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阿波踊りの人出が実際には100万人に達していない?!

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徳島名物の「阿波踊り」。

今年は、「徳島市観光協会の解散」や「総踊り」の突然の中止などで全国ニュースになりましたが、その影響のためか、阿波踊りを主催する「阿波おどり実行委員会」の発表では、201881215日の4日間の人出は108万人と、記録が残る1974年以降で最も少なかったそうです。

 

しかし、823日付のAERAによると、

108万人という数字は、”水増し”された疑いがある」

というのです。

 

この記事によると、

◆阿波踊りによる経済効果は、昨年まで、徳島市観光協会が、大手都銀のシンクタンクに依頼していた(阿波おどり経済波及効果分析業務報告書)

◆シンクタンクは、阿波踊りの開催期間に実際にやってきて、調査をしていた

◆シンクタンク作成の報告書はA4サイズ24枚で、来場者を推計し、そこから経済波及効果を導き出している

◆人出の積算に使用されたのは、大手携帯電話会社の「モバイル空間統計データ」

◆モバイル空間データとは、「携帯電話ネットワークの仕組みを使用して作成される人口の統計情報」

◆日本全国の1時間ごとの人口分布を、24時間365日把握することができる

◆シンクタンクの報告書によると2017年は、日本人の人出が約21万人、外国人が約1400

◆徳島経済研究所は1991年、阿波踊りの経済波及効果を125億円と試算した

1990年の人出135万人(県外57万人、県内78万人)をもとに、宿泊費、交通費、飲食費、お土産代、踊り子の衣装代、クリーニング代などを細かく計算してはじき出した

◆試算は24年前になるが、徳島経済研究所では「阿波踊りは今も県内最大のイベントで、経済効果は100億円を超えるはず」としている

ということのようです。

 

つまり、毎年、4日間の人出は「100万人超え」として各メディアが発表していますが、この数字は、主催者である実行委員会と徳島新聞が、「去年より駐車場が混んでいる」とか「去年より人出が多いな」といったように、1990年の徳島経済研究所のデータをもとにな前年度との比較で「推計」していたようです。

 

こうなると、

1990年の徳島経済研究所の調査方法

2017年の都銀系シンクタンクの調査方法

のどちらが、精度が高いのか、という問題になります。

「経済効果」については、徳島経済研究所は「宿泊費、交通費、飲食費、お土産代、踊り子の衣装代、クリーニング代など」を対象として計算していますので、必ずしも、「人手」が要素になるわけではありませんが、「人手」については、大きな差異があります。

 

ただ、記事の中では、以前より、人手が減っているという感覚は、元観光協会幹部によればあるようです。

また、いまや、スマホの所有率は、15才〜70代で、90%を超えているといわれるので、「モバイル空間データ」の数字は、

0歳〜15歳未満、80歳以上の人

◆携帯の電源を切っていたり、自宅においてきた人

のデータが含まれていない、という問題はありますが、おそらく、相当精度が高く実際の人出をはじき出していると考えられます。

 

では、なぜ、徳島新聞などの発表の人出と差があるのか?

それは、「大人の事情」があるようです。

つまり、阿波踊りは、徳島新聞と関連会社にとって「ドル箱のイベント」だからだそうです。

おそらく、新聞広告を募るにしても、桟敷席に出す看板の広告料にしても「阿波踊りの人出は100万人」となっていた方が、スポンサーは集めやすいでしょうし、広告単価も高く設定できるからです。

 

「主催者発表」という「人出」は、大人の事情もあり、他の大型イベントでも、このようなものなのかもしれないですね。

私たちは、そういう目線で、数字を捉えることも必要なのかもしれません。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ608号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 06:51
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