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ISO認証制度で気になる点(設計・開発について)

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「設計・開発」について。

 

《設計・開発について》

ISO9000(用語が定義されている規格)では、「設計・開発」について、

『要求事項を、製品、プロセス又はシステムの、規定された特性又は仕様書に変換する一連のプロセス』

と定義されています。

 

一般的には、ISO90012008年版)では、

「図面や仕様書を作成(アウトプットする行為)」

が設計・開発に相当するといわれていました。

この考えは基本的には、変化ありませんが、ISO90012015年版)では、

「要求事項をより詳細な要求に変えること」

という意味で「設計・開発」を捉えることをISO規格に関する有識者が講師をする公的な説明会の場で言われています。

つまり、簡単に言えば、「明らかに確立しており詳細な要求に変える必要が無い場合」を除けば、多くの製造業はもちろん、サービス業でも「設計・開発」に相当する業務が無いということはあり得ない、と考えられるでしょう。

 

具体的な事例でいえば、「輸送サービス」を提供する運送会社があるとします。

2008年版のマニュアルでは、以下のような理由で「設計・開発」を適用除外にするケースが多かったと記憶しています。

 

≪輸送サービスで設計・開発を適用除外する場合の理由の事例≫

当社の製品である「輸送サービス」においては、プロセス(インプットをアウトプットに変換する、相互に関連するまたは相互に作用する要素の集まり)は当社においては確立されている。

顧客や規制の要求事項を満たすにあたって、これらのプロセスやシステムを日常的に設計・開発をしなくても、当社の能力または責任には影響を及ぼさない。

また、当社は荷主が指定する仕様書に基づいて既定の商品を輸送する輸送サービスを提供しており、その輸送方法、輸送形態並びに輸送ルートについてもほぼ確立されている。

まれに特定の注文に対してその要求事項を満たすためにルートを計画することがあるが、これもいわば、既定の陸路の組合せで対応できるものであり、いわばルート変更という程度のものでである。

したがって輸送サービスに対しても当社が顧客や規制の要求事項を満たすにあたって、「設計・開発」を日常的に行う必要性があるものではないため「設計・開発」を適用除外とする。

 

・・・というような除外理由をよく目にしました。

とっても適用除外の理屈が通っているように見えます。

しかし、結論から言って、2015年版では、上記理由では、設計・開発の適用除外は難しいかもしれません。

 

話しが少し逸れますが、専門家の間では、「2008年も2015年版も設計・開発に関して、意図は変わっていない」といいますから、本来であれば、2008年版でも除外はできなかったのですが、2015年版で設計・開発についてより明確になったことから、「2015年版という機会でこの際、グレーだった扱いをクロにしよう」という考えもなくはないと思います。

 

話しを戻しますが、上記事例で、なぜ、設計・開発の適用除外ができないか、ですが、逆に言えば、除外できるケースは滅多にない、と考えた方がよさそうです。

例えば、喫茶店のサービスを考えるとします。

「顧客要求」が「トースト」だった場合、「設計」開発」が除外できる場合は、「(ただの)トーストを提供する」という場合が相当するでしょう。

ただし、こんなケースはまずないですが、「オーブントースターではなく、たき火で食パンを焼いてください」という要求だったら、「より詳細な要求に変換する」行為が生じ、設計・開発が必要になるでしょう。

また、「〇〇トースト」といったような、そのお店で新たな具材を使用するトーストを提供する場合は、要求事項を満たすために調理器具や設定温度、衛生問題、味付けなど「設計開発的な行為がある」と考えられるでしょう。

 

つまり、輸送サービスに話を戻せば、仮に荷主から「梱包や荷姿、輸送仕様」が指定されていても、保管や輸送上のトラブルや不都合・不効率が生じれば「輸送仕様の改善提案」を荷主にするでしょうから、それは、まさに、「設計開発」となります。

また、いままで運搬したことのない物性の荷物を運ぶ場合も、自社では運搬事例が無い、というような場合は、「設計開発行為をしないで輸送計画することはありえない」わけで、当然、設計・開発が生じます。

 

もちろん、普段の業務は、確立された方法論の中で実施するでしょうから、設計・開発行為は、数年に1度しか生じないかもしれませんが、上記理由で「適用を除外する」というのは、難しいと考えるべきなのでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ519号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 09:14
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