RSS | ATOM | SEARCH
組織はどの環境マネジメントシステムを利用するべきなのか

JUGEMテーマ:ビジネス

 

企業経営者に、

「環境マネジメントシステムを導入しようと思うのだが、どのマネジメントシステム(規格)がうちには合っているでしょうか?」

という質問を受けることがこれまでも何度かありました。

 

いまさらですが、「環境マネジメントシステム」とは、

組織(営利企業だけでなく行政組織や非営利団体なども含む)が環境方針、環境目標、運用管理手順等を設定し、その達成に向けた取り組みを実施するための組織の計画や責任権限などの体制、仕事の手順などプロセスのこと

をいいます。

 

環境マネジメントシステムには、組織がその仕組みづくりの基礎や規範となる「規格やガイドライン」があり、規格等で有名なものは、ISO(国際標準化機構)が定めたISO14001や環境省が定めたエコアクション21、京都議定書の発祥の地、京都にあるNPO法人KES環境機構が運営するKES(京都環境マネジメントスタンダード)、一般社団法人エコステージ協会が運営するエコステージ、HES推進機構が運営する北海道マネジメントスタンダードなどがありがます。

 

ざっくりした話としては、ISO14001以外の環境マネジメントシステム認証は、「中小企業が取り組みやすい」をうたい文句としています。

月並みですが、組織が環境マネジメントシステムを構築し、運用、改善をし、加えて第三者機関による認証審査を受けるとなると、

・社内の環境マネジメントシステムの導入体制に関する整備(例:事前調査、教育、設備改修など)

・環境マネジメントシステムの構築・運営に関するコンサルティング費用

・第三者認証の審査費用

などの費用が掛かり、中小企業にとっては、それなりのコストがかかります。

 

環境省のエコアクション21を含め、いわゆるローカル規格は、組織の環境マネジメントシステムへの取り組みを段階的にして、なかには、「指導しながら審査する」ことで、教育費用やコンサルティング費用を低減し、中小企業の環境マネジメントシステムへの導入コスト負担を軽減できる仕組みにしているわけです。

 

個人的には、ISO14001はもちろん、その他のローカル環境規格にも多少のかかわりがあるので、「どの規格が有効的か」という話は避けたいですが、一般論で言えば、

◆単なる省エネ、省資源、いわゆる「エコ活動」から始めたい

◆書式などある程度、推奨される取り組み方が決まっている方がありがたい

◆国際間の商取引がない

◆限りなく認証コスト等を下げたい

という中小企業は、ローカル規格がいいかもしれません。

 

ただ、

◆企業経営とは別に環境への取り組みをすることは避けたい

◆本業とリンクした環境活動をしたい

◆環境活動を組織改善(ミス・ロス・リスク低減、業務効率向上)につなげたい

◆業務実態を中心に環境規格で不足している部分のみをフォローしていきたい

◆説明責任能力も高めたい

といった中小企業は、ISO14001がいいと思います。

 

具体的だと、誤解が生じる可能性がありますが、これも一般論ですが、組織が環境マネジメントシステムを導入すると「企業経営そのもの」と「環境に関する活動」が「別のもの」として捉えられることが一般的なため、ある程度「取り組むべき目標とその活動内容、実施手順、記録方法が用意されているローカル規格で環境マネジメントシステムを導入すると、徐々に自由度がなくなり、形骸化することが多い」からです。

 

例えば、どの規格にも「外部コミュニケーション」という要求事項があります。

大雑把に言えば、「外部から受け付けた苦情等を記録しなさい」というものなのですが、ローカル規格のように「推奨書式が定まっている」と、一見、便利です。

 

しかし、「外部コミュニケーションの外部」には、例えば、

・お客様やエンドユーザー

・近隣住民など利害関係者

・協力会社など外注業者や供給者

・行政

・法令等で規定された設備点検・保守を実施する業者

など多岐にわたります。

また、内容も「苦情」だけでなく、要望や助言、お褒めの言葉などさまざまです。

こうなってくると「書式に書き込む記録」は、ほんの一部であり、実態を表しません。

実際には、外部コミュニケーションを先方書式の文書で受け付ける場合もあるでしょうし、口頭もあるし、媒体も「紙」もあれば「メールなど電子媒体」もあります。

また、保守点検記録にアドバイスが書き込まれるケースもあり、それらを「所定の書式」に書き直すことは、まずやりません。

 

もちろん、「些細な日常会話レベルまで記録しなさい」ということではありませんが、「書式に記入される情報よりも口頭やメールベースの情報の方がマネジメントシステムに影響を与えるような情報」がかえってあるわけです。

そうなると、徐々に「所定書式に記録すること」は形骸化しはじめるので「書式は特に定めず、外部コミュニケーション記録はそれぞれの情報に適した方法で管理する」と決めて組織に自由度を持たせておけばよいのです。

 

ただ、このように組織に自由度を持たせると、組織側の説明能力が高くないと外部の審査員に説明ができません。

「所定書式に記入することを形骸化させたくない」、「組織の業務実態に合わせたい」、「説明能力を高めればOK」などと考えるのであれば、ISO14001を環境マネジメントシステム規格として利用し、認証審査を受けることがよい選択なのかもしれません。

 

なお、「環境マネジメントシステムは導入・運用するが、認証審査は受けず自主運営したい」という組織も最近よく見られます。

しかし、環境管理について、自主運営組織に訪問するケースが時々ありますが、感覚的には、社内ルール通りにはやっていますが、形骸化しているなぁ(要は本業とリンクした継続的な改善が進んでいない)と思われる組織がほとんどのように感じます。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ541号より)

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

“できるビジネスマンのマネジメント本”(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 08:30
comments(0), trackbacks(0), - -
“ニッスイいわし水煮”缶詰の回収

JUGEMテーマ:ビジネス

 

20191029日の共同通信が、

「日本水産、缶詰56千個を回収 菌混入で膨張、いわし水煮」

という見出し記事を報じていました。

 

記事によれば、

・日本水産は1029日、ベトナムで製造し、輸入販売している缶詰の自主回収を発表した

・自主回収する缶詰は、「ニッスイいわし水煮(175グラム)」

925日に量販店の従業員が、膨張している商品を見つけた(全国で9月から発売)

・対象商品は、55872個で賞味期限が20227月または8月と記載された商品

・缶の加熱殺菌工程の後に常在菌の一種が混入したことが原因とみられる

・現時点で健康被害の報告はないが、食べると下痢などの症状が出る恐れがある

ということだそうです。

 

早速、日本水産のウェブサイトを確認してみました。

すると、20191029日付で「お詫びと回収のお知らせ」と題した文書が掲載されていました。

http://www.nissui.co.jp/news/pdf/20191029.pdf

 

私見ですが、共同通信の記事とこのお詫び文から気になる点は、

・缶が膨張した商品が見つかったのが925日なのに公表されたのはなぜ1029日なのか

・「日本産いわし」とあるが、日本の漁港で水揚げされた「いわし」をベトナムに輸送しているのか

という点です。

 

食品工場に勤務する知人にこの件について聞くと、

・いわしの缶詰は、手作業が多く、人件費がコストに大きく影響する

・いわしの加工は、うろこ、頭、ひれ、内臓を手作業で処理する

・いわしは傷むのが早いから、ベトナムの委託工場の加工工程と作業を再確認するべき

だそうです。

 

日本水産のお詫び文では、「謝罪と処置(返金)」については触れていますが、「原因、再発防止」については「調査中」となっています。

膨張した異常な商品が店舗で見つかってから1か月以上も経過しているわけなので、「回収すればいいだろ」という話ではなく、なぜ、発表が発見から1ヶ月も経過したのかをきちんと説明するべきだと思います。

また、このコラムでも、食品の回収の報道は何度も扱っていますが、その後、ウェブサイトを確認しても、「どのような原因で、どんな対策を取ったのか」についてほとんどの会社で、公表していません。

回収後の再発防止策について「聞かれたら回答する」という姿勢ではなく、しっかりと、公表することが、消費者への信頼感向上につながると思いますし、製造メーカーとしての責務だと思います。

 

ちなみに、日本水産のウェブサイトによると、国際的な食品安全マネジメントシステムの認証規格であるFSSC22000を日本水産(ニッスイおよび国内グループ会社)は、17の国内事業所で取得(201910月現在)しているそうです。

今回回収された商品の委託工場であるベトナムの工場の製造管理はどうなっているのか?管理レベルは国内と同等レベルなのか?について明らかにして欲しいです。

また、量販店など全国の卸売り、小売り業者も、日本水産の海外委託工場生産品についてもFSSC22000の取得要求をして行くべきではないかと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ670号より)

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:01
comments(0), trackbacks(0), - -
2019年度末でJAB認定を辞退する三重県環境保全事業団

JUGEMテーマ:ビジネス

 

2019914日付のブログに、

ISO認定認証制度:JAB認定辞退」

というタイトルのコラムを掲載しました。

http://blog.logcom.jp/?day=20190914

 

この914日付のブログと重複する内容もありますが、その後、JABのウェブサイトが更新され、以下に記述したマネジメントシステム認証機関の認定辞退がさらにあったようです。

https://www.jab.or.jp/service/management_system/report/list03.html

 

・認定番号:CM022

・機関名勝:一般財団法人 三重県環境保全事業団 国際規格審査登録センター

・所在地:三重県津市河芸町上野3258番地

・認定範囲:QMSEMS

・取消日:2020331(予定)

 

一般財団法人 三重県環境保全事業団は、元々は計量証明事業を提供する機関として、昭和42年に設立され、環境アセスメント等コンサルティングや放射性物質測定分析業務などを実施する機関として現在に至っています。

ISOマネジメント認証機関としては、三重県環境保全事業団 国際規格審査登録センターとして1997年にJAB認定を取得しています。

 

ただし、三重県環境保全事業団のウェブサイトを見ても、品質、環境のJAB認定辞退の説明は特にありません。

もしかしたら、登録事業者には、当然、ちゃんとした認定辞退と今後についての説明をされているのでしょうけれど、世間一般に公表すると、他の認証機関からの登録組織に対する「営業活動」(認証移転の営業)が活発になるので、登録組織はその対応に追われることになり、業務活動に支障が少なからず出ます。

そこで、ある時期まで、三重県環境保全事業団 国際規格審査登録センターとしては、JAB認定辞退の情報についてはっきりとした説明を避けているのかもしれません。

 

ちなみに、JABのデータによると、現在(2019.10.8)、品質と環境の適合組織は、288件あります。

これらの組織の認証は今後、どこの機関が引き受けるのか興味がわくところです。

ただ、三重県環境保全事業団としては、「監査業務」ということに関しては、食品安全マネジメントシステムの監査会社としてJFSMの認定を取得し、意欲的です。

http://www.mec.or.jp/index.php?cID=5264

 

しかし、品質、環境のISO認証業務については、

・事業として採算が合わない

・今後の事業成長が望めない

といったような理由で、JAB認定辞退という経営判断に至ったのかもしれません。

現在の認証組織がどのような方法で認証継続するのか、動向に注目です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ668号より)

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:50
comments(0), trackbacks(0), - -
マネジメントシステム監査における間接部門の審査方法

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「マネジメントシステム監査における間接部門の審査方法」について。

 

今回のテーマでよく話題になるのが、

◆総務、経理部門は適用範囲から除外できるのか

◆営業部門、購買部門における環境側面は、電気、ガソリン、紙の使用等だけなのか

です。

 

マネジメントシステム監査で最もポピュラーな品質マネジメントシステムで考えてみます。

例えば、総務部の場合、主に以下のような業務を担っています。

・文書や社印、固定資産、設備、備品、消耗品などの管理(文書管理、設備管理)

・保安・防災業務(設備管理、緊急事態対応)

・情報セキュリティの整備(文書管理、機密管理)

・受付業務(外部コミュニケーション)

・福利厚生業務(業務環境管理)

・安全衛生管理(安全管理)

・従業員の健康管理(業務環境管理)

・社内外の慶弔業務(内部・外部コミュニケーション)

・秘書業務(役職員の業務支援)

・会社行事、イベント業務(内部・外部コミュニケーション)

・契約、契約書管理(利害関係者に関する文書管理)

・株主総会・取締役会業務(外部コミュニケーション、経営計画)

・株式管理(経営計画)

IRの実施(外部コミュニケーション)

・社内・社外広報(内部・外部コミュニケーション)

・ホームページの管理業務(外部コミュニケーション)

・官公庁との渉外(外部コミュニケーション)

・地域との渉外(外部コミュニケーション)

・社会貢献活動(外部コミュニケーション)

・環境対策(外部コミュニケーション、コンプライアンス)

・リスクマネジメント(経営計画、コンプライアンス)

・業務委託管理(購買管理) 

など

 

括弧書き部分は、主な機能(役割)ですが、組織が提供する製品/サービスそのものに直結することは少ないですが、事業活動を円滑かつ促進する上で、重要な間接的役割を担っています。

したがって、一般的には、「適用範囲から除外する」ということは難しいでしょう。

 

次に、「営業部門、購買部門など間接部門における環境側面や環境影響」を考えてみたいと思います。

どんな業種でも同じような状況ですが、多くの組織の間接部門で目にする環境側面は、いわゆる「紙・ごみ・電気系」のみです。

しかし、例えば営業部門なら、今どきの会社で「単なる御用聞きをするだけの役割」という営業部門は新人営業部員でないかぎり、まずないでしょう。

つまり、製造業でもサービス業でも、「顧客に対する提案営業」は多かれ少なかれしているはずです。

こうした提案の中には、結果として、業務効率や品質・安全面を向上させる提案もあるでしょう。

そうであるならば、その提案は、結果的に、廃棄物の削減やエネルギーの削減といった環境影響(間接影響)に関係してきます。

けれども、実際多くの組織では、こうした環境側面や環境影響は抽出され特定されていないので、評価もされていません。

 

購買部門も同様です。

建設会社の購買部門の場合、実務レベルでいえば、騒音・振動対策や軟弱地盤の地域における対策として「工法や業者の選択」を購買部門が提案しています。

しかし、これも「購買仕様書を作成する、発注書を作成する」(環境側面)→「紙の使用、電気の使用」(環境影響)といった環境側面抽出と環境影響評価しかされていないケースがほとんどです。

 

言わずもがなですが、環境マネジメントの場合「業務の本質的役割で環境影響を考慮」すれば、いろいろと隠れているものが出てくるのですが、なかなか組織も、監査する審査員も「ダイナミックな発想の転換」ができていないケースが多いのが現状です。

 

実際のところは、「結果としてやっている」ケースが多いのですが(結果オーライなのだから、審査側が組織に対して、煩がられると面倒だし嫌われるから、とやかく言わないでおこうという心理がありありです)、「自らの業務の役割と環境とのつながり」という点で捉えると、「意識的には業務管理していない」訳で、組織が気づいていなければ、審査員は、それを気づかせる監査をするべきなのでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ545号より)

 

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:58
comments(0), trackbacks(0), - -
組織の新たな活動と環境側面

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「組織の新たな活動と環境側面」について。

 

環境マネジメントシステム規格(ISO140012015年版)では、「環境側面」について、次のように要求事項が規定されています。

 

(以下、規格から引用)

組織は、環境マネジメントシステムの定められた適用範囲の中で、ライフサイクルの視点を考慮し、組織の活動、製品及びサービスについて、組織が管理できる環境側面及び組織が影響を及ぼすことができる環境側面、並びにそれらに伴う環境影響を決定しなければならない。

環境側面を決定するとき、組織は、次の事項を考慮に入れなければならない。

a) 変更。これには、計画した又は新規の開発、並びに新規の又は変更された活動、製品及びサービスを含む。

b) 非通常の状況及び合理的に予見できる緊急事態

組織は、設定した基準を用いて、著しい環境影響を与える又は与える可能性のある側面(すなわち、著しい環境側面)を決定しなければならない。

組織は、必要に応じて、組織の種々の階層及び機能において、著しい環境側面を伝達しなければならない。

組織は、次に関する文書化した情報を維持しなければならない。

− 環境側面及びそれに伴う環境影響

− 著しい環境側面を決定するために用いた基準

− 著しい環境側面

注記 著しい環境側面は、有害な環境影響(脅威)又は有益な環境影響(機会)に関連するリスク及び機会をもたらし得る。

(引用、ここまで)

 

今回は、組織が、環境側面を決定するときに考慮すべき点のうち、

「変更。これには、計画した又は新規の開発、並びに新規の又は変更された活動、製品及びサービスを含む。」

について考えてみます。

 

この要求事項では、意訳すると

・変更箇所は考慮しなさい

・計画した、または新規の開発は考慮しなさい

・新規の活動や変更した活動は考慮しなさい

・新規の製品、サービス、変更した製品、サービスは考慮しなさい

ということでしょう。

 

例えば、この「変更」に関し、製造業において、

・製造設備を新設、増設、あるいは撤去した

・新規製品を開発(計画段階、開発中含む)した

・製造方法を改良し、原材料や製造工程が変更になった

というようなケースは、「環境側面の変更(追加・削除)や環境影響の変更(影響度の増減)」があることは、想像がつくでしょうし、実際、組織も環境側面の見直しをされています

 

「変更」に関して、私の経験で、考慮から漏れやすいのが、

・本社など製造設備以外の建屋の増改築

・生産量の大幅な増減

・働き方改革など労働時間の短縮、休暇の増加

・近隣の清掃活動など地域貢献

・地域行事への組織としての参加や支援

・情報システムなど情報インフラの更新

 

環境側面を特定し環境影響を決定する場合、どうしても、本業の部分に目が行きがちです。

また、労働環境の改善や安全パトロールの強化による事故の未然防止などは、労働安全面の活動と捉え、環境マネジメントシステムとのつながりはピンときません。

また、設備や施設の増設などは目に見える変化ですが、勤怠管理や生産管理に関するソフトウエアの改良、更新は、業務上は明らかに業務効率がアップされるなど変化がありますが、物理的な見た目の変化は殆どないので、見落としがちです。

もちろん、こうした活動に関する環境側面は、従来の環境側面の特定の仕方がざっくりであれば、現状特定されている環境側面に包含されてしまうものもあるでしょう。

 

いずれにせよ、環境側面の特定は、環境マネジメントを考える上での出発点になりますので、組織として、変更など変化点があれば、「環境側面の特定に影響がないか」という点で見直しを考慮することは必要でしょうね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ655号より)

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:17
comments(0), trackbacks(0), - -
ISOマネジメントシステムお悩み相談:要求事項の適用不可能

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、クライアントや知り合いの経営者からよく質問されるテーマについて、備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のお悩みテーマは、「要求事項の適用不可能」について。

 

品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001:2015では、要求事項の適用不可能について、

 

(以下、ISO9001:2015から一部引用)

『組織の製品及びサービス』

決定した品質マネジメントシステムの適用範囲内でこの規格の要求事項が適用可能ならば、組織は、これらを全て適用しなければならない。

組織の品質マネジメントシステムの適用範囲は、文書化した情報として利用可能な状態にし、維持しなければならない。

適用範囲では、対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し、組織が自らの品質マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについて、その正当性を示さなければならない。

適用不可能なことを決定した要求事項が、組織の製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力又は責任に影響を及ぼさない場合に限り、この規格への適合を表明してよい。

(引用ここまで)

 

という規定があります。

 

上記の規定は難しいので、ざっくり説明ですが、

・組織は、原則的に、規格要求事項のすべてを適用してください

・仮に、適用できない要求事項があるならば、適用できない正当性を示してください

・適用不可能としたことで、組織の能力や責任に影響があるなら、適用不可能にしてはダメ

ということになります。

 

一般的に、適用不可能でよくある要求事項が、「設計・開発」です。

例えば、ある金属部品製造をしている会社が、金属部品の設計・開発は、客先が責任を負っていて、製造会社は、「設計図に基づいて作るだけ」だとするならば、設計・開発の適用不可能は正当性があるし、組織の責任に影響もないといえます。

 

しかし、「製造工場のみが適用範囲で、設計・開発は、適用範囲外の本社の設計部が担っています」という場合は、適用不可能とすることはどうでしょうか?

一般的には、「適用不可能は認められない」でしょう。

その理由は、「適用範囲を製造工場に限定していること自体が誤り」だからです。

製品である「金属部品」の顧客は、おそらく、本社も含めたその会社の顧客です。顧客サイドから見たら、設計・開発の要求事項が適用不可能になっていたら、マネジメントシステムについて、設計・開発部分については「保証」されていないわけですから、「顧客満足を向上することを確実にする組織の能力または責任」に影響が大あり、となるわけです。

(※要求事項に適合させるためには、本社の購買部門を適用範囲に含めるべきでしょう)

 

その他には、「購買」があります。

前記した例と同様に「金属部品の製造工場」の事例で考えます。

この場合、仮に、原料である金属材料の購入や金属加工の一部(例:熱処理やメッキ)を外注する場合、その購買先の選定は本社購買部にある、というようなケースです。

工場が有する責任は、本社から指定された購買先に「発注する責任や納入品の品質や納期管理の責任」のみであった場合、「購買先の選定」という要求事項は適用不可能にできるでしょうか?

一般的には、適用不可能とするのは無理でしょう。

(※要求事項に適合させるためには、本社の購買部門を適用範囲に含めるべきでしょう)

 

一方、購買でも、顧客が材料の調達先や協力工場の選定に至るまで、製品及びサービスに影響を与える購買先すべてについて、「顧客の指示に基づいている」場合は、購買先の選定に関する要求事項を「適用不可能とすること」は正当性があるといえるかもしれません。

 

いずれにせよ、そもそも論ですが、これらの出発点は、

・適用範囲(組織)をどうするか

・製品及びサービスは何か、そして顧客は誰か

ということになります。

スタートが肝心ですね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ661号より)

 

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 11:43
comments(0), trackbacks(0), - -
ISO認定認証制度:どんな仕組みなのか

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「ISO認定認証制度」について。

 

ISO認証の世界には、大まかに、

・マネジメントシステム認証

・要員認証

・製品認証

がありますが、ここでは、マネジメントシステム認証について、触れます。

 

まず、よくある質問のひとつに、「認定機関と認証機関の違いは何ですか?」というものがあります。

私は、一般の人が理解しやすい事例に例えて説明します。

よく利用させてもらうのが「大学」や「自動車教習所」です。

ざっくり説明ですが、

・大学の場合:認定機関に相当するのが文部科学省、認証機関に相当するのが各大学

・自動車教習所の場合:認定機関に相当するのが公安委員会、認証機関に相当するのが各教習所

です。

 

つまり、大学でいえば、「大学」と称してカリキュラムを独自に組んで、学生に授業(教育サービス)を提供することは自由です。

しかし、日本の場合、文部科学省の認可を受けていなければ、卒業してもその卒業証書は、世間的には単なる「紙きれ」です。

一方、文部科学省の認可を受けている大学であれば、必要単位を取得して卒業すれば、卒業大学のブランド云々を無視すれば、国家試験を受験あるいは公的資格を取得する際に「大卒者は一次試験免除」というような規定がある際に、その卒業証書は通用することになります。

 

自動車教習所の場合でいえば、公安委員会から指定を受けた公認自動車教習所と指定されていない非公認自動車(届出をしている場合もある)の結果としての違いは、前者は、卒業すれば運転免許試験場で学科試験のみですが、後者の場合は、学科試験に加えて実技試験も受験する必要があります。

 

話題をISO認定認証制度に戻しますが、難しい説明を抜きにすれば、

・認定機関から認定を受けている認証機関の登録証→国内はもちろん、全世界で通用する

・認定を受けていない非認定の認証機関の登録証→取引先毎の判断で決まる

ということになります。

 

もう少し難しい話をすれば、ISO認定認証制度のような適合性評価の世界では、

 

・認定(accreditation)

マネジメントシステムの認証機関の活動が国際的な基準に従い、公平・透明に行われているか

どうかを審査し、公式に認め、登録すること

 

・認証(certification)

 マネジメントシステムの要求事項を定めた規格(例:ISO9001、14001等)に合致しているか

どうかを第三者が審査し登録すること

 

という違いです。

 

ISO認証については、何度か触れていますが、1990年前後に日本企業が初めてISO9001の認証取得した当時より、認証自体の価値は下がっているように思います。

例え話に出したような「大学」や「自動車教習所」については、その先に「資格試験」の条件(受験資格や一部試験免除など)に繋がっているのですが、ISO認証の場合、国家や公的な組織が近年では、あまり取引の必須条件としなくなってきたので、「無理して維持しなくてもいい」という組織が増えてきているようです。

確かに、組織が、社会的な信頼性を登録証に求めず、

・ISO認証審査など関連活動を通じて、組織体制を整理し、改善のツールとする

・ISO認証審査など関連活動を通じて、社員のモチベーション向上と力量を高める

といった目的であれば、むしろ、非認定の認証機関の方が融通が利く組織の目的に合った認証審査をしてくれるかもしれませんね。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ662号より)

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 12:27
comments(0), trackbacks(0), - -
介護業界における2025年問題とISOマネジメントシステムの適用

JUGEMテーマ:ビジネス

 

先日、仕事を通じて、社会福祉法人に訪問する機会がありました。

経営者さんいわく、世間の社会福祉法人に対するイメージが悪いので、スタッフが誇りをもって仕事をしてもらえるような職場環境づくりをしたいし、利用者さまへのサービスの質の向上を図りたい、とはっきりとおっしゃられ、社会福祉法人経営に対する強い想いを感じました。

 

一般論ですが、確かに、この数年、社会福祉法人では、

・介護スタッフのセクハラ、パワハラ

・介護スタッフの利用者さまへの虐待

・補助金の不正請求

・経理職員の横領

・社会福祉法人の経営者による公金の指摘流用

など、コンプライアンスに関するニュース報道が相次いでいます。

 

確かに、こうした不祥事報道が頻発すれば、業界に対して、あまり良い印象を世間は持たないかもしれません。

 

しかし、日本の介護の状況は、いわゆる「2025年問題」が迫ってきています。

ご存知の方も多いと思いますが、あらためて、整理すると、

・日本の「高齢化率」が7%を超える「高齢化社会」となったのは1970

1970年からわずか四半世紀足らずで高齢化率14%を超える「高齢社会」に突入

2007年には高齢化率21%を超える「超高齢社会」へ

・「高齢化社会」から「超高齢社会」に至るまでの年数は、フランスで114年、ドイツで42

・日本における高齢化のスピードは、各国と比較して異常に速い

・団塊世代(約800万人)が、後期高齢者(75歳以上)に達するのが2025

・高齢化率は30%に到達し、人口の3人に1人が高齢者という時代が到来

・日本は、「高齢化率の上昇」と同時に「少子化」起きている

2025年問題で、最も深刻化しているのが社会保障費増大

・高齢者の医療や介護を支える社会保障費は、現役世代が稼ぐ必要がある

・・・

という現状です。

 

今後は、

・元気な年寄りには、ずっと働いてもらう

・元気な年寄りが、年寄を世話する

・生活困窮者に対する支援も欠かせなくなる

・介護者予防策を展開する必要がある

・介護現場の事故や業務の過負荷を防ぐため、介護ロボット、AIの活用が急務となる

・介護人材難が予想されるため、介護職場の環境を整えていく必要がある

・・・

といった方向性を日本は考えて行かないといけないのでしょう。

 

話題は少し変わって、「マネジメントシステム」の世界の話になりますが、

・介護現場におけるアクシデントはもちろん、インシデントをきちんと管理する

・介護職の離職率を低減し、仕事に対するモチベーションを育てる

・サービス利用希望者に対して、保険適用に関するアドバイスを充実する

・地域密着型介護支援サービスの拡充

・介護予防サービス、生活困窮者レスキューサービスの促進

・介護ロボット、AIの活用

といったことが、社会福祉法人における課題となってくるでしょう。

 

そう考えると、上記でいえば、

・新たな地域密着型介護支援サービスの企画・開発

・介護予防サービスの企画・開発

・生活困窮者レスキューサービスの企画・開発

・介護ロボット、AIの活用によるサービス提供の企画・開発

は、ISO規格でいう「(サービスの)設計・開発」に位置づけられるでしょう。

 

多くの社会福祉法人では、「設計・開発=ケアプラン作成」となっています。

しかし、例示したようなサービスの企画・開発は、規格でいう「設計・開発」になるので、

・企画・開発のインプット・アウトプットを明確にする

・適用法令・コンプライアンスを確認する

・企画にあたって専門家や関連部署の意見を聞く

・サービス提供前に妥当性を検証する

・企画・開発の成果物のサービス提供の合否基準(提供基準)を明確にする

・サービス提供者の力量を明確にする

・・・

といったことをより明確にチェックしておくことが大事でしょう。

 

それにしても、ISOマネジメントシステムは、産業界では知らない人はいませんが、一般社会、一般的な消費者に対しての認知は相変わらず低いです。

贔屓するわけではありませんが、医療施設や介護施設に訪問すると、ISO導入施設の管理レベルが総じて高いことがわかります。

 

利用者さまやご家族さまの「クチコミ」も大事ですが、ISO導入組織の世間に対する信頼性が、もっと向上するようにしていかなければダメだな、とつくづく思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ660号より)

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:56
comments(0), trackbacks(0), - -
ISO認定認証制度:登録範囲(製品)の表記の原則

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「登録範囲(製品)の表記の原則」について。

 

ISO認証している組織の「登録範囲の表記」については、何度か触れていますが、議論となる点は、大きく「組織名称」と「認証製品・サービス」の2つあります。

 

後者について思い出したことがあるので、少し触れておきます。

「製品・サービスの登録範囲の表記」について、マネジメントシステム規格毎(品質、環境、食品、航空宇宙、情報セキュリティ・・・)、また、産業分野毎に若干の違いはありますが、共通の基本ルールは存在します。

 

製品・サービスについて、一般的な登録表記に関する基本原則は、

1.産業分類が特定できる程度の明確さ

2.製品・サービスの明確さ

3.設計・製造、設計・施工、開発・製作といった主たるプロセスの表記

4.認証範囲に複数の製品・サービスがある組織は、その全てを表記

という点です。

 

産業分類には、大きくは、製造業とサービス業があります。

この基本的な表記は、

・製造業:○○の設計・製造

・サービス業:△△の企画及び提供

となります。

 

製造業の場合、「製品を作るだけで製品設計は実施せず、発注者から指示されたものを作るだけです」という組織の場合は、

・○○の製造

となります。

 

また、「製品の設計はするけど、製造は100%協力会社に委託生産しています」という場合は、

・○○の設計及び製造委託管理

となります。

 

このように「製品・サービス」について登録証に表記することで、市場は、「この会社は設計も製造もするんだ」とか「設計はするけど製造は自社工場がなく委託しているんだ」ということが明確に判断できるわけです。

 

少し話は変わりますが、以前、話題にした「鉱業、採石業」です。

この産業には「採掘」という言葉が出てきます。

辞書で「採掘」を調べると、

「地中に埋もれている鉱物などを掘り出すこと」

を意味します。

 

つまり、

「鉱物を掘り出して出荷する」

という業態の場合は、

「○○の採掘」

が製品・サービスになります。

例えば、「原油を掘って出荷する」会社であれば、

「原油の採掘」

となります。

 

しかし、原油はそのままでは、使用できません。

工業製品としての原油は、重油、軽油、ガソリン、ジェット燃料、灯油、潤滑油などの石油製品とする必要があります。

こうした石油製品とする会社は、「石油精製業」なので、製品は、

「重油、軽油、ガソリン、灯油の製造」

といったような標記になるでしょう。

 

ただ、石油の場合は、「原油を採掘する会社」、「原油を購入し精製して石油製品にする会社」が産業としてわかれていますが、「鉱業」の場合は、「掘って出荷する」という会社ももちろんありますが、多くは、用途に応じた加工(製造)をして出荷しています。

(注:設計の有無の議論は省きます)

その会社が、「採掘した石を運搬上と顧客要望上、多少砕いて出荷する」という場合は、

「○○の採掘」

という範疇だと思います・

しかし、掘り出した石を建設用、製鉄用、食品用といったように用途別に加工を施す場合は、

「○○の製造」

あるいは、

「○○の採掘、製造」

が妥当な表記でしょう。

 

登録範囲について、製品・サービスの表記については、その会社の「製品とは何か」、そして「主たるプロセスが何なのか」を十分に理解して決めることが重要です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ664号より)

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 12:03
comments(0), trackbacks(0), - -
ISO認証審査における複数サイト

JUGEMテーマ:ビジネス

 

 

ISO認証制度について、専門的な話になりますが、「複数サイト組織」について、考えてみたいと思います。

 

「複数サイト組織」と聞いて、イメージしやすいのは、

・本社が東京、工場が地方都市にある組織

・本社と全国各地に支店がある組織

のような場合です。

 

IAF MD1:2018(複数サイトの組織が運用するマネジメントシステムの審査及び認証のためのIAF基準文書)の「2.4複数サイト組織」では、

 

(以下、2.4より引用)

単一のマネジメントシステムに含まれる組織であって、あるプロセス/活動の計画、管理を行う特定された中央機能(当該組織の本部である必要はない)並びにそのようなプロセス/活動を全面的に又は部分的に行ういくつかのサイト(常設、一時的又は仮想的)からなる組織。

(引用、ここまで)

 

と規定されています。

 

つまり、冒頭で示した事例の複数サイト組織は、「常設サイトが複数ある組織」です。

しかし、MD1の2.4によれば、常設サイトだけでなく「一時的サイトや仮想サイト」も含んでいますので、

・常設サイトが1ヶ所であっても複数サイトと定義される可能性がある

・一時的サイトがある業種(例:建設業、警備業、ビルメンテナンスなど)は複数サイト

・ネット上のプロセス(ネット店舗など)がある仮想サイトがある組織は複数サイト

と考えることができるのでしょう。

 

このように考えると、殆どの組織が「複数サイト組織」ということになってしまいます。

「複数サイト組織」として組織が定義されると、

例えば、

・サンプリングの方法論(サンプリングできるか、サンプリングできるか)

・審査工数の方法論(1サイトあたりの審査工数の削減は50%を超えてはならない)

といったルールが持ち込まれます。

つまり、基本的には、「従来基準より審査工数が増える」ことになります。

 

例を挙げれば、日本の場合「営業所はあるが常駐者は1人」という組織が多数あります。

このような営業所(サイト)の審査は、今までなら「1時間程度確認する」という方法が成り立ちました。しかし、審査工数の削減は50%以内が適用されると最低半日は審査が必要になるでしょう。

また、一時的サイトや仮想サイトもサンプリングの適用と考えると、ともでもない工数増になります。

 

私見ですが、

・すべての建物及び敷地が隣接している

・すべての建物がキーとなるサイトからほぼ半径20マイル以内に位置する

場合は、「同一地域内の一つ又は複数の建物を運営する集合体として審査工数算出のための単一サイトとして考慮できる」といったような定義は可能ではないかと思います。

つまり「なんでもかんでも複数サイト扱いせずに単一サイト組織として扱える」と考えます。

 

小耳にはさんだ情報では、

・○○支社傘下の営業支店はすべて1サイト(単一サイト)扱いとする

・欧米から比較して国土の狭い日本では、すべてのサイトを1サイト扱いとする

という考え方の認証機関もある(未確認情報)ようです。

「日本国内すべてを単一サイト扱い」は極端すぎるとしても、「複数サイト」とするか「単一サイト」とするかは、定義や考え方がしっかりしていれば、ある程度「認証機関の裁量権で規定できる」のはありではないか、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ642号より)

 

【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと

(ブイツーソリューション刊)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 08:58
comments(0), trackbacks(0), - -