- JAL出身者を大量中途採用するスカイマーク社の成功のポイント
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2010.12.05 SundayJUGEMテーマ:ニュース
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2010年12月1日に、スカイマークは、会社更生手続き中の日本航空の退職者など定期航空会社の勤務経験者約270人を中途採用すると発表したという。スカイマークは、2014年から国際線に進出すると11月に発表した。
そのために、エアバス社製の最新鋭超大型旅客機「A380型機」を合計15機導入する方針だという。
このA380は、参考価格では、1機300億円、座席数は最大で800席になると言うから、現在運航中の保有機材であるボーイング737型機の177座席と比較するとべらぼうに大きな機材である。
航空法では、パイロットや整備士は、機材毎に資格認定された要員が当たらなければならない。
また、A380の購入によって国際便に進出するとなると、語学力や機内サービス、乗客の安全管理、機内の清掃手順など、新たなノウハウや人材が必要になる。
そう言ったことが予想されるわけだから、国際線業務の経験が豊富なJALの元社員の採用により、そのキャリアを生かすことができるだろう。
各メディアの情報では、2011年1月以降の中途採用計画の内訳は、
◇パイロット約120人
◇整備士約50人
◇客室乗務員約100人
となっている。
とりわけ、大量採用する予定があるのは、客室乗務員で、対象者は、JALの国際線業務の経験がある人で、最終的には、2013年までに客室乗務員は約300人の採用を計画しているという。
労働組合が強く、権利意識がスカイマーク社員より高そうなので、雇用関係の条件闘争では、西久保社長とぶつかりそうであるが、そのあたりの「スカイマークの社風や風土」を中途採用組が理解すれば、スカイマークにとって、業務上のメリットが大きい中途採用者たちとなるだろう。
これまでの歴史を振り返ると、大手企業が倒産、あるいは、事業再生する過程において整理解雇されたり、自主退職した人材が、活躍しているケースは多々ある。
私は、コンサルティングやマネジメント監査の仕事を通じて、様々な会社に訪問したことがあるが、保険など金融であれば、山一証券、千代田生命保険出身者が、食品関連産業では、雪印や不二家出身者が、介護ビジネスでは、コムスン出身者が同業他社や関連する中小企業に再雇用されて活躍されている姿をよく見かける。
つまり、採用する側にとっては、異なった文化や社風で育った仕事に必要な知識や経験を持つ人材は、会社をいい方向で変えるための要員でもあるし、カンフル剤でもある。
つまり、企業規模が同程度の同業他社に転職した場合は、「新たな発想」を取り込むことができる。
また、中小零細企業が大手関連企業出身者を採用する場合は、「管理手法」をノウハウとして吸収できる。
今回のスカイマークのJAL出身者の中途採用では、約470人の採用計画がある。
現在のスカイマーク社の人員は約1200人であり、中途採用者数は、3分の1を超える。
スカイマークの中途採用者を仕事で役立てるポイントは、
◇経験豊かな、頭が固い人材の経験をどう活かすか
◇スカイマークの社風にどうなじませるか
◇経験が浅い年下の上司とうまく付き合えるか
といった点になるだろう。
つまり「即戦力の確保」から、中途採用者の能力を引き出し、伸ばし、育てるといった「共に働き、共に学び成長する人材」にどのように変貌させていくかが、中途採用者成功のカギとなるであろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ205号より)
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