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ベネッセ個人情報流出事件の損害賠償請求棄却を考える

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2018620日に、東京地裁で個人情報流出事件に関する判決があったそうです。

その事件とは、2014年に発覚した「ベネッセコーポレーション」の顧客情報流出事件。

この情報流出事件により、個人情報が漏れたことで精神的苦痛を受けたとして、顧客計185人がベネッセとシステム開発・運用を行っていた関連会社に対し慰謝料など計1458万円の損害賠償を求めていたのだ。

 

東京地裁(朝倉佳秀裁判長)の判断は、

「慰謝料が発生する程の精神的苦痛があると認めることはできないと言わざるを得ない」

として、請求を棄却したそうです。

 

東京地裁の判断は、

◆ベネッセと関連会社の注意義務違反を認定した

◆一方で、(漏洩した情報は)一般的に『自己が欲しない他者にはみだりに開示されたくない』私的領域の情報という性格は低い」と指摘した

「現時点でダイレクトメールなどが増えたような気がするという程度を超えて、何らかの実害が生じたことはうかがわれない」と判断した

◆ベネッセがおわびの文書と500円相当の金券配布したことなどを考慮し、請求を棄却した

といったものだったようです。

 

争点としては、原告側は、

「今回漏れた個人情報は、教育に熱心であるなど一定の評価が含まれる情報」

と主張していましたが、東京地裁は、

「教育に関する何らかの思想や心情が推知されると言えるものではなく、教育事業を行う他の事業者から何らかの勧誘等があり得るといった抽象的な不安感に止まることに変わりはない」

と退けたそうです。

 

法律論はわかりませんが、個人的には、「抽象的な不安感」という点がポイントだと思います。

確かに、ベネッセの教育を受けているということは、

「教育熱心な家庭である」

「比較的、経済的に裕福な家庭である」

という「一定の評価が含まれる情報」であることには違いありません。

 

しかし、具体的に、

「押し売り被害にあった」

「詐欺業者から波状攻撃のように勧誘電話があって日常生活に支障が出た」

「増加した勧誘電話により具体的な精神的障害になった」

といった点を原告側が可能な限り定量的に示さない限り、「抽象的な不安感」であり、損害を受けたとする被害算定ができないわけです。

したがって、東京地裁の判断は、妥当ではないかと思います。

 

誤解を恐れずに言えば、「個人情報漏洩」は、自覚症状があり、世間に公表している組織に関しては、「まとも」だと思います。

日常的に、各種ポイントカード発行で記入する個人情報や出身学校をはじめ、所属する団体等(会社、学界、競技団体、スポーツクラブ、スポーツの大会など)に提出した情報が、個人情報に責任を持つ団体の自覚症状なしに、巡り巡って、漏れていることの方が問題です。

 

ベネッセの原告の件ではありませんが、多くの個人情報漏洩に関する裁判は、情報が漏れたか漏れないかわからないから「漏れたと特定できた組織から損害賠償をいただきましょう」という発想になっている気がします。

 

ちなみに、固定電話、携帯電話とも、「知らない番号、登録していない番号の着信には出ない」が基本だと思います。

出なければ、不安を感じることはありませんし、実害は発生しません。

真に用事がある人なら「留守番電話に残すはず」という「電話に関する自分ルール」を決めて、対処するのが現代社会なのかな、と思います。

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 09:25
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