- 阪急阪神ホテルズのお詫び文を分析してみました
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2013.10.28 MondayJUGEMテーマ:ビジネス
阪急阪神ホテルズグループの8つのホテルでメニュー異なる食材を提供していたニュースについて、2013年10月24日付のブログで触れた。
http://blog.logcom.jp/?day=20131024
このニュースに関して、「お詫び文」はどのように公表されているのだろう?と思い「阪急阪神ホテルズ」のウェブサイトを確認してみました。
http://www.hankyu-hotel.com/index.html
すると、トップページに「重要なお知らせ」という表示があり、クリックすると、
「メニュー表示と異なった食材を使用していたことに関するお詫びとお知らせ」
というお詫び文が掲載されていました。
http://www.hankyu-hotel.com/hhd-group/hankyu/upimg/news/corp/20131022-122.pdf
それでは、このお詫び文を分析してみることにします。
まずは、「お詫び文に必要な事項が記載されているかどうか」です。
一般的なセオリーとしては、
『社長限界でしょ』
が含まれていればよいとされています。
「社長限界でしょ」とは、
社:関係者への謝罪
長:調査結果の報告
限:原因の明示
界:改善策の提示
で
しょ:処分・賠償
である。
意外と「大企業」と呼ばれる会社でも、「お詫び文に必要な事項」が盛り込まれておらず、「すっきりしないなぁ」というものが多い。
しかし、今回の阪急阪神ホテルズのお詫び文は、「セオリーに沿った必要な事項」が全て網羅されているのだ。
おそらく、「不祥事に対するコンサルタント」が付いていて、きっちり指導されているのであろう。
ちなみに、今回の「原因」について、阪急阪神ホテルズでは、以下の「主に3つ」を上げている。
(以下、お詫び文より引用)
(1) 各ホテル・事業部において、メニューを作成する調理担当、食材を発注する購買担当、メニュー表示を担当するレストラン・宴会(サービス)担当、さらには食材を納品する仕入業者との間で、情報伝達と連携に不備がありました。
(2) その結果、メニューを新たに作成・変更する際に、メニューブックなどの表示への反映を行なう作業過程に遺漏が生じました。
(3) 景品表示法・JAS法の理解不足、知識不足により、表示についての認識が誤っておりました。
(引用、ここまで)
特に注目すべきは(1)の原因である。
これによれば、関係者が、
◇メニュー作成の調理担当者
◇食材を発注する購買担当者
◇メニュー表示をするレストラン・宴会担当者
◇食材を納入する業者
の4者いて、これらの関係者のコミュニケーションに不備があったというわけだ。
つまり、例えば、
◆調理担当者:「信州そばのような美味しいそば粉を使ったメニューを提供しよう」
◆購買担当者:「そば粉なら何でもいいんだろう。上からも利益を出せと言われているし」
◆レストラン担当者:「利用者に魅力的に映るよう「信州そば来粉使用」と表示しよう」
という感じで、バラバラに役目を果たしており、「レシピ作成者、実際の納入食材、そしてお客さまが見るメニュー表」の照合がされていなかった、というのだ。
それにしても、1〜2のホテルでの出来事ならともかく、「8つのホテルでそんなにもコミュニケーションって悪いの?」と思ってしまう。
以前、ホテル関係の仕事をする知人に聞いたが、ホテルにテナントとして入っている有名店ではなく「ホテルのレストランや宴会メニューに関しては、食材の納入業者からの提案でメニューが作られるのが一般的なホテルのレストランだ」というのだ。
したがって、ファミリーレストランと同じ方式で、ホテルでは、「冷凍物を解凍したり、温め直して提供するもの」の方が多いそうだ。
そう考えると、「納入食材と表示メニューが違う」ということは、きちんとした「照合システム」が確立されていない限り、ミスが起きてしまうということは、故意でなくともあり得ると思う。
ただ、個人的には、「仮に、当初は、故意に産地偽装をしなかったとしても、どこかの段階で、表示と違う食材を提供していること」に気づいていた担当者は多いと思う。
それを、「なぜ内部的に自ら修正できなかったのか?」。
この点について、「景品表示法やJAS法の知識が甘かったので教育を徹底する」と対策を阪急阪神ホテルズは示しているが、何か違う気がする。
「表示と提供されている食材が違う」とわかった時に「なぜ、自浄作用が働かなかったのか?」について、メスを入れなければ、中途半端な改善に終始し、組織体質の改革には繋がらないと思うのである。
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