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認証機関が作成する審査報告書の記載(一時的サイト)について

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「認証機関が作成する審査報告書の記載(一時的サイト)」について。

 

言わずもがなですが、企業や団体など「ISOマネジメントシステム規格の認証」を取得したい組織は、認証機関(審査登録機関)の審査を受審します。

組織は、取得を希望するマネジメントシステム規格が、例えば、品質マネジメントであれば、「ISO9001」、環境マネジメントシステムであれば「ISO14001」というように「認証基準となる規格」が決まっています。

 

では、認証機関は「どんな基準のもとで認証審査を実施」するのかというと、例えば代表的な規格として「ISO17021-1JIS Q 17021-1)」があります。

ISO17021-1では、認証機関が認証業務活動を実施するにあたって、満たすべき要求事項が規定されています。

 

例えば、認証機関は、組織審査を実施すると「審査報告書」を作成します。

審査報告書には、例えば、

「認証機関の特定」

「依頼者の名称、住所及び代表者」

「審査の種類(例えば、初回審査、サーベイランス審査、再認証審査、特別審査など)」

「審査基準」

「審査目的」

「審査範囲、特に審査した組織単位若しくは機能単位又はプロセスの特定、及びその審査の時間」

「審査活動(現地又は現地以外、常設又は一時的サイト)を実施した日付及び場所」

・・・

といったことを記載(または引用)することが、ISO17021-1では求められています。

 

今回、話題にするのは「審査報告書の中で審査活動を実施した日付及び場所」についてです。

ポイントは「常設サイト」と「一時的サイト」です。

認証機関に要求されている基準文書のひとつである「IAF MD5:2015」では、常設サイトと一時的サイトについて以下のように定義されています。(基準文書より引用)

 

「常設サイト」

依頼組織が継続的に業務又はサービス提供を行う(物理的又は仮想の)場所

 

「一時的サイト」

依頼組織が限定された期間内に、特定の業務又はサービスを提供する(物理的又は仮想の)場所で、常設サイトになることが意図されていないものである

 

簡単に言えば、例えば、建設業であれば、「常設サイト」は「建設会社の本社事務所や建設機械を保管・修理する車庫、営業所など」であり「一時的サイト」は、「建設現場や現場事務所」をさしますが、それらを現地審査で訪問したなら、審査報告書に記載しなさい、ということをISO17021-1規格は言っているわけです。

 

変な話ですが「一時的サイト」が「わかりやすいケース」は、まず、問題なく「審査報告書にきちんと記載(または引用)」されています。

「わかりやすい一時的サイト」とは、例えば、建設業における建設現場やビルメンテナンス業における清掃現場です。

 

「わかりにくい一時的サイト」は、「一時的サイトに訪問するのが通常必須となっておらず、訪問するか否かが現地審査の都度、調整しているケースや常設サイト外での業務やサービスの提供が日常的すぎるケース」です。

 

例えば、前者に相当するのが、研修サービスを提供する会社が通常は常設サイト内で研修会を実施するが「客先で研修サービスを提供する」ような場合で、後者は、電力会社やガス会社が「使用量の検針業務を会社や個人宅を回って実施」をする場合や輸送会社が「積込、荷下ろしを常設サイト外で実施」する場合です。

 

これらのケースは、「認証機関が作成する審査報告書」にISO17021-1で要求された「一時的サイトの場所の特定」がされていないケースが、多々あります。

ただ、組織が認証機関から通常提供される「審査報告書」には、意図的に「一時的サイト」が特定されて記載されていないケースは、意外とあります。

「意図的に記載しないケース」はさまざまですが、たぶん、多くの場合は、「一時的サイトは特定の客先」であることが多いため、組織側が「記載しないでほしい」というケースがあるからです。

その場合、多くの認証機関は、いわゆる「申し送り書」的な認証機関内の共有情報(これらの文書も“審査報告書の一部”としていることが多い)として記載しているようです。

 

いずれにせよ、「ISOマネジメントシステム認証制度」の目的で考えると、認証機関は「組織の認証登録が適切に実施されたことを世間に示す」必要があるわけで、「常設サイト外の活動」を組織が実施していれば、程度問題はありますが、なんらかの頻度と方法で「一時的サイト」を訪問して審査する必要があります。

したがって、認証機関は、「審査報告書(または関連記録)」の中で、訪問して審査した一時的サイトを明確にしておくことは、重要なのです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ554号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:55
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