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日産自動車の無資格者完成検査実施問題を考える

JUGEMテーマ:ビジネス

 

「日産自動車の無資格者が完成検査を実施していた問題」ですが、調査が進むにつれて、「問題が常態化」されていたことがわかってきましたね。

 

当初のマスコミ報道からは、単なる「完成検査についての国交省と日産自動車での解釈の違い」と思われ、

「日産自動車内の無自覚の過失」

「完成検査自体には実質的な問題がない」

と思っていました。

 

しかし、問題発覚後のマスメディアのその後の報道からは「法令違反であることを現場は認識していた悪質なもの」のようです。

報道では、

◆資格取得訓練中の従業員や研修を受けていない短期契約の従業員も検査を行っていた

◆国内6つ全ての工場での完成検査を、無資格の従業員が日常的に行っていた

◆検査に携わっていない資格のある社員の印鑑が複数用意されていて、複数の検査項目に同じ検査員の印鑑が使われていた

というから明らかに「完成検査に関する認識の違い」や「完成検査の単純ミス(過失)」というレベルの問題ではない。

 

日産自動車は、201610月に、「燃費試験の不正問題」が発覚した三菱自動車に資本参加し、株式の34%を保有する筆頭株主となった。

この「燃費試験不正問題」では、連日、マスメディアは新聞以外にもテレビでバンバン報道され、三菱自動車の株価は大幅下落し、消費者からの信頼が低下した。

 

しかし、今回の日産自動車の「完成検査の無資格者実施問題」の方が安全性に関わる問題で「重大な問題」と個人的には考えますが、「衆院解散総選挙関連報道」に時間が割かれているためなのか、テレビメディアでは殆ど報道されていないのが、なんだか不思議です。

 

以前にも関連コラムで書きましたが、個人的には、

◆なぜ無資格者が完成検査を実施することが常態化したのか

◆組織自身が実施するマネジメントシステムに関する内部監査においてなぜ問題が発覚しなかったのか

◆第三者機関(ISO認証機関)の審査でなぜ問題が見つけられなかったのか?

について、関係機関(日産自動車、第三者機関のJIA-QAセンター、JABなど)は、徹底して、原因を究明して再発防止を徹底し、世間にきちんと公表して説明責任を果たしてほしいと思う。

 

それにしても、報道では、日産自動車の完成検査に関する資格が無資格の検査員の中には、「自分は検査できるものと思っていた」という認識だから、仮に「日産自動車が無資格者による完成検査が実施され出荷(登録)されていても実質的な影響は少ない」と主張するのであれば、「無資格者と有資格者の完成検査技量にどの程度の技量の差があるのか」を検証して、きちんと示す必要がある。

 

詳細は省きますが、この手の問題の「実質的な影響の有無」について検証するのは、「とりあえず」レベルであれば、「有資格者と無資格者の技量の差異」を調べるという方法があります。

しかし、本質的な「影響の有無」の検証は、難しいというより不可能に近いと思います。

 

なぜなら、無資格者であっても、その後、検査をやり続けていれば、「現在は力量がある」かもしれないので、「検査していた当時の力量とその力量に基づく完成検査の有効性」は厳密には検証できません。

 

また、無資格者の中には「期間工」もいたそうです。

期間工は、すでに退職している人が大半でしょうから、こちらも「完成検査当時の力量」は、書面上は「どのような検査員訓練を受けたのか」のデータはあるとしても、検査当時の実質的な力量はわかりません。

 

したがって、「無資格検査員による完成検査の実質的な影響の程度」は検証することが難しいといえると思います。

つまり、「影響度合いはよくわからないから、出荷待ち(未登録)と次回車検前の車全部を再検査しちゃいましょう」という措置しかやりようがないでしょう。

 

話は全然変わりますが、「無資格教員が担当していた高校の授業を卒業前の春休みに再履修指せて卒業させた」というニュースが数年前にありました。

個人的にこの件については、「無資格教員と言っても何年もその科目を担当していた訳で、新任の有資格者の先生より実質的な指導能力はありそうな気もする」し(つまり、単位授与のために必要な時間数、再履修させる必要はないのではないか)、仮に実力がないとしたら「もっと以前に卒業していった生徒の授業はやり直さなくていいといえるのかな」といろいろ思いを巡らせました。

結果的に、高校の判断としては、「影響度合いを検証することは難しいから、目先の問題(問題発覚当該年度の生徒)はすべてやり直すことにして、過去については、不問にしましょう」というのが、落としどころだったわけです。

 

この「無資格教員が実施した授業」の件と今回の「日産の無資格検査員が実施した完成検査」の件は、性質としては似ている問題で「問題の影響度合いの測定」が非常に難しい問題です。

日産自動車や第三者機関がこの問題について「どのような調査結果」を発表するか注視したいと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ562号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:55
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-, 2017/10/08 10:31 PM









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