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弁当ガラは事業系一般廃棄物なのか産業廃棄物なのか

JUGEMテーマ:ビジネス

 

よく環境マネジメントシステムのコンサルティングをしているときによく受ける質問として

「従業員が排出する弁当ガラは、事業系一般廃棄物ですか?それとも、産業廃棄物ですか?」

というものがあります。

 

排出する場所、シチュエーション、などにより解釈は異なる場合もありますが、結論から言えば、

「行政の解釈はさまざまです」

というのが結論です。

 

ただ、それでは、質問してくれた方が所属する組織は困ってしまいます。

そこで、一般的な考え方は、示しています。

 

まず、首都圏の自治体の判断ですが、

 

【東京都】

「産業廃棄物」である。

ただし、排出場所の市区町村が事業系一般廃棄物として引き取ると言えば、事業系一般廃棄物として処理されることもある。

 

【千葉県】(政令指定都市の千葉市、船橋市、柏市を除く)

「事業系一般廃棄物」である。

従業員の生活の延長線上で排出されたものと解釈している。

 

 

【神奈川県】

「排出責任がある事業者の判断」である。

事業系一般廃棄物か、産業廃棄物かの判断は排出責任を持つ事業者の判断による。

ただし、一般廃棄物と判断した場合にそれを一廃として受け入れるかの判断は市区町村の施設によるため、市区町村が一廃として認めなければ産廃として処理すべきである。

 

となっています。

 

個人的には、排出者としては困ってしまいますが、コンサルタントの立場から言えば、「神奈川県の見解」がまさにその通りだろうな、と思います。

 

基本的に、事業系一般廃棄物は、市町村が処理します。

したがって、市町村が保有する処理施設に余裕があれば、例えば、家庭ごみをプリペイド袋で排出するのと同様の方法で事業者の廃棄物も引き取るでしょう。

しかし、事業者の従業員規模が多い、あるいは、市町村の施設が家庭ごみを処理することで満杯、という状況であれば「産業廃棄物として処理してください」と市町村は判断すると思います。

つまり、「市町村の状況による」というのが、実態だと思います。

 

個人的見解ですが、県や市町村の見解を横において、排出者だけの理屈でいえば、「会計処理と連動して考えるのが道理」だと思います。

つまり、弁当ガラであっても、「会社行事」や「顧客との打ち合わせ」など「業務上生じた弁当ガラ」は、会計処理的には「経費扱いの弁当」ですから「産業廃棄物」。通常の昼食など「生活の一部として生じた弁当ガラ」は「事業系一般廃棄物」として捉えるのが妥当な気がします。

 

それから、応用編ですが、オフィスビルの場合を考えると、これがまた、自社ビルから排出する場合とは異なります。

これも一般論ですが、オフィスビルにテナントとして入っている場合、通常は、そのオフィスビルの管理会社が指定した処理業者へ廃棄物を委託することが一般的です。

つまり、管理会社が契約した業者が「弁当ガラ」は「事業系一般廃棄物」として引き取ります、なのか、「産廃扱いとして引き取ります」と考えるかによって、いずれかの区分で一括処理されます。

したがって、仮に、テナントとして入っている企業が、自社ルールで「事業系一般廃棄物」あるいは「産業廃棄物」と決めて排出しても、事業者の考えとは異なった処理をされる可能性があります。

ビル所有者、あるいはビルの管理会社目線で考えれば、「処理費用を安くしたい」でしょうから、廃棄物処理を委託する業者の処理費用が、事業系一般廃棄物と産業廃棄物のどちらが安いかで、判断するか、あるいは、業者のいいなりで区分を決めて各テナントから排出されたごみを一斉処理しているのが現状でしょう。

 

おそらく、テナント企業は「ビル管理会社にごみの処理は任せている」という意識でしょうし、ビル管理会社も「委託業者に任せている」という程度の意識だと思いますが、理屈で考えれば、排出者はテナントビルの場合「ビル所有者あるいはビル管理会社」なので、はっきりとした理屈と意思をもって処理方法を決め、各テナントにも処理方法を明確にして、周知する必要があるでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ616号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:48
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ISOマネジメントシステム認証組織の不祥事

JUGEMテーマ:ビジネス

 

マスコミ報道で組織不祥事のニュースが流れると、認証機関は、「その組織を認証しているか」、認証している場合は、「不祥事は、認証範囲内か否か」を調べています。

そして、認証範囲に関する不祥事であった場合は、組織に対して特別審査等を実施し、認証取消または、認証一時停止、という対応を取ります。

 

「認証取消」または「認証一時停止」という対応の違いは、不祥事が社会に与える影響や不祥事内容の程度によって、認証機関によって判断は分かれるようです。

一般的には、「取消」となるか「一時停止」となるかの判断は、次のような基準がもとになるようです。

 

取消:組織が提供した情報に虚偽の事項又は事実に反する重大な事項があった場合

一時停止:組織のマネジメントシステムの有効性に重大な疑義が生じた場合

 

つまり「故意の虚偽説明が行われた」か「不祥事が過失的なもの」かということです。

また、「組織ぐるみ」か「一個人の故意によるもの」かという判断も加わるようです。

 

このようは組織不祥事に対する対応措置の背景は、経済産業省が2008年7月29日に公表した「マネジメントシステム規格認証制度の信頼性確保のためのガイドライン」を受けて、各認証機関は定めているようです。

http://www.jisc.go.jp/mss/20080729002.pdf

 

認証機関によって、取消または、一時停止になった組織情報は、認定機関である公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)に報告され、JABおよび認証機関のウェブサイトで公表されます。

https://www.jab.or.jp/news/2018/121900.html

 

ISOマネジメントシステム認証組織における不祥事については、前述したような流れで、当該組織は調査され、「認証継続」、「認証一時停止」、「認証取消」の判断がされます。

ただ、逆説的ですが、「認証一時停止」や「認証取消」になる組織は、ある意味「まとも」(まじめ)です。

認証機関はもちろん、顧客や私たち一般市民にとって厄介なのは「事実が見えなくなる」ことです。

 

どういうことかというと、認証の一時停止や認証の取消という対応措置が下される組織は、「不祥事発覚後に機関から何らかの調査が入り、事実確認をされた上」で決まります。

つまり、「しっかりと不祥事に対して組織は認証機関に説明をしている」わけです。

 

しかしながら、「不祥事が発覚」し、認証機関からの調査依頼がある、または調査依頼がある前に自ら「認証返上」するケースがあるのです。

その場合、「認証返上」した組織に対しては、機関の立場では、審査契約がすでにないので、調査ができません。

そして、認証返上した組織は、こっそり他の認証機関で、新規申請をして、「新たにISO認証を受ける」というケースもあるようです。

 

このような場合、組織不祥事が、大きくマスコミ報道されていれば、申請を受け付ける認証機関は、コントラクトレビューの段階で、警戒し「申請非受理」となるかもしれませんし、「受理」したとしても、慎重な認証審査をするはずです。

 

しかしながら、組織が公表を控えるなどで「不祥事がマスコミ報道では報道されない」ケースもあります。

例えば、製品データ改ざん問題があった三菱マテリアルが「2018年5月10日」に行った記者会見では、

「グループ会社数社で製品データの改ざんを含む新たな不正が見つかった。しかし、顧客と安全性の確認が済んでいるため、会社名や不正の内容など詳細は公表しない」旨

を発表しました。

つまり、すでに公表されている三菱マテリアルの子会社である三菱伸銅、三菱電線、三菱アルミ、立花金属工業、ダイヤメット以外の関連会社は、ある意味「社会に対して隠蔽」したことになります。

このようなケースであると、「不正があった組織」は公にならないので、認証機関は調査しようがありません。

 

三菱マテリアルのケースでいえば、「顧客との安全性の確認が済んでいる」ことを理由に「新たに不正が発覚した子会社の公表を控えた(隠ぺいした)」わけですが、マネジメントシステム認証の世界の理屈でいえば、「マネジメントシステムの仕組みの見直し」を実施して「仕組みの有効性が確認できる」状態でなければ、「認証」(新規登録、継続、更新)はできないです。

要は、三菱マテリアルのように「顧客との安全性か確認できているんだからいいだろ」では、困るわけです。

 

認証機関としては、組織が「不正があった」と公表あるいは、マスメディア報道で問題が明らかになってから「調査」というステップになるので、隠された事実は調べようがありません。

防衛策の案としては、認証機関は、審査を通じて、常に「この1年間で検査データ書き換えなど不正はありましたか?」聞くしかないと思います。

そして、後々に「社会に公表されていない不正があったことが判明した」場合は、「審査契約違反である」ことを理由に、取消や一時停止が、できるわけです。

 

ただ、事実を隠されてしまうと、認証機関は、相当な独自調査力がないと、無力だな、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ625号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:13
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マネジメントシステム審査員(MS要員)認証機関の統合

JUGEMテーマ:ビジネス

 

「平成」も残すところあと約1週間。

新聞や雑誌、テレビでは「平成」を振り返る特集が目立ちます。

私自身は、ふだんは、「西暦」を仕事では使用しているし、「元号」だとできごとや人物を調べる際に「何年前」、「何歳」などがわかりにくいので、西暦でものごとは考えることが多い。

したがって、メディアが特集を組んで振り返るほどの「平成」に対する熱量はないかもしれません。

 

そうは言いつつも、平成を振り返る特集は、ついつい見てしまいます。

新聞で「日本の金融機関」について、平成を振り返る記事がありました。

詳細は記憶していませんし、金融機関とは、仕事上、縁が深いわけではありませんが、「平成の時代に銀行の数が極端に減った」というのは、素人目にもはっきりしています。

 

日本の銀行は、ご存知のように、

・バブル景気が崩壊した1990年代以降、殆どが過剰融資による不良債権で経営体力を失った

・不透明な融資体制や護送船団方式により国際競争力が喪失した

1997年には北海道拓殖銀行と証券会社の山一證券が破綻した

1998年には日本長期信用銀行と日本債券信用銀行が破綻した

・これらを契機に「大手銀行の経営不安」がささやかれるようになった

1999年以降、銀行の再編が急激に進んだ

・銀行再編により、規模の経済性、多角化による経済性、コスト削減効果が期待された

1980年代は、「都銀13行」「大手20行」といわれていたが、現在は4大銀行になった

(※4大銀行:三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそな)

という変遷をしてきました。

 

銀行の統合によるメガバンクの誕生は、

・欧米のメガバンクと競争できる国際金融ビジネスを展開できる銀行ができた

・ペイオフに対して、問題銀行の経営危機に対する不安が解消できた

・メガバンクの信用力がさらに上がった

というメリットはありました。

 

ただ、これは、「金融庁や銀行側の理屈」によるメリットです。

企業や個人については、「目に見えるメリット」はあまりないように思います。

銀行や関連企業に勤務していた人の立場で考えれば、各銀行とも大規模なリストラを実施しており、メガバンクの誕生で、新たな雇用機会が生まれたという話は殆どありません。

また、銀行の支店や出張所の統廃合により、経営効率は上がりましたが、ユーザーの利便性は損なわれた面もあるでしょう。

 

これは銀行の統合例ですが、「統合によるメリット」は、統合側におけるメリットであることが多く、ユーザーサイドには、あまりメリットがないことの方が多いように思います。

 

話題はガラッと変わって「マネジメントシステム」系の話になりますが、201941日に、環境マネジメントシステム審査員を登録管理している「一般社団法人産業環境管理協会環境マネジメントシステム審査員評価登録センター(CEAR)」が、2019101日より業務を「一般財団法人日本要員認証協会マネジメントシステム審査員評価センター(JRCA)」に移管する予定であることを発表しました。

http://www.jemai.or.jp/cear/ems/dd4ht3000000041x-att/a1554077614281.pdf

 

JRCAは、スタート時点では「品質マネジメントシステム審査員」の評価登録のみでしたが、その後、ISMS(情報セキュリティ)やFSMS(食品安全)の審査員評価登録機関の業務を吸収して業務範囲を拡大してきました。

したがって、私たち業界人の中では、41日の業務移管の発表を聞いた際には、「とうとう環境審査員の登録もJRCAに移ったか」という声が殆どです。

 

業務移管の目的について、JRCACEARのウェブサイトでは、

・登録業務の一元化で、複数のMS審査員資格に登録いただく際の拡張性を高める

・資格基準や申請手続きの共通化を進めることで審査員評価登録制度の利便性を向上させる

・日本で唯一の総合的なMS審査員要員認証機関としてプレゼンスを高め、価値を向上させる

としています。

 

内部事情は分かりませんが、他国のマネジメントシステム審査員評価登録機関(例:IRCA(イギリス))も各種マネジメントシステム審査員の評価登録業務を行っているので、マネジメントシステムの種類ごとに審査員評価機関がわかれていた日本がむしろ遅れていたのかもしれません。

登録料が値下げされる、などといったユーザーサイドがわかりやすい目先のメリットは業務移管により発生しないものと思います。

個人的には、継続的能力開発の場の研修内容が「品質でもあり環境でもあり、情報にも関係ある」といった教育が増えているので、「共通的に認めていただく」といった効率化があるとありがたいな、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ641号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 09:25
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社会で活用されるISOマネジメントシステム認証制度

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「社会で活用されるISOマネジメントシステム認証制度」について。

 

先日、あるシンポジウムで、

ISO9001認証制度の意義」

についての調査研究発表を聞きました。

この発表の中で、「ISO9001の目的」には、

・能力証明(認証結果の利用)

・能力向上(認証の副次的効果)

があり、以下のような事例が示されました。

 

《能力証明(認証結果の利用)》

・提供組織

 →経営システムの透明性確保

 →製品品質の訴求

 →経営管理能力の訴求

・業界

 →業界の経営管理能力訴求

 →当該事業分野の製品の優秀性の訴求

・サプライチェーン

 →取引の質・効率の向上

 →取引の活性化

・購入者

 →供給者組織選択の質・効率の向上

 →購買管理プロセスの質・効率向上

 →供給者経営管理能力の透明性向上による購買管理充実

・社会

 →良質製品の入手可能性

 →経済の活性化

・行政

 →民間の評価能力活用による規制緩和

 

《能力向上(認証の副次的効果)》

・提供組織

 →製品品質向上

 →経営管理能力向上

 →業績向上

・業界

 →当該事業分野の製品レベル向上

 →業界全体のレベル向上

・サプライチェーン

 →川下製品の競争力向上

・購入者

 →供給者組織のレベル向上

 →購買製品の競争力向上

 →購入者自身の製品競争力向上

・社会

 →製品レベル向上

 →経済力・国力向上

・行政

 →政治・行政の効率向上

 

この調査・研究について、質疑応答では、以下のような質問がありました。

(以下、質疑の概要)

(質問)

社会システムとしてISO9001を活用するのであれば「各省庁の認定制度」や「株式上場審査の一部」として利用されるべきと考えます。

例えば、ISO9001を取得している事業者であれば、各省庁の認定制度において「事業者における自主検査を認める」とか「上場審査項目の一部免除」などです。

しかし、こうした「ISO9001が社会制度上の公器としての活用」は、あまり進んでいないと思います。

この状況をどのように考え、そして社会システムとして活用するするためには何が必要と考えますか。

(回答)

ご質問の趣旨はその通りで「能力証明」としての社会でもっとISO9001は活用されるべきである。何をすればいいか、については、なかなかひとことでは言えない。

基本的には審査の質を高めることである。・・・(以下略)

 

このやり取りを聞いていて、正直、がっかりしました。

「審査の質をどのように高めるのか?」については、30年近くずっと議論され研究されてきていることです。

たまごが先か鶏が先かの問題にもなりますが、行政や公共の制度の能力証明として活用していただくためには、ロビー活動も必要なのです。

話がそれますが、2020年度から大学入試センター試験に代わって、「大学入試共通テスト」が導入されます。

その中で英語の能力証明として「TOEICや英検、TOEFL、ケンブリッジ英語検定、IELTSなど7種類の民間試験での代替が可能になるようです。

勝手な想像ですが、おそらく大学入試制度において英語の能力証明として「民間試験を活用する」という制度設計には、「大学入試の多様化、効率化」という議論において、こうした英語能力における民間制度側からのロビー活動があったと想像されます。

しかしながら、ISOの世界では、関連する学会や業界内のシンポジウムで調査・研究が発表されるのみです。

要は、制度設計側への働きかけ、つまり「政治力」に関する議論や戦略が殆どありません。

これでは、益々、「廃れた認証制度」になっていってしまうのではないか、と危惧したシンポジウムでした。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ638号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:50
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認定審査と認証審査の違い

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「認定審査と認証審査の違い」について。

 

ネット検索で、「認定機関と認証機関」と検索ワードを入れると、日本適合性認定協会(JAB)のウェブサイトが検索トップに出てきます。

JABの「よくある質問」では、「認定と認証」について、以下のように説明されています。

 

(以下、JABウェブサイトより引用)

国際的な適合性評価の世界では、「認定(accreditation)」と「認証(certification)」という用語を明確に使い分けています。

 

これらの用語の正確な定義は,ISO/IEC 17000「適合性評価 - 用語及び一般原則」によりますが、「認定」とは、ISO 9001やISO 14001などのマネジメントシステムの認証(審査登録)、要員/製品の認証、試験、検査等を行う機関の活動が国際的な基準に従い、公平・透明に行われているかどうかを審査し(認定審査と呼びます)、公式に認め、登録することをさします。

 

認定審査ではそれぞれの機関に対する要求事項を定めた国際規格(ISO/IEC規格又はガイドなど)を使用して認定審査を行います。同時に認定機関に対する要求事項も国際規格で定められており、認定機関はその要求事項を遵守することが求められます。

 

一方、「認証」は、マネジメントシステム、要員、製品に対しそれぞれの要求事項を定めた規格に合致しているかどうかを第三者が審査し登録する仕組みをさします。認証はその対象で大まかに次の3つの分野に分類されます。

 

1.マネジメントシステム認証

組織(企業等)のシステムがISO 9001やISO 14001などのマネジメントシステム規格に適合しているかを第三者機関が審査し、証明することをいいます。組織は該当するマネジメントシステム規格の要求事項に適合する自組織(自社)のマネジメントシステムを構築し、それを第三者機関である認証機関から審査してもらいます。

 

2.要員認証

たとえば溶接技能者など、人の技量が要求される分野において、その仕事を行う人が必要な力量をもっていることを第三者機関が証明することをいいます。ISO 9001、ISO 14001、ISO 22000の審査員の評価登録も要員認証のひとつの分野といえます。

 

3.製品認証

特定の製品がその製品の仕様を定めた規格(製品規格と呼びます)に適合しているかどうかを第三者機関が評価し、証明することをいいます。

(引用、ここまで)

 

1国1機関が原則となっている日本の認定機関であるJABの説明は、上記の通りです。

私の理解を追加すると、

 

◆認定機関の役割は、認証機関が実施する認証に、偏りがあったり、不正確であったりしては、いろいろと不都合なことが生じる。そこで認証機関の信頼性を評価する役割がある。

(1国1機関が原則なので、公平性、客観性が担保される)

◆また、認定機関の最終製品は「公開情報」であるので、公開情報の適合性評価のプロセスが認定審査となる。

(※認定審査は、機関のMSの改善につながる有効性審査を目指すものではない)

◆一方、認証機関は、組織がISO規格等の基準に対して、対象となる製品・サービス、プロセス、活動が、適合していることを評価する役割がある。

◆また、認証審査は、組織の適合性を評価するとともに、組織からは、マネジメントシステムの改善につながる有効性審査も期待されている。

 

といったことが言えるのではないかと思います。

 

ちなみに、小耳に挟んだ情報なので、正確ではないかもしれませんが、ここ数年、日本企業の不祥事のニュースが数多く発生しています。

しかも、日本の各産業を代表する主だった組織は、顧客や利害関係者など市場や社会に対して説明責任を果たし、客観的な信頼性を向上させるためのツールと証明として「ISOマネジメントシステム規格の認証」を取得しています。

そのため、企業不祥事が報道されると、多くの場合「ISO認証取得企業」であることが多いです。

 

しかしながら、経済産業省では、組織の企業統治(ガバメント)や提供製品、サービスのマネジメントシステムの信頼の証であるはずのISO認証を多くの組織が取得しているにもなぜ、長い間不祥事が未然に検出され、改善されなかったのか?と考え、認定機関や認定機関を通じて認証機関に「これまでの審査(認定、認証審査)の適切性を検証せよ」という指令(公式か非公式かは不明です)が出ているようです。

 

ただ、これを言っては身も蓋もありませんが、私の知る限り、現状の認証審査は、性善説で審査をしており、いわゆる「捜査型」の審査は原則、していません。

また、認定審査では、国際基準に基づく認証機関に要求される基準文書に基づきて認定審査をするので、カンペキな認定審査を実施して、かつ、すべての認証機関が基準文書に完全に適合した認証機関運営を日常的に実施していたとしても、多くの企業不祥事は、認証審査を通じて検出されることは稀でしょう。

 

認証機関に対する要求事項に、例えば、

「内部通報制度とその情報の活用」とか「組織に対する非通知審査の実施」

といった要素を加え、認定機関は、その要求事項を有効に運営できた審査ができているかどうかを認定審査や場合によっては、非通知による認証審査の立会認定審査の実施、といったことを最低限しなければ、経産省が期待するような成果は、現状のISO認定・認証制度で実現することは難しいだろうな、と思います。

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 15:55
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環境影響評価の見直しが十分にされていない

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何年か前のことですが、環境マネジメントシステムを導入している組織のISO140012015年版の内部監査員教育を依頼されて、講習会をしました。

その時に、規格の説明とロールプレイだけでなく、その組織の環境マニュアルや手順書についても意見が欲しい、とのことでした。

 

具体的に書くと差しさわりがあるので、少し脚色しますが、その組織は、部品を成形する製造業で、ここ数年、納入先が電子・電気機器メーカーから自動車関連メーカーや介護ケア製品にシフトしているような組織でした。

 

まず、環境側面評価表をチェックしてみました。

すると、売上や納入先の変化があるにもかかわらず、環境側面や著しい環境側面一覧表は、ほとんど変化していませんでした。

 

要は、製造のアウトプットである製品が電子・電気部品から自動車関連部品や介護ケア製品用部品に変わっていても、環境側面や環境影響に変化がないのは、私は違和感がありました。

 

なぜ、そのような環境影響評価になっているかといえば、

・使用原料がほとんど変わっていない

・使用設備が変わっていない

・製造プロセスも大きな変化がない

ためでした。

 

私が聞き取りしていくと、製品が変わったことで、

・製造委託先が変化した

・不良率、歩留りが変わった

・納品遅れや不良品の流出があった場合の納入先への影響が異なりそう

・製品が与える環境影響が異なりそう

・製品に適用される法規性が変わった

といった「状況の変化」があるようでした。

 

上記のような変化があれば、

・廃棄物の発生量

・プラスの環境側面

・順守評価

といった点は、環境影響評価の上で加味されるでしょう。

 

このコラムの読者の多くの方は、もうお分かりと思いますが、「製造する製品が変わる」ことで、「上記に挙げたような変化」があるのが一般的です。

つまり、少なくとも、抽出される環境側面やそれに伴う環境影響の変化はあるので「環境側面や環境影響に変化がない」ということは、まずありえないのです。

(※評価結果として、管理すべき環境側面(著しい環境側面)は同じかもしれませんが)

 

このケースは、ほんの一例ですが、この組織の場合は、環境影響評価手順自体は悪くないのですが、組織の状況に変化に合わせた環境影響評価の見直しが十分ではありませんでした。

しかし、組織が実施している内部監査では、こうした点が指摘されていなかったのです。

なかなか、内部にいるとこうした変化点には気づきにくいのかもしれないな、と思った出来事でした。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ601号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 08:14
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レオパレス21の組織ぐるみの不正はなぜ長期間にわたって発覚しなかったのか

JUGEMテーマ:ビジネス

 

時事通信が2019318日付の記事で、

「施工不良、創業者社長が指示=意図的・組織的な疑いも−レオパレスの第三者委報告」

という見出し記事を報じていました。

 

記事によると、

・賃貸アパート大手のレオパレス21318日に第三者委員会の中間報告を公表した

・報告書は、問題の物件を建設した当時の深山祐助社長(創業者)が指示していたと認定した

・深山社長(当時)は、設計図と異なる建築部材を使うよう指示していた

・この指示により、「界壁」など屋根裏の壁や外壁の施工不良につながったと指摘した

ということだそうです。

 

つまり、第三者委員会は、

・一連の施工不良は組織的・構造的な問題

・不正は組織ぐるみで意図的に行われた

・施工不良問題は、一部の部署や役職員の問題ではない

・不正は、トップによる会社ぐるみのもの

と認定したわけです。

 

深山社長(当時)の違法な指示が指示が「敷金無料型」のレオパレス21事業を始めた1985年頃からなのか、それともバブル景気に沸いていた1990年前後なのかは、それ以降なのかはわかりませんが、これだけ長期間にわたって、組織ぐるみの大規模な不正が継続していたことが外部に発覚しなかったことに私は驚きを持っています。

 

思いつくまま上げてみますが、

・内部監査

・建築確認検査

・上場審査

ISO認証審査

・国や業界団体による住宅系の各種認定制度

・・・

など、色々な「監査等」があります。

しかし、世間から「2軒隣の住人のおならの音が聞こえる」と揶揄されるぐらい悪評が数多く立っていたにもかかわらず、発覚しなかったのはなぜだろう??と思います。

 

レオパレス21は、ISO9001は、最初の施工不良問題が発覚した時点(2018年)に認証を返上していますが、内部監査を除き、その他の「外部監査」については、そのままです。

「組織ぐるみの違法性が確定」するのは、刑事、民事裁判の結果、というのが公式なものになるのかもしれません。

しかし、すでに現時点で、これだけの会社ぐるみの「悪行」が明らかになっている以上、各種の監査や審査結果は、見直しされるべきと思います。

 

具体的には、私見ですが「株式上場」については「廃止」あるいは「監理ポストや整理ポスト」にすべき事案に思います。

 

レオパレス21は、318日に、蘆田茂執行役員が記者会見で、

「組織的に違法なものを造った認識はない」

と述べ、当時の深山社長を含む経営陣に違法性の認識はなかったと強調した、そうです。

けれども、第三者委員会の評価を否定するのであれば、「経営陣が違法性を認識していなかった」とする論拠や根拠を出してほしいものです。

 

繰り返しになりますが、長期間にわたってなぜ、会社ぐるみの不正は発覚しなかったのか?・・・この点について、不祥事、コンプライアンス、マネジメント系の学者たちは研究し、行政を含めて、仕組みの見直しをする必要があります。

そうでなければ、各種の認定、検査、監査制度はなんのために存在するのか?という話になるし、消費者はもちろん、賃貸住宅のオーナーも守れない信頼性のないくず制度ということになってしまうと思います。

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:42
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不祥事報道におけるISO認証の取消、一時停止について

JUGEMテーマ:ビジネス

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「認証の取消、一時停止」について。

 

2018年の報道では、多くの企業において製品検査データの改ざんが頻発しました。

記憶をたどれば、耐震・免震系製品、金属製品、自動車の燃費、杭打ちデータ・・・など枚挙にいとまがありません。

 

また、数年前であれば、工業製品製造業や建設業だけでなく、食品業界における食品偽装などもありましたし、サービス業では、保険業界における不払い問題もありました。

さらに、事故、犯罪報道を含めれば、通販会社の物流倉庫火災、データセンター火災や不正会計などもあります。

 

こうした不祥事等の報道があると、認証機関は、

・認証組織か否か

・認証組織に該当する場合は、登録範囲か否か

といったことを調査します。

 

少々感覚的な話となりますが、以前(2000年以前)であれば、事故や犯罪に関する組織不祥事の報道があっても、「認証しているのは品質マネジメントで仕組みの保証だから」とか「虚偽報道と環境マネジメントは関係ない」といった概念を持つ人も関係者の中には多かった気がしますし、世間のISOマネジメントシステム認証における社会的な位置づけや期待もそんなに高くなかった気がします。

 

しかし、昨今では、少なくとも企業にまつわる不祥事等の報道があると、認証機関はもちろん、世間一般の人も、ネットで検索して、その企業がISOマネジメントシステム認証を受けているかどうかをチェックしています。

その結果、その企業が、ISO認証に関係がある(厳密には、認証対象外の業務であっても)となると、ネットでは、「ずさんな管理で事故を起こした〇〇企業はISO取得企業だった」といった情報もよく飛び交っています。

 

話を少々認証機関に戻しますが、認証機関では、不祥事等の情報を入手すると、認証の取消や一時停止に相当する事象であったか否かの情報収集を実施し、その程度により臨時審査を実施して、認証登録の取消や一時停止、認証継続の審議をする仕組みとなっています。

 

ただ、機関の考え方もあるので、一概に「おかしい」とは言えませんが、例えば、「検査データ改ざん」の問題があると、機関が認証に与える影響を「品質マネジメントシステム」と決めてかかって議論を進めているケースがあります。

確かに、この事例でいえば、検査データそのものは「製品品質保証情報のひとつ」ではありますが、厳密に言えば、検査データ不正により、製品の再製作や改修工事が発生すれば環境影響も発生します。

また、「優良誤認」に該当すれば、景品表示法が関係してくるかもしれませんし、不祥事等の根本原因が組織ガバナンスやコンプライアンス意識の欠如にあるならば、情報セキュリティ、労働安全衛生などのマネジメントシステムへの影響もあるかもしれません。

 

いまや、ISOマネジメントシステム認証は、企業間取引の「BtoB」だけでなく企業対消費者間取引の「BtoC」としても社会的な意義を果たしています。

したがって、会計不正や事故といった一見、提供する製品・サービスには直接関係ないと思われる問題であっても、他のマネジメントシステムの認証に及ぼす影響に関して調査する必要性が認証機関には求められるでしょうし、世間一般も「組織マネジメントの問題が関係しているのでは?」という観点でチェックしていくことが、ひいては、認証企業の価値向上につながるといえるでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ629号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:14
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ISO認証制度:登録範囲の表記と産業分類

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「登録範囲の表記と産業分類」について。

 

以前のコラムで、JABに認定されているISO審査登録機関(認証機関)は、登録証に記載する登録範囲の表記について、ISO9001(品質マネジメントシステム)、ISO14001(環境マネジメントシステム)については、原則、NACEコード(経済活動分類)に基づいて、産業分類が特定できる表記で登録証を発行していることを解説しました。

すると、知人から「このような表記も議論の余地があるよね」という連絡をいただきました。

 

具体的な組織と登録表記を詳細に紹介すると差し障りもあるので、若干編集していますが、次のような事例です。

 

事例1

・登録組織A

・登録表記:

1)住宅の開発・設計

  2)住宅の住宅ユニットの製造及び部材の調達

  3)住宅の設計管理、生産管理、施工管理、アフターサービス管理

・産業分類:6(木材等)、17(基礎金属、加工金属)、34(エンジニアリング等)

検討事項:

3)は、1)、2)を管理する組織内部のプロセスで市場に提供する製品・サービスではない可能性

 

事例2

・登録組織B

・登録表記:

 1)電気制御システムの設計及び施工

  2)産業機械の設計、製作及び据付

  3)電気制御システムに関する装置の製作

 ・産業分類:18 機械、装置、 28 建設

検討事項:

3)は、産業分類19が必要となる可能性

 

事例3

・登録組織C

・登録表記:

1)防火水槽の据付及びアフターサービス

2)自動ドア装置、高速シャッター、防排煙設備の据付、保守点検及びアフターサービス

・産業分類:17(基礎金属、加工金属)、28(建設)

検討事項:

「保守サービス」が単独の製品・サービスであるならば産業分類「23(33.1)」(その他の装置の修理業)が必要

 

事例4

・登録組織D

・登録表記:「住宅部材の製造及び出荷」

・産業分類:6(木材等)、16(コンクリート等)、17(基礎金属、加工金属)

検討事項:

「出荷」は組織のプロセスであり登録表記としては不要の可能性

 

事例5

・登録組織E

・登録表記:

1)造園工事(公共工事に限る)

2)土木構造物の施工(公共工事に限る)

3)緑地維持管理業務(公共工事に限る)

4)指定管理者業務

・産業分類:28(建設)、35(その他専門サービス)

検討事項:

「指定管理者業務」は「発注形態」であり、具体的な製品・サービスの表記が必要

 

上記の事例は、ほんの一例ですが、登録組織のウェブサイトと照らし合わせてチェックすると「登録範囲の表記」に懸念があるもの、「産業分類」に懸念があるものがあることが分かります。

実際には、組織の状況や認証機関の登録表記や産業分類の考え方をお聞きしないと適否の判断はつきませんが、少し気になるところです。

 

なお、今回のテーマである「登録範囲の表記と産業分類」は、

・市場や社会に対して登録組織の情報を正確に伝える

という目的があることには間違いがありませんが、もうひとつ重要(どちらかというと認証機関の認証プロセスを評価する上で)なことがあります。

それは「組織審査担当している審査員の力量」です。

審査員の力量は、産業分類と連動して規定しているケースが多いので、「その組織審査に適切な審査員が配置されていない可能性」です。

 

登録範囲の表記と産業分類については、もっと複雑な議論が必要なケースが他にたくさんあります。

機会をあらためて、コラムで取り上げてみたいと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ632号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 11:26
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ISO認証組織に対する一般からの苦情

 

日本企業が、ISOマネジメントシステムを最初に認証されてから、約30年が経過しました。

今の時代、社会経験がある方なら、「ISO」ということばを聞いたことが全くない、という人はほとんどいないのではないでしょうか。

 

20歳で働きだしたとして、現在の多くの会社の実質的な定年は「65歳」です。

つまり、ISO取得が日本の企業で始まり「30年」とは、ざっくり言って「50歳以下の人」の多くは、社会人になった時から、ISOという言葉を耳にして、殆どの会社員人生において、自分の組織には、ISOに基づくマネジメントシステムが整備されていたわけです。

 

ただ、ISOに基づくマネジメントシステムの整備や運用、改善は、いわゆる「ISO事務局」が担っているケースが多く、本来、日常的にISOで整備されたマネジメントシステムによって社内業務を実施しているはずなのですが、「ISOマネジメントシステム認証制度」自体の理解は、「分かっていない」人が殆どでしょう。

 

ISO認証制度は、基本的に、BtoBビジネスに不可欠だ」という人もいて、「BtoCビジネス」には、「向いていない」という人も業界にはいます。

確かに、ISO認証制度は、「11個のモノの品質や性能を保証」する制度ではなく「顧客要求事項を満たした製品(サービス)を作り出す仕組みの能力を保証」する制度です。

したがって、何千個、何万個の部品や製品を取引する場合、瞬間最大風速的に品質が安定しているだけでは何の意味もなく、閑散期も繁忙期も関係なく、継続的な品質の安定性が求められるので、その証拠として「ISOマネジメントシステムにおける認証」が取引の条件となるわけです。

 

一方「BtoC」の場合は、毎日、かつ、大量に需要しているわけではないので、

・問題があった場合の対応、対処力

・再発防止の確実さ

といったことよりも、「ブランド力」とか「価格」、「世間の評判」といったことが「購買動機」となるのでしょう。

つまり、「期待する品質を常に維持するための仕事の仕組み」ということについては、ほとんど関心がない、のではないかと思います。

 

話は少しそれますが、業界の仲間と話していて、認証機関に寄せられる「認証組織に対する苦情」としては、

・不動産業

・建設業

が多いようです。

 

ニュースでは、昨今であれば、日産自動車、三菱自動車の完成検査不正、KYBや三菱電機、日立化成などの検査データ改ざん、食品産業における異物混入・・・などがすぐに頭に浮かぶ不祥事ですが、こうした企業に関する一般の人からの苦情は意外に多くないようです。

私の感覚からしたら、上記のようなニュースになった企業の認証について、

・なぜ機関が実施した認証審査で不正は見つからなかったのか?

・組織の内部監査は機能していたのか?また認証機関はそれをしっかり検証していたのか?

といった不満や疑問を担当認証機関に「苦情や問い合わせ」として寄せてもいいのではないか、と思いますが、現実的には、ほとんどないそうです。

 

その一方、例えば、

・自分の住んでいるマンションの大規模改修に関するもの

・自分の住んでいるマンションの更新契約に関するもの

・近隣(土木、建築)工事に関するもの

・・・

といった苦情や問い合わせは、結構あるようです。

 

少し話題の切り口を変えますが、こうした「不動産会社や建設会社」に関する苦情について、機関では、

・苦情のあった業務は認証対象外業務である

・苦情のあった業務は認証対象外部門の業務である

・近隣トラブルであり、組織に責任はない

・・・

といったように、感覚的には、「認証外である」、「認証機関には関係がない」といった処理をしているケースが多い気がします。

 

確かに、「業界人」からすると、そのような機関の判断に誤りはありません。

しかし、苦情申し出者にとっては「納得いかない」、「腑に落ちない」と感じているケースも多いようで、その後も、何度も機関に同じ件で問い合わせをしているケースもあります。

ただ、そう何度も問い合わせをすると、機関側は「クレーマー」として認識します。

 

例えはガラッと変わりますが、日産のゴーン元会長の逮捕の際に問題になった「有価証券報告書の役員報酬」です。

私たち、一般の素人からすれば「なぜ、監査法人は何年も見逃していたのか?」と思います。

しかし、報道では、「役員報酬の記載に関しては監査対象外」との話があります。

「会計監査の世界」では、そうなのかもしれませんが、やはり、私たち一般人からすれば、「なんで、監査対象外なんだ、対象外ならなんのための会計監査なんだ」と思うわけです。

 

会計監査の世界は、門外漢なので、コメントを控えますが、マネジメントシステム認証の世界について、現状では、機関は、

「監査に瑕疵はない」

「監査対象外なので、これ以上の問い合わせには答えかねる」

との判断になってしまうのは当然です。

ただ、一般人のマネジメントシステム認証に対する期待や信頼性アップのためには、例えば、

・認証範囲(製品、部門)の捉え方(限定はできるだけ認めない)

・苦情や問い合わせに対する公表制度の充実

といったことにも目を向けていく必要があるのではないかと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ623号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 08:40
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