- 前橋市が作成を進める衛生管理のガイドライン
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2017.09.20 Wednesday
JUGEMテーマ:ニュース
群馬県と埼玉県の総菜店で食品を8月ごろに購入した人が腸管出血性大腸菌O157に相次いで感染し、9月に入って治療を受けていた東京都内の女児(3)が死亡した問題で、この女児が購入し、食べたとされる「でりしゃす六供店」では、客が大皿に盛りつけられた総菜をトングで盛り付けする方式だったそうです。
「でりしゃす六供店」のマニュアルでは、トングは「2時間おきに交換する」という衛生管理のルールがあったと報道されていますが、日常的に守られていなかった、とも報道されています。
食品安全マネジメントシステム規格のISO22000では、「個々の検証結果の評価をすること」という要求事項がありますので、この規格に沿って惣菜店を考えると、仮に「ルールに沿った衛生管理」と「従業員に対する教育」が実施されていたとしても、結果としてO157感染患者が発生してしまったわけですから「現在の衛生管理ルールは妥当ではなく、従業員教育も不十分」という評価を組織はして、改善を図るべきだったのでしょう。
ちなみに、前橋市保健所は9月14日に
「客が自ら料理を取り分けるバイキング形式の総菜店や飲食店を対象に、独自の衛生管理ガイドラインを策定する方針を明らかにした」
との報道がありました。
つまり、「不特定多数の客が自ら料理を取り分ける形式」について「消費者が気軽に利用できて便利な一方、衛生管理が難しくなる面もある」と指摘し、こうした業態に対し、法令を含む明確なルールがないとの主張でしょう。
そこで、前橋市では、
・衛生面で注意すべき点を洗い出すしてガイドラインに反映させる
・来客が衛生的にトングや食器を扱えるような配慮をガイドラインに盛り込む
・店側の料理の提供方法もガイドラインに盛り込む
・料理は時間経過とともに鮮度が落ちるため、店頭に置く時間についても基準を設ける
・調理済みの総菜売り場のあるスーパーや総菜店など「中食」事業者、飲食店、食事にバイキング形式を採り入れるホテルや旅館も想定したガイドラインにする
・ガイドラインは『群馬方式』として広めていきたい
としているそうです。
電車の「つり革」じゃないですが、「日本全体が潔癖症」になるのは問題だと思います。しかし、今回の問題で、入院され、亡くなった方には申し訳ないですが、食の衛生に関して、国民全体で意識改革をする良い機会なのかもしれません。
「でりしゃす」の衛生管理の運用実態は、これから調査されていくことになると思いますが、食品関連産業全体で見れば、一昔前に比べれば、業界の衛生管理意識は相当高く、神経質になっていると思います。
一昔前なら、回転寿司でも、寿司職人は「素手」で握っていましたが、今では、大手回転ずしチェーンはもちろん、店舗数の少ない独立系回転寿司屋でも、「素手で握る」ケースは稀です。
また、「見せる調理」をウリにしている飲食店でも、加熱調理するもの以外の調理担当者は、マスクを着用しているケースも多くみられるようになりました。
しかし、コンビニエンスストアの「おでん」しかり、スーパーのセルフ方式の「総菜」しかり、焼き立てパンのセルフ式「無包装パン」しかり、ホテルの「バイキング」しかりで、「食品がむき出し陳列されている方式」のサービス提供が世の中には反乱しています。
調理施設や調理担当者自体の衛生管理は徹底していたとしても、「客に提供する段階」で「汚染物質が広がるリスク」は、世の中の人の多くが「少しヤバいかな」と思いつつも「まっ、いっか」と許容していました。
個人的には、ホテルのバイキングでは、朝食会場に向かう前に手洗いをしていきますので、自分が感染病にかかっていない限り「衛生管理には自信」がありますが、「セルフ式の焼き立てパン屋やミスタードーナツ」では、「手を洗ってからトングを触る」ということはまずしていません。
したがって、トングは客毎に交換ですが、トング棚からトングを取るときに他のトングに手先が触れなかったか?と問われれば、自信はありません。
大きな駅ナカにあるセルフ式パン屋には、入り口に「マット」が敷かれていますが、入り口付近に陳列されたパンには、マットから飛散する菌も付着するリスクが高いと思います。
話を元に戻しますが、「前橋市が作成を進めているガイドライン」がどのような内容になるか、関連産業目線でなく、消費者目線で作成されているか、注視していきたいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ559号より)
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