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3代続けて「プロ経営者」を起用するLixilグループ

JUGEMテーマ:ビジネス

 

少し旧聞に属する話ですが、20181031日に、建築材料・住宅設備機器業界最大手のLIXILグループは20194月までに瀬戸欣哉社長が退任し、山梨広一社外取締役が社長に就任する人事を発表しました。

 

ご存知のように、Lixilグループは、トステム、INAX、新日本軽金属、サンウェーブ、東洋エクステリアの5社が20114月に統合して誕生した売上高1億円以上の巨大企業グループです。

 

また、統合後は、統合前の元々の出身会社所属ではないいわゆる「プロ経営者」が社長に就任したことでも話題を呼びました。

冒頭に記載した20194月以降に新社長となる山梨氏で、3代(藤森義明氏、瀬戸氏、山梨氏)続けてプロ経営者がトップに就きます。

 

マスメディアでは、プロ経営者2代目の瀬戸氏の突然の退任劇(解任)を「3年前と同じだ」と報じています。

3年前の2015年には、中国子会社(ジョウユウ)の不正会計を機に多額の負債を負い当時の藤森義明社長が退任しています。

藤森氏は、創業家のひとつであるトステム出身で取締役会議長を務める潮田洋一郎氏から乞われて社長に就任したそうです。

 

私の認識では、藤森氏は、ゼネラル・エレクトリック社(GE)出身で、「選択と集中」で「水回り事業」に力を入れ、アメリカの衛生陶器メーカーであるアメリカンスタンダードやドイツの水栓金具メーカーであるグローエなどを買収し、海外売上高比率を拡大して、「成功」しているように外部には映っていました。

しかし、買収したグローエの子会社であった中国企業のジョウユウが不正会計をしていたことにより、暗転します。要は、買収によってババをつかまされたわけです。

 

その後プロ経営者2代目として就任した瀬戸氏は、工具通販大手の株式会社MonotaRO(モノタロウ)の創業者です。

就任当時から、Lixilの取引先関係者は「建材・住設業界に明るくない瀬戸氏で大丈夫だろうか?」という声が多く上がっているのは、私も仕事を通じて耳にしていました。

 

詳細は省きますが、瀬戸氏の退任劇に繋がった失敗は、

20184月から導入した新取引制度」

と言われています。

この新取引制度は、「取引額の規模に応じて、取引先への納入単価を自動的に決めるもの」だそうです。

しかし、導入後の20184月以降、実質値上げとなる取引事例が相次ぎ、顧客がYKK APや三協立山といったライバルへ大量に流出し、住宅サッシなどを扱う主力事業のハウジングテクノロジー部門の今期事業利益は前期実績の275億円から半減する130億円になる見通しだそうです。

 

一般論ですが、個人的には、瀬戸氏の「新取引制度」の発想は、現場からは「現場を知らない素人の発想だ」と批判されていますが、無数にある工務店に応じて見積もりを算出すrのは、営業担当者の労力が必要になり、また、営業担当者の裁量権が大きいので、「取引基準に応じた統一価格」の設定は、営業の労務コスト削減や見積標準ができて、仕事がしやすくなると思います。

ただ、ライバル他社に顧客の多くが逃げ出してしまったということは、「価格帯に妥当性がなかった」ということになるのでしょう。

 

さて、20194月以降に社長に就任する山梨氏ですが、経歴的には、東大経済学部を卒業後、富士写真フイルムを経て、マッキンゼー日本法人のシニアパートナー、イオンの執行役を経てLixilグループの取締役に就任しています。

 

出身母体の5社出身者から、取締役会議長(会長にも復帰)の潮田氏は、経営トップを選べばいいのに、と私たちは考えますが、しがらみのない外部出身者をトップに据えた方が、経営改革がうまくいく、との考えかもしれません。

ただ、仮に3代続けてプロ経営者登用が失敗に終われば、取締役会の任命責任も株主には問われることになるでしょう。

藤森氏は、買収した子会社の負債でしくじり、瀬戸氏は、工務店への販売価格で躓きました。

山梨新社長は、これらの失敗を糧に、どんなかじ取りをするのだろう??と注目です。

 

 

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author:有賀正彦, category:経営・ビジネスに関する話, 13:19
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