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ISO認証制度:マネジメントシステムのグローバル認証組織

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「マネジメントシステムのグローバル認証組織」について。

 

本コラムの「お題」とした「マネジメントシステムのグローバル認証」の話から少し脱線しますが、いわゆる「ISO認証機関(ISOマネジメントシステム認証機関)」の経営スタイルとして、認証機関毎、いろいろな経営戦略があります。

例えば、

・品質マネジメント、環境マネジメントに絞って認証サービスを提供する機関

・品質、環境、労働安全、情報、食品安全・・・とあらゆる認証サービスを提供する機関

・建設業及び関連産業など認証する産業を絞って認証サービスを提供する機関

・現地法人がある多国籍企業を中心に認証サービスを提供する機関

・中小組織を中心に認証サービスを提供する機関

・・・・・

といった感じです。

 

これを他の産業、例えば、病院に例えれば、

・小児科、内科など診療科目を絞った医療機関

・内科、外科はもちろん精神科、眼科、皮膚科、歯科等あらゆる診療科目のある医療機関

・こども、あるいは、高齢者の患者さま中心の医療機関

・へき地の医療機関

という感じです。

 

ISO認定認証制度の誕生から30年以上経過すると、広義では「マネジメントシステム規格に基づいて認証サービスを提供する」という目的は一緒でも、その認証機関の設立意義や使命などから経営スタイルがいろいろな方向に分化してくるのは当然でしょう。

 

※「認証機関は差別化、ブランド化すべき」という提言については、今から12年半ほど前にコラムにしているので、関心のある方は、ご覧ください。

《参考コラム》

・認証機関の差別化・ブランド化(前編)(2007.10.23

http://blog.logcom.jp/?day=20071023

・認証機関の差別化・ブランド化(後編)(2007.10.24

http://blog.logcom.jp/?day=20071024

 

どんな産業の組織でもそうですが、「こじんまりと堅実に組織を経営する」か「どんどん大きな組織にして経営する」という分かれ道があります。

認証機関のビジネスの場合は、「あらゆる認証サービスを提供する」という選択をした場合は、後者の道を歩むしかないでしょう。

つまり、単独、あるいは、提携するなどしてグローバル認証機関への道を選ぶしかないです。

国をまたぐ多国籍企業の審査ができるメリットは、1認証単位の売上が大きく、結果として業務効率がいいことが挙げられます。

認証ビジネスの場合、実質的な審査部分を除いた、例えば、申請受付や登録証発行、日常的な情報連絡については、10人の組織でも、1000人の組織でも「やることは一緒」です。

したがって、認証機関の規模を効率的に巨大化させるのであれば、グローバル企業を顧客(登録組織)とすることです。

 

このコラムの「お題」にようやく戻りますが、グローバル企業のISO認証は、グローバル企業グループのホールディング会社が親玉となって、全世界の事業所を含めたグループを「1組織」として認証を受けるケースが増えています。

 

つまり、元々は、法人単位で捉えれば、何十もの法人があり、その中の大きな法人であれば、事業所が100以上もある巨大な組織もあり、事業単位、あるいは、サイト単位で認証取得をしていた時代は、「認証組織数(登録件数)」は100以上あったとしてもグループとして認証組織単位が「1件」になるわけです。

 

こうしたグローバル企業の認証審査を受注した認証機関のメリットは、「売上向上、売上あたりの業務コスト削減」があります。

しかし、「認証業界全体」で捉えれば、「売り上げのパイは減少」(登録件数も当然激減)することになります。

 

さて、このグローバル認証企業ですが、認証システムとしては「あり得る」話ですが、「企業経営とマネジメントシステムの統合」という観点で捉えると、「微妙」です。

確かに、経営的には、ホールディングス組織を親玉として、各グループ企業とは資本関係が密接にあるのですが、資本関係以外にグループ全体をつなぐものは、せいぜい「経営理念」ぐらいで、「マネジメントシステムを1つにして効果的な業務運営が継続的に遂行できるか否か」という点では、「効果的な運営は期待できない」と思います。

 

グローバルグループ企業全体を取りまとめて、認証単位をひとつにしたことで、そのグループ企業全体の認証コストは相当できますが、審査はサンプリングとなり、各事業所に毎年訪問するわけではないので、「単なる寄せ集め認証」になっていることが多い気がします。

 

 

仕事仲間のある方が「単なる寄せ集め認証となってしまう原因は、親玉であるホールディングス(ISO事務局)に効果的なグローバルグループ認証のあり方を理解し、グループ全体を取りまとめる力量がある人材がいないことだ」とおっしゃっていました。

まさにその通りでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ687号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:39
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ISO認証制度:FSSC22000 Quality

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

今回のテーマは、「FSSC22000 Quality」について。

 

食品安全マネジメントシステム規格として著名な規格にFSSC22000があります。

https://www.fssc22000.com/?lang=en

 

FSSC22000は、「食品安全」を目的とした認証規格ですが、FSSC22000を取引の要件としている組織(例:コカ・コーラ)から、「食品安全」だけではなく「品質管理を認証範囲に含めて欲しい」という強い要望があるそうです。

そこで、FSSC22000のステークホルダー委員会(BoS)は2015224日に「FSSC22000 Quality 」というFSSC 22000認証スキームにISO 9001を追加し、「FSSC 22000ISO 9001を組み合わせた認証を提供すること」を決定しています。

 

これが「FSSC22000 Quality」が誕生した背景です。

確かに、認証取得を取引と要件とする組織にとっては「食品が安全なのは当たり前で、品質も当然継続的に向上させるシステムがある組織と取引を望む」のは当然でしょう。

 

ただ、少しマニアックな話になりますが、「FSSC22000 Quality」を取得しても、「FSSC22000」と「ISO9001」を取得した表明はできないと思います。

実際、いくつかの認証機関に雑談レベルでお聞きすると、「日本国内の認証機関は、FSSC22000 Qualityの認証サービスは実施しないだろう」とおっしゃっていました。

その一番の理由は、

FSSC22000 Qualityの認証プロセスを構築する手間がかかる」

ことです。

また、「FSSC22000 Quality」について、認定マークを使用する場合は、認定を取得する必要が出てきます。また、FSSC22000認定を持っている機関が、認定マーク無でFSSC22000 Qualityの認証サービスを開始(つまり認定マーク無の登録証を発行)すると、おそらく認定基準違反となるでしょう。

さらにいえば、「FSSC22000」と「ISO9001」をダブルで取得している組織が「FSSC22000 Quality」に流れると認証機関としての売上も減る、というジレンマも生じます。

 

その他に、FSSC22000Ver.5)は、ISO22000:2018の要求事項があるので、当然のごとく「経営システムとマネジメントシステムの統合」が基本概念です。

しかし、FSSC22000は原則、「事業所単位の認証」なので、マネジメントシステム規格全体が「経営システムとマネジメントシステムの統合」という方向性があるのに、逆行している気がします。

例えば、事業所や工場単位でマネジメントシステムを構築すると、どうしても組織として大きな決定(経営事業戦略、販売戦略、経営資源の投入計画等)は、事業所や工場以外の組織(例:本社機能や経営企画部門)が担っているので、事業所単位の認証だと「与えられた資源の中でやるしかないです」ということになって、どうも、その事業所に関係する顧客や利害関係者のニーズを満たす仕組みは構築できないんです。

なかなか悩ましい話です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ687号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:02
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ISO認証制度:認証審査における指摘の捉え方

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「認証審査における指摘の捉え方」について。

 

このテーマで、気になる点は、ずばり「受審組織における指摘の捉え方」です。

私が経験したことがある状況を思いつくまま挙げてみます。

・被監査部門が、指摘を受けると自らの部門に責任はないと抵抗する

・被監査部門が受けた指摘=部門のマネジメントシステムの出来栄え、と考えている

・被監査部門毎の指摘件数を比較し、指摘が多い部門長の評価に繋げている

・被監査部門が指摘を受けると「それは対応できない」と客観的事実の確認を嫌がる

・・・

 

これらの根本原因は「指摘を受けた部門が悪い」という誤った認識に基づいているから生じる状況です。

例えば、日常生活において、「児童が授業中に腹痛を起こした」というケースで考えます。

この状況だけでは、情報が少なすぎるので、原因はもちろん、腹痛に至った経緯もわかりません。

仮に、腹痛の原因が、「家庭食べた朝食」かもしれませんし、「腹痛を起こす前にあった体育の授業で腹部を強打した」ことかもしれません。

また、もともと体調不良であったが、児童がそれを保護者や先生に言わずに授業を受けていた、という経緯があったのかもしれませんし、教室の空調管理が原因で腹痛になったのかもしれません。

 

要は、このように、「腹痛が発生」した場所は、「授業中の教室」であったとしても、その原因により責任部門や対応部門は、様々なケースが考えられるので、「問題が検出された場所(部門)がその指摘の責任・原因部門では必ずしもない」のは当然です。

しかし、ISOマネジメントシステム認証を20年以上継続している組織でも、いまだに「指摘を受けた部門が責任を負わねばならない」と考えている人が、意外と多いです。

 

少し話題はそれますが、審査をする立場でいえば、

・更新審査等で審査期間が定期審査より長い

・その部門の審査に割り当てた時間が長い

・自組織の業務等を的確に説明できる部門

・マネジメントシステムに対する知識と認識が高い人が説明している

といった場合は、審査はサンプリング審査ですから、「確実に指摘件数は多くなる」と思います。

 

マネジメントシステムの審査は、「対話による相互理解」が基本なので、緊急的な機械トラブルや重篤なケガをした場合に、ある意味「問答無用で処置する」ような性質のものではありません。

したがって、本来それではいけないのかもしれませんが、審査工数は決められていますので、受審側のマネジメントシステムの理解度が低い場合は、認識レベルに合わせた指摘しか出さざるを得ないケースもあります。

(※こうした場合、それ以外の問題は申送り事項等で次回以降の審査に申し送ることが多い)

 

審査側のインタビューテクニックにもよりますが、組織側の理解度が低く、また、業務についての説明力も悪いと、「変だな」、「規格への適合性は大丈夫?」と感じても「時間切れで確認できなかった」ケースや「受審側が納得していないので指摘を諦めた」ケースもあります。

したがって、「指摘=その部門の良否」と、短絡的に成り立つことはないのです。

 

こうしたことを、受審組織のトップや事務局はもちろん、少なくとも各部門長には、しっかりと認識させておかないと、認証審査の審査結果が間違った形で解釈されるかもしれません。

また、審査中の聞き取りも「自部門で指摘を受けたら嫌だ」と変な説明を審査側に回答してしまうケースも生じ、認証審査が効果的なものとならないことにもなると思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ672号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 04:14
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ISO思考会得に役立つ“規格への位置づけゲーム”

JUGEMテーマ:ビジネス

 

ISOマネジメントシステムの審査やコンサルティングに従事している仕事仲間が集まって雑談していると「日常の出来事をISO規格にあてはめる」ことをよくします。

 

例えば、仕事仲間45人で、定食屋でランチを食べているとします。

その定食屋さんは、年配の大将と女将さんで切り盛りしているお店。

女将は、注文を取る時、メモも持たず、席に付いた客に向かって「注文は?」と聞きます。

客が、次々に、俺は「サバの味噌煮」、私は「さんまの焼き魚」・・・「アジフライ」、「ミックスフライ」、「ぶり大根」・・・と矢継ぎ早にオーダーします。

 

うちらの仲間内では、「メモも持たずに注文を取っていたけど、間違えないで持ってくるかな?」という話になります。

結果的には、「ミックスフライではなくアジフライが運ばれてくる」といった間違いがあるのですが。。。。。(笑)

そんな時に、仲間内では、「ファーストフードに行くと客が注文を店員に伝えた後、“ご注文を繰り返します”っていうけど、あれは、“顧客要求事項の確認”だよね」とISO規格にあてはめた話題になるのです。

 

こうした「ISO規格で例えると・・・」という行為を私は「規格への位置づけゲーム」と呼んでいます。

つまり、日常の出来事を常に「この人の役割とアウトプットは何?」、「このお店のサービスとは?」といったことに思考を巡らせて「規格で捉えるとどこに位置づけることが妥当なのか」を常に考えている。

こうすることで、この仕事には「何が足りていて、何が不足しているのか」を自分なりに考えることができる。

これは私の頭の中では日々実践しているトレーニングである。

 

例えば「割引チケット」をもらったのでそれを使って買い物をしようとしたときに店員さんに「これ使えませんよ」と言われたとする。

実際はその割引チケットは系列店が発行したものなのであるが、他の系列店でも使用できる割引チケットであった。

この時に、

「割引チケットの知識は店員に教育されていたのだろうか?」

と誰しもが思うだろう。

ISO規格で位置づけると「力量」や「認識」に相当する。

この要求では「従業員に対する必要な力量を定めて、不足しているならば教育またはその他の処置をとる」ことが規定されている。

すると、

1)割引チケットの知識は店員に必要な知識とされていたのか

2)必要な知識とされているならば教育されていたのか

3)教育されていたのに知らなかったのであれば、その教育は有効性がある方法だったのだろうか

などが疑問として残る。

 

その他にも、

a)街で宣伝広告を配っていれば

⇒規格では「顧客コミュニケーション」

b)試供品のアンケートをしていれば

 ⇒規格では「設計開発の妥当性確認」

c)約束の期日に商品が届かなかったならば

⇒規格では「製造およびサービス提供の管理」

d)不良品が以前にもあって連絡したのに、また発生したならば

⇒規格では「是正処置」

e)経営者がコンプライアンス違反をしたニュースを見たら

⇒規格では「経営者のコミットメント」、「順守評価」

 

こんな感じで、社内外で接した仕事を規格の要求に当てはめるのであるゲームを頭の中でいつも実施している。

ビジネススキルの高い人は、こういった「ゲーム」をしなくても当然正確な仕事には何が必要で何が欠落しているのか身についている意識である。

しかし、凡人にとって今までの経験や勘という経験則だけで、仕事に必要な基本姿勢を見落とし無く実践していくことは難しい。

そういった点でISO規格は仕事に必要な基本的なことが規定され日常の行動規範を示唆してくれている。

「規格への位置づけゲーム」は有効で効果的な「ISO思考会得」の方法なのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ684号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:36
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専門的力量が承認されていない審査員による審査

JUGEMテーマ:ビジネス

 

認証機関は、ISOマネジメントシステム審査について、審査する組織の産業分野によって審査に必要な力量を決めなくてはなりません。

 

認証機関に対する要求事項であるISO17021-1:2015では、この力量に関する要求事項の規定が何カ所かありますが、例えば、「9.2.2.1.5」では、

 

(以下、9.2.2.1.5より引用)

審査チームリーダーは、審査チームと協議して、特定のプロセス、機能、事業所、分野又は活

動を審査する責任をそれぞれのチームメンバーに割り当てなければならない。

このような割当てには、審査員、訓練中の審査員及び技術専門家の異なる役割及び責任とともに、必要な力量及び審査チームの効果的かつ効率的な利用を考慮しなければならない。

審査目的を確実に達成するために、審査の進捗状況に応じて、作業割当ての変更を行ってもよい。

(引用ここまで)

 

と規定されています。

また、IAF MD1:2018(複数サイトの組織が運用するマネジメントシステムの審査及び認証のためのIAF基準文書)の「7.2.3」では、

 

(以下、7.2.3より引用)

いずれの時点においても、複数のメンバーからなる複数の審査チームを使用する場合、審査の各部分及び各サイトに要求される専門的力量を特定し、かつ、審査の各部分に対して適切なチームメンバーを割り当てることは、チームリーダーと共に認証機関の責任でなければならない。

(引用ここまで)

 

と規定されています。

 

つまり、ざっくりまとめれば、

・チームリーダーは審査チームで協議して審査担当部門やプロセスを割当なさい

・審査を担当する部門やプロセスの審査に必要な力量を明確にしなさい

・必要な力量に基づいて審査の割り当てをしなさい

ということになります。

 

例えば、「建設会社」に2人の審査員で審査を担当する場合、「2人とも建設業を審査する力量」(専門的力量)があれば、審査割り当てについて、原則、何も心配することはありません。

問題になるのは、1人は建設業の専門的力量があり、もう1人は建設業の専門的力量が承認されていないケースです。

 

建設業といっても、総務部門や人事部門といった間接部門は、一般的には、建設業の専門的力量が承認されていない審査員でも審査を担当することについて適切ではないとは言えないでしょう。

組織特性もあるので一概には言えませんが、建設業の場合であれば、

・設計部門

・施工管理部門

・協力会社選定、発注、教育部門

・建設資材などの購買管理部門

・施工現場

は、建設業の専門的力量がないと審査を割り当てることは適切でない、と考えるのが妥当でしょう。

 

ただ、組織特性により、組織毎に検討しなければなりませんが、建設資材の購買部門や協力会社の選定部門は、建設業の専門的力量が承認されていない審査員であっても、例えば、

・建設業の専門的力量が承認された審査員が教育し教育の有効性を承認する

・建設業の特性と当該審査組織の特徴を事前に教育し教育の有効性を審査部長が承認する

といった方法で審査を割り当てることは、可能でしょう。

 

専門的力量が承認されていない審査員を審査に割り当てるポイントは、

・専門的力量が承認されていなくても割り当てられる部門やプロセスを明確にする

・専門的力量が必要な部門やプロセスであっても、部分的に担当できる手順・基準を明確にする

というになります。

 

私見ですが、実際の審査場面においては、全くその組織の業務の流れや専門用語が理解できないということでなければ、専門的力量より、傾聴力や質問力などコミュニケーション能力の方が「有効な審査ができる」ように感じます。

しかし、社会に認められる組織の能力証明としての役割が「ISO認証」であるとするならば、専門的力量について承認された審査員を割り当てて審査が成立しているということを認証機関は実証することが認証の信頼性確保に必要なこととなります。したがって認証機関への要求基準としては当然(仕方ない)なのかもしれません。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ642号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:17
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ISO認証制度:機関の認定分野と審査員の専門性

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「機関の認定分野と審査員の専門性」について。

 

ISOマネジメントシステムの審査を適切に実施するためには、マネジメントシステム規格の知識はもちろん、経営管理、品質保証、品質管理、環境や労働安全等に関する法規制等の知識を有していることが重要なことは、マネジメントシステム審査員として当然です。

その他に、審査する組織の業界の業務プロセスや業務特性、近年の業界トレンドといった知識を有していることも必要です。

 

ISOマネジメントシステムの世界では、このように「審査に必要な力量」を認証機関が明確にし、明確にした力量基準を満たした審査員を受審組織に配置して、審査活動を計画・実施しています。

では、各認証機関は、その受審組織の審査に必要な力量をどのようにして明確にしているか、といえば、一般的には「経済活動分野」毎に審査に必要な力量を明確にしています。

経済活動分野は、大雑把に39分類に分かれています。

注記:以前(201773日)のコラムで触れているので、参照ください。

http://blog.logcom.jp/?day=20170703

 

例えば、「照明器具製造業」であれば、39分類の中に「19 電気的及び光学的装置」という分類がありますので、「分野19の経済活動をしている組織審査に必要な力量」を認証機関が明確にして、力量基準を満たした審査チームを編成して審査活動を実施しています。

 

「照明器具」の話題を更に進めますが、「室内用照明器具」以外に「自動車用ヘッドライト、テールランプの製造」をしている組織があるとします。

「自動車用ヘッドライト、テールランプ製造」であれば、「22 その他輸送装置」の小細分類に「自動車用電気装置の製造業」がありますので、「分野22」の力量がある審査チームを編成する必要があります。

 

この場合、認証機関が、「室内用照明器具製造と自動車用照明器具製造の組織審査に必要な力量は、業務プロセスや産業特性は類似しており同一である」と判断して、審査員に「分野1922」(注:詳細分類は説明上省略します)の力量を付与していれば、組織審査の審査チーム編成としては問題ありません。

 

問題は、認定機関が認証機関に付与する「産業分野」は経済活動分野であることです。

つまり、審査チームとしての力量は、現実的には担保されていても、組織審査を担当する認証機関が当該組織に該当する産業分野の認定を保有していないと認証審査ができないことになります。

 

例えば、ある認証機関が認定機関から「分野19」(電気的及び光学的装置)は認定されているが「分野22」(その他輸送装置)は認定されていないケースで、「自動車用照明器具の製造」(分野22)という組織を審査する場合、「分野22」を保有していないと、審査チーム自体の力量が担保されていたとしても、認定マーク付きの登録証は発行できません。

 

では、認証機関が「自動車用照明器具の製造」という組織について「分野19である」として審査していた場合は、どうなるのでしょうか。

現状では、認定機関は、「分野22の認定について分野拡大申請をしてください」という判断になり、事務所審査や組織立会でそのようなケースが検出されれば「指摘」となると思われます。

 

あくまでも個人的見解になりますが、核燃料(分野11)や医療(分野38)といった専門性が非常に高い一部の産業分野を除けば、本来は、認証機関が「認証機関の力量基準を満たした審査チームを編成し、当該組織審査を遂行する能力がある」と判断して審査を実施していればよいと思います。

ただ、そのようにすると、認定機関としては、認証審査のほぼ全てが、認証機関の「自己判断」に完全にゆだねてしまうことになり、認証審査の適合性保証のチェック(監視)は、「認証審査のタイミングにおけるサンプリング調査のみ」となって、認定機関としてはリスクが高いです。

そのため「認定分野」を明確にして、「認定分野以外の産業分野の組織審査をする場合は、認定分野を拡大してください」という判断をしているわけです。

 

近年はIAF(国際認定機関フォーラム)でも認定プログラムによっては、認定分野のボーダレス化が始まっており、ある程度、機関に判断をゆだねてもいいのではないかと思います。

あるいは、「認定分野の拡大」について、現在は、分野拡大にはかなりの認定審査工数が生じますが、柔軟に拡大できる認定の仕組みにすることも必要なのではないか、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ674号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:00
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経営管理における“外部の課題”

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教育機関のLMJのメルマガで、LMJ ISOフォーラム主幹の大藤好樹氏が、

ISO90014.1で言うところの“外部の課題”は「問題点」ではない」旨の主張をしていました。

結論から言えば、同感です。

 

このことは、ISOマネジメントシステムの関係者だけでなく、企業経営者、管理者を含めて、「経営管理」について関心がある人なら、「問題点を見つけて解決に向けての手段を計画し、実行していくこと」は「あるべき行動」ではあるが、財政的事情、技術的事情、利害関係者との調整などさまざまな状況を勘案して優先順位をつけて「組織がやるべきこと」を決めるのが経営なので、「解決していない」あるいは「解決に向けての行動が必須」ということではないのが現実でしょうし、もちろん、ISO規格でも要求はしていません。

 

「外部の課題の明確化」については、もちろん、全てを解決できれば、素晴らしく、望ましいことではありますが、組織が捉えるべきことは「外部の状況の変化をしっかり組織で情報をキャッチして把握し、世の中の変化に対応したマネジメントをしなさい」ということでしょう。

 

話は脱線しますが、この「世の中の変化」ですが、常に意識していないと、意外と難しく、変化から取り残されて行きます。

フリーランスになると、ものごとが「客観的に捉えることができる」というメリットはもちろんあります。

しかし、組織にいると、業界ニュース、業界団体の会合、専門誌、関係者との意見交換、最新の関係顧客のニーズ、新たに開発された技術情報・・・といった情報の入手が非常に貧弱になります。

ある技術士(機械)の方と雑談していた時に「独立後、3年ぐらいは技術士としてニーズがあったが、それ以降は、新しい技術革新についていけなくなった」(→その後、マネジメントシステムの世界へ)とおっしゃっていました。

 

私自身も、サラリーマンの頃は、業界の会合、関連学会開催の講演会等に積極的に出席して、発言もしていました。

しかし、フリーになると、「目先の仕事をこなすこと=売り上げに直結」なので、せっせと「稼げるときに稼ごう」精神で(笑)スケジュール帳が真っ黒になるぐらい仕事を埋めていた時期がありました。

しかし、あるとき、業界関係者と話していると「ヤバい、最新情報をフォローしていない」自分に気づくことがしばしばでできました。

変な話ですが、人様の組織に訪問して「業務方針は?」、「事業計画は?」、「年度目標は?」、「教育計画は?」・・・「これらの予算計画は?」・・・といったことを問いかけしているのに、自分自身は「目先を追っかけているばっかりじゃん」とある時、猛省し、定期的に所属学会や外部講習会に参加するようにしました。

 

話題を少し「世の中の変化」の話に戻しますが、冒頭に紹介した大藤好樹氏のコラムによれば、「世の中の変化として、昔に比べて差別用語に厳しい目が向けられるようになった」と述べられています。

事例を挙げれば、

・めくら判→チェックせずに判を押すこと:適当な言い換えことばがない

・はだ色→「薄だいだい色」に言い換え

といった用語は、以前は「普通の日常会話」でしたが、いまでは、多様性の観点から使用がされないようになっています。

 

私個人の経験では、今話題の「日本郵政」です。

私が仕事で最初に関わったのは、1999年頃ですが、日本郵政の仕事をする際に「注意事項」について教育を受けました。

印象に残っている禁止用語に「片手落ち」があります。

今の人なら「そんな言葉を使ったらいけないのは当たり前じゃん」だと思いますが、20年前だと「ついつい、会話の中で使っちゃいそう」と言葉遣いに慎重になったものです。

 

古い話で恐縮ですが、30年ほど前に童話の「ちびくろサンボ」を販売していたの出版社が、自主的に販売を止めたことがニュースになりましたが、「ちび」も「くろ」も今では、テレビ出演者が生放送で思わず口にすると、「不適切な表現がありました。お詫びします」の時代です。

時代の変化に迎合はしたくないですが、ついて行けるように、アンテナを張り続ける努力とそうした行動をするモチベーションが落ちないようにしないとまずいな、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ678号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:24
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ISO認証制度:有効要員数

JUGEMテーマ:ビジネス

 

組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「有効要員数)」について。

IAF MD52019(品質、環境及び労働安全衛生マネジメントシステム審査工数決定のためのIAF基準文書)によれば、

 

(以下、MD5より引用)

1.9有効要員数」

有効要員数は、各シフトの要員を含む、認証範囲内に関係するすべての要員(常勤、臨時及び非常勤)からなる。認証範囲内に含まれる場合、これには非常傭の者(例:請負者)も含まなければならない。

OH&SMSについて、有効要員数には、組織の管理下又は影響下にあり、組織のOH&SMSパフォーマンスに影響を与え得る、労働又は労働に関わる活動を行う請負者及び下請負者の要員も含まなければならない。

(以下、省略)

 

2.3有効要員数の計算」

(省略)

2.3.2 有効要員数決定を正当化する理由は、依頼組織及び認定機関が利用できるようにし、認定審査の中で、又は認定機関からの依頼に応じて、認定機関がレビューできるようにしなければならない。

(以下、省略。引用ここまで)

 

と規定されています。

言わずもがなですが、「有効要員数」が認証審査において重要な理由は、

「有効要員数は、マネジメントシステム審査工数計算の基礎として使用される」

からです。

要は、端的に言えば、「審査工数=審査時間=審査料金」に関係するわけです。

 

ご存知のように、マネジメントシステム認証の審査は、「適切なサンプリング」によって、マネジメントシステムの適合性、有効性を認証機関が評価し、世間に公表する制度です。

したがって、審査時間が長くなれば、一般論として、サンプリングするプロセスは増えますし、確認する運用記録のサンプル数は増えますので、指摘(問題点や改善の機会、良い点)は、当然増えます。

また、機関によって大きく有効要員数のカウントの仕方が変われば、審査料金に影響しますので、不適切な値下げ合戦に繋がってしまうわけです。

 

そのようなわけで、有効要員数の考え方は重要なのです。

さて、前記したように、IAF MD52019では、整理すると、

・有効要員数は、各シフトの要員を含む

・有効要員数は、認証範囲内に関係するすべての要員(常勤、臨時及び非常勤)からなる

・有効要員数は、認証範囲内に含まれる場合、非常傭の者(例:請負者)も含める

・有効要員数決定を正当化する理由は、依頼組織及び認定機関が利用できるようにする

・有効要員数の決定は、認定機関がレビューできるようにしなければならない

といったことが規定されています。

 

有効要員数のカウントに関する勤務時間や勤務日数、業務内容などによる考慮事項の詳細のルールは、割愛しますが、大雑把に言えば、

・交代勤務であれば、有効要員数は、その合算とする

・正社員以外のアルバイトや派遣社員も有効要員数としてカウントする

・請負者(例:構内で働くフォークリフト、清掃業者、梱包業者といった外注)もカウントする

ということになります。

 

ただ、このルールは、IAF MD5の適用範囲が、品質、環境、労働安全に関するマネジメントシステムなので、航空宇宙、情報セキュリティ、食品安全などについては、適用になっていません。

 

ISO17021-1:2015(マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項−第1 部:要求事項)では、「審査プログラム」の項で「シフト勤務の考慮」と「審査工数の決定」の項で「マネジメントシステムの適用範囲に含まれる活動の外部委託の考慮」についての規定がありますが、「どのように考慮するのか」については、「機関の考え方による」ということになります。

 

私見ですが、例えば、一般的な食品工場において、

・原材料の受入検査を実施し、原料倉庫や製品倉庫、各工程に運搬する外注作業員

・工場に常駐勤務している清掃作業員

・出荷現場における梱包作業の外注作業員

などは、有効要員数にカウントすべきではないかな、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ680号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 07:06
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マネジメントシステム規格の解説(後編)

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(前編からの続き)

認証審査の場合は、組織側に「もしかしたらこの審査員の助言に従わないと審査を通してもらえないかもしれない」という心理的恐怖感と「指示されたことに従ってうまくいかなかったら審査員のせいにすればよい」という依存心が、業務の特性上、生じます。

一般的には、複数例を挙げただけに過ぎなくても、それを受け取る組織がこのような状況下にあるということを理解して話を進めなければ、あとあと「こうしろと言われた」と受け止められてしまうかもしれません。

 

話を認証審査における「システム規格の解説」に話を戻しますが、ひとつのポイントとして、

「組織に運用事例がないところは、規格の解説がより必要な可能性がある」

と考えることがよいでしょう。

 

なぜならば、「運用事例がない」というケースは、大きく分けて

・本当にそのようなケースが稀である

・規格の解釈が不十分なために自社の業務に置き換えて活用しきれていない

という2パターンがあるでしょう。

 

ISOマネジメントシステム規格を経営に生かす」というのは、「規格要求事項を組織運営の規範のひとつとして自社の仕組みを振り返り、不足・不備や改善点を見出して、よりよい組織運営システムを継続的に構築し続ける」ということに違いありません。

そのように考えると「運用事例がない」というのは、「規格要求事項を表層的に捉えて、自社の既存の管理システムと照らし合わせることができていない」可能性があるわけです。

 

例えば、環境マネジメントシステム規格(ISO14001)で「コミュニケーション」という要求事項があります。

「外部コミュニケーション」といえば、利害関係者からの要望や苦情、問い合わせが考えられますが、組織の多くは「顧客や近隣住民、行政機関など」を頭の中に思い浮かべるにとどまっているケースが殆どです。

そこで、審査員が規格をきちんと解説すれば、協力会社など取引先や設備や施設のメンテナンス会社も「外部コミュニケーション」としてイメージが湧くわけです。

すると、「〇〇設備の報告書は、法定点検だから現状は単にファイルに綴っているだけだったけど、業者からの点検報告書の結果やコメントを整理して、設備トラブルの傾向や設備投資の予算計画のインプット情報にしてみよう」と発想が広がるわけです。

 

マネジメントシステム規格を正しく理解することで、組織の仕組みがよくなる可能性はたくさんあるので、「規格解説が不十分だな」と感じる方は、認証審査の場面を通じて、時間の許す限りドンドン逆質問することも必要でしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ656号より)

 

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 06:29
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マネジメントシステム規格の解説(前編)

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組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「マネジメントシステム規格の解説」について。

 

常識的な話ですが、ISO認証審査においては、審査の公平性確保の観点から「コンサルティング」は禁止されています。

ここでいうコンサルティングとは、具体的な方法論を示すし、誘導する行為です。

具体的な発言で捉えると、

「〇〇手法で管理しないと審査には適合しません」

「貴社のケースだと××のようにやるのがベストです」

といったものです。

 

ただ、「具体的」と言っても、

「一般的に公知されている方法論を複数例示として挙げる」

ことは、コンサルティング行為とはされていません。

つまり、いくつかの選択肢を例示し、組織が「こんな感じで取り組めばいいんだ、何が自社に合っているかは、後々検討してみよう」という状況作りや「なるほど、こういうことか」と気づきを得るような審査中のやり取りは、基本的には問題ありません。

 

また、「マネジメントシステム規格の要求事項を解説」することも、全く問題がありません。

むしろ近年では、「規格の説明をしない審査員」は、顧客アンケートでの評価が著しく低いことになります。

 

話はそれますが、仕事でも、スポーツでも、日常生活でも、人は「どうやったらいいんだろう」と悩む場合、「自己解決」を図る場合を除いて、詳しい人や経験者にアドバイスを求めます。

その際に、自分自身を理解している人は「この方法は私に合っている」、「この方法は一般的には効果があるようだけど、私には向いていない」と取捨選択する能力があります。

もちろん、「信じる者は救われる」状態で「信頼できる指導者に、盲目的にアドバイスに従う」という人もいるでしょうけれど、その方法がピタッとはまらない限りうまくいかないでしょう。

(後編に続く)

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ656号より)

 

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author:有賀正彦, category:ISOマネジメントシステム全般, 05:27
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