RSS | ATOM | SEARCH
バドミントン教室で発生した競技中の事故

JUGEMテーマ:ニュース

 

20181029日付の読売新聞が、

「バドで左目負傷、ペア女性に1300万賠償命令」

という見出し記事を報道していました。

 

記事によると、

・事故は201412月、趣味のバドミントン教室の仲間ら4人が都内の体育館でプレーしている最中に発生

・ペアの女性が相手コートから飛んできたシャトルを打ち返そうとバックハンドでラケットを振ったところ、ネット際にいた原告の左目に当たった

・原告は左目の瞳孔が広がって光の調節が難しくなり、日常生活に支障をきたすようになった

・このため、慰謝料やパートの休業補償などを求めて提訴した

・被告側は訴訟で「原告が危険を避けるべきだった」と主張した

912日の高裁判決は、被告は原告を視界に収める後方の位置でプレーしていたことから、「被告は原告の動きに注意し、ラケットが当たらないように配慮すべきだった」と判断

・「バドミントンはボクシングのように身体接触のある競技ではなく、原告は、ほかの競技者によって危険が生じるとは認識していなかった」とした

・判決は、「スポーツであることを理由に加害者の責任が否定されるのであれば、国民が安心してスポーツに親しむことができなくなる」とも指摘した

・その上で、1審・東京地裁が「原告も一定程度の危険を引き受けて競技していた」と判断して賠償額を約780万円にとどめた判決を変更

・被告に全ての責任があると認定し、被告に約1300万円の支払いを命じ、高裁判決は同月に確定した

(ここまで、読売新聞の報道を引用(編集))

 

高裁の判断は、法治国家における司直の判断ですから、一般人の私は「感想」しかいえませんが、感覚的には、「これじゃ、こわくてスポーツは気軽に趣味としてできないよなぁ」という感じがします。

 

高裁が判断したように

「バドミントンは、格闘技のように身体接触のある競技ではないため、原告(被害者)は、他の競技者によって危険が生じるとは認識していなかった」

というのは、

「高裁の判事はテニスやバドミントンのダブルス競技をやったことがないのでは?」

と思ってしまうぐらい、ちょっと無理があるように思います。

 

「相手コートの選手のラケットによる危険」は、確かに「想定外」かもしれません。

しかし、「味方選手のラケットによる危険」は、ダブルス競技をやっている人ならば「想定外であることはあり得ず、確実に想定している危険」です。

私自身ではありませんし、バドミントンではないですが、中高時代のテニス部の友達から「後衛の選手のラケットが(汗で手から抜けて)飛んできてからだにあたりそうになったことがある」という話は聞いたことがあります。

 

どこかの体育大学の先生が、データや論文を発表してくれているとありがたいですが、おそらく、競技者、レクリエーション含めて、バドミントン愛好者にアンケートを取れば、「味方のラケットによる危険性」を「全く想定していません」という人はいないはずです。

また、「味方選手のラケットの接触」というケースを経験している人も、相当数いると思います。

 

一般にもよく知られた話ですが、法律論の世界では、「危険引き受けの法理」という考え方があるそうです。

要は、「スポーツには一定の危険が内在しており、スポーツに参加する者は予めこれを引き受けており、賠償責任が限定される」という考え方です。

 

高裁は、

「スポーツであることを理由に加害者の責任が否定されるのであれば、国民が安心してスポーツに親しむことができなくなる」

と指摘したそうですが、この論理は「被害者側からの論理」であって、「スポーツをしている以上、今回は、たまたま原告が被害者だったわけで、加害者にもなり得る」ことが考慮されていません。

加害者(故意でない過失)目線で捉えれば、注意していても、運悪く加害者になってしまった場合、全責任を負わなければならない、との論法になるのであれば、真の意味で「今回のダブルスのような団体スポーツは、少なくともレクリエーションを主としたシロウトは、怖くてやってはいけないもの」となってしまいます。

 

今回のケースにおける詳細な現場の状況が分からないので、何とも言えませんが、一般論として「格闘技のような接触スポーツでないバドミントンで加害者になった場合、加害者がその責任を全て負う」ということでは、なんだか、「生涯スポーツを安心して楽しむことはできないよなぁ」と思います。

 

話は逸れますが、今回の事故現場は、「バドミントン教室」です。

バドミントン教室主催者の責任や主催者としてスポーツ障害保険に加盟していたのかどうかも気になります。

被害者の方は、後遺症もありお気の毒ですが、加害者にとっても約1300万円の支払いは、大きな負担であり、保険などにより一部の賠償額を補填できないものかと思います。

人との交流やレクリエーション目的のバドミントンで、人間関係がギスギスしてしまっては、本末転倒で、双方にとってなんとも切ない事故だと思います。

 

 

【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ
7
つの思考法』(パブラボ刊)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 11:27
comments(0), trackbacks(0), - -
Comment









Trackback
url: http://blog.logcom.jp/trackback/867603