった

 

◆親会社からの要求で認証取得したが、親会社からの出向幹部主導の取得で失敗

→主要取引先からの要求で親会社から取得命令が出た

→事務局として、親会社から品質保証部門長経験者が出向してきた

→大手型のシステムを主張するため、社内の反発が発生

→大手企業マニュアルのコピーなのでシステムが重い

→事務局は現場の不満をなだめるのに奔走

 

・・・・・

このような失敗事例は「あるある」ですが、よく耳にする話です。

 

さて、ドラマの中のツクモ・クリエイト・ジャパンですが、ISMSの今後を、勝手に想像してみました。

 

【結論】

★深海さんがそつなく社内に聞き取りを実施して要求事項に合致したシステムを構築したがその後・・・★

→深海さんは、他部門の社員からの信頼が厚いため社内の協力が得られる

→まじめな性格なので、ISMS要求事項をきちんと理解して、差分分析を実施

→要求事項である適用宣言書(組織のISMSに関連した適用する管理目的及び管理策を記述した文書)をしっかり作成

→認証審査も無事パスし、ISMS取得

→九十九社長は、ISMSに関心がなく、社内で決めた管理策を自ら守らない

→九十九社長は、ISMS維持管理のための資源を講じない

→深海さんは、営業部の仕事、社長秘書的仕事に加え、ISMSの管理が加わり、壊れていく

・・・・・

こんな未来予想図が描けます。

自分が我慢すれば、まわりはみんなハッピーになれるんだ・・・と考えて堂々巡りになり、徐々に壊れていく深海さん(新垣さん)。

新垣結衣さんファンとしては、ドラマを見ていられない展開です(笑)。

 

九十九社長が「取得できればいい」という考えだから、事務局は、この際、ISMS構築に乗じて、職務分掌や役割分担を見直し、認証審査という外圧でツクモ・クリエイト・ジャパンの問題点をあぶり出してもらう作戦もありますが、・・・ドラマの中の九十九社長の性格では、きっと社内体制は変わらないでしょうね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ619号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:39
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