- 「喫煙者は一切採用しない」と決めた星野リゾート
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2018.06.28 Thursday
JUGEMテーマ:ビジネス
リゾート開発やリゾート施設の運営管理の大手「星野リゾート」が、人事採用について「喫煙者は一切採用しない」という方針を打ち出したことが話題になっています。
https://recruit.hoshinoresort.com/tabacco/tabacco.html
ご存知の方も多いと思いましが、星野リゾートが「なぜ喫煙者を採用しないことを決めたのか」について、触れておきたいと思います。
星野リゾートによると、
1) 健康面
2)生産性
3)周囲への影響面
の3点で、「会社にとって良いことが何もない」と考えているそうです。
具体的なデメリットとして、
◆健康面のリスク
・喫煙は肺がんのリスクが5倍になる
・本人だけではなく受動喫煙者もリスクが高まる
・タバコを吸う必然性はない
・喫煙者は単にニコチン依存性になっているだけ
・喫煙は、本人の自由だからと放置しない
・喫煙習慣を止めさせることが従業員に対する愛である
◆生産性の低下
・ニコチン血中濃度低下によってイライラして集中力が下がる
・煙草休憩の時間が必要になる
・実際に生産性が高いか低いかという議論以上に、非喫煙者から不満の声が上がる
・周囲の不満は、結果として、生産性を落としている
・特に煙草休憩は、非喫煙者からの不満になりやすい
・非喫煙者は、「タバコを吸いにいあの時間は何なのか?僕らは休まず仕事をしている。不公平ではないか?」との意見が出る
・実際に喫煙者の仕事効率が落ちているかどうかはわからないが、感情的な意見が上がること自体が無駄
◆周囲への悪影響
・受動喫煙で他人の健康を害すること
・洋服、口臭が臭く仲間やお客さんの気分を害する
・タールで歯が黄ばんで清潔感がない
・マナーを守らない人が道に吸い殻を捨てる
があると考えているようです。
逆に、「喫煙者を採用しないことのデメリット」を経営会議で議論したそうです。
具体的な意見としては、
1)現在の喫煙者から不満の声が上がる
2)優秀だけど喫煙者の求職者を落としてしまう
という意見が出たそうです。
しかし、経営陣は、「3つの悪影響がなくなるメリットは、この2つの採用しないことのデメリットを大きく上回ってる」と判断したそうです。
ただ、既存社員の喫煙者に対しては、「喫煙者を不採用にするのは後出しジャンケンなので会社としては採用した責任を取る必要がある」と考え、
・報酬に差を出すことはしない
・強制的に喫煙を止めさせるような強い圧力をかけない
・禁煙する意志がある人には会社としてサポートする(禁煙外来の医療費負担)
ことを決めたそうです。
喫煙は、法律違反ではなく、前提として「法律の範囲内で個人の生き方は自由であり、喫煙が社会的な悪ではなく、あくまで会社としての価値観の問題」と星野リゾートとしては捉えたわけです。
経営コンサルティングの世界だと、上記3つのデメリットの内「生産性の低下」に関しては、具体的な業務で、ある一定期間の調査データを取らなければ、なかなか結論付けることはできず、クライアントに提案もできません。
しかし、星野リゾートでは、そうした議論が出ること自体が長い目で見れば無駄」と一刀両断にしたわけで、まさに経営判断です。
感覚論ですが、10数年前と比較して明らかに仕事がしやすくなりました。
オフィス内の執務室内や会議室での禁煙化が進んだことが大きいと思います。こうした取り組み私見ですが、嫌煙家としては、こうした方針をもつ組織が徐々に増えて行ってくれることを願いたいです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ596号より)
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