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東芝パソコンの買収から考える日本の組織共通の問題点

JUGEMテーマ:ビジネス

 

東芝のパソコン事業がシャープに売却されるそうです。

 

201866日付の毎日新聞によると、

(以下、記事を引用編集)

◆シャープの戴正呉社長は、「1、2年で黒字化して投資を回収したい」と意欲を見せた

◆当面は国内事業を中心に東芝のブランドである「ダイナブック」を維持する

◆その後、積極的な構造改革で収益改善に取り組む

◆シャープは40500万円で東芝の子会社「東芝クライアントソリューション」を買収

◆株式の80.1%を201810月に取得予定

◆東芝のパソコン事業は2017年度に96億円の営業赤字だった

◆戴社長は「シャープの管理とダイナブックの部隊を融合すれば必ず黒字化できる」としている

(引用編集ここまで)

だそうです。

 

ノスタルジックに浸ってしまいますが、ダイナブックが発売された1989年当時の東芝のノートパソコンは、世界的なシェアを治めていました。

その当時の勢いをリアルタイムで知る世代としては、今の東芝は、隔世の感です。

シャープも経営不振に陥りましたが、台湾の鴻海に買われて、20183月期の最終損益が4年ぶりに黒字化するなど、好調です。

 

このように、東芝、シャープのこの20年の経営を見てくると、外野が評論家チックに物申すのは恐縮ですが、ひとことでいえば「経営者がダメだった」ということになると思います。

キーワードだけを挙げると

◆日本企業の衰退は、経営陣が社内政治に明け暮れた

◆長期的には国益を損ねている

◆鴻海はブランドを安く手に入れた

◆しがらみのない人間を経営者にする

◆経営戦略に長けた人材が育っていない

といったことだと思います。

 

一般論として、組織が成熟すると、経営戦略よりも人事抗争が勃発します。

一線を突っ走ってきた経営者は、自分の影響力が残るように、イエスマンをまわりに揃え、言うことを聞く子分に社長の座を禅譲して、執権政治をします。

その結果、経営戦略が疎かになり、投資すべき設備や技術者にお金を使わずに、昔の成功体験をもとに対策が後手後手にまわります。

そして気づけば、経営戦略のムダ、業務効率のムダ、ヒラメ社員・ぶら下がりの増加、社内のモチベーション低下、プライドだけが高い社員の増加・・・といった状態になります。

 

世界全体で捉えれば、

「いち民間企業の経営が傾いたら、技術力がある利用価値のある部分だけを切り売りして、好調な会社が買収して、消費者にとってはハッピーじゃん」

という考え方もあります。

 

ただ、邦人企業が儲けを出すことで、法人税が国に入れば、「国益」となりますが、海外資本に買収されることになれば、現地法人からの法人税収入はあっても、利益は海外の親会社に吸い取られてしまいます。

そういう点を考えて行けば「いち民間企業であっても、組織がヤバくなってきた時は、国を挙げて立て直す」ことが必要ではないかと思います。

 

この傾向は、20数年前に、日産自動車の社長にカルロスゴーン氏が就いた時から見られたことでした。

日産は技術者のレベルが落ちたわけではありませんでした。

当時社長だった塙氏も言っていましたが、「しがらみに縛られていて、日本人では改革できない」と。

 

大雑把に言えば、国内大企業や日本大学の経営を含めて、「日本の組織が抱える共通の問題」は、

「こうした組織の安定期において社内政治に長けたやつらがのし上がり、組織を食い荒らすことにストップをかける仕組みがないこと」

ではないかと思います。

 

以前のコラムでも書きましたが、大学組織には、補助金が投入されており、ガバナンスがおかしくなった時には、「経営陣を一新できるような仕組み」が必要だと思います。

(※日大を見ている限り、今回のような問題に発展するまで自助改革はできなかったわけです)

また、民間企業であっても、ある程度、国を挙げて「経営陣一新」の仕組みがないと、どんどん海外勢に買われてしまう気がします。

「民間経営は、市場原理に任せておけばよい」というのは、国益を考えれば、無責任な気がします。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ597号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:経営・ビジネスに関する話, 06:47
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