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新垣結衣さん主演ドラマとISO取得維持

JUGEMテーマ:ビジネス

 

新垣結衣さんが主演しているテレビドラマ「獣になれない私たち(第5話)」が2018117日に放送されました。

私は、仕事をしながら「ながら」で視聴していたのですが、あるセリフに反応して、ドラマに集中してしまいました(笑)

 

私が反応したのは、次のようなシーンです。

 

深海呉羽(新垣結衣さん)は、ツクモ・クリエイト・ジャパン(ECサイト構築を主とした情報システム構築・運用会社)に営業アシスタントで入社しながら、営業部長、社長秘書が九十九剣児社長(山内圭哉さん)の仕事のやり方についていけなくて、相次いで退職し、九十九社長は、仕事のできる営業アシスタントの深海さんに、営業部長、社長秘書の仕事もいつの間にか押し付けます。

 

休日にも関わらず、出張先で思いついたことをLINEで深海さんに九十九社長は、指示します。しかし、ある週末、深海さんは、九十九社長からのLINEをすべて無視します。

 

月曜の朝に出社して深海さんは、九十九社長にこう言います。

・・・・・

 

(深海):

お休みの間に社長が私に送って来た要望の一覧です。全部で28件あります。

こちらが その回答です

それから これがお求めの資料と今週のスケジュールと出張先のホテルと飛行機の時間、予約番号。

 

それから こちらが・・・

新規案件の参考資料になります。

足りないものがあったらおっしゃってください。

 

(九十九社長):

あっ せや。

例の鶴丸食品さんの件なアカンかったんや。

うちが ISMSを取得しとらんから任せられん言いよったんや。

 

せやけどな 気付いたんや。

うちもISMSを取得したらええねん!

ECサイトを作っとる会社の中でISMSを持っとるのはごく少数や。

 

ということは!

うちが ISMSを取得したら他のライバルを蹴散らせれるっちゅうわけや!

 

で ここからが本題や。

その ISMSっちゅうの取得しよう思ったらもう何やかんや手間やねん。

大変やねん。

ぎょうさん手続きやら〜 書類やら〜 社員教育やら せんとアカンねん。

 

こんな大仕事をうちで任せられるのは…!

特別チーフクリエイター 深海しか おらん!

 

(深海):

分かりました。ISMSの取得ですね。

ひと通り調べてまた ご報告します。

 

(九十九社長):

頼んだで!

ハハハハ…!

 

・・・・・

・・・・・

ドラマは、こんな感じでした。

もうお分かりと思いますが、私が反応したセリフは、九十九社長が

「うちもISMSを取得したらええねん!」

と深海さんに言い放ったところです。

 

ドラマを見ていない方には、伝わりにくいかもしれませんが、ツクモ・クリエイト・ジャパンの九十九社長の性格、社内の状況からすると「ISMS失敗パターン」だからです。

 

一般論として、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を含め、ISOマネジメントシステムを構築し、認証機関の審査を受け、社内でマネジメントシステムを維持・改善していく際に「失敗パターン」がいくつかあります。

 

例えば、

 

◆短期取得を目指して認証を取得したが、社内に浸透せず全く機能しない

→取引先から要求され仕方なく取得した

→社長は「取得できればいい」としか考えていない

→コンサルタントの指示通りに書類を作り、社内の実態や本当に必要なレベルの仕組みが盛り込まれていない

→コンサルタントと事務局に任せておけばいいと社長も社員もISOの取り組みにやる気なし

 

◆現場が、ISOの構築・運用に非協力的で、社内に浸透しなかった

→マネジメントシステム構築は、事務局中心に進めた

→各現場部門がマネジメントシステム関わりを持てなかった

→そのため、ISO規格要求事項と社内実態の差分分析が適切に実施されなかった

→事務局が構築したシステムに現場はやりずらさを感じ、非協力的になった

→現場には「うちのISOは実態とかけ離れている」と益々、非協力的になった

 

◆親会社からの要求で認証取得したが、親会社からの出向幹部主導の取得で失敗

→主要取引先からの要求で親会社から取得命令が出た

→事務局として、親会社から品質保証部門長経験者が出向してきた

→大手型のシステムを主張するため、社内の反発が発生

→大手企業マニュアルのコピーなのでシステムが重い

→事務局は現場の不満をなだめるのに奔走

 

・・・・・

このような失敗事例は「あるある」ですが、よく耳にする話です。

 

さて、ドラマの中のツクモ・クリエイト・ジャパンですが、ISMSの今後を、勝手に想像してみました。

 

【結論】

★深海さんがそつなく社内に聞き取りを実施して要求事項に合致したシステムを構築したがその後・・・★

→深海さんは、他部門の社員からの信頼が厚いため社内の協力が得られる

→まじめな性格なので、ISMS要求事項をきちんと理解して、差分分析を実施

→要求事項である適用宣言書(組織のISMSに関連した適用する管理目的及び管理策を記述した文書)をしっかり作成

→認証審査も無事パスし、ISMS取得

→九十九社長は、ISMSに関心がなく、社内で決めた管理策を自ら守らない

→九十九社長は、ISMS維持管理のための資源を講じない

→深海さんは、営業部の仕事、社長秘書的仕事に加え、ISMSの管理が加わり、壊れていく

・・・・・

こんな未来予想図が描けます。

自分が我慢すれば、まわりはみんなハッピーになれるんだ・・・と考えて堂々巡りになり、徐々に壊れていく深海さん(新垣さん)。

新垣結衣さんファンとしては、ドラマを見ていられない展開です(笑)。

 

九十九社長が「取得できればいい」という考えだから、事務局は、この際、ISMS構築に乗じて、職務分掌や役割分担を見直し、認証審査という外圧でツクモ・クリエイト・ジャパンの問題点をあぶり出してもらう作戦もありますが、・・・ドラマの中の九十九社長の性格では、きっと社内体制は変わらないでしょうね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ619号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:39
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農林水産省肝いりの日本発の食品安全規格

JUGEMテーマ:ビジネス

 

20181116日付の共同通信によると、

「農林水産省は16日、日本の民間団体が、国際組織に申請した食品安全規格「JFSC」と「ASIAGAP」の2種類が承認されたと発表した。

日本発の規格認証は初めて。

食品に対する国際的な信頼確保につながるため、輸出促進へ食品業界に活用してもらう。」

と報じていました。

 

記事によると、

・民間事業者による国際組織である「世界食品安全イニシアティブ(GFSI)」が承認した

JFSCは食品の安全管理への取り組みを示す規格で工場などが取得

ASIAGAPは農業の安全管理についての規格で、農場などを認証している

・日本の規格が認められたことで、取引の活発化が期待される

そうです。

 

ちなみに、記事にある「日本の民間の団体」とは、「一般財団法人日本食品安全マネジメント協会」(JFSM)で、早速、JFSMのウェブサイトでは、プレスリリースが公表されていました。

https://www.jfsm.or.jp/information/images/JFSM_Press_Release_20181116.pdf

 

JFS-C規格が、GFSIに承認されたことのメリットの詳細は、JFSMのプレスリリース内容に譲りますが、私の感じるイメージとしては、

 

GFSIに承認された認証プログラムオーナーとなったことにより、食品安全マネジメントに関する国際的なルールメーキングに参画することができる

 

◆現場の従業員にわかりやすい日本語で書かれており、国際的な食品安全管理規格を導入する際の言語障壁を取り除き、食品製造の現場に食品安全文化を浸透させることができる

 

◆東京オリンピック・パラリンピックのように、日本国内における国際的イベントのための食品調達においても、国際的な食品安全管理規格を取得していれば有利になる

 

について、大きなメリットが生まれるでしょう。

 

ご存知のように、国際的に有名な「食品安全マネジメントシステム規格」には、ISO22000があります。

しかし、ISO22000の要求事項に対する組織の自由度が広く、イオンやコカ・コーラ、味の素、サントリーなど、世界的な食品関連企業は、GFSIが承認するスキームの食品規格での認証を取引先(サプライチェーン)に要求しています。

そのため、GFSIに最初に承認された食品安全マネジメントシステム規格であるオランダのFSSC22000が、食品安全マネジメントシステム規格としては、現状ひとり勝ちです。

 

しかし、オランダのFSSC22000は「英語」で作成されており、日本の食品関連組織が、その要求事項の内容を理解して、対応するのは非常に大変です。

今回、JFS-C規格がGFSIに承認されたことにより、FSSC22000で取得している組織がJFS-Cに切り替えする「民族大移動」が今後促進されるのではないかと思います。

 

また、JFSC規格以外のJFSAB規格は、全ての食品安全産業に要求されるHACCP(または相当)の要求事項にも対応した規格なので、国(農水省)を挙げて、食品関連産業へこの規格を規範とした取り組みが推奨されていくでしょう。

 

ただ、GFSIに承認されたといっても、今回承認されたのは「E検幣鏖絞歛言宿覆 製造・加工)のみで、E機壁綰圓靴笋垢て以性製品の加工)、E供壁綰圓靴笋垢た∧性製品の加工)、E掘壁綰圓靴笋垢て以性及び植物性製品の加工(混合製品))とL(化学製品(生化学製品を含む)の製造(添加物、ビタミン、ミネラル、培養物、香料、酵素及び加工助剤等の製造))の承認は、これから(申請条件として、各カテゴリー最低10社)であるので、「民族大移動」を見据えて、認証機関は、現在、FSSC22000取得企業に、JFS-C規格への切り替えを促すかもしれません。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ620号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 09:50
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リーダーシップ

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一般的に、リーダーの役割は、

◆リーダーは組織の目的及び方向を一致させる

◆リーダーは人々が組織の目標を達成することに十分な参画できる内部環境を作り、維持する

ことにあるといわれています。

 

また、組織の人々がマネジメントに参画することで、

「組織の便益のためにその能力を活用することが可能」

となるといわれています。

 

昔ながらの「ボス」は、「カリスマ性」や「部下に恩義を売る」、「役職・立場」といった「心理的強要面」の要素が大きかったと思います。

しかし、当たり前ですが、現代社会では、「内的動機付けを促す事を中心とした仕組」、つまり「ボスマネジメントからリードマネジメント」でないと、「ボス」の求心力は、得られないでしょう。

 

ボスマネジメントからリードマネジメントとは、

1)    部下を動機付けることに気を配る

⇒動機付けの障害を取り除く

2)    誰が悪かったかを探す

⇒何が悪かったかを探す

3)    欠陥の責任を取らせる

⇒欠陥を防ぐ方法を調べる

4)    生産性に全員の注意を向けさせる

⇒上質に全員の注意を向けさせる

(注:上質とは、生存、愛・所属、自由、楽しみ、力への欲求)

5)個人の達成を強調し、それに対して報酬を与える

⇒「グループの達成を協調し、その達成を認める

6)仕事をしろと命令する

⇒仕事をしやすい方法を確立する

という変化です。

 

また、リーダーシップには、コミュニケーションも重要です。

第26代、27代連合艦隊司令長官の山本五十六は、

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

と言いましたが、これは、

「真に知ることは必ず実行を伴う、知と行とは表裏一体で、「知っている」、「聞いた」では、真に知ることにならないばかりか、まるで理解していない可能性が高い」

ということです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ576号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 08:29
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ビジネス誌に掲載されていたISO規格認証に関する記事

JUGEMテーマ:ビジネス

 

以前は、専門誌、ビジネス誌はもちろん、会社四季報や一般週刊誌に、「ISOマネジメントシステム規格」に関する記事が取り上げられていましたが、最近では、ほとんど目にしなくなりました。

 

専門家の立場でいえば、不見識や事実誤認で高評価されたり、逆に批判されるのは、寂しいものですが、「世間から話題にされない」のも「困ったもんだなぁ」と思います。

 

「週刊エコノミスト」(2018724日号)を見ていたら、ひさびさに「ISO関連記事」が掲載されていました。

「マンションの大規模修繕を考える(第8回)」という「記者と専門家のインタビュー形式」のコラムで「マンション大規模修繕工事の入札を妨げるISO?」というタイルの記事です。

 

このコラムの要点を、以下にまとめてみました。

(注:以下、記事を編集)

 

記者:「マンションの大規模修繕工事について、管理組合側で良心的な工事会社を選定すべきですが、それが実行されていないのが現実なんですね」

専門家:「管理会社や設計コンサルタントは、見積もり参加条件にいろいろ知恵を絞って工事業者をふるい落とします。その一例としてISOがあります」

 

記者:「管理組合としてはISO規格の認証を受けている工事業者の方が信頼できますよね?」

専門家:「一見、認証保有は工事業者の技術力を保証しているかのようですが、修繕工事の現場や仕上がりに大きく影響することはありません。ISO規格が見積もり参加条件とされれば、中小工事業者は、スタートラインに立つことができません。仮に修繕業界の実態を無視したこんな条件が公募項目にあるとすれば、不完全入札システムを言わざるを得ません」

(引用編集ここまで)

 

つまり、この記事では、

◆管理会社は元請けとなる、あるいは、紹介業者に修繕工事を受注させれば紹介手数料が入る

◆紹介手数料目的で、自社の影響力の強い工事業者を選定するために都合のよい応募条件としたい

ISO取得を見積条件とすることで、一部の優良な中小工事業者がスタートラインに立つことができない

ということを言いたいようです。

 

言わずもがなですが「大規模修繕工事」は、マンション住人やオーナーさんにとって、適正な価格で、質の良いしっかりした施工をしてもらうことが重要です。

管理組合や紹介した発注業者が、「自分たちの利益のために工事品質より自分たちに都合の良い業者を選ぶためにISO取得を入札条件にしている」のであれば、それは、マンション住人やオーナーさんに対する背信行為です。

 

確かに、この記事でも言われるように、ISO取得の有無で「修繕工事現場や仕上がり」に大きな差はないでしょう。

ただ、星の数ほどある工事業者の中から、「ある一定レベルの施工品質以上の工事業者を選定する仕組み」としては、ISOは、「ひとつの物差しとして比較的確実な仕組み」だといえるでしょう。

具体的には、ISO900114001規格では、苦情の受付や施工不良、手直し、事故などについて、記録を残すように要求されていますから、何かあったときに「記録がありません」ということはないですし、問題点を分析して、再発防止する仕組みが業者にあるわけなので、いい事例、悪い事例のノウハウの蓄積があるので安心感があると思います。

また、緊急事態に対する想定と手順の整備、訓練についても仕組みが備わっていますから、周辺住民に対する安心感もあるはずです。

 

ただ、この専門家が言いたいのは、「ISOを取得するほどの体力がない工事技術の高い工事業者が入札に参加できなくなる可能性がある」という主張は、確かに一理あると思います。

ただ、その場合の問題の本質は、「ISOが入札条件であるということではなく、都合よく自らの利益を拡大しようとする管理組合や元請け業者」です。

 

この記事を、ななめ読みすると、あたかも「ISOによって有能な業者が排除されている」ような主張のコラムに見えますので、多くの人は、ISOについての誤解を深めるかもしれません。

ただ、この専門家の方は「管理組合に寄り添う外装工事のプロ」なので、例えれば、コネ入試やコネ入社を正当化するために、客観的に都合の良いルールを作るのと一緒で、ISOを、そうしたふとどきな輩たちに利用されている現実も見てきているのかもしれません。

 

一定レベルの仕事の質を担保する、業者選定の仕組みとして、ISO認証制度は有効だと思いますが、発注者の思惑を見抜く能力もないと、都合よく入札と言いながら恣意的に業者が選定されてしまうのかもしれないですね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ603号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:01
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設備の使用頻度やレイアウトによって変化する緊急事態の特定

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環境マネジメントシステムの要求事項の一つに「緊急事態の管理」があります。

 

環境マネジメントシステムにおける「緊急事態」とは、

・地震や台風など災害に襲われ、環境影響が生じる可能性が高まる状態

・火災の発生や交通事故を引き起こしたり、巻き込まれることで、環境影響を生じる可能性が高まる状態

をいいます。

 

関係性を整理すると、

「緊急事態」を原因として「事故」が発生し、「事故の結果」として、大気汚染や油の流出による水質や土壌汚染といった環境への悪影響が生じるのです。

 

つまり、「緊急事態」や「事故」が実際に起きた時に生じる環境影響を最小限に抑える活動が「緊急事態への対応」なのです。

いわずもがなですが、組織が社会に対する環境責任を果たすために、

「どのような緊急事態や事故に対応することが必要か」

を決める経営判断が「手順を作り、模擬訓練を実施するなどの管理すべき緊急事態及び事故の特定」といえるでしょう。

 

なお、少々、脱線しますが、環境マネジメントシステムにおける「緊急事態の対象」は、「環境マネジメントシステムで対処すべき緊急事態に限られる」と考えられます。

ただ、微妙なのが、「一見、環境影響を伴わない緊急事態への対応」です。

 

よく事例として挙げられるのが「情報の流出の発生」です。

一般論ですが、「情報流出」があった場合、生じる影響としてすぐに思い浮かぶものは、

・個人情報の漏洩による被害

・企業の経営情報やノウハウ、製品開発情報といった機密情報の漏洩による被害

です。

私見ですが、「情報流出による影響」を上記のように捉えるだけなら、情報流出による環境影響がない(または不明)ので、「環境マネジメントにおける緊急事態」にはならないでしょう。

「環境マネジメントの範疇として管理する」必要が生じる分岐点は、「情報流出による環境影響の明確化の有無」でしょう。

つまり、「情報流出による環境影響」が特定できるのであれば、緊急事態のひとつとして捉えれば(管理すべき緊急事態か否かは別にして)いいのです。

 

話題を「緊急事態」に戻しますが、組織の環境マネジメントシステムの改善アドバイスをしていて気になるのは、

・建物の使用年数

・設備の使用頻度

・建物や設備、材料置場のレイアウト

といった状況が緊急事態発生の可能性の評価としてあまり考慮されていないことです。

例えば、火災の発生には、漏電がありますが、電気設備の老朽化が原因の漏電もあれば、災害時の設備や配線の損傷に伴う漏電もあるわけです。

つまり、こうした状況の違いにより、緊急事態発生の可能性は変わるはずです。

 

内部監査を担当されている方は、こうした点が緊急事態の特定手順や管理手順で考慮されているか、チェックすることをお勧めしたいと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ601号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 11:35
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KYB製オイルダンパーのデータ改ざん問題

JUGEMテーマ:ビジネス

 

すでに、多くのメディアが報じていますが、油圧機器メーカー大手の「KYB株式会社」(旧社名カヤバ工業)と子会社による免震・制振装置のデータ改ざん問題が大きな問題へと発展しています。

 

KYB株式会社のウェブサイトは、アクセスが集中しているのか、いまだに、つながりにくい状態です。

https://www.kyb.co.jp/

 

各メディアが後追い報道を次々としていますが、1019日付のテレビ朝日の報道によると、

「製品の性能検査は検査員1人の体制」

で実施されていたそうです。

 

この報道によると、

◆免震・制振装置を月に120本生産している

◆すべての性能検査を1人が行っていた

1人で検査する体制は、生産がKYBから子会社に移っても引き継がれていた

◆特定の従業員に任せていたことで、不正が長期化した疑いがある

KYB19日午後に改ざんの疑いがある物件について、所有者らの了解が得られた建物の名前を公表する

◆自治体の庁舎や観光施設、病院などが中心で、マンションなどの民間住宅については今回は公表は見送られる見通し

だそうです。

 

気になるのは「検査員一人体制」です。

KYBのウェブサイトでは

「モノづくり企業の原点に立ち返り、KYBグループ総力を挙げて信頼回復に努める」

とあります。

しかし、

「検査員個人の問題で特殊なケース」

として、単純に処理されるとしたら問題です。

仕事のやり方、人員配置、社内体質・・・といった点について、この機会に総点検し直すべきです。

 

また、「民間住宅」は「資産価値の急落」が考えられるため公表を見送るのでしょうけれど、住民や購入希望者(契約直前)には、しっかりは公表して欲しいものです。

 

それにしても、KYBのオイルダンパーは、全国的に納入されていて、影響は相当出そうです。

スカイツリーのオイルダンパーもKYB製だそうで、こうした物件の強度上の問題となれば、大手企業のKYBといえども、吹っ飛んでしまうかもしれません。

 

また、JABのウェブサイトで確認すると、KYB系企業の認証登録は、かなりあります。

https://www.jab.or.jp/system/iso/search/

認証機関が、どのような調査をして、どのような対応(認証一時停止、取り消しなど)をするかについても、注目です。

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追記:

20181019日の午後に、KYBは、不正や不正の疑いがある免震装置が使われている可能性があり、かつ、公表の了解が得られた公共性の高い国や自治体の施設70件の建物名を公表しました。

日経新聞の報道だと、この70件の建物には、2015年に発覚した東洋ゴム工業の免震装置の性能偽装でも被害に遭っていた施設があるそうです。

例えば、三重や高知の自治体庁舎など3施設は、東洋ゴム製の装置の交換を始めたばかりで関係者からは「また同じ被害に遭うとは」と嘆きの声が上がっているという。

被害者からは、「国を挙げて検査体制を見直すべきだ」と訴えているそうで、その想いは当然です。

公共施設の強度など安全面で影響が大きい建設資材について、検査体制を見直すとなると、例えば、工場での立会検査が考えられます。

ただ、この方法になると、発注者側の業務負荷が大きくなり大変です。

こういう事態に備えて「マネジメントシステムの認証制度」があるハズなのに、現状では、無力です。

これでは「マネジメントシステム認証制度不要論」が高まってもおかしくありません。

食品安全マネジメントシステム(FSSC22000)の世界では「非通知審査」が制度化され、認証サイクル(3年)の間に必ず実施することが要求事項となっています。

品質マネジメントシステム認証の場合も、こうした「被監査組織が緊張感を持つ制度」を導入しなければ、こうした品質不正の組織不祥事が起きるたびに、「ISOを持っている組織なのに。。。」という感覚になり信頼性をどんどん失墜させていく結果になっていると思います。

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 11:18
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マネジメントシステム認証における申請範囲の適切性

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組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「マネジメントシステム認証における申請範囲の適切性」について。

 

今回のテーマでよく話題になるのが、

◆工場単体の取得は、適用範囲として適切なのか

です。

 

まず、少々、長くなりますが、認定機関であるJAB((公財)日本適合性認定協会)が発行している文書(JAB NS512:2011マネジメントシステム認証に関する基本的な考え方−認証範囲及びその表記-)を以下に一部引用しますので、確認することにしましょう。

 

(以下、一部引用)

(省略)

4.認証範囲の基本的な考え方

 

4.1 認証範囲

組織が該当するマネジメントシステム規格を適用して認証を申請する範囲(以下、申請範囲という)に対して、適用規格の要求事項に対する適合性が証明された場合に授与される又は授与した認証の範囲を認証範囲という。

認証範囲は、適用規格が取り扱う利害関係者に関連する、製品・サービスの一連の業務プロセス全体を含むこと。

 

4.2 認証範囲の確認

機関は、組織の申請範囲で、そのマネジメントシステムが適用規格の要求事項に適合し、当該規格の意図を実現できるように機能していることを確認するが、申請範囲は組織の判断で設定されるため、機関は、組織のプロセス、製品・サービス、関連サイト、事業部、事業所など、適用規格の取り扱う側面に関連する直接/間接の影響を考慮し、申請範囲の適切性を確認する必要がある。

組織が、その直接的な管理下にある活動範囲のうち、本来認証範囲に含めるべき活動を申請範囲から除外している場合、機関はその正当性を評価し、正当と認められない場合は、認証を与えない。

組織が、適用規格の要求事項への適合に影響を与えるようなプロセスを外部委託している場合などには、機関は、その管理が適切に行われているかを十分に確認する。

また、認証範囲に適用を除外されている規格要求事項がある場合、その要求事項の箇条が明確になっていなければならない。機関は、その適用の除外に正当な理由があり、適切であることを確認する。

認証範囲が、適用規格の意図に沿って適切に設定されるよう十分に配慮し、そのマネジメントシステムが全体として適用規格の要求事項に適合しているといえるかを判断することは、機関の責任である。

(省略)

(引用ここまで)

 

上記からわかるように、

「申請範囲は組織の判断で設定される」

との記述がありますが、

「認証範囲は、適用規格が取り扱う利害関係者に関連する、製品・サービスの一連の業務プロセス全体を含むこと」

と規定されています。

 

つまり、

◆申請範囲の適切性を確認するのは認証機関である

◆本来認証範囲に含めるべき活動を申請範囲から除外しており正当性がなければ認証を与えない

ことが認証機関の責務なのです。

 

感覚的には、ほとんどの認証機関で、ISO9001140012015年版が発行されて以降の新規の認証申請に関しては、しっかり、認証機関は、申請範囲の適切性を確認しているように思います。

問題は、初回認証から10年以上経過している組織です。

1990年代のISO認証の意義は「品質管理から品質保証へ」の意味合いが強く「狭義の製品品質を確保するための組織」単位で認証範囲は設定されていました。

要は、製造業であれば、「工場単位での認証取得」が殆どでした。

しかし、「製品品質には設計プロセスも関与する」という概念が強くなり、規格の2000年版発行によって「製品品質は組織レベルでマネジメントするべき」という概念になり、経営戦略や営業、人事、財務部門も含めた範囲で認証範囲を設定するようになってきました。

 

その結果、比較的大きな組織で、「一部の工場組織」でもともと認証取得を開始した組織は、せいぜい「設計部門を追加した」程度の範囲で認証取得しているケースが多々あります。

個人的には、2000年版発行以降、徐々に、本社機能(例:経営戦略、営業、人事、財務など)のマネジメントシステムに対する関りも組織に認識させつつ、真綿で締め付けるように、徐々に範囲を拡大していくべきだったと思います。

 

ただ実際には、「こうするべき」と認証機関の誰もが考えていても、「組織の首に鈴をつけるのは誰か?」となると、「誰も鈴を付けずに放置している」ケースが、意外と多く見られます。

どうしても、範囲を拡大するということは、「認証コスト」にも関わってきますので、「認証機関はもちろん、組織側も適切な認証範囲ではない」と考えていても、手を付けにくい部分なのです。

 

また、ある認証機関が、市場や世間への信頼性を高めるために「着実な認証範囲」を組織に求めれば、「そういわれるなら、他の機関に移転する」と言われる恐れがあり、大きな組織であればあるほど、売り上げ減少にもつながりますので、言い出せません。

私の考えとしては、「どこの認証機関も毅然として同様レベルで認証範囲を判断」してくれるのであればいいのですが、「うちだけ厳しく運用して利益を損なうのは嫌だ」と認証機関が考えるのは当然です。

したがって、それを、「この組織の認証範囲はおかしいのではないか」といえるのは、「市場」と「認定機関」だと思います。

 

認定機関が認定審査で、認証機関と、制度の信頼性確保のためにいい意味で闘ってもらうのは当然のこととして、個人的には、「市場ももっと認証された組織の範囲をチェックして苦情や問い合わせをじゃんじゃん認証機関や認定機関に情報提供するべき」と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ606号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:53
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ISOマネジメントシステム審査(一時的サイトの審査方法について)

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「一時的サイトの審査方法」について。

 

ISO審査登録機関(認証機関)に要求されている規格やIAF基準文書として、ISO/IEC17021-12015IAF MD 1:2018があります。

この中では、認証機関は、組織が常設サイト以外で活動する「一時的サイト」の活動についても、きちんと審査しなさいと規定されています。

 

ISO/IEC17021-1で「一時サイト」の記述が出てくる部分は、大雑把に書くと、

・定期審査の頻度を決めるとき

・審査計画を計画するとき

・審査報告書を作成するとき

に考慮したり、明確にすることが規定されています。

 

ちなみに、IAF規準文書のひとつであるMD1では、一時的サイトについて、

 

《一時的サイト》

依頼組織が、限られた期間内、特定の業務の実施又はサービスの提供を行うサイト

(物理的又は仮想的)で、常設サイトとなることが意図されていないもの

 

と定義されています。

 

つまり、工場や事務所のように常設されたサイトではないものをいいます。

具体的には、例えば、

◆建設業における現場事務所や施工現場

◆ビルメンテナンス業における清掃現場

◆設備保守管理業における保守現場

◆輸送サービスにおける積込、荷降し現場

◆冠婚葬祭業における葬祭現場

◆イベント運営会社におけるイベント会場

◆会計事務所における関与先での業務

◆セミナー会社における企業先セミナー会場

◆映像制作会社における撮影現場

◆医療、介護における訪問現場

・・・

など、挙げていけばきりがありませんが、多種多様です。

 

MD1では、一時的サイトについて、

 

「組織のマネジメントシステムに含まれる一時的サイトは、マネジメントシステムの運用と有効性の証拠を提供するため、サンプリングに基づく審査の対象にしなければならない」

 

と規定されています。

また、ISO/IEC17021-1では、

 

「代表的分野及び機能が定期的に監視されるように、そのサーベイランス活動を開発しなければならない」

 

との規定があります。

 

つまり、認証機関は、

・一時的サイトをサンプリング審査の対象とする必要がある

・組織における一時的サイトの種類や機能を洗い出して代表的なものを審査する必要がある

ということになります。

 

要は、総合建設業の建設現場であれば、例えば、土木工事ばかりでなく、建設工事もちゃんとサンプリングして、しかも、マネジメントシステムの運用と有効性を確認するために代表的な活動を審査しなさい、という意図だと思います。

 

したがって、整理すると、一時的サイトに関する審査では、

・一時的サイトの審査が審査プログラムで適切に計画されているか

・審査報告書に審査した一時的サイトの場所や日時が記載されているか

・現地審査で適切な一時的サイトの審査が実施されているか

・認証書へ一時的サイトを記述する場合の記述内容の適切性

といった点がポイントになります。

 

「現地審査で適切な一時的サイトの審査が実施されているか」ですが、例えば、輸送サービスの積込、荷降し現場であれば、

・荷主とのコミュニケーション

・駐車する車両の安全確保や法令順守

・安全かつ効率的な作業か否か

・業務マニュアルや輸送計画に沿った活動か否か

・荷物の引き渡し確認

・ドライバーに対する教育訓練内容の周知状況

・苦情や貨物事故、車両事故の再発防止策の周知と徹底度合い

といった点は、しっかり確認する必要があるでしょう。

 

それと、一時的サイトでの審査を計画する場合、通常現場が「組織の顧客先」であることが多いので、認証機関は、組織を通じて日程調整やその了解を取り付けることも、審査方法に関するノウハウのひとつと考えた方が良いと思います。

このように考えていくと、なかなか、一時的サイトでの活動を監査するのは、常設サイトと比較して厄介な面も多々あると思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ595号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:38
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マネジメントシステム認証の信頼性が高まるサンプリングとは何か

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「マネジメントシステム認証の信頼性が高まるサンプリングとは何か」について。

 

今回のテーマでよく話題になるのが、

◆「認証の信頼性を高めるサンプリングとは、本来どうあるべきか」

です。

 

認定審査でよりどころとなる、認証機関に対する要求事項「マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項」(ISO/IEC 17021-12015)では、以下のような要求があります。

少々長くなりますが、関係箇所を以下に引用します。

 

(以下、規格の一部を引用)

9.1.3 審査プログラム

9.1.3.1 依頼者のマネジメントシステムが、選択した規格又はその他の規準文書の認証要求事項を満たしていることを、実証するために必要な審査活動を明確に特定した、認証周期全体に対する審査プログラムを策定しなければならない。

認証周期に対する審査プログラムは,全てのマネジメントシステム要求事項を網羅していなければならない。

9.1.3.2 分野固有の認証スキームによって特に規定されていない限り、初回の認証のための審査プログラムには、二段階で行う初回審査、認証決定後の1年目及び2年目に実施するサーベイランス審査、並びに認証の有効期限に先立って3年目に行う再認証審査を含めなければならない。この最初の3年の認証周期は、認証の決定から始まる。

それに続く周期は,再認証の決定から始まる。

審査プログラムの決定及びその後の調整では、実証したマネジメントシステムの有効性のレベル、及び以前に実施した全ての審査の結果に加え、依頼者の規模、そのマネジメントシステムの適用範囲及び複雑さ、並びに製品及びプロセスを考慮しなければならない。

 

9.6.2 サーベイランス活動

9.6.2.1 一般

9.6.2.1.1 認証機関は、マネジメントシステムの適用範囲に含まれる代表的分野及び機能が定期的に監視されるように、そのサーベイランス活動を開発しなければならない。

また、被認証組織及びそのマネジメントシステムに生じた変更を考慮しなければならない。

(引用ここまで)

 

引用が少々長くなりましたが、ポイントを集約すると、

 

『マネジメントシステムの有効性のレベル、及び以前に実施した全ての審査の結果に加え、依頼者の規模、そのマネジメントシステムの適用範囲及び複雑さ、並びに製品及びプロセスを考慮しなければならない』

 

『マネジメントシステムの適用範囲に含まれる代表的分野及び機能が定期的に監視されるように、そのサーベイランス活動を開発しなければならない』

 

という部分になると思います。

 

つまり、(私なりの大雑把な解釈ですが)

 

◆認証周期ですべての要求事項を確認することは当たり前

 

◆その上で、「MSの成熟レベル」「これまでの審査状況」「組織の規模」「組織のMSの範囲と複雑性」「製品及びプロセス」を考慮して審査プログラム(審査すべきところ)を計画すること

 

◆審査すべき箇所は、適用範囲の代表的分野と機能を含めること

 

ということになります。

 

私の感覚では、上記ポイントを、極めて明確に審査プログラムに組み込んでいる認証機関は、少ないと思います。

もちろん、認証機関は、厳しい「認定審査」をクリアしていますから、認証機関のマネジメントシステム上は、上記ポイントについて、文書化されたルールに一応はなっていると思います。

 

しかし、例えば「製品及びプロセスを考慮」とか「適用範囲の代表的分野と機能」とは、なんぞや?という点については、その組織を担当する主任審査員に任されているのが現状だと思います。

 

もう少し具体的に言えば、例えば、組織の適用範囲が「土木構造物の設計、施工」であった場合、「代表的分野」を「受注額」、「受注件数」、「施工件数」、「工事の難易度」、「施工品質要求が高い工事」、「施工不良や施工中の事故などリスクが高い工事」・・・など様々な捉え方があります。

「いったい何を代表分野」として、審査をすることが、市場からの認証の信頼を高めることになるのか、定義できていないと思います。

 

また、日本の場合、建設業法上は、「土木工事」「建築工事」「大工工事」「左官工事」「屋根工事」・・・など28業種に分かれています。

認証組織が、28業種すべてが対象になっていた場合、「土木工事」の業務比率が8割で、あとの業種は、たまに発生するレベル、だった場合、審査で「土木工事だけ」を常に審査していて、審査プログラムの考え方としては、大丈夫なのか?といった議論は、あまりなされていない気がします。

 

例示は、土木工事業ですが、製造業、サービス業含め、ありとあらゆる産業分野の認証審査において、審査日程上の都合もあり、「とりあえず、なんらかの製品(サービス)実現プロセスが確認できれば、仕組みの審査なんだからいいじゃないか」とされてきたのか、これまでの現状のように感じます。

 

より、認証審査の信頼性を向上させるために、各認証機関は、「認証の信頼性を高めるサンプリングとは、本来どうあるべきか」という点について、もっと議論を深めるべきだと思います。

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:36
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ISO認証制度で気になる点(説明責任について)

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「説明責任」について。

 

審査における「説明責任」については、昔から議論がある。

「議論」とは、「組織は自分たちの仕組みを審査員にきちんと説明できなければダメでしょう」という意見と、「手順書や検査記録、目標管理などを確認して実態がきちんと実行されていれば説明ができていなくてもOKでしょう」という意見です。

 

もちろん「説明がうまいか下手」の「下手」については、審査員の聞き方や理解力の問題もあるので、審査側が努力し、改善すればいいでしょう。

問題は「きちんと説明できないけど、記録等からは、手順書で決められた仕事がされている」場合の審査上の扱いです。

 

「説明できないとダメ派」は、

「そもそも第三者認証制度は、顧客や利害関係者の代わりにマネジメントシステムを評価している訳であり、組織が自分たちの仕組みを説明できないのにOKするのはおかしいでしょう。例えば、決められた計測はしているけれど、それを計測する意味について作業者が理解していなかったらマズいでしょう」

(注:不適合とするか、観察事項とするか、口頭指摘のみとするかは、その時の状況による)は

と考えます。

 

一方、「説明できなくても、実態としてルール通りに仕事がされていれば問題ない派」は、

「仕事の良し悪しと説明能力は別問題。説明できなくても、結果として組織のルールに則って仕事がされていることを記録等で確認できればOK

と考えます。

 

程度問題もありますし、その時の状況にもよりますが、私は、「説明できないとダメ派」です。

規格要求事項的にアプローチすれば、例えば、

 

品質マネジメントシステム要求事項の「リーダーシップ及びコミットメント」で、

“トップマネジメントは、・・・・、品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない”

という一文があります。

 

また、「認識」では、

組織は、組織の管理下で働く人々が、次の事項に関して認識をもつことを確実にしなければならない。

a)品質方針

b)関連する品質目標

c)パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む、品質マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献

d)品質マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意味

と規定されています。

 

つまり、「うちの社長はコミットメントを実証する能力はないけど、仕事に対する熱い想いはものすごいものがあります」とか「うちの作業員は職人気質で気難しく自分の考えを表現できる力はないですが、いい製品に必ず仕上げるんですよ」では、上記に挙げたような要求事項が満たされていることを審査側が「実証」できないからです。

したがって、説明が上手いか下手かは別にして、「説明自体ができない」は、審査的には×といえると思います。

 

ただ、現実問題としては、「説明されなかったから不適合です」と審査側が評価するのは難しいでしょう。

極論、担当者がしっかり説明できなくても「ルールに沿った業務運用」がされている証拠書類が提示されれば、「しっかり説明がなされたかどうか」は、主観的事実になるので、指摘としてはだしずらいでしょう。

 

2015年版では、ISOマネジメントシステムの過去の反省から、過度な文書化、記録化要求はなくなりました。

このことは、例えば、

「うちの社員はきちんと聞かれたことを説明する能力はあるし、他の人に質問しても、同じようにきちんと回答はできるんですが、それを“文書や記録で説明してくください”と言われるとつらいんですよね。だから、ISOの審査向けに手順書や記録を作っているんです」

という組織にとっては、「2015年版は、業務管理上、リスクを考慮して実態優先で最小限必要な文書化をしておけばOK」だから、「審査のために必要以上に書類を用意する」という必要はなくなりメリットがあるでしょう。

逆に言えば、「きちんと自部門の業務プロセスを説明しまくる」ことができればいいわけです。

 

しかし、「事務局が審査員がダメ出しできないほどの管理文書類を重厚に構築していて、極論、審査員に言われた資料を提示してきた組織」は、2015年版の審査では、審査側も業務プロセスを追いかけて確認していくから、「まずは仕事の説明、そして実証の証拠としての文書類確認」という方式になるので、「文書類は重装備でも説明ありき」なので、大変だと思います。

 

事務局によっては、審査のたびに、審査側に突っ込みを入れられ、それが悔しいから、マネジメントシステムを複雑に作り込みしているところもあります。

気づくと、組織の人も事務局に聞かないと仕組みが使いこなせなくなっているようなケースです。

そのような組織では、たいてい「うちのシステムは重たすぎる」とか「ISOで要求されてどんどん仕組みが複雑だ」と感じていたはずですが、そもそも「マネジメントシステムはその組織の状況を踏まえリスクと機会に応じて構築すればよい」ので「業務実態と乖離した仕組み」から脱却し、自らの業務プロセスを説明する能力を高めるいい機会であると捉えることが大事なのです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ535号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 11:51
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