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「断らない住宅」は見直し必須の制度

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政府が「空き家対策」と所得の少ない人やお年寄りといった「住宅確保用配慮者」対策として家主が賃貸入居を「断らない住宅」を増やそうと国土交通省が始めた登録制度が目標を大きく下回っているそうです。

 

201856日の朝日新聞の記事によると、

◆この制度に登録された住居の数は、現在622

政府目標は、2020年度に175千戸の登録目標で、達成率は0.4

家主は、空き家の場合の改修工事に最大計200万円、家賃補助に月最大計4万円の支援を国、自治体から受けられる

実際に事業を行うかどうかは各自治体に任せる

将来的に面積、築年数などの条件を満たした約50万戸を住宅確保要配慮者向けの住宅にする構想

登録戸数は、都道府県別で、多い順に大阪237件、山梨88件、岡山54

東京や愛知のように0件の自治体もある

背景には、財政難などを理由に家主への支援策が低調なことがある

という状況のようです。

 

少し話題はそれますが、先日、テレビのバラエティ番組で、女優の樹木希林さんが、独身の女優浅田美代子さんに「60過ぎたら家を貸してくれる人はいなくなるんだから持ち家を持ちなさい」とかつてアドバイスされたエピソードを披露していました。

華やかな世界で生きていて、一般人よりはるかに収入が多いと思える立場の方でも、「住宅問題」は切実なのです。

社会福祉士の藤田孝典氏が作った造語「下流老人」の定義は、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」のことで、2015年現在、下流老人は日本国内に推定600万〜700万人いるそうです。

 

また、国土交通省のデータによると、全国の空き家は、現在820万戸と言われ、野村総研の予測だと、2033年には、2150万戸になるといわれています。

 

こうした観点で考えると、「空き家対策」と「住宅確保用配慮者対策」を施策とする方向性は間違っていません。

ただ、制度として「断らない住宅」は、現在の方式では「ボランティア精神が豊かな大家さん」でないかぎり、国や自治体が頑張っても、戸数は限定的でしょう。

 

言わずもがなですが、そもそも大家さん側は、「ビジネス」として、「賃貸事業」をしています。

制度として、改修費用や家賃補助が受けられるといっても、「火災リスク」「ご近所トラブルリスク」「家賃滞納リスク」などが「極めて低い人」を見極めて貸さなければ、受け取る補助金以上のリスクに巻き込まれてしまいます。

つまり、大家さんは「儲けが見込まれ、リスクが低い入居者」を選択するのは当然で「断らない住宅」は、増えるはずがありません。

 

本来、「住宅確保用配慮者対策」は、「公営住宅」がその役割を果たすはずです。

ただし、現在の公営住宅には、外国人労働者の入居が相当数あるようです。

また、公営住宅の建設費・維持費・運営費などの予算確保が難しいのであれば、「基準を満たした民間住宅を自治体に登録(大家は自治体と契約)し、自治体が市価より安く貸し出す制度にすれば良いと思います。

この方式であれば、貸す立場の大家さんも市価より収益は低くなるリスクはあるものの賃貸に伴うリスクの一部を自治体が担ってくれることで、「登録したい」という大家さんは増えるでしょう。

 

いずれにせよ、この「新たな住宅セーフティーネット法」に基づく制度「断らない住宅」は、見直しが必要でしょう。

 

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 10:23
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