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極端な忖度的行動は組織能力を低下させる

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森友学園をめぐる問題で、財務省の決裁文書の改ざんについて、国会が揺れています。

「改ざん」に関しては、当事者の財務省が認めたので、焦点は「誰の指示だったのか?」に移っています。

現時点(321日)の個人的予想ですが、おそらく、官邸のシナリオ通りで、佐川元理財局長に責任を全て押し付けることになって幕引きとなるのではないでしょうか。

 

一般論ですが、マスメディでも取り上げられている通り、今回の「改ざん問題の背景」には、多かれ少なかれ、2014年に設置された内閣人事局による官邸主導の人事制度が原因のひとつでしょう。

「政治家主導」の政治にするために、「官邸主導の人事制度」となり内閣人事局ができたわけで、「官僚政治」からの脱却という意味では、「官邸主導の人事」は間違っていないでしょう。

しかし、太田理財局長が、自民党の和田議員から「政権を貶めるつもりで答弁されているのか」と質問された際に「お仕えした方にお仕えしているのであってそれはご容赦ください」と回答していましたが、「お仕えする方=官邸」になっているのは、やはり「国家公務員は国民にお仕えする」という原則からすると、問題点が出てきている人事制度といえるでしょう。

 

要は、例えば、総務省の事務次官候補だった方が、ふるさと納税反対派で、菅官房長官に嫌われて当時の高市総務相が提案した人事案が承認されなかったそうです。

この事務次官候補だった方は、「ふるさと納税は国益にならない」と国民のためを思った信念で政策を唱えてきたのだと思いますが、これこそが、国家公務員のあるべき姿であると思います。

つまり、「時の指導者の意向に沿って信念を極端に曲げる仕事をする」のでは、やはり、「いまのままの内閣人事局制度」には問題があるといえるのではないでしょうか。

 

私は仕事柄、多くの企業の調査をしてきましたが、トップのまわりをイエスマンで固めると長い目で見て、企業にとってロクなことはありません。

企業経営はスピードが大事な部分もあるので、トップの考えを忖度する社員が多ければ決断、実行が早くうまく回ることもあります。

しかし、多様な意見を討議する風土が薄れ、結果として組織の能力低下につながっている例を多く目にしました。

また、「忖度経営」は、トップの方向を見ていて「顧客」を見ていませんので、トップの組織内の安定基盤は築けますが、気づいた時には、ユーザーや消費者の心が離れていることもしばしば見かけます。

 

それにしても、昔の政治家がらみの大疑獄事件は、「職務権限の乱用」が明確でした。

しかし、「官邸主導の人事制度」は、将来的なポストや天下りを期待しての「忖度的行動」では、「真の指示者(総理?財務相?官邸?)」が直接的に「頼んだよ」とか「期待しているよ」と間接的な言い回しで指示せずとも、指示者の意向を組んだ行動(例:国会答弁に合わせた決裁文書の書き換え)をするシステムなのですから、皮肉を込めて言えば、合法的に時の政権に都合のよい制度だな、と思います。

 

具体的な改善策は、私の中では考えが及びませんが、政治の世界はともかく、サラリーマンの世界はもちろん、一般的には「トップに忖度」が組織内で常態化すれば「組織はおかしくなるのが常」ですので、国民全体が関心を持って声を上げていかなければいけない問題ではないかと思います。

 

最後に、中曽根康弘内閣時代に官房長官をされていた後藤田正晴氏が部下に与えた訓示である、いわゆる「後藤田五訓」を記しておきます。

 

【後藤田五訓】

◇出身がどの省庁であれ、省益を忘れ、国益を想え

◇悪い本当の事実を報告せよ

◇勇気を以って意見具申せよ

◇自分の仕事でないと言うなかれ

◇決定が下ったら従い、命令は実行せよ

 

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ586号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ニュースを題材にした話, 07:31
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