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三菱ケミカルホールディングスグループの有害物質検出はなぜ報告されなかったのか

JUGEMテーマ:ビジネス

 

「三菱グループの化学製品工場で基準値“1万倍”の水銀検出 これまで県に報告なし」

こんな見出し記事を、2018219日付の東海テレビが報じていました。

 

このニュースによると、

◆岐阜県大垣市にある三菱グル―プの工場の土壌から、基準値のおよそ1万倍の水銀が検出されていた

◆三菱グループの工場は、「日本合成化学工業 大垣工場」

201510月に、国の基準の1200倍の水銀が土壌から検出されていた

1964年まで工場で水銀を使っていたことから汚染されたとみられる

◆この土壌は撤去されたものの、別の場所からも基準値の620倍の水銀や16倍のヒ素が検出された

◆工場内の井戸水からは基準値を超える水銀は検出されていない

といった状況のようです。

 

おそらく、井戸水からは、基準値を超える水銀は検出されていないので、土壌汚染による敷地外部への環境影響は、限定的でしょう。

 

日本合成化学のウェブサイトを確認すると、昭和40年以前に、酢酸の原料としてアセトアルデヒドを製造しており、その製造プロセスにおいて、水銀を触媒として使用するので、環境管理が弱かった当時、使用していた水銀が土壌に染み込むか、廃棄されていたのでしょう。

http://www.nichigo.co.jp/csr/environment/index.html

 

調べてみると、岐阜県の環境に関する要綱では、「土壌や地下水の調査で有害物質による汚染を

確認した場合は速やかに報告すること」を規定されています。

つまり、日本合成化学は、「201510月」に土壌汚染を認識しつつ、外部への環境影響がほとんどないとの認識で、岐阜県への報告を怠っていたわけです。

 

ちなみに、今回の件について、日本合成化学のウェブサイトでは、219日付で「大垣工場の土壌調査結果と今後の対策について」と題した文書を公表しています。

http://www.nichigo.co.jp/news/file_info/jpi1802191.pdf

 

詳細は、この公開文書に譲りますが、土壌汚染が判明したきっかけは、新プラント建設候補地の土壌調査をしたことによりわかったそうです。

ここからは予想ですが、もともとは、201510月に基準値を超える土壌汚染を認識し、その汚染された土壌は撤去されましたが、岐阜県には報告しませんでした。

今回、報告に至ったのは、きっと、新プラント建設候補地の土壌調査をしたことで、土壌調査会社が「岐阜県への報告が必要じゃないですか?」と助言したのでゃないかと思います。

もしそうだとすると、土壌調査会社のファインプレーでしょう。

 

日本合成化学工業は、品質と環境のマネジメントシステムについて、認証(ISO9001ISO14001)をSGSという外資系の大手認証機関から受けています。

マネジメントシステム的に気になるのは、

◆日本合成化学工業の環境法規の担当者の力量は適切で、適切に管理される仕組みがあったのか

◆認証機関であるSGSは、なぜ、岐阜県への報告が必要であることを指摘しなかったのか

(少なくとも201510月以降、2回の認証審査が実施されている)

という点です。

 

日本合成化学工業が公表している「大垣工場の土壌調査結果と今後の対策について」については、詳細な調査結果が記されていますが、「マネジメントシステムの観点」(例:会社や担当者の法令の認識不足が生じた原因など)からは、再発防止についてあまり触れられていません。

認証審査を担当したSGSは、ぜひとも、このあたりの再調査はもちろんのこと、なぜ、認証審査で気づかなかったのか、についても深く調べて欲しいものだと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ582号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 14:14
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